ブレグジットでキナ臭くなるアイルランド

とうとう、夏になってしまいました。
最近は夏も冬も苦手です。何とかならんものか・・・
日本には憲法に「戦争を放棄する」と書いてあるから
この70数年の間に日本は戦争に巻き込まれなかった、
なーんて本気で考えている人がたくさんいます。

もしそうなら、次の憲法改正ではぜひ次のような
項目を入れて欲しいですね。
「日本の温度は摂氏18度から25度までとする」
あと「雨量は1時間の最大値を20ミリまでとする」。
そうしたら私、かなり嬉しいんですけど(笑)。
まあ、それはいいとして。

吉本興業の騒動が、なんか茶番茶番してきましたね。
アホらしくて追いかける気もなくなりました。
「もう勝手にやってろや」の世界です。
世間の目もなんかそんな感じになっているように思えます。

さて、今日のお話。テーマはブレグジット。
ジョンソンというトランプっぽい雰囲気の
オッサンがイギリスの首相になりました。
バリバリの離脱派だそうですね。
これでほぼ10月末の離脱は決まり、ですか。

まあ、イギリスやEUの経済が混乱するのは自明。
私が懸念するのは北アイルランドです。
アイルランド島は北側がイギリス領で、
それ以外はアイルランド領。陸の国境があります。

アイルランドはEUの加盟国です。
ですから国境は今まで開放されていました。
つまり出入りは自由。関税もなし。
ところが、イギリスがEUでなくなると、
ここは従来型の「国境」になります。

イギリスとEUが離脱交渉でもめていたのは、
このアイルランド島の陸の国境をどう管理するか、
ということがメインの問題だったそうです。
まあ、関税をかけるしかないでしょ。

経済面はさておき、問題は政治ですよ。
アイルランド人はこの国境を自由に行き来できることで
「北アイルランド」はイギリス領であることを
意識的に忘れることが出来ていました。

しかし、従来型の国境に戻るとそれを思い出します。
「イギリス人よ、アイルランドから出て行けや」
そういう感情が蘇ってくるのです。
もしかしたらかつてのIRAみたいなのが
復活してテロ闘争を再開したりする?

もしそんなことにでもなったら、イギリスは
ヨーロッパの中でも飛び切り物騒な国になります。
かの国にはムスリムもいっぱいいますからね。
ロンドンなんて、イギリス人を見かけない街に
なってしまったと言います。私、行ってませんが。

多くの日本人は、アイルランドのことをよく知りません。
「イギリスの北の方にある島」くらいなのが、
一般的なアイルランド理解ではないでしょうか。
小さい国ですよ。人口なんて460万人程度。

でも、アメリカには3600万人のアイルランド系が
いるそうですね。有名どころではケネディ家がそう。
宗教はカソリックです。そこのところも、
イギリスと仲が悪い大きな原因になっています。

日本人にはほぼ理解できないのがキリスト教の
カソリックとプロテスタントとの違い。
いつものように超カンタンに言いましょう。
神様と「キリスト教徒として正しく生きます」
という契約(約束)を直接取り決めるか、
教会を通して結ぶかの違いですね。

カソリックは後者。神の代理人である
ローマ教皇が率いるカソリック教会が、
いわば神様のエージェント。
これに対してプロテスタントでは、教会は
信者と神を結ぶ手助けをしているだけ。
だから聖職者を「牧師」と呼びます。
カソリックは「神父」ですね。

キリスト教徒として何か悪いことをしたとします。
カソリックなら教会の懺悔室に入って、
神父さんに懺悔します。すると「許します」と
言われて許してもらえます。ええでしょ。

でもプロテスタントは違います。
神様が許してくれるかどうかは、死んでから分かります。
天国へ行けるか、地獄に落とされるのか。
償いは一生かけて行うものです。

実はこの二つ、ちがう宗教みたいなもんですよ。
日本では上智大学がカソリック。
その他はだいたいプロテスタント。
立教、青学、明学、同志社、関学・・・
そういっても、違いはようわからんでしょうが。

まあ、そういうのはいいのですが、
北アイルランドには新教(プロテスタント)の
イギリス人がたくさん住んでいます。
そしてイギリス国籍でありながらカソリックの
アイルランド人も一定数住んでいます。
この両者は、かつて殺し合っていました。

アイルランド人というのは、英語を使います。
しかし、イギリス人の主流であるアングロ族や
サクソン族とは民族的に異なります。
ではなぜ英語を使っているのか?

アイルランド人もかつてはオリジナルの
ゲール語という言葉を使っていました。
しかし、長らく征服者の言語である英語を
使っているうちに、ゲール語が使えなくなりました。

日本もあと100年くらい台湾や朝鮮を支配していたら
彼らは自民族の言葉を忘れて日本語を使ったでしょうね。
逆に、17世紀に支那大陸の中原を支配した満州族は、
数百年を経て自民族語を忘れて北京語しか
使えなくなってしまいました。まあ、数の差ですか。
これも、どうでもええ話ですが。

アイルランド人というのは、古くからヨーロッパに
住んでいた人々。それが、ローマ人や
ゲルマン人やノルマン人等に押しやられて
どんどんと北へ追い詰められてアイルランドに
最後まで残った、と言われています。

例えば、カエサルの「ガリア戦記」は約2千年前の話。
そのガリアとは今のフランスですが、住んでいたのは
今のアイルランド人と同族のケルト人。
イギリスの本島であるブリテン島では、
今でも北側にはスコットランド人、西側には
ウエールズ人が住んでいますが、彼らも
ケルト人の末裔です。アイルランド人の親戚筋。
ウエールズ人からはビートルズが出ています。

スコットランドには度々独立の機運がありますね。
何年か前も国民投票をしてましたがな。
否決されましたが。今回のイギリスの
EU離脱でまたまた独立話が出ているとか。
今度こそ独立するかもしれませんぜ。
まあ、それはひとまずええとして。

アイルランド人というのはイギリス人を嫌います。
韓国人が基本、反日なのと似ているところもあります。
また、緻密で計画的で冷静なイギリス人に比べると
アイルランド人が感情的でどこか間抜けなのも、
日韓の関係と似ていなくもありませんね。

ただ、アイルランドは痩せた巌ばかりの土地。
だって今でこそ460万人いますが、昔は200万人も
養えたかどうか。主な農作物はジャガイモですよ。
それが気候不順で不作になると、餓死者が出るような土地。
それで食い詰めた百姓たちがアメリカへ移住しました。
彼らにはジャガイモが不作時のジョークがあります。
「ここは食えねえから、アメリカへ行って大統領でもやるか」

アイルランドは詩の国です。文学の国です。数学が得意。
そのあたりは韓国とは大きく違いますね。
第二次世界大戦の時、アイルランドは中立を守りました。
イギリスに対しては非常に冷ややかな中立。
ドイツに対しては、普通の第三国としての中立。

そのアイルランドとイギリスがここ20年ほど
大きな喧嘩もせずにやってこられたのは、
2国ともEUの加盟国だったから。
それがどうやら終わりそうな気配ですね。
アイルランド島はにわかにキナ臭くなってきました。

ちなみに、日本はアイルランドと仲良しです。
企業もたくさん進出しています。
日本経済にも多少は影響が出るでしょうね。

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(東京都中央区日本橋横山町4−11 「馬喰横山」駅より徒歩1分)

当日土曜日の13時から17時まで、
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ただし、順番におうかがいしますので、
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多少の待ち時間が発生しました。
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2019/7/29 18:38 Comments (0)

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