半世紀近い私の人生で、サラリーマンだったのは全部あわせても4年半。
そのうち、最初の2年は神戸。次の2年半が東京。
その東京2年半のほとんどプラス数ヶ月の間住んでいたのが、
丸ノ内線の「南阿佐ヶ谷」駅から徒歩10分のボロアパート。
一応バス・トイレ付で家賃は43000円。
四半世紀前のことですが、物価は今とほとんど変わりません。
年収は勤めていた会社からもらう給料が300万円。
他にアルバイトで50万円くらいは稼いでいたでしょうか。
「言動」はともかく、「生活」は分相応をわきまえる方なので、
別に不足をきたすことはありませんでした。
何といっても、今と違って独身なので気楽なもの。
なぜ、南阿佐ヶ谷を選んだのかというと、
知人が高円寺に住んでいて馴染みがあったからでしょうか。
それに、高円寺、阿佐ヶ谷、荻窪という街並み風情が
私のような余所者にとって違和感無く溶け込める気がしました。
休みの日にはチャリンコでそのへんの街をウロウロ。
パールセンターや高円寺の古本屋めぐりも楽しいしい、
安くて美味しいご飯を食べさせてくれるお店も多いのです。
また、新宿も近いので、映画を観にいったり、将棋道場に通ったり。
今、改めてパールセンターや中杉通りを歩いてみて感じるのは
当時とほとんどその風情が変わっていないこと。
もちろん、お店はずいぶんと変わりました。
でも、街が持っている空気はそのまま。
この四半世紀、同じような感じが続いてきたのでしょうか。
これは、ある意味で素晴らしいことです。
「発展が無い」「進化していない」と考える向きもあるでしょう。
でも、せっかく「いい感じ」の空気をもっているのですから、
それをわざわざ破壊するような発展なら、しないほうがいいと思います。
阿佐ヶ谷も荻窪も、街の「活気」はちっとも衰えていません。
ですから、中野のように街の様相まで変えてしまいそうな
巨大な建物を作る必要なんて、全然ないと思います。
今の、この庶民的でなおかつ文化を漂わせた風情を、
私は失って欲しくないですね。
このエリアでは、大きな土地が出にくいので
50戸前後の小規模なマンションがちょこちょこ出てきます。
価格も様々ですね。
大手がブランドぶって高く出しているケースもあれば、
無名企業が「価格勝負」に出て、お手ごろな水準になっている物件も。
そのあたり、よく見極めればそれなりに上手な選択ができるはずです。
久しぶりに、このエリアを歩き回ってまとめたのが
榊淳司のマンションレポート015
「荻窪・阿佐ヶ谷」
暮らしやすさ際立つ人気エリア
そのマンション市場を解明
価格 2,290円
エリアの解説はあまり必要ないと思いましたので、
極力物件の分析に注力して価格を低めに抑えました。
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