「車が売れない時代」にマンションは売れるか?

私はかねがね団塊の世代というのは日本のガンではないかと思っていました。
もちろん、全員がそうだというような乱暴を言うつもりはありません。
しかし、他の世代に比べれば日本社会にマイナスの影響を与えている割合が
何割増しか、あるいは数倍するのではないかと勝手に推測しています。

これは、彼らの責に帰すことができない気の毒な事情があります。
プレハブ校舎という劣悪な環境で、ガサツなGHQの洗脳教育を受けたこと。
人数がやたら多かったおかげで、恐ろしいほどの競争であったこと。
ベトナム戦争の影響で反米親ソが世の中の風潮であったこと。
妙な猜疑心や、不必要なほどの競争意識を高めても仕方ないところがあります。

彼らの内で大学教育を受けた者は、ほぼ社会主義に傾倒しました。
あの当時、リベラルや保守の考えを持っていたとしても、
それを表明すると村八分同然の目に遭ったはずです。
そして、彼らが一時的にせよ「バラ色の世界」を実現してくれる基だと
誤認した社会主義というものが、実は人類史上最大の厄災をもたらす
邪教のようなシロモノだと明らかになったのは、
彼らがやっと40歳になった頃だったのです。

上手に自分の頭の中を切り替えられた団塊君は幸いです。
ほとんどの人々は、頭の中を赤黒く澱ましたまま今に至っています。
菅君や鳩山君、仙谷君などはその典型ではないでしょうか。
だからこそ「自衛隊は暴力装置だ」などいう、許しがたい失言が飛び出します。

彼らには彼らの、そういった可哀そうな成育環境があるので、
ある程度は大目に見なければいけない、とは思っています。
でも、もうそろそろご退場いただいてもよいのかな、と考えます。
連中の歳は、今年で62歳から65歳です。
普通の会社なら定年を過ぎているのですが、
政界ではまだまだ現役バリバリの世代です。
ハッキリ言って、政界のこの世代にはロクな人材をお見かけしません。

私は、マーケティングの世界では「新人類世代」に属しています。
ちょうどペーペーだった頃、団塊君たちは若手の部長クラスでした。
我々に「この会社で出世しようと思えば、アレくらいのバカにならなければいけないのか」という現実を、身を以て示してくれました。
まあ、よき反面教師が多かった、という印象があります。

我々のちょい後輩が、団塊ジュニア君たち。
この世代の先端である現在42-46歳くらいの連中は「バブル採用組」。
仕事の相手としては、もっとも「気を付ける」必要があります。
能力不相応のポジションについている可能性が高いからです。
でも、押しなべて我々よりもおっとりとした連中のような気がします。

そのあと、現在40歳より若い人々は、
まとめて「失われた世代」とみなしていいでしょう。
ヘミングウエイやフィッツジェラルドみたいでかっこいいでしょ(笑)。
彼らが成人してこの方、多少の波はありましたが
日本はずっと不景気のままでした。
俗にいう「失われた20年」が、彼らの青年期だったのです。

中でも、今の20代はおそろしい世代だと思います。
物心ついて以来、景気が良かったことがほぼない、という状態。
日本という国が、どんどん閉塞していく時代に育ち、
思春期と青春期を過ごしてきた人々です。
私は、この22歳から31歳くらいの方々を「失われた世代」の中でも
とりわけ未来に希望を抱かない「閉塞世代」と位置付けます。

ここ4,5年「車が売れなくなった」というのが
マーケティングの世界では大きな話題となっていました。
昔に比べて、人口比率で車が売れないのです。
その原因は、「20代が車を買わなくなった」からです。

考えてみれば、20代の頃のマイカーは大半が「遊び用」です。
言い切ってしまえば、不要なぜいたく品。なくてもOKです。
だからかどうか、彼らは昔の若者ほど車を買わなくなりました。
レンタカーも随分安くなりましたしね。

さて、この「閉塞世代」が、まもなく住宅購入適齢期になります。
「車が売れない」ように「住宅も売れない」時代になるのでしょうか?
なるでしょうね。
間違いなく、なります。
ただでさえ、住宅は余りに余っています。
賃貸料はどんどん下がっています。
雇用環境は悪化し、個人所得は漸減しています。
そして・・・若年人口自体が減っています。
住宅が「今よりも売れる」と思える材料は何もありません。
景気がやけに調子よく回復して、バブルでも再発すれば別ですが。

政府と日銀が、現状の経済政策・通貨政策を続ける限り、
日本経済はこのままジリ貧でやせ細っていくはずです。

そういうことを前提で考えれば、
住宅産業が今までのような状態で続くハズがありません。
特に新築マンションは、今までの20年が「狂乱時代」と呼んでいいくらい。
これからどんどん市場が縮小していきます。


2011/6/7 14:06 Comments (0)

コメントはまだありません

No comments yet.

RSS feed for comments on this post. TrackBack URL


Leave a comment

※こちらへ書き込みいただいたコメントは、承認後全て表示されます。
マンション購入に関する個別相談等こちらへ表示させたくない場合は、
専用フォームからお願いいたします。