バリ島の不動産事情① 只今バブル4合目

実は月曜から昨日までバリ島に行っておりました。
バリ島は、私の想像以上に豊かなところでした。
もっとも、私はデンパサールの周辺をうろついて、
売出中のヴィラを⒛物件ほど見て回っただけでしたが(笑)。
現地三泊、機中一泊の弾丸不動産視察ツアー。
月曜日発の金曜日帰国という、超ハードスケジュール。
しかも、台湾経由。なんせ、貧乏ですから・・・

実はこの原稿も、日本時間30日午前2時のデンパサール空港。
チャイナエアが出発時間を勝手に45分も遅らせたおかげで、
あと2時間待ち。空港内でワイファイつなぎながら書きました。
しかし・・あの3日間しんどかった。
朝から晩までずーっと物件を見て回っていました。
こんな真面目でハードな海外出張は初めて。
というか、海外に出るのももう何年振りでしょう。
まあ、そんなことはいいとして・・

バリは豊かですよ。そして不動産はバブルの真っ最中。
まず、「どこが豊かなのか」から始めましょう。
バリ島で外国人が訪れるのは主に南部のデンパサール。
結構広いですよ。このエリアだけで123k㎡。
まだまだ道路が整備されていません。
それこそ、自然に市街地が広がった感じで、道路の伸び方がいかにも出鱈目。
それでけっこう渋滞するので、車での移動はやたらと時間がかかります。
高速道路はほとんど整備されていません。
片側2車線の道路さえ、主要なところだけ。
あとは普通車がすれ違える程度の片側1車線。
ちなみに日本と同じ左側通行。

そこにやたらとバイクが走っています。
バリ人の主要な移動手段はバイクと言っていいでしょう。
その主役は125ccのスクーター。
みな、お尻が吊り上がった同じデザイン。
なんと、走っているバイクの90%以上がせいぜい5年以内の新型。
さらに、車もボロボロの中古車なんてほとんど見かけません。
だいたいが、7,8年以内のモノですね。いや、ビックリしました。

Life is so sweet さんHPより

私は20数年前にジャカルタとジョグジャカルタに行ったことがあります。
その時の雰囲気と全然違いますね。
走っている車やバイクを見ていると、
「発展途上国」という臭いが極端に薄れています。
もちろん、立ち並ぶ建物などはまだまだアジアを感じさせます。

私が見て回ったのは、ヴィラと呼ばれる別荘みたいな戸建て住宅。
外国人が住むためのもっとも普及したスタイルの住宅でしょうか。
それが、デンパサールの街のあちこちに作られているのです。
実際のものを見ないと実感はわかないでしょうが・・・
土地の広さは300㎡から400㎡くらいが主流。建物は延べ床で200㎡前後。
敷地内には必ずといっていいほどプールがあります。
8m×3mくらいの大きさでしょうか。
泳ぐというより、昼間に体を冷やすために浮かぶ、という感じ。
2から3ベッドルーム。それぞれ、バスルームが付属します。
日本風に言えば12畳くらいの広さに十分なクローゼット。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

リビングはだいたいプールに向かって設置され、
扉で閉じないオープンスタイルのものが主流。
つまり、屋根があるだけで開けっぴろげになっているのです。
日本風に言うと、これでは容積に参入しなくていい、みたいな(笑)。
「スタッフルーム」といって、メードさんの部屋を設けたプランもあります。
メードさんの給料は月に1万円から2万円。
まあ、日本の普通の年金生活者でも雇えるレベル。

さて、ではこういうヴィラのお値段は・・・・
ここで、すこし複雑な説明をしなければいけません。
インドネシアは外国人の不動産取得に厳しい制限を課しています。
まず、日本でいう所有権を持つには「永住権」みたいなものを
取得しなければなりません。
これが普通の人にはなかなか困難。ただ55歳以上は取りやすい条件。
そういう条件をクリアするとか、あるいは現地人の名義を借りると
「フリーホールド」という所有権に近い形で所有できます。
このスタイルで前述のようなヴィラを取得するには、
場所にもよりますが、だいたい4千万円から5千万円かかります。

「そんなに高いの?」という声が聞こえてきそう。
でも、そういう値段でもジャンジャカ売れています。
誰が買っているかって? もちろん外国人ですよ。
オーストラリアにヨーロッパ人が多いですね。
最近はチャイニーズ系も出てきました。
ジャカルタのお金持ちも買っているそうです。
日本人は10%前後で3番手くらいでしょうか。
少なくとも主流派ではなく少数派。

こういった物件は、猛烈な勢いで値上がりしています。
例えば、数年前にインドネシア人と結婚していた女性が、
「ちょっと高いけれど買っておこうか」といって
2000万円のヴィラを市内の中心地に買ったそうです。
まわりからは「高い」「高い」と言われました。
それが、先日2億円で売却できたとか。
もちろん、本人は大喜び。
でも、そんな話はゴロゴロあるようですね。

およそ25年前に日本が経験したバブルと同じような現象が、
今まさにバリ島で起こっているのです。
「そんなバブル、すぐに弾けるよ」
多くの人はそう思うでしょう。
でも、今回私はバリに実際行ってみて、私はそう思いません。
今はバブルの4合目くらいです。
まだ頂上には達していません。
数年後に頂上まで登りきる可能性はあります。
しかし、日本のようにバブルが弾けて
不動産価格が大暴落することはないでしょう。
それは、数年の調整はあり得ます。
でも、そのあと再び次の上昇期が始まるのではないでしょうか?

その理由はいくつかあります。
まず四半世紀前の日本のバブルは借金で土地と株を買いあさるスタイル。
予定通りに資産価値が上昇したり収益が得られないとたちまち破綻。
借金を返すため売りに走らなければなりません。
だから、価格が暴落するのです。

今、バリで起こっている不動産バブルは、投機の側面もありますが、
7-8割は実需によるものと思われます。
あるいは、実際の収益に裏打ちされたものです。
そして、日本の平成バブルやアメリカのサブプライム、
支那のシャドーバンキングと違って借金による購入はほとんどありません。

つまり、平成バブルやサブプライムが信用を元とした仮需中心の
「トラストバブル」だとすると、今バリで起こっているのは
実需による現金取引を基本とする「キャッシュバブル」。
売れなくなっても、一斉にウリに走るような現象は起きないのです。

さて、長くなるので今日はこれくらいに。
次回は日本でいう「借地権」にあたる「リースホールド」と、
その目を見張る収益性について書きます。
『バリの話なんかいいよ』という方は、スルーにしてください。

夕刊フジの公式サイト zakzak
に榊淳司の連載コーナーが設置されています。
どうぞ、みなさん寄って行ってください。


2013/8/31 15:55 Comments (0)

コメントはまだありません

No comments yet.

RSS feed for comments on this post.


Leave a comment

※こちらへ書き込みいただいたコメントは、承認後全て表示されます。
マンション購入に関する個別相談等こちらへ表示させたくない場合は、
専用フォームからお願いいたします。