GWのヨタ話として「5年以内インフレ率70%」の根拠

おめでたいことに、GWに入る直前に風をひき、
おまけに去年傷めた左ひざが筋肉痛に見舞われているので、
ほぼ自宅でおとなしくしております。
ただ、2日は不動産広告業界の「重鎮」に呼ばれた酒席がありましたので、
のこのこと神田方面まで出かけていって、また筋肉痛が悪化w。

来週は雑誌原稿1本にライターとしての取材・原稿制作の仕事が3本、
さらには執筆中の新しい愚著の手直しなどがある予定で、
このブログの更新がままならぬ可能性があるので、
今のうちにヨタ話をしておきます。

私は、ここ20年くらいのうちに日本経済の大きな流れが
デフレからインフレに転換するのではないかと予想しています。
そうならざるを得ない最大の根拠は、公的債務による財政破綻。

この前、ギリシャが国家として経済破綻しましたが、
かの国の財政赤字の対GNP比は約160%、日本は200%超。
なのに、日本の国債は低金利でも依然として市場で買われ続けているのに、
ギリシャのそれは高金利にもかかわらず誰も買わないのはなぜでしょう?
その答えは2月14日の更新でも書いたように、
日本はいつでも円を増刷して国債を償還(返済)できるけども、
ギリシャはユーロを自分で印刷することができないから。

そして、今のところ円を刷る権限を有している日本銀行は、
そういったことを本気でやる気配が一向に窺えません。
実はこの春先、ちょっとだけそういうフリをしてみせました。
10兆円の金融緩和と1%の物価上昇目標の設定。
その直後に株価は急上昇。外国為替は円安へ。
でも、日銀は本気で政策を転換する気がないのを見透かされて、
2ヶ月もたった今では元の木阿弥。
日本経済は依然として深い谷の底に沈んだままで、
未来への明るい兆しもしぼみました。

経済が好転しないと税収も増えないので、財政は悪化するばかり。
だったらどうすればよいのか?  という「問題」について、
財務省がこの20数年ずっと唱え続けてきた答えが「増税」。
それも、一度上げてしまえば下げる必要はほぼない消費税が一番。
その口車にうまく乗せられて「使い捨て」されそうなのが
いまの総理大臣の野田君であることは前々回書いたとおり。

で・・・仮に消費税が増税された場合、
本当に税収が増えて財政赤字が改善されるのか?
これも前々回も書いたとおり、答えはノー。
消費税が3%から5%に上がった1997年の税収は約54兆円。
そしてその後15年余り、政府の税収は一度も
1997年当時の水準を超えたことはありません。
つまり、消費税が8%になろうと10%になろうと、
政府の税収は増えるどころか減るばかり、と予想できます。
つまりは、今以上に不景気になる可能性が高いのです。

さて、今日は「だから財務省はアホなんだ」と繰り返すために、
この問題を取り上げているのではありません。
財務省の高級役人が硬直した政策しか考え付かないのは、
われら下々にとっては天災みたいなもので「避けられない悲劇」。
彼らを使いこなす政治家を選べない、輩出できないのは
われら日本国民の市民レベルが低いせいだから、これも致し方なし。
そんなことよりも、それによる被害を予想し、
できることなら最低限にとどめることを考えたほうがいいでしょう。
まず、当面の間日本は円安によるデフレと不況が続きそうです。

消費税の増税は、それをさらに深刻化させる可能性が大。
また日本銀行は今のところ「円安→インフレ」に舵を切る気配はなし。
一部には、今の白川総裁が任期満了で交代する、
来年3月以降の方針転換を期待する向きはありますが、
私はこれについてかなり懐疑的。
というのは、来年3月はまだ今のおバカな民主党政権が続いている可能性が大。
すると、財務省のリモートコントロール化にあるでしょうから、
次期日銀総裁は財務省OBで「10年に一度の大物次官」と呼ばれた
武藤敏郎なる人物が就任すると噂されているからです。
10年に一度かなんか知りませんが、財務省内で高く評価されているのはつまり、
「省益を守る術に長けている」というだけだと推測できます。
したがって、今までの「金融緩和実質拒否」の政策を変更するとは思えません。
で・・・どうなるのか?
経済はどんどん悪化し、税収は落ち込み。
もちろん、今や日本の名物のようになっている「政局の混乱」も加速。
社会一般に広がる不安感も徐々に深刻の度合いを増すでしょう。
目端の利く人間は、円資産を豪ドルやスイスフラン、金などに変えて
海外に移転するはずです(もう始まっています)。

3,4年後には、一般予算が組めなくなるほど
税収の落ち込みが激しくなるかもしれません。
つまり今90兆円規模で予算を組むと、「税収20兆、国債発行70兆」。
国債の償還(返済)に50兆、利払いに30兆、そして
一般会計に10兆円みたいな半分になるのではないでしょうか?
そうなると、真水はたったの10兆円ですよ!
国家公務員の給料さえ払えなくなります。もう、完全な破綻。
仕方がないから、国債をあと30兆円ほど発行するしかありません。
すると単年度の新規国債発行は100兆円。
そして、その100兆円分の国債は誰が買うのか?
今なら、銀行や生保、年金が買ってくれています。
ついでに、支那や半島の政府も買ってくれると先日報道されていました。
でも、そんな破綻状態になってもみんな買ってくれるでしょうか?
少なくとも、私が金融機関の経営者なら買いません。
それじゃあ、どうなるのか?

最後は、円を増刷できる日銀が買うしかなくなるのです。
それこそ、強制的な「金融緩和」です。
そうなって、初めて今のヨーロッパやアメリカ、支那並に日本も
「円安→インフレ」への政策の舵を切ったことになります。
でも、そのときの日本経済の規模は、今より最低2割は減っているでしょう。
名目GDPで300兆円あたりかもしれません。

このシナリオ・・・まるで中学生でも考え付くくらい単純です。
でも、経済の動きというものは後から眺めれば
割合に単純なスキームで説明できることが多いのです。
ギリシャ経済の破綻やサブプライムローン問題を説明するのに、
小難しい専門用語を並べ立てなくてもいいのと同じ。

それで・・・この問題がマンションの購入や選び方にどう関係するのか?
あまり関係ないといえば関係ないのですが・・・・w
ひとついえることは、この先の日本経済の見通しは「明るくない」ということ。
こんな時には、大きな借金は避けるべきだし、
「一か八かの勝負」的な購入は一切お勧めしません。
買うのなら、値下がりの可能性が少ない都心か好立地。
ローンを組むのなら、無理なくフラット35で。
インフレが来るとはいえって「20年以内に必ず」というレベル。
(私の予想は5年以内70%ですが・・・・)
それを期待しての購買行動は避けるべしです。

先日、新聞を読んでいて日本の「基幹産業」ともいうべき
電機業界が陥っているあまりの「不振」に戦慄しました。
あの日本電気でさえ著しく衰退しています。
株価を見ると140円前後の「倒産状態」。
今後、この「円高不況」がずっと続くと、日本はどうなることやら・・・

このゴールデンウィークに、マンションのモデルルームを
見学される方は多いと思いますが、浮ついた気持ちのまま
手付金など払ったりなさらないよう、くれぐれも慎重に行動してください。


2012/5/4 15:45 Comments (0)

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