売れない価格でいつまでも粘るな、財閥系!

アメリカ人の議論によく出てくるセリフに
What’s your vision?
というのがあります。
「お前の考えは何だ」とか「君の見解は?」
くらいの意味なのですが、
日本人はこの手の質問をあまりしませんね。
逆に「喧嘩を打っているのか?」
みたいに受け取られることもあります。
苦手ですね、日本人は。
このVision(見解)を持つということが。
というか、ほとんどの人が持っていない、というべきでしょう。
持っている人は希少な存在です。
それを他人に聞かせることや、文章に表すことはもっと苦手。
だったら、アメリカ人はみんなもっているか?
いいえ、もっていません。
日本人と同じくらい。あるいはそれ以下に・・・
でも、やつらは貧弱なVisionでも、
それがいかにオリジナリティ豊かで
ユニークなものなのかを表現するのは上手。
ちょっと前にはやったディベートなんて、その最たるもの。
黒を白、白を黒と言いくるめる、単なるテクニックに過ぎません。
言葉でどう言い繕い、いかに説得力があろうとも、
黒いものは黒いし、白いものは白いのです。
そんなことをしている時間があれば、
1冊でも多くの本を読みなさい!
このVisionを示すというこで
私は常々感心している論客は大前研一さん。
一見、大言壮語しているように見えますが
実はひとつひとつの議論には精妙な裏づけがあります。
発想も、そこいらの評論家諸子のレベルを図抜けています。
今発売中のSAPIO(サピオ)に掲載された
大前研一氏の寄稿
「ただちに大建設ブームを起こし、
東京を2000万都市へ発展させる『簡単な方法』」
には大いに賛同しました。
常々私がボーと考えていることを、
骨太にして、肉付けしていただけたように思えて
「なるほど、なるほど、そうだよな」とうなづくことしきり。
日本全体で、住宅は明らかに過剰供給されています。
これは、東京でも同じ。
今、不動産不況で住宅の供給はしぼんでいますが、
これは単なる一時的現象。
供給するための能力はもちろん、土地も十分にあります。
ちょっと市況が回復すれば、
またぞろ懲りない面々がマンションを作り始めるでしょう。
「不動産市場は、値動きの少ない、つまらない市場になると思う」
大前研一氏は、そう書かれています。
そうなって欲しいし、多分そうなりそうだと、私も思います。
東京の不動産も、やっとこさ「需要と供給の関係」によって
価格が形成される「普通」の市場になりつつあるのです。
その価格の「適正化」に対して、頑強に抵抗しているのは、
実は大手財閥系の不動産会社です。
いったん出した価格は、いかに市場とズレようと
絶対に「改定」しようとせず、、
あくまでも元の定価を基準に売り切ろうとしています。
ゴールデンウィークでマンションは売れた・・・
ということになっていますが、
わんさか人が押しかけて、いっぱい契約が取れたのは
「価格改定」やアンダーで値引きをしている物件。
定価でがんばっているマンションには
大きな動きはありませんでした。
前にも書きましたが、豊洲、有明、晴海などの湾岸エリアに、
確たるVisionもないまま虫食いのように開発され
あっちに1本、こっちに1本と建っているタワー型のマンション。
今や、タワーなんてなんの珍しさもありません。
むしろそのランニングコスト(管理費等)の高さと、
エレベータ待ち、駐車場での車出し待ち、窓を開けられない・・・等々
不便極まりない住み心地に気づかれ、
敬遠されつつあるタイプの住まい、と私は捉えています。
であるにもかかわらず、これらのエリアの財閥系タワーは
高いときに土地を仕込み、高い建築費がかかり、
「これは儲かるはず」と弾いた利益を乗せたまま、
今でもバカ高い価格設定を変えずに販売が続けられています。
時代が変って、明らかに割高だと思われるマンションを、
なんだかんだと理由をつけて
それに迷わされたごく少数の人々に売り続ける・・・・
はっきりいって、時勢というものに逆らっています。
これは、市場の健全化を遅らせる反社会的な活動といわざるを得ません。
それを財閥系企業は、平然と続けています。
まるで、自分たちがやる限り、そこに正義があるといわんばかりに・・・・
売れないのは、高すぎるからです。
高すぎるものを財閥の看板を頼りにダラダラ売り続けて、
市場価格の形成を妨害するよりも、
さっさと売れる価格で売ってしまって、
新たな開発を行うべきではないのですか?
それが業界のリーダーたる財閥系のあるべき姿でしょう!
カネに余裕があるからこそ、損切りをすべきなのです。
SAPIOの別のコラムにも、こんなことが書かれています。
「ちなみに、(ディカプリオの)ニシアラーイは足立区の西新井。都心よりも埼玉県に近い。マドンナCMのマンションが立つ有明は埋め立て地。いずれも本人たちから受けるセレブなイメージとはかなり遠い場所」
西新井のマンションは、読売のナベツネに「たかが金貸しが・・」と
経営者がののしられた金融系企業が売主。
早々と定価に見切りをつけ、「市場化」でほぼ完売。
一方、有明は大手財閥系企業で、
こちらは今でも一生懸命市場に逆らっています。
ちなみに、榊の相談物件別ランキングでも上位入選。
ごくろうさまです。
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2009/5/15 17:27 Comments (2)

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