ザ・パークハウス晴海タワーズ 坪274万円で「激安」とは笑止千万

たまには、マンションの話を真面目に語りましょう。
このブログはそもそも「マンションの価格が高すぎる」という
コンセプトから始まったことを忘れてはいけませんね(笑)。
ここのところ脱線ばかりして申し訳ございませんでした。

さて、標題のザ・パークハウス晴海タワーズの「第1期1次」が
320戸のうち288戸に登録申込が入って「好発進」だそうです。
じっとおとなしくしていればいいのに、
こんなくだらないことをニュースにしてあっちこっちで流すから、
私としてもついついツッコミを入れたくなってしまいます(笑)。

まず、各メディアはどうしてこんなことをニュースにするのでしょう。
住宅新報とか週刊住宅などという「業界誌」なら分かります。
何といっても商売ネタですから。
日経住宅サーチも、まあ業界誌みたいなものです。
でもなぜ朝日新聞まで取り上げるのでしょうね?
たっぷり広告を出稿してもらったからでしょうか?

百歩譲って、ニュースの価値があるとしましょう。
では、逆に「好発進」できていなかったり、
大量に売れ残っていれば、当然ニュースになってしかるべしですよね。
例えば
「シティタワーズ豊洲 ザ・ツイン、竣工3年でも完売せず」とか
「竣工6年目、ワールドシティタワーズの完売はいつ?」、
「遂に竣工5年を経過、取り残されたクレストシティレジデンス」
みたいなニュースは、どうして朝日新聞に載らないのでしょうね?
住宅系メディアも、たまには
「竣工1年で完売しなかったタワーマンション特集」
みたいな特集を組んでもよさそうな気がします。
まあ、誰もやらないので私がやっているのですが(笑)。

さて、ザ・パークハウス晴海タワーズです。
全883戸のうち、288戸が「登録申込」になったそうです。
でも、第1期で出したのが320戸ですから「即日完売」ではありません。
これって、業界にとっては立派なニュースです。
ひとことで言ってしまえば「地所レジさん、ツメが甘かったね」。

何度もここで書いていますが、こういった大規模物件は
「人気がある」というフリをすることが何よりも重要なのです。
日本人の習性として「みんなが買っているから安心」という心理が働き
人気物件ならさらに人気を呼び込み、不人気物件はさらに不人気に。
883戸もの戸数を捌くためには「人気」という条件は不可欠。
そのために、注目度が「高かった」若手ゴルファーを
キャラクターに起用しているのです。

業界的な視点で見ていると、第1期の即日完売は当たり前。
そうでなければおかしいのです。しかし、今回はそれもなし。
第1期住戸のちょうど9割に申し込みが入ったから「好発進」?
バカも休み休みに言いなさい、というところです。

そもそも発表された坪単価274万円(第1期は300万円)は、
当初の計画より少し下げている、と私は推測しています。
モデルルームを開けて3500組を呼び込んだそうですが、
彼らの反応から「これじゃあ高くて売れない、下げよう」と
言うことになったのではないでしょうか。
にもかかわらず、第1期1次の即日完売にはなりませんでした。
多分、これは内部的に「大誤算」とみなされているはず。
担当者は大目玉を喰らっているのではないでしょうか。

そう考えれば、プラウドタワー東雲全600戸の内、
406戸までを「即日完売」している野村不動産のツメは
キッチリしていますね。さすがです。
ザ・パークハウス晴海タワーズでは、当然そちらを睨んでいたはず。
多分「300戸以上は即日完売させろ」なんて、
上からの理不尽な命令が出たのではないですか。
向こうは全600戸、こっちは833戸。
こっちの方がゴールは遠いわけですから、
スタートダッシュでちょっとでも前へ進んでおきたいのは人情。

さて、「登録申込」というのは何の法的拘束性のない
ただの意思表明であることは少し前のブログで解説した通り。
したがって、288戸に申し込みが入ったからといって、
それだけ「売約済み」ではないのです。当然、こぼれます。

事業主サイドとしては、かなり焦っているのではないでしょうか。
何度も書きますが、ここは883戸だけではないのです。
全部で1800戸も計画されているのです。
最初から躓いていては、あとはどうなることやら。

ハッキリ言いましょう。
ザ・パークハウス晴海タワーズの坪単価274万円は、高いと思います。
「勝どき」駅まで、橋を渡って11分も歩きます。
そこが敷地の端っこでしかありません。
アプローチを歩いてエントランスに至り、
さらにエレベーターに乗って住戸階に上り、
廊下を歩いてやっとわが家なのです。

今、坪単価が274万円なら、山手線の内側でも選択肢があります。
私が計画している新宿余丁町コーポラティブ計画
同じ大江戸線の「若松河田」駅から徒歩3分です。
もちろん、山手線の内側。新宿歌舞伎町まで歩いて20分ほど。
それで、取得目安価格の坪単価は250万円です。
どうでしょう、このちがい。

手前味噌に自分の物件と比べなくても、
かつて「勝どき」駅徒歩6分で売り出されたThe Tokyo Towersという
ふざけた名前のタワーマンションは、平均坪単価200万円前後。
それがミニバブル前に自然に形成された市場価格なのです。

私は、ザ・パークハウス晴海タワーズ883戸と、
それに続く残り約1000戸が、今後竣工までに
順調に完売できる価格は坪180万円以下だと考えています。
「榊は狂ったか」と思われるかもしれませんね。
そう思いたい方は、そう思ってください。
私から見れば、あの場所で、あの価格の物件を買おうとして
登録申込をしたという377組の人々こそ、集団発狂しています。

コミュニティサイトをみると、ザ・パークハウス晴海タワーズの
坪274万円が「激安」だという書き込みが散見されます。
きっと販売サイドの演出なのでしょう。
あるいは、事業主からすると予定の利益を削ったわけですから、
「激安」と言いたいのかもしれません。
まあしかし・・・笑止千万です。

5年後、10年後・・・きっと分かります。
ただの駅から遠いタワーマンションを、
世間がいったいどう評価しているのか?
まあ、豊洲のシティタワーズを買うよりもマシでしょうが。

参考レポート

東京のタワーマンション全解説49物件
価格 9,980

「晴海・勝どき・月島」
価格 4,390

「東雲・辰巳」
価格 3,790

「豊洲」
価格 4,490


2012/4/18 18:48 Comments (2)

2 Comments

集団発狂という表現には問題がありませんか?失礼過ぎます。

2012/04/27 09:11 | by 1/377

私は今の価格設定でやすいと思っていたのに、意外でした。モデルルームでその気になって申し込みしそうになりましたが、ちょっと考え直してみようと思います。これからも有意義な情報をどんどん書いてください。着たいしています。

2012/04/27 01:21 | by 月島加奈子

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