構造不況業種入りが確実な日本の住宅産業

もうだいぶ日が過ぎてしまいましたが9月18日というのは
支那にとって「国恥記念日」だそうです。
日本で言うと「満州事変」が起こった日。起した日、でしょうか(笑)。
1931年(昭和6年)といいますから、81年前ですね。
結果、満州(今の東北3省)には満州国という傀儡政権ができます。
分かりやすくいうと、日本の植民地のようなものです。
ここに、大量の日本人が「移植」します。

当時、日本では「人口問題」というのが社会的関心の的。
日本のように狭い国土に7千万から8千万の人間がいて、
それが日々増え続けていたわけです。
近い将来、この狭い国土では国民を食わせられなくなる、
という危機感を政府や民間学者が抱いていました。
それで、ふと北を見ると「満州」という、
ほぼ無主の広大な辺境エリアがあります。

日本は1904年から05年にかけて、
この地で帝政ロシアの軍隊と死闘を演じました。
その戦い(日露戦争)に勝利した結果、
南満州に鉄道を敷設し、その付帯エリアを事実上支配する
権益を手にしていました。
「あそこに行けばいいじゃないか」
それは、ごく自然な発想です。
満州は、清朝時代はほぼ無人の地。
清王朝・愛新覚羅氏の故地ではありましたが、
漢族の移住を禁じていたので人影まばら。

当時の日本は、あふれる人口をどうしたものかというのが、
喫緊の社会問題であったのです。
現在、我々が「少子高齢化」「人口減少」に悩んでいるようなもの。
今から考えれば、おかしいでしょ?
だって、今の日本は1億2千7百万の人間がいて、
「人口が減る」と悩んでいるのです。
35年後には9000万人まで人口が減るそうです。
「これでは日本は衰退する」と学者さんたちは唱えています。
9000万人といえば、満州事変で支那と厄介な紛争をおっぱじめた
1931年当時の人口に比べて、まだ多いではないですか!

かつて、人口が8000万人に満たなかった頃に「過剰人口」に悩み、
面倒くさい支那の辺境まで奪いに行ったこの国が、悩んでいるのです。
なんか、ヘンですよね。

なぜ、こんなに膨らんだ人口でも今の我々はまずまず豊かで、
しかも「人口が減る」ことを心配しなければいけないのか?
サヨク君のようにグダグダと理屈をこねても仕方がないので
榊らしく超カンタンに解説いたします。
1 土地を有効に活用できるようになった
2 単位面積当たりの収穫量が増えた
3 高水準の工業力を活かした貿易黒字で、必要なものを輸入できるようになった

まあ、この3つでしょう。
2と3は私の専門分野外なので、スルーします。
問題は「1」です。
つまり、1931年当時の日本人は、それこそ「ウサギ小屋」に住んでいました。
私は1962年の生まれですが、小学校6年生まで自分の部屋がありませんでした。
当時の日本の住宅事情は、今に比べれば酷いもの。
50年前はまだウサギ小屋みたいなものです。
ところが、その後急速に日本の住宅は量的な拡大を遂げます。

今の日本人は3分の2が持ち家に住んでいます。
東京や大阪、名古屋の便利な場所に低所得で住んでいない限り、
子どもには部屋が与えられる程度に住宅事情は改善しています。
こういったことを実現したのは、日本人が土地を上手に利用したからです。
「コーダン」は、郊外の土地に集合住宅をバンバカ建てました。
それに引きずられて、長谷工を始めとしたデベロッパーが、
「マンション」というヘンチクリンな名前の鉄筋コンクリート住宅を、
日本国中のあらゆる場所に建設しました。
山を切り開き、海を埋め立てて土地自体も増やしました。
そして今、都心ではタワーマンションがニョキニョキと建っています。
日本は狭い国土を生かして多くの「床面積」を生み出したのです。

ところが、困った事にこの先日本の人口は減ります。
30年や50年では朽ち果てない鉄筋コンクリート製の住宅を
一生懸命大量に作ったのに、そこに住む人が減っていくわけです。
困りますね、本当に。
すでに、多摩ニュータウンや千里ニュータウンの一部には、
そういう「困った」現象が現れています。
廃墟やスラムになるマンションは、今後の社会問題です。

であるにもかかわらず、この数十年間「マンション」を作ってきた
「デベロッパー」と呼ばれる企業たちは、
自分たちのビジネスモデルをいささかも変更することなく、
これからも事業を続けていこうとしています。

そして、当然のことながら大きな壁にぶち当たっています。
2008年のリーマンショック後に、多くのデベロッパーが倒産しました。
しかし、それは大きな流れの「始まりの一歩」にしか過ぎません。
なのに、業界内の誰もがその事に真剣に向き合おうとはしていません。
だって「20年後にこの仕事はないよ」ということを
大声で唱えるには、かなりの勇気が必要だからです。

大きな声をあげなくても、人口は確実に減っています。
住宅は日々、余っています。
その厳然たる事実に向き合っている業界人は、
いったいどれだけいるのでしょうか?
このままではマンションデベロッパーを始めてとした
日本の住宅産業は、全体としてとんでもない
供給過剰の時代を迎えることになりそうです。
5,6年後には構造的な万年不況業種の筆頭に躍り出るでしょう。
今の住宅というのは一度作ったら50年くらいは持ちますから。
さあ、どうなるのでしょうね?

20年後、日本の住宅風景がどうなっているのか?
お知りになりたい方は、まず拙著を読んでみてください。

 

レポートの更新情報です。
港区のマンション市場は3ヶ月でかなり変化していますね。
あいも変わらずミニバブル価格で販売を続ける住友物件を尻目に
新しい物件がどんどん参入。
市場に新しい風を吹き込んでいます。

港区総集編
価格 9,980

赤坂エリア
1 サンウッド赤坂氷川
2 SAION SAKURAZAKA
3 プレミスト赤坂檜町公園
4 インプレスト赤坂
5 CONOE〈赤坂丹後町〉
6 ミッドガーデン赤坂氷川
7 クラッシィスイート赤坂

六本木エリア
1 THE ROPPONGI TOKYO
2 アトラスタワー六本木
3 パークコート六本木ヒルトップ
4 ブランズ六本木
5 ウェリス六本木
6 オープンレジデンシア六本木

青山エリア
1 南青山パークハウス
2 南青山マスターズハウス
3 ザ・レジデンシャル北青山
4 ザ・パークハウス 南青山常磐松
5 オープンレジデンシア南青山骨董通り
6 オープンレジデンシア南青山ウエストテラス

愛宕・虎ノ門エリア
1 アークヒルズ仙石山レジデンス
2 ザ・パークハウス愛宕虎ノ門
3 ウェリスタワー愛宕虎ノ門

三田エリア
1 ファインレジデンス三田
2 ディアクオーレ白金高輪

白金・高輪エリア
1 ウェリス高輪
2 パークタワー高輪
3 リビオレゾン白金
4 グランスイート白金高輪
5 シティハウス高輪ヒルトップ
6 グランドメゾン白金
7 プラウドタワー白金台
8 パークリュクス白金mono グレージュ

麻布エリア
1 シティタワー麻布十番
2 パークコート麻布十番ザ タワー
3 ウェリス有栖川
4 プラウド南麻布
5 ブランズ東麻布
6 ザ・パークハウス 西麻布
7 ライオンズ麻布十番 スペリア
8 イニシアイオ西麻布
9 クラッシィスイート・ジオ東麻布
10 サンウッド西麻布
11 ザ・パークハウス元麻布
12 パークホームズ南麻布ザレジデンス
13(仮称)ブランズ麻布狸穴町
14 グランスイート麻布台ヒルトップタワー

新橋・芝浦エリア
1 新橋プラザビル コアレジデンス
2 東京ベイシティタワー
3 クレストプライムタワー芝
4 アデニウム新橋
5 プレシス汐留
6 ザ・パークハウス芝公園
7 パークタワー芝公園
8 インプレスト芝浦レジデンス


2012/9/23 16:05 Comments (0)

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