タワーマンションと東京の街は相性が悪い?

ミュウヘン再保険という、
再保険としては世界最大手という会社が発表した、
世界の主要都市の災害リスクランキングで、
なんと東京はダントツの1位です。
ちなみに、2位と3位はロサンゼルスとサンフランシスコ。
4位グループには大阪・神戸・京都。

考えれば私たち、とっても危険な街に住んでいるのです。
もちろん、災害リスクの大半は地震だと思います。
2036年までに関東南部で直下型の大地震が
発生する可能性は70%だそうです。
ただ、科学的な根拠はかなり曖昧だという説もあります。

東京の主な地震の履歴は
1703年 元禄関東地震
152年後
1855年 安政江戸地震
68年後
1923年 関東大震災
87年後
2010年 ・・・・・

あした起こるかもしれないし、
生きている間にはやってこない可能性もあります。
ただ、最悪に備えるのが危機管理の常識です。

住まいに関して言えば、先の阪神大震災が大いなる参考となります。
多くの古い一戸建て住宅が全・半壊していました。
また、火災が発生することで被害を受けた住宅もあります。
関東大震災の場合は、倒壊によるよりも火災での死者の方が多かったそうです。

マンションの場合はどうだったのでしょう?
テレビのニュースでは、被害の大きかったマンションばかりが
映っていましたが、実はあれはほんの一部。
ほとんどのマンションは大丈夫だったのです。
もちろん、まったく被害がなかったマンションは少なかったでしょうが、
全壊や半壊、あるいは建て直しが必要なほどの被害は
全体の1%程度だったと思われます。
また、マンションや病院内での死者はほとんどいなかった模様。

つまり、とりあえずマンションの中にいて死ぬことはなさそうです。
ただ、安心はしないでくださいね。
阪神大震災が起こったのは朝の5時頃でした。
みんな寝ています。
昼間だったら、倒れた家具の下敷きになって・・・
なんてことも考えられます。

そして、問題は地震後の生活なのです。
端的にいってしまえば、水と電気とガス。
これは、3つとも止まると考えてください。
電気は一番早く復旧するようですが、それでも1-2週間はかかります。
「じゃあ、ローソクと懐中電灯で暮らすか」
なんて、のんきなことでは済みません。

マンションの場合、電気は生命線なのです。
まず、エレベーターは電気で動いています。
5階くらいまでにお住まいの方なら
「しょーがない、階段で」ということも可能です。
10階だと、上り下りするのは一日に1回で済ませたいですね。

タワーマンションの20階とか30階に住んでいると・・・
恐ろしいでしょ?
「ウチのマンションは自家発電装置があるから大丈夫」
いいえ、ダメです。
一度地震で止まったエレベーターは
技術者による安全確認後でないと動かせません。
エレベーター技術者は、大地震の直後は
「閉じ込め」の救出を最優先に派遣されるはず。
普通のマンションの安全点検なんて、いつになることやら・・・

次は水。
「ウチは備蓄倉庫があるから大丈夫」
いいえ、これもダメです。
確かに、飲み水程度のことならそれで大丈夫です。
でも、人間は飲んだり食べたりすると、出さなければいけません。
マンションのトイレは、水がないと機能しませんね。
あれは水をポンプで上の階までくみ上げているからこそ使えるのです。
もちろん、ポンプは電気で動かしています。
すると、トイレは使えませんね。どうしますか?

幸い、行政で災害用のトイレを各地に設けてくれるはずです。
マンホールを開けて、そこへ直接落っことす方式。
でも、それができるまでは何日かはかかるはず。
それに、そういうトイレは避難所とか公園とか、
とにかくマンホールがありそうなところにしかできません。

最後にガス。
これは危険性がもっとも高いので、
復旧までにひと月くらいかかりそうです。
でもまあ、なくても何とかなります。
電気さえくれば、調理はホットプレートなどを活用すればいいのです。
むしろ、お風呂に入れない、ということを
ガマンするのが辛くなりそうです。

さて、お気づきかと思いますが、
実はタワーマンションに住んでいる方が、
地震後の暮らしを考えた場合、もっとも困るのです。
15階より上に住んでいる方は、
電気が復旧するまでは避難所生活になるか、
トイレも食糧もすべて住戸内で完結させる籠城生活を選ぶか・・・
近くに、いざと言う時に転がり込める実家みたいのがある方は別ですが。

季節のよい頃ならいいのですが、
真冬・真夏だったら冷暖房なしでガマンしなければなりません。
30階くらいだと、風が強くて窓を開けられないかも・・・
困りますねえ・・・どうしたらいいのでしょうねえ。

まず、タワーマンションとは普通のファミリーが
ローンを組んでまで買う住まいではない、と私は思います。
まず、子育てに向きません。
また、地震が起こらなくても妊婦の流産の確率が高かったり、
子どもが運動不足になったり、
飛び降り自殺者が出て外出の足止めを食ったり、
いつも風で微妙に揺れているので乗り物酔いみたいになったり。
タワーマンションにはリスクがたくさん隠れています。
なのに、普通のマンションより販売価格が高いばかりか、
管理費や修繕積立金、駐車場料金も割高。

そもそも、床面積をいっぱい取っているから、
その分安く売っていてもいいんじゃないでしょうか?
なのに、何もかも高いなんて、なんかヘンです。

ここのところ、足を棒のようにして
東京中のタワーマンションを見てまわっています。
それにしても、たくさんありますね。
それだけタワーマンションに住みたい方がいるから、
あんなにたくさん作っているのでしょうね。
また、ニーズがあるので中古になってもある程度の価格で流通します。

家族が一生暮らす「終の棲家」ではなく、
一時的な都心ライフを楽しむ住まいと捉えれば、
それなりの価値は見出せるのかもしれませんが。


2010/11/26 19:59 Comments (6)

6 Comments

[…] 榊 淳司オフィシャルサイト : タワーマンションと東京の街は相性が悪い?榊 淳司オフィシャルサイト : タワーマンションと東京の街は相性が悪い?あんなにたくさん作っているのでし […]

2010/12/27 13:21 | by ライフステーション蕨 | 旅行を楽しみましょう

[…] 榊 淳司オフィシャルサイト : タワーマンションと東京の街は相性が悪い?あんなにたくさん作っているのでしょうね。 […]

2010/12/18 18:37 | by ライフステーション蕨 | 旅行・ツアー・ホテル・宿泊施設

高層ビルは長周期地振動も怖いですね
東海地震も心配です

2010/11/29 11:29 | by ten

榊さんのおっしゃるとおりです。
健康面からいったらタワーマンションに住むべきではありません。

2010/11/28 16:49 | by 通りすがりの医師

ばかじゃね?読んでてあなたの無知さに恥ずかしくなるw

2010/11/27 00:27 | by ****

予想ですよね、根拠もあまりない。

確率までも行きませよね。

タワーマンションを否定されますが、それは榊さんが買えるレベルにいないからだとおもいますよ。

買えるレベルなら魅力を感じると思いますよ。

2010/11/26 23:00 | by GHO

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