マンション購入のご相談の中で
「手付金を入れて契約してしまったが、
どうも他の住戸は値引きをしているみたい・・・
今から値引き交渉はできないでしょうか?」
という感じのものが結構あります。
法的にいえば、これはできません。
一旦契約してしまえば、
双方に契約履行の義務が生じます。
そのために・・・・
いつかブログでも書いたとおり、
できるだけ手付金は少なくしておくのが無難です。
不動産屋さんは、なんとか契約にこぎつけたいから
「・・・の場合はお返ししますから、00万円入れてください」
的なことをいってくる場合が多々あります。
「・・・の場合」が、ローンの不成立や自宅の売却等の当たり前のことなら、
契約書に明記してあるのでよいのですが、
「親の援助が得られなかった場合は・・・」
「株が売れなかった場合は・・」
「奥さんのオーケーが出なかった場合は・・」
「奥さんが妊娠して家族構成が変わった場合は・・・」
などなど、通常のフォーマット契約書に記載されていない場合は?
これは口約束になります。
かなり不確かです。
口約束した人が、退職した場合はウヤムヤです。
担当者変更になって、どこかへ行ってしまった場合もウヤムヤ。
「ええ、そうでしたっけ?」と、とぼける輩もいます。
「そんな覚えはありません」という、悪質な担当者も・・・
実は結構たくさんいます。
非常に残念なことながら、
業界全体で見ると、こういったモラルが高いとはいえません。
「解約の場合は違約金をお支払いいただきます」
などという、違法な要求さえしている例があります。
では、そういうちょっと変わった条件をつけて契約する場合、
どうすればよいのか?
ベストは、契約書に「特記事項」として記載することです。
「これは会社で決められているもので、それはできません」
彼等は多分そういうでしょう。
「だったら契約できません」
と突っぱねるのが一番です。
でも・・・たいていの方は、そんな強気には出られないのですよね。
日本人は、自己主張をするときに、どーも弱気です。
次善の策は
「・・・の場合は契約解除とし、手付金000万円を全額無条件で返還します」
という内容の念書を、現場の責任者に書いてもらう。
現場のチーフが気骨のある人間だったら書くでしょう。
ところが、柔なサラリーマンなら逃げます。
しかし、それもできないのなら、
契約書に判子を押すべきではありません。
契約書に判子を押すということは、ローンが不成立でない限り
「0000万円を支払います」と約束したことと同じです。
法律的には、そこで「債務」が発生するのです。
さて、実際のところ
「手付金を放棄してでもキャンセルしたいのですが」
と、持ちかけると
「ええ・・・だったら、あと00万円お値引きしますので、なんとか・・」
となる場合がほとんどです。
でも、その「00万円」は、実際その時点で行なわれている
他住戸の値引きより一桁くらい低い場合がほとんどです。
つまり、手付金を取られている限り、
交渉は圧倒的に不利です。
ご相談にお答えしていてつくづくと感じるのは
「不動産屋=交渉のプロ、専門家」に対して
「購入者=一般人、素人」の交渉(戦い)は、
購入者側のマインドがしっかりしていないと、
相手のペースにはまってしまう、ということです。
榊に相談くださった方には、
「・・・すればいいですよ、そこは強気に!」
とアドバイスする場合が多々あります。
「アドバイスに従って交渉したら000万円まで値引きしてもらえました。
本当にありがとうございます」
という返信をいただくと本当に嬉しいのですが
「・・・・とまではいえなくて・・・000万円を提示されました。
これが限界なのでしょうか?」
なーんて、弱気の方も結構います。
こちらとしては「・・・・と言えばいんですよ。そこは遠慮なさらずに!」
と励ますのですが、言えないのはその方の性格なのでしょうね。
かといって最初から最後まで、強気で押し捲るのも逆効果です。
いつか書いたとおり、担当者にソッポを向かれても
交渉が前に進みません。
今は値引きが当たり前になっています。
値引きせずに売っているマンションは珍しい存在です。
本当に、十年に一度来るかどうかの買い時。
でも、本当に上手にお買いになるためには
各人がしっかりと交渉なさって、
最大限の値引きを勝ち取らねばなりません。
何度も書いていますが、値引き交渉に特別なテクニックはありません。
一番大切なことは、しっかりとした心。
麻生さんのように、発言がぶれてはいけません。
「私は0000万円だったら買います」
というコメントを繰り返しているだけでいいのです。
もちろん「0000万円」という目標は、
しっかりとお調べになった上で決めてください。
相手が「00%引きです」なんていっても、
そこでグラグラ来てはいけません。
元の価格設定がありえないくらい高い場合がありますから。
目標設定については、ご自身でお調べになり、
納得の上で決められるのが一番です。
ご自身で「このマンションは0000万円くらい」
という感覚を持っておられると、
それが相手にも伝わり、交渉が有利になります。
担当者は自分が売っている物件が割高なことについて
アレコレと理屈をつけますが、そんなのは適当に聞き流してください。
大抵は独りよがりな屁理屈です。
まわりの競合物件の価格、値引き状況、そして中古相場など、
ネットである程度相場観を掴むことは可能です。
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今日もこれから鋭意、お答えしていきたいと思います。
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