藤澤建設逝く・・・まだまだ続きそうな倒産劇

今日は藤澤建設が逝きました。
「ロ-ヤルシティ」シリーズで知られた会社。
先日は「サニーコート」のアートハウジング。
ここのところ、小振りな倒産が続きますね。
次はどこですか?
なんて・・・酒席で聞かれることも増えそうです。
私は別にマンションデベの倒産予想屋ではないのですが(笑)。
コスモスイニシアはADRになったのに
株価は下落し続けていますね。
相場は何かを知っている。
まあ、相場に聞かなくても、
あのADRではいつどうなっても不思議はありません。
直後にも書きましたが、要は銀行の匙加減です。
ここのところ、「売主が倒産したらどうなるの?」的な
ご質問が多いので、改めてカンタンにおさらいを。
これは何度か書いているので、
ご存知の方はスルーしてください。
最初に、2通りに分けます。
1 竣工前
2 竣工後
まず、竣工前。
●購入契約者は、契約書で定められた期日に「引渡し」を受けられなくなる可能性があります。
これが最大のネックでしょうね。
倒産前に「投売り」で契約しまくっていた
日本綜合地所のマンションを契約されていた方に
このケースが大量発生しました。
なぜ、引渡しが受けられないかというと、
建築費を払ってもらえないゼネコンが工事を止めるからです。
また、ゼネコンは工事中の建物の所有権をもっていますから
これを建築費の担保として「先取り」してしまうからです。
それからもうひとつ
●倒産物件として、バーゲンになる可能性が高い
倒産企業の資産は「処分」されます。
だから、倒産前に販売していた価格よりも安価に
リセールされる可能性がかなり高くなります。
今、モリモトのピアーズシリーズがこのパターンですね。
各物件とも「抽選に当たらない」状態です。
次に、竣工後。
これは、竣工前に契約された方も同じことが当てはまります。
●アフターフォローの不安
倒産がどういうカタチなのかにもよります。
精算や破産なら法人が消滅しますから、
アフターフォローはまったく期待できません。
みなさん、誤解をされているようですが、
新築マンションが「完全な」状態で引き渡されることなど
ほとんどないのです。
住んでから、何かしらの不具合が出てくるものです。
それをどの程度丁寧にケアーするかで
売主企業の事業に対する姿勢が窺えます。
更生法や再生法などで、企業が存続した場合、
一定範囲でアフターフォローが期待できますが、
体力が弱っているので、内容は薄まるでしょうね。
●10年間の基礎部分への瑕疵担保責任
これも誤解が多いところです。
「保険に入っているから大丈夫」とみなさん考えています。
確かに、売主が倒産しても保険でカヴァーされます。
でも、ちょっと想像して見てください。
企業として社会的信用を賭けて補修するのと
保険の適用で「最低限」にカヴァーされることの違いを。
あと、これは中古マンションには適用されません。
つまり、サクラディアのように、
築1年以上たった「中古」マンションでは
法的にこの10年間の瑕疵担保責任に対する義務は生じません。
そして、たいていの売主企業は
「義務」以上のサービスはやりたがりません。
この他にも
●ブランド価値の低下
●管理会社の継続
●設計図書の保全
など、様々なリスクが生じます。
ですので、基本的には倒産の可能性のある、
あるいはすでに倒産した売主企業のマンションは
「避けるべき選択」です。
もし「どうしても」ということであれば、
より完全な状態で引渡しを受けるために
いつも紹介しているOさんに頼んで「内覧同行」をしてもらうべきです。
さて・・・倒産は今後も続くでしょう。
というのは、すでに「終わっている」企業がまだ何社か
倒産せずに残っているからです。
そういう企業は、現状のママで生き残ることは
かなり難しいと思います。
何か「資産」と呼べるものがあれば
ホワイトナイトが現れて救済してくれるのですが・・・
1年ほど前、オリックスがジョイントを救済しようとしました。
でも、結局は諦めて放り出してしまいました。
ジョイントには「リゾートマンション開発のノウハウ」があると
勘違いしたのが、このドタバタ劇の内幕だそうです。
実は・・・リゾートに限らず、マンションの分譲事業には
高い金を出して他社から買い入れるような
大したノウハウなど、なーんにもないのです。
だから、ちょいと景気がよくなると雨後筍の如く、
我も我もとマンション開発に参入してくるのです。
それこそ「行きはよいよい帰りは怖い」の世界で
最初は少し儲かって、数年後に大損こいで撤退、
というのがだいたいのパターン。
異業種から参入してきて生き残っているのは
商社と一部の金融系だけではないでしょうか。
彼らは、何といっても偏差値アタマがいいですからね。
事業を企画する段階で綿密にそろばんを弾きます。
大もうけもたくらまない代わりに、あまり損もしない。
それに比べて体育会系のデベロッパーは、
ちょっと事業環境がよくなると「イケイケ、ドンドン」。
何回同じ失敗を繰り返しても、この体質は変わりません(笑)。
そういう「元祖不動産屋」的な企業がまだいくつか残っていて
今後、倒産していく可能性がかなり高いと思います。
今述べたように「資産」なんてほとんどありません。
唯一の資産と彼らが考えている「人材」も、
いくらでも代用が効く連中がほとんど。
だから、今日の藤澤建設みたいに「清算」というケースも
これからの倒産には多くなりそうです。
みなさ、十分にご注意ください。
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2009/10/26 16:49 Comments (0)

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