しかし・・・この先2年くらい、都心はタワーラッシュですね。
港区だけで21本も計画されているようです。
見えているだけで、それくらいありますね。
3年先、4年先もこの勢いは続いているかもしれません。
だって、今現在でもどんどん仕込んでいるはずですから。
また、タワーでないマンションもたくさん計画されています。
港区で今後2年くらいの間で供給されそうなマンションは、
タワーも含めて1万戸を超えます。大丈夫でしょうか?
港区内でタワーマンションを供給するとなると、
坪単価は軽く300万円を超えます。
まあ、安くても330万円くらいですね。
高いのになると600万円超というのもあるのです。
グロス価格にすると狭いものでも6000万円台から。
ちょっと広くて上層階は軽く1億円をオーバー。
そういうのを買う人が、今後2年の内に何千人も沸いてくる?
港区にはリッチ層が湧く泉でもあるのでしょうか?
マンション業界というのは、馬の群れに似ています。
誰かが威勢よく走り出すと、他も一斉に後を追いかけるのです。
「これからは都心だ!」と、走り出したのは7,8年くらい前。
猫も杓子も都心での用地確保に走りだしました。
かつて、首都圏のマンション供給は郊外型が主役。
1年間に8万戸も10万戸も供給していた頃は、
ほとんどが郊外の大規模ファミリーだったと記憶しています。
山手線内のタワーマンションなんて、年に10棟も出たでしょうか?
今は、各デベロッパーとも一斉に「都心回帰」。
大型案件はほとんどが山手線の内側になりました。
価格も一時よりかなり下がってきましたね。
ただ、2002年の「大底」時までは落ちていません。
あの頃、港区内でも坪350万円だったら「高いな」という空気でした。
それがジワジワとミニバブルになっていき・・・・
日本経済は、今より2002年の方が元気良かったと思います。
なのに、マンションの価格は今の方が高い・・・
ですから、ここ4年ほどずっとミニバブル崩壊後の調整が続いてきました。
つまり、少しずつではありますが、価格は下がっていたのです。
それが、アベノミクスで流れが少し変わりました。
今この瞬間、「下げ止まったかな」という感じがしています。
さて、これからどうなるのか?
何度も同じことを書きますが、これから出る物件は少し価格が上がります。
この半年で仕込んだ都心の用地は、ミニミニバブル価格。
建築費は依然高止まり気味で、あまり落ちてきません。
ですから、マンションの価格を上げざるを得ないのです。
ところが、エンドユーザーの客足はちょっと停滞気味。
ここのところ、株価が迷走したのが大きな原因ですね。
足元の景気は、以前ほど暗くもないけど
実際にお金のめぐりが良くなった感じはしていませんね。
東北地方の一部は別ですが。
この先、どうなるのか?
参議院選挙が終わると、政治の争点は憲法か、景気か、外交か?
支那の理財バブルの崩壊が世界にどう影響するのかも気になります。
尖閣諸島をめぐる緊迫も予断を許しません。
このままいけば、来年4月の消費税増税は間違いなさそう。
そのあとの反動減で景気は一気に冷え込むでしょうね。
今、都心のマンションは「品薄」状態にありますが、
来年4月以降は一転「在庫過剰」になりそうな・・・・
その1年半後には、さらに10%への増税があります。
8%への増税で、かなり経済が痛むでしょうから
その1年半後の10%はほぼ延期が確実だと予想します。
問題は増税後の反動減=景気悪化から何年で立ち直れるのか?
マンションの売行きも、そこに大きく影響されると思います。
心配なのは、ここ1,2年であまりにも多くの「都心物件」が
仕込まれ過ぎました。つまり、計画はいっぱい、いっぱい。
それが続々市場に出てくれば、かなり過剰感が高まります。
2008年のリーマンショックの時には、
マンションの在庫は都心にも郊外にも散らばっていました。
今度の「反動減不況」では、在庫の都心集中が予想できます。
ホント、この業界なんでも一斉にやるからこうなるのです。
夕刊フジの公式サイト zakzak
に榊淳司の連載コーナーが設置されています。
どうぞ、みなさん寄って行ってください。
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