大和システム倒産、そして驕れるタワーマンション林立の「中央区」

私、今はゴルフをやりません。
でも、過去にはやっていました。
ほとんどが「お付き合い」です。

不動産業界人の「社交術必修3種目」は「ゴルフ」「クラブ」「マージャン」。
最近「マージャン」は廃れましたが、
その分「ゴルフ」は幅をきかせています。
「クラブ」は一番お金がかかるので、
大不況の今はお休みみたいなものですが、
ちょっとお金が回りだすと、必ず復活します。

もう4年くらい前になるでしょうか・・・
とあるマンションデベ主催のゴルフコンペに呼ばれました。
私などは、いってみれば参加者を増やして
コンペの「盛り上がり」を演出する「数合わせ要員」。

当日は、朝から小雨が降っていてうっとうしい感じ。
仲間内のゴルフなら携帯で連絡しあって「今日は止めようよ」で済むのですが、
そこはクライアント主催のコンペですから、
末端参加者の私なんぞには何の発言権もありません。

「ええ、やるのー」

仕方がないので、クラブ内のショップで雨合羽を買ってコースに出ました。
「みなさん、お好きですねー」なんて、
顔ではニコニコ作り笑いしながら、心の中では
(アーア、もうカンベンしてくれよー)とウンザリしています。

私、実はゴルフにはまったく興味がありません。
うまくなろうという意欲もありません。
元々スポーツには向いていない方なので、ハナから諦めています。
やっていて苦痛というほどでもありませんが、
それを無理矢理「楽しい」と思い込むほど自虐的でもありません。
最初の6ホールくらい終わると
「おっと・・・あと3ホールで昼飯だ」
みたいなことばかり考えています。

もちろん、大人ですから周りにはテキトーに合わせます。
そういう「社交」をすることはちっとも苦ではなく、むしろ大好きです。
まあ、ゴルフをするより会話を楽しむタイプでしょうか。

当然、スコアメイクにも何の興味もありません。
他人のスコアなんか、付けているフリをするだけ。
自分のスコアもいい加減。
8つも9つも叩くと、計算するのさえ面倒くさくなります。
「榊さん、いくつ?」
「ええっと(9つだったかな・・・ええい面倒くさい)、10です」
てな感じ。少なく誤魔化さなければいいや、と思っています。

困るのは、昼飯時。
仕事の話、業界の話、その他一般のバカっぱなしなら
いくらでもお付き合いして、それなりに場を持たせられますが
ゴルフの話になるとカラッキシ付いていけません。
もう、ただただニコニコしてジョッキを傾けるだけ。

午後のラウンドは、ホロ酔い気分でクラブを振り回すので
たいていは午前よりもグチャグチャ。
でもまあ、午後は「終わり」が見えてきますので
そこはニコニコしながらテキトーに。

ゴルフコンペの場合、終わると「成績発表・表彰」の
パーティが行われます。
私の場合、たいていは下戸のメンバーが運転する車に乗っていきますので
そういったパーティでも遠慮なくビールをガブガブ。
他人様の成績などにはほとんど興味はありませんが、
まあ一応は会話に参加してニコニコしています。

私がそういう「表彰」に関係するのは、
ほぼ「ブービー」か「ブービーメーカー」だけ。
そのコンペもブッチギリのブービーメーカーでした。
雨の中18ホールも走ったのだから、なんかもらわないと(笑)。

そんなのはどーでもいい話なのですが、
その時のコンペでは、私の感覚ではちょっと
「信じられない」ことが起こりました。
なんと、優勝したのは主催者の社長(当時)だったのです。
「エエッ・・・社長が優勝するの?」と、正直思いました。
しかも、堂々とスピーチまでなさいました。
「いやあ、今日は調子悪かったけれど、
 こんなもんで優勝できるとはついていますなあ」
とか何とか・・・謙虚さゼロ。可愛げまったくなし。
しかも、野卑な不動産屋の人柄が丸出し。
もちろん、豪華商品も全部持って帰られたようです。

私・・・ゴルフのことはよく分かりませんが、
こういう場合、主催者側の参加者は「名誉」だけで
賞品などは「ご辞退」なさるのがスマートな振る舞いではないでしょうか?
いくら業者ばかりのコンペとはいえ・・・優勝ですか?
ましてや、社長ですよ、社長!

(オイオイ、雨の中わざわざお付き合いした挙句が、
 こんな野卑なオッサンのゴルフ自慢をきかされんのかよ・・)

正直、唖然としました。

その会社、それでも当時は一部上場。
あの頃(わずか4年前)は業績も絶好調でした。
その後、業績急降下で株価も大幅下落。結果、東証2部に出戻り。
そして一昨日、あえなく再生法申請と相成りました。

まさに諸行無常、盛者必衰ですね。

あの会社の元社長に限らず、
人間というものは好調時には自分の周りがよく見えないものです。
そして、ついつい「自分はエラい」と勘違いしてしまいます。
他人を見下ろしてモノを考え、口に出し、行動に移します。
端から見ていると、実に愚かで醜くいものです。

醜いのは、その人の所業だけではありません。
そういう傲慢さをもった人々が作るマンションにも
「醜悪さ」が十分に表れてくるものです。

例えば、度々このブログで取り上げているタワーマンション。
人間にとってあんなモノがどうして必要なのかと、私は不思議でなりません。
毎日毎日、あれだけの高低差を上り下りするのですよ!
そこにかかる多大な金銭的コストや環境への負荷、
そして自らの健康に対する大きなリスクを背負いながら
その対価として得られるのはほぼ「眺望」だけ、
というイビツな住居形態です。

それを「選ばれた人々だけの特権的な住まい」とマンション業者は宣伝します。
そこを購入して喜んで住む人々は、
「オレはエラいのだ」という満足感に浸るのでしょうか?

社会が成熟期に入っている西欧諸国では、
タワー型のコンドミニアムは非常に限られた住居形態だといいます。
一部の国では厳しい法規制がかけられているそうです。
先日、わが国でも業界有志のシンポジウムである「ハ会」において、
「タワーマンションは法律で禁止すべし」という
今日本の社会状況からすれば「過激」な意見も出て、
それなりに理解を得ていたようです。

ただ、そういった動きはまだまだ少数派ですね。
日本は、これからも多くのタワーマンションが作られるでしょう。
東シナ海の向こうにある、夜郎自大な連中が蠢く国ほどではないにしろ。

今では、そんなものどう考えても必要でない「郊外」にも
タワーマンションが作られるようになりました。
でも、やはり数が多いのは都心。
東京なら、「都心3区」と呼ばれている「千代田」「中央」「港」。
今、こういった都心エリアでもミニバブル崩壊の
「逆新価格」現象でマンションが以前に比べて格段に買いやすくなっています。
しかし、よーくみると一つ一つの物件は玉石混交。
いってみれば、エンドユーザーさんが「間違いやすい状況」。

このたび、わが盟友の如月さんが「中央区」の
「マンション立地評価集」を最新情報に更新してくれました。
これから一大タワーマンションブームが起こりそうな中央区。
このエリアでマンション選びを行う方には、
ぜひお読みいただきたいレポートです。

榊淳司×如月正雄の
首都圏マンション立地エリア別総合評価集006
「中央区」編【2010年9月改訂版】


2010/10/3 0:38 Comments (1)

1件のコメント

昨年、大和システムのマンションを薦めていませんでしたっけ?。
まあ倒産したからと言って、マンションに問題がある訳ではないのですが。

2010/10/05 01:16 | by ・・・・

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