世の中のだいたいの問題には答えがありません。
バッチリの答えがあるのは受験問題とその類。
ああいうのは、世の中を構成する内の
ほんの1%にも見たいない部分についての
単純な知識や解法を求めるものです。
ただ、多くの人はそのことに気付きません。
例えば、「景気の悪化を防ぐ方法は?」という問題に
対しては、ノーベル経済学賞を受賞する学者でも
バッチリの答えを出すことができません。
「宇宙人は存在するのか」という問題にも
今の科学では仮説しか立てることしかできません。
身近な話では「コロナウイルスとは何か」という
ことを世界中の医学や生化学の権威が考えても
満足な答えを出してはいませんね。
私たちが住む世の中とはそういうもの。
人間はまだまだ世の中の5%も分かっていません。
しかし、多くの人はたいていの問題に正しい答えが
あると勘違いしています。これは不思議ですね。
私の専門領域なら「どのマンションを買えばいいのか」。
そんなもの、バッチリの答えがあるわけもなし。
そもそも、何のためにマンションを買うのか、
という各個人のニーズによって答えは異なります。
それなのに、多くの人は共通する答えがあると
思いこんでいるフシがあります。これも不思議。
私は大学の学部というところは、学問の入り口だと
考えています。つまり「学問とは何か」を学ぶところ。
それを学んだ後に、その学問に入門するのが大学院。
さらに研究者になってその学問に深く入ります。
「博士」などという称号は、その学問に深入りする
資格みたいなものではないでしょうか。
だから、それを取ったからと言って、けっして
その学問についての権威を得たわけではないはず。
私は博士どころか修士すら持っていません。
しかしながら早稲田大学のとある部門で、
半年に1回ほど3講分の講義を1日で行う機会を
いただいています。受講生は20-30人ほど。
ある時「マンション価格は今後どうなる」的な内容の
ことをのべ4時間にわたってお話しました。
最後の30分で質疑応答します。その時に出た
質問のひとつが「今後マンション価格はどうなりますか?」。
多くの人は、受験問題の「正解」みたいな答えを
求めていることがよーく分かりました。
日本人の多くが受験で苦しんだ経験を持っています。
そのせいでしょうね。自分が悩む問題には
どこかに「正解」があると思いこんでいるのです。
もし、それがあるとすれば東大を首席で卒業するような
秀才は必ず大成功して大金持ちか偉い人になるはず。
しかし、世の中は必ずしもそうではありません。
そんなことは誰でも分かっています。なのに、
多くの人は自分の抱える問題に受験問題の「正解」的な
答えがどこかにあると勘違いしているのです。
先日、このブログでこれからのマンションを作るとすれば
「ワンオーナーの賃貸か定期借地にすべき」と書いたら
私が「定期借地に資産価値がある」と是認したかのように
解釈されたコメントをいただきました。
思わず、目を白黒してしまいした。
日本の区分所有制度というのはマンションの出口戦略が
破綻しているので、現状のままでは立ち行かなるのは自明。
今の制度下なら賃貸か、いずれ取り壊すことが
確実に行える定期借地にするしかなかろう、
というのが私が申し上げたかったことですが、
どーも言葉足らずのようでした。
定期借地権というのは、その時期が来れば更地にして
元の地主に返すシステム。資産価値は年々目減りして
最後にはゼロになります。しかし、出口戦略は確定。
社会制度としてはありです。ただ資産価値を求めての
マンション購入にはお勧めできないシステムです。
そのことをもっと詳し目に書けばよかったのでしょう。
もう60年近く生きているのに、時々赤面するほど
自分が「モノを知らない」と思うことがあります。
あるいは「こんなことも気づかなかったのか」と
たじろぐことが、年に何回もあったりします。
私は賢者でも秀才でもありません。凡人の範囲内。
ただ、蒙昧の域からは脱したいと日々足掻いています。
そうこうしているうちに、今年も終わります。
まさに「馬齢」を重ねていますね。
多分、このままあと15年ほど生きて、終わります。
本日の動画 ↓
当日は会場に消毒液や空気清浄機を用意し、
私もマスクを着けて対応させていただきます。
この相談会を開催して約6年。
すでに十数物件、総額10億円近い相談物件を
ご希望価格に近い成約で売却できました。
不動産の売却に関して、価格や時期でお悩みの方のご相談を
わたくしが無料で受けさせていただきます。
そして、最善の売却プランをご提案します。
売らなくてもいい物件の売却はお勧めしません。
会場はいつものところです。
開催日時:2月5日(土)13時~17時
開催場所:セトル 2階会議室
(東京都中央区日本橋横山町4−11 「馬喰横山」駅より徒歩1分)
当日土曜日の13時から17時まで、
私が相談会場におりますので、どうぞご自由にお越しください。
とくにご予約などは不要です。
ただし、順番におうかがいしますので、
ちょっと待っていただくかもしれません。
混んだ場合は1組様30分程度とさせていただく場合もございます。
ちなみに、前回(12月)には待ち時間は発生していません。
ただ次回も同じようになるかどうかは分りません。
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