マンションは再び「値引き交渉」の時代へ

このブログはすでに5年近く続けています。
その間、ずっとマンション市場についてモノを言ってきました。
5年前に始めた時には
「これからはマンションの値引き時代が始まる」
ということをテーマに、ブログの題名も
「マンション値引き情報」にした覚えがあります。

また4年前の今頃は、マンションデベロッパーの「注意情報」を
盛んに出しておりました。
つまり「このデベの経営は危うい」ということを
みなさんにお知らせしていたのです。
コスモスイニシア
モリモト
プロパスト
アゼル
日本綜合地所
フージャーズ
ニチモ
これらの企業は、私の注意情報のあとですべて
倒産するか「継続企業の疑義」あるいはADRになりました。
不思議なことに、半数以上の企業がゾンビのように復活していますが。

あの頃に比べれば、マンション市場は落ち着いてきました。
しかし、危機は完全に過ぎ去ったわけではありません。
実は、業界の基本的な体質は何も改善されていないし、
今後もまたああいった「連続倒産」が起こらないとも限りません。
マンションの開発分譲という事業は、
かなり難しい岐路に立たされているといっていいでしょう。

今後、市場は収縮し続けます。
その原因は、何よりも需要が減退しているからです。
人口減と経済の衰退が止まらないのです。
首都圏の場合、地震の影響が大きかった昨年に比べて
今年は供給戸数が増えそうな気配です。
去年、計画を遅らせていた分も一緒に出てきています。
でも、来年はどうでしょうか?
私は、おそらく今年よりも減ると思います。
だいたい、売れていません。

先週の金曜日、私は文京区の物件を片っ端から見て回りました。
おおよそ3ヶ月ぶり。
販売が進んでいそうな物件も散見できましたが、
ほとんどは停滞している、といった状態。
まあ、夏の間はだいたい売れないものなのですが、
今年はこの暑さもあったのでしょうが、さらに酷いですね。

新築マンション市場というのは不思議な世界で、
こういった実態がほぼ統計資料には出てきません。
何度も書いていますが、よくメディアなどで報じられる
「好不調の目安となる初月契約率70%を超えており・・・」
などというのは、本当の意味で「目安」。
あれはデベロッパーの自己申告に基づいていますから、
真の初月契約率などという数字は誰も分かっていないのです。

まあそれはいいとして・・・・
この9月から11月にかけては、1年で二番目にマンションが売れる時期。
もちろん一番は年度末の2月-3月。
業界にとっては「勝負の秋」なのです。
特に今年は「史上最低金利」と「消費税増税」という
願ってもないフォローの風が吹いています。
ここで数字を出さないと、今年の業績は・・・・・

しかし、厳しいです。
最近の傾向として、再び注目されるのが「値引き」。
私への相談案件でも
「000万円の値引きを提示されたのですが、妥当でしょうか?」
というのが最近多くなってきました。
販売現場が「なりふりかまわず」契約を取りにいっているのです。

こんな時代、マンションを買う側は何も焦ることはありません。
それと、値引き交渉は必須科目になりましたね。
よほどの人気物件でもない限り、必ずやってみるべきでしょう。
私がブログを始めた頃に、高らかに宣言しました。
「マンションを定価で買う時代は終りました」
相手の言い値で買うとバカを見ます。

私の大まかな感覚では、今首都圏で販売されているマンションの
8割以上が何らかの値引きをしているか、将来必ず値引きを行います。
定価で最後まで売り切れる物件など、2割もないでしょう。
ひょっとしたら1割以下かもしれません。
特に、竣工しても販売している物件の場合、
値引きを行っている確立は95%以上だと思います。
あの住友不動産ですら、一部物件では大胆な値引きをしています。
つまり、定価で契約した人は「損をしている」可能性が大きいのです。

マンションを購入される側にとっては、値引き交渉が不可欠。
誰もが大阪商人みたいに
「ちょっと勉強してえなあ」
「それで、いったいいくら負けてくれるの?」
と、電卓片手に交渉しなければいけなくなったのですから。

まあ、日ごろからネゴに慣れているビジネスマンはいいでしょうが、
そういうことが「嫌い」だという方は多いですね。
でも、それで何百万、場合によっては1千万円以上も
購入価格が違ってくるのです。
私が3年前にリリースした

マンション値引き交渉術

すでに何百人という方が、これを読んで値引き交渉なさいました。
続々とその成果が寄せられています。
私の記憶によると、値引き最高額は2000万円。
1億円のマンションを8千万円で購入した人がいます。
「その1割でもビンボーな私に寄付してよ」といいたいw。

お礼のメールをいただいた方の平均値引き額は
ざっくりと400-500万円くらいでしょうか。
ただ、これを読んだから絶対400万円以上値引きできる、
というものではないので、そこのところはご注意ください。
交渉相手が500万円の値引き予算を持っていた場合に最大限500万円か、
あるいは600万円程度の値引きを引き出すためのノウハウ集です。
売主に値引きの意思がまったくないのに、
それを交渉テクでどうにかすることは不可能です。
そこのところは誤解なきように。


2012/9/4 1:06 Comments (0)

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