一昨日の夕刻より、苦手な「渋谷」へ足を運び「ハ会」のシンポジウム、
「バイバイ20世紀なう 人・街・住まい・都市」というのを、
一観客として眺めて参りました。
これまではネットの動画で見てきたのを「ナマ」で拝見し、
中々に楽しませてもらいました。
ご参加のみなさま、お疲れ様でございました。
いつもながら思うことは、みなさんの問題意識はおおよそ合致していること。
つまり、「今の日本の住宅産業のあり方は大いに問題である」、という一致点。
噛み砕いていえば、
「なーにも考えていない連中が、金儲けだけを目的に、
くだらない住宅を大量に作り続けてきた・・今も作り続けている。
このままでは近い将来にとんでもないことになる」
だから何とかしようじゃないの、という「専門家」が集まって
アレコレと議論して見せているのが「ハ会」なのです。
いってみれば、私がこのブログでほざき続けていることとベクトルは同じ。
思わず苦笑したのは、佐々木さんという建築家が「せつなくなる」例として
示した開発事例のひとつは、私がこのブログ(6月29日)で取り上げた
「仮称・湘南平塚プロジェクト」でした。
今は「オーシャンステイツ湘南平塚」というそうです。
あんなものは、誰がどう見ても
「トンデモナイ」マンションに違いありませんね。
で・・・このシンポジウムで何か結論めいたことが出たのかと言うと、
まあ、「何もない」でしょうね。
もっとも、何かの答えを出すことが目的ではないでしょうが。
最後に、一般参加者の方が発言した内容が秀逸。
「日本は1990年のバブル崩壊以降も、経済政策の一環として住宅建設を推し進めてきた。だから、1990年代の不況下にも関わらず新築住宅が大量に作り続けられ、それが今になって大きな問題となっている。住宅政策を経済政策の一部にすべきではない。たとえ民主党政権が自民党に交代しても、住宅政策だけは継続性を持たせるべき」
その通り!
パネラーからも拍手が起こっていました。
一昨日のシンポジウムで、もっとも「建設的」な意見ではなかったでしょうか?
さて、小姑的な観察意見を書かせていただくと、
パネラーの出身「専門性」からくる視点の違いが面白かったですね。
建築家チームの田島則行氏と佐々木龍郎氏がプレゼンテーター。
「いいものを作らなきゃダメ」というのが基本的スタンス。
不動産屋チームは長嶋修氏に内山博文氏。なぜか2人とも二枚目。
すぐに何かの「結果」に導きたがるのは、ビジネスマン的発想ですね。
本物の不動産屋として招かれた山万の細川氏は無難に乗り切っていました。
マーケッターというべき三浦展氏の発言は面白かったのですが、
やや冗長でKY的にはずしていたのが目立ちました。
学者である清水千弘氏は、やはりアカデミックな視点が新鮮。
東京電力の青木仁氏。都市計画についての考え方が、ほとんど私と一緒。
モデレーターの島原万丈氏は上手にリードなさっていましたが、
もうひと方は最後までひと言も発していなかったと記憶しています。
総合司会は大西倫加さん。関西アクセントで突っ込むのが印象的です。
で・・・今回で終わりかと思ったら、「中古」でリベンジだとか。
どこにどう、何をリベンジするのかよう分かりませんが、
また時間が合えば覗いてみたいと思います。
それなりに勉強になりますからね。
さて・・・最後に新しいレポートのお知らせ。
湾岸エリアの救世主?
東雲・辰巳エリア
市場価格物件、続々登場
価格1,980円
「今、注目のマンション」でも一部取り上げたのですが、
東京湾岸エリアのマンション市場が面白いことになってきました。
豊洲と有明でバカ高いKYタワーが売れ残っているのは相変わらずなのですが、
その隣接エリアである「東雲・辰巳」で、
それよりも3割程度安いマンションが売り出されているのです。
また、これから価格が発表される物件も、それに続く可能性があります。
つまり、私が前々から言ってきた「市場化」が始まったワケです。
「シティタワーズ」の豊洲2物件や「ブリリア」の有明2物件は
私がずっと「買ってはいけない」と唱え続けてきたマンション。
昨日も、とあるマスコミ関係者が私のところにやってきて、
「住友不動産はいったいどうするのでしょうね?」と、
真剣な顔で尋ねていかれました。
「さあ、どうするのでしょうね?」
あの会社の考えていることは、いまひとつよく分かりません。
「ゴールドクレストなんて、もっと分からない会社ですよ」
最後は、そういって話をかき回しておきました(笑)。
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