マンションの「ブランド」など信用できない!

セミナーでは毎回する話なのですが、厳密な意味で
マンションには信頼にたる「ブランド」なんてありません。
野村不動産は「プラウド」で、三井不動産は「パークホームズ」。
三菱地所は「パークハウス」で、東京建物は「ブリリア」。
中にはテレビコマーシャルでブランドイメージを高めることに
成功している「ブランド」もあります。
でも、そのブランドだからといって品質が保証されているかというと、NO。

これは常識で考えれば分かることですが、
マンションというのは基本的に一物一価。
一つひとつですべて違うモノ。
何よりも世界に同じ土地なんてひとつもありません。
そして、そこに建つマンションもすべて違います。
まず、事業主の担当者が違います。
設計者が違います。ゼネコンが違います。
建築現場の所長が違います。納入業者が違います。
現場によっては大臣認定の基準に達しない
三菱宇部セメントのコンクリートを使っていたかもしれません。

当然ながら、出来上がるマンションのクオリティもすべて違います。
当たり前ですが「プラウド」だからといって、
すべてに一定のクオリティがあると考えるのは危険です。
耐震性能なんて、地震が起こってみなければ分かりません。
何といっても、実験のしようがないことですから。

でも、多くのエンドユーザーは「ブランド」を信じようとします。
お気持ちはよく分かります。
何を信じてよいのか分からないので、
とりあえず「大手だから」というのに頼ろうとするのです。
学生が就職するときの会社選びと同じですね。

これは、すべてのビジネスにおいていえることだと思いますが、
新築マンションのクオリティというのも、
結局は事業担当者の個人的な能力によって決まります。
大手なら確かに「ガイドライン」というのがあって、
設計上の性能をその枠内に収めることを、
その会社の「ブランド」名を冠する基準にしています。

ただ、設計上はともかく、実際にその通りに施工されているのかどうか、
チェックする、しないは事業担当者の個人裁量です。
また、工事現場の所長が隅々まで目を光らせているかどうか、
というのも工事精度に大きく影響します。
中には、出入り業者と癒着する所長もいます。
大きな現場を三つもこなすと、家が一軒建つといわれる業界。
ズルをやろうと思えばいくらでもできます。
それを監理するのは設計事務所の仕事であり、
全体を見渡すのは売主企業の事業担当者です。
「設計」と「施工」が同じゼネコンの場合、
このあたりの関係がナーナーになる可能性が高まります。

残念ながら、マンション業界というのは
どこもかしこもズブズブになっているところがります。
売主の事業担当者はゼネコンや広告代理店と癒着し、
ゼネコンの現場所長は出入り業者とズブズブに。
出来上がったマンションのコンクリートもズブズブ・・・
なんていうことになっていなければいいのですが。

埼玉県に「パークシティさいたま北」という約1000戸のマンションがあります。
いわずとしれた長谷工プロジェクトです。
元々は、中央コーポレーションという倒産した会社が
主幹事となっていたJV事業でした。
でも、今の売主は三井不動産レジデンシャル1社。
だからかどうか・・「パークシティ」という三井のブランドになっています。

最近思うに・・・三井のブランドって、ここも含めて結構イイガゲン。
この「さいたま北」は元々が中央コーポが主体の事業。
三井ブランドの方が「売りやすい」から「パークシティ」にしただけだと思います。
それが証拠に担当の広告代理店は当初、このブログで何度か取り上げた
あの「大阪読売広告社」でした。しかもノーコンペ。
その大阪読広の担当者であるN氏は
ウン億円という「使途不明金」を出して解雇。
大阪読広自体も親会社である読売新聞大阪本社の意向で、
この春「お取り潰し」に。
「さいたま北」というのは、そういう汚辱にまみれたマンションなのです。

にもかかわらず、「パークシティ」は三井にとって「大切」なブランドだそうです。
半年ほど前、中央線沿線のさる大型物件で広告代理店コンペが行われ、
もっとも成績がよかったのが業界でも老舗のS社。
担当者からS社に「内定」の通知も行われました。
しかし・・・この「内定」は三井の上層部の意向でひっくり返されたそうです。
その理由は「パークシティは、そこいらの代理店には任せられない」とか。
よく分かりませんね、その言い草。
結局、三井とズブズブの関係にあるといわれている
業界大手のY社に逆転発注。

「パークシティ」といっても、ボロボロになって
値引き販売している「さいたま北」のような物件もあるのに
なにを今さらエラそうに、というのが私の感想。

三井の場合、「パークシティ」に限らず「パークホームズ」でも
松戸や西葛西、東陽町の物件は、「後付け」に匂いが濃厚に漂っています。
つまり、そもそも「パークホームズ」として計画されたのではなく
他社が進めていた事業を途中で「引き取って」自社ブランドをかぶせた、
と思えるようなマンションなのです。

結局、マンションのブランドなどというものは信用できません。

「パークシティさいたま北」も含めたマンションレポート

「徹底分析、埼玉県の大規模マンション全15物件」

を最新情報に更新してリリースしました。
取り上げたマンションは以下の15物件。

1「パークシティさいたま北」
2「小手指タワーズ」
3「三郷Beriesプロジェクト」
4「HAUSKA(ハウスカ)プロジェクト」
5「ザ・ライオンズ三郷中央【1街区】」
6「グランドミッドタワーズ大宮」
7「ブリリア越谷レイクタウン」
8「D’グラフォート レイクタウン」
9「シティテラスさいたま新都心」
10「パークスクエアさいたま新都心 Airs Court」
11「グランシンフォニア」
12「シティタワーさいたま新都心」
13「アサカレジデンス」
14「シティタワー蕨」
15「レーベンスクエア東鷲宮ブライトアリーナ」

価格は2590円とリーズナブルなまま据え置き。
埼玉県でマンションをお探しの方は、
ぜひ参考にしてみてください。


2010/9/18 23:20 Comments (0)

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