インフレや消費税に惑わされないマンション購入を

少しずつではありますが、首都圏のマンションが売れ始めたようです。
まあ、業界にとってはいいことかもしれません。
昨年の後半は、まるで急ブレーキがかかったようになっていましたから。
それがここに来て、ポツポツと市場が動き始めた気配です。
私が見る限り、高額物件ほどアタリがよさそうです。
やはり、前にここで書いたように株価が大きく影響しています。

一番の要因は、何といっても安倍ノミックス。
「物価上昇2%の目標」ということで「いよいよインフレか?」という
ムードが社会全体に蔓延し始めたことが大きいですね。
もうすぐ、予算編成も始まります。日銀の総裁人事も行われます。
国会が開かれると政策論議がかまびすしくなるので、
この「インフレムード」がますます広がりそうです。

インフレというのは、基本的に実際の物価が上昇することです。
そしてこの現状を構成するもうひとつの重要な現象は、多くの人が
「この先、物価が上昇するだろう」と予想して、実際の行動に移すこと。
すなわち「今のうちに買っておこう」と、いろいろなものを買います。
例えば、ハイブリッドの新車は今なら350万円で買えるかもしれないけど、
5年後には400万円になるだろう、と多くの人が予想したとします。
彼らは、いっせいに買いに走りますね。
トヨタやホンダの売り上げは急上昇。
そこにぶら下がっている部品メーカーも潤います。
すると、5年前のように東海エリアの景気が良くなったりします。

今回、物価が上がるのは東海地方だけではないので、
日本全国で多くの人がモノを買いに走れば、景気は確実に良くなりますね。
2年前の地震の時を思い出してください。
あの時、東京では「ガソリンがなくなる」と思い込んだ人々が
「マイカーを満タンにしよう」とスタンドに向かいました。
結局、わずか2週間ほどではあったと記憶していますが、
東京中からガソリンが消えてしまいました。
トイレットペーパーやテッシュ、乾電池も右に同じ。
当時、そんな珍現象が起こったのは首都圏・・・それも東京がほとんど。

さて、「今買ったほうがいい」と考える対象には、マンションも含まれます。
「この先、マンションは値上がりします。だから今買ったほうがいいですよ」
このセリフは、ここしばらくモデルルームで
待ち構えるマンション販売営業マンの常套句になりそうです。
実はこのセリフ・・・そうでなくても彼らは年中使っています。
モデルルームを3,4ヵ所でも訪問された方は、きっと一度は聞いたはず。

ある住宅評論家は、業界内で「いつでも買い時オジサン」と呼ばれています。
どんな市場環境のときでも「今が買い時です」という持論を
トンデモナイ屁理屈で構成してアピールするからです。
私の記憶が正しければ、2008年に不動産ミニバブルが弾けて以降、
4年以上の間ずっと「今が買い時」と言い続けておられます。
その間、マンションの価格は私が予測したとおり
ずっとダラダラ下がり続けているにもかかわらず・・・です。

まあ、それはいいでしょう。
マンションを購入しようかどうか迷っている客に向かって
「この先、マンションは値下がりしますよ」なんていったら絶対に買いません。
でも「今買わないと値上がりしますよ」と言えば、買います。
だから、営業マンもデベロッパーポチの評論家もそう言っているだけ。
説得力のある根拠なんて、なーんにもないのです。あるのは願望だけ。

さて、ではインフレになりそうな「今から先」はどうなるのでしょう?
いつもの通り、ズバっと私の考えを示しておきます。
もし、本当に年2%のインフレが来れば、
マンションもそれなりに値上がりします。
ただ、一般消費財や耐久財と同様の上昇率になるかと言うと???

ひとつ、参考になる事例を上げておきます。
大震災以降、マンションの建築費はザックリ10%以上値上がりしました。
場合によっては20%近くの上昇を感じる場合もあります。
で・・・それは新築マンション価格に反映されているのか?
答えはNO 。むしろ、ここ2年でマンション価格は確実に下落しています。
なぜでしょう?

それはつまり、最終消費者であるみなさんが値上がりを許していません。
市場より高いマンションは厳しく選別して「買わなかった」からです。
だから、震災以後も新築マンションの価格は落ち続けました。
建築費が上がった分は、土地の仕入れ値を落としてきたのです。
つまり、建築費は上昇。土地価格はハイペースな下落。

ですから、世の中が全体にインフレになった場合、
マンションの価格もそれにつられて上がるかどうかと言うのは
ひとえにみなさんの購買行動がどの程度賢いかにかかっています。
おっちょこちょいさんたちが「これから値上がりします」という
営業トークを信じてたくさん買ってしまうと、値上がりします。

ところで、最近「B層」なんていう言葉がありますね。
カンタンにいうと『マスコミ報道に流されやすい、比較的IQが低い人たち』。
4年前の選挙で民主党に投票し、震災後のアンケート調査では「原発反対」と答え、
去年の選挙では安倍政権の誕生を支持した人々・・・みたいな。
震災後にストックがあるのにあわててトイレットペーパーを買いに走り、
どこに行くわけでもないのに給油の為の長蛇の列にマイカーを並べた方。
こういう方は、ご注意ください。
マンションの営業マンが「今買わないと値上がりします」というトークを
真に受けてロクに調べもせずに契約書にハンコついちゃう可能性が大(笑)。

当たり前の話をさせていただきます。
モノの値段と言うものは基本的に「需要と供給の関係」で決まります。
世の中のムードが「この先、マンションは値上がりする」となった場合、
おっちょこちょいさんたちが買いに走ります。
これも立派な需要です。だから、値上がりします。
でも、そういう需要は完全に一時的な現象です。
比較的短期間に終了します。まず、長くて2年。短ければ数ヶ月。
その先は、どうなるのか?
当たり前ですが、その先の「需要と供給の関係」で決まることになります。

いつも言うことですが、日本の人口は減少し始めています。
住まいを必要とする人が減っているのに住宅の数はどんどん増え、
オマケにその耐久性能も徐々に向上しています。
だから、5年前の統計ですら日本全国で約13%の住宅が空家になっていました。
今はきっと、それがもっと増えているはず。
現状ですら、市場では住宅の供給がダブついているのです。
冷静に自分のお住まいの周辺を眺めてください。
賃貸住宅はそこいらじゅう空家だらけでしょ。

で、話を戻します。
おっちょこちょい君たちが一時的にマンションの需要を
盛り上げたあとはどうなるのか?
そこには間違いなく「反動減」というものがやってきます。
マンションが売れなくなるのです。当然、価格は下がりますね。

40歳以上の方なら、消費税が3%から5%に上がった時のことを
少しは覚えていらっしゃるかと思います。
あの時、世のおっちょこちょい君たちはマンションを買いに走りました。
たったの2%ですよ!
それも、新築マンションの場合は建物部分の2%です。
2000万円だとすると40万円。
たった40万円値上がりするだけで慌てて
4000万円くらいのマンションを買っていたのです。
今から考えると、とんだおバカさんですね。
案の定、「反動減」がやってきました。
マンションデベたちは、当然売れる価格まで値引きをします。
そんなもの「一声100万円」の世界。
消費税の増税分40万円なんて、すぐに吹っ飛んでしまいます。

今回の安倍ノミックスによる「2%のインフレ目標」も、
来年4月からの「消費税3%増税」も、ほぼ同じようなこと。
一時的には「値上がり」現象があるかもしれませんが、
結局は現実的な「需要と供給の関係」による価格へと調整されます。
ですから、そういう市場の枝葉末節に左右される必要はありません。
マンションは大きな買い物です。
「木を見て森を見ず」のような狭い視点と価値観で
一生住むことになるかもしれないマンションを選ぶと、
その後の人生に大きな陰を作ることになります。
くれぐれもご注意を。

さて、そんな「危ない」マンションがいっぱい出ている
レポートの更新情報です。

東京の大規模マンション
全解説36物件
プラウド府中マークス、アトラス池尻が登場!
価格 5,790

アトラス池尻レジデンス
イーストゲートスクエア
ヴィークグラン世田谷千歳船橋
オーベルグランディオ多摩中央公園
オハナ玉川上水ガーデニア
グランドヒルズ三軒茶屋
グランドメゾン狛江
クレヴィア南千住
クレストガーデンレジデンス
グローリオ蘆花公園
ザ・パークハウス 一之江
ザ・ミッドランドアベニュー
ザ・ミレニアムフォート府中御殿坂
ザ・神宮前レジデンス
桜堤庭園テラス
シティテラス加賀
シティテラス板橋蓮根
シティテラス立川
センチュリーフォレスト
セントラルレジデンスシティーテラス目白
東京スクーププロジェクト
常盤台ガーデンソサエティ
パークシティ国分寺
パークシティ浜田山
パークシティ武蔵野桜堤
パークホームズ南麻布ザ レジデンス
パークホームズ品川ザ レジデンス
パークホームズ目黒ザ レジデンス
東綾瀬公園ハイライズ
Brillia 多摩ニュータウン
広尾ガーデンフォレスト椿レジデンス
プラウドシティ船堀
プラウド府中マークス
ミッドプレイス八王子
ライオンズ調布つつじヶ丘シーズンズヒル
ルネ花小金井
[アイウエオ準順]

この中で、買ってはいけない物件がかなり含まれています。
マンションを買って「幸せになる」のではなく
「一生の不幸を背負う」ことになるなんて、ぜひ避けてください。
プラウド船橋の好調は本物か?
千葉エリアの大規模マンション 
全20物件の徹底分析
価格 3,290

ザ・パークハウス 新検見川
グランドターミナルタワー本八幡
ユトリシア
パークシティ柏の葉キャンパス2 番街
ヴェレーナシティ 行徳
プラウド船橋
グランソシア船橋芽吹の杜
グランスイートブルー
シティテラス南行徳
パークタワー八千代緑が丘
シティテラスおおたかの森ステーションコート
幕張アクアテラス
プラウド新浦安パームコート
ビオ・ウイング ユーカリが丘
ザ・パークハウス津田沼奏の杜
サングランデ印西牧の原ドアシティ
オーベルグランディオ柏
プレミスト稲毛海岸
幕張ベイタウン グリーナ
ウェリス稲毛

千葉エリアは価格下落が激しいですね。
それに無条件で「買ってはいけない」と断定できる物件が多すぎ。


2013/1/27 18:35 Comments (0)

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