今のミニミニバブルがミニミニである理由

ここのところ、同じような話ばかりをしています。
新しい著作の企画として編集者に喋り、
打合せにやって来たテレビ番組制作会社のディレクターに喋り、
週刊誌記者の電話取材で喋り・・・・・
何の話かというと、日本の住宅の貨幣換金価値は
中長期で見れば下がり続けるでしょう、といういつものこと。

私はもう5年くらい同じ話を喋りつづけているのですが、
聞く方としてはそれぞれ新鮮みたいですね。
ところが、ここのところ東京でも大阪でも
新築マンションの販売価格は上昇気味。

地価が下げ止まり、建築資材費が上がり、職人の手間賃が急上昇。
マンションの主要な原価であるこの3つが上がるとどうなるか。
そこは、企業努力という点では流通業界の対極にあるディベロッパー業界。
カンタンに価格に転嫁してしまうのです。
だから、新築分譲マンションの価格は上昇します。

しかし、猿みたいな連中ばかりのデベ業界でも猿知恵は働かせます。
1住戸あたりの面積を狭くすることで、表面の価格はあまり上げない。
分かりやすい例を出すと、武蔵小杉。
駅徒歩1分で2つのタワーが短期完売。
ちょっと離れたところのプラウドタワー武蔵小杉もスッキリ完売。
その後に出てきたのが住友不動産のシティタワー武蔵小杉。
駅徒歩4分で戸数は800戸。竣工予定は約2年後。
例の如く、住友さんはながーい予告広告を行っていて
未だに価格は表示されていませんが、面積は55.23m2~72.35m2。
ファミリーの街なのに、明らかに面積を抑えていますね。
これは多分、販売価格を安く見せるためではないかと私は推測します。
まあ、姑息と言えば姑息なやり方ですね。

この先、前述の理由によって新築マンションの価格は上がります。
しかし、それで売れるかどうかは別の問題。
当たり前のことですが、買う側の懐事情が好転しない限り、
値上がりしたマンションがジャカスカ売れることはないでしょう。

2005年から2008年前半頃までミニバブルという現象がありました。
不動産価格が急上昇したのです。
しかし、エンドユーザーの動きはそれほど目立ちませんでした。
買いまくっていたのは海外と国内のファンドと、不動産業者。
リーマンショックで一気に弾けた後も、痛みを蒙ったのは
主にファンドと業者で、エンドユーザーはどちらかと言えば部外者。
まあ、乗せられて高いマンションを買ってしまった人はいるでしょうが、
あまり目立っていません。ひっそりとローンを払っているのでしょう。

そして今回のミニミニバブル。私はそう呼んでいるのですが、
この言い方は今後のメディアが決めてくれるでしょう。
動いた主体は個人です。主に株高で儲けた人。
そして支那系の外国人。あとは浮かれたエンドユーザー。
でも、そろそろ落ち着き始めた感じがします。

今回、アベノミクスに株高にオリンピック・・・・
考えてみれば、前回のミニバブルの時より材料は豊富。
なのに、踊りやすいエンドユーザーが今ひとつ冷めています。
前々回の平成バブルの時は、企業個人を問わずに
日本国中が踊りに踊っていました。

冷めている原因のひとつがネットの存在だと思います。
例えば、「オリンピックがやって来たから湾岸エリアの
マンション価格は上昇する」というのが普通の考え方。
ネット以前の情報社会なら、大半のメディアがその方向で情報を発信したはず。
冷静な見解もないではないけど、目にする機会は極端に少ないでしょう。
ところが、ネットがあまねく行き渡った今では、
私のような発言にも少しネットリテラシーがあれば辿りつけます。
メディアも、まずネットで調べてから情報発信の方向性を決めます。

今回、私はネット社会の成熟度に少し驚いています。
まあ、こういうのは日本ならではのことなのかもしれませんね。
お隣の韓国では汚染水騒ぎで国産の魚まで売れなくなっているとか。
まあ、あの国は特別そういうおバカなところがありますが(笑)。

日本でも今、お魚の値段がかなり安くなりました。
でも、私のような人間はここぞとばかりに買っています。
汚染水などたとえ全部海に流しても
我々の健康に影響があるとは思えない、
という専門家の見解をどこかで読んだからです。
だいたい、事故から2年半も経っているのに放射能で死んだ人ゼロ。
近辺でガンが多発しているという科学的データさえ見かけません。
騒ぎすぎ、ですね。

日本という国は、騒ごうとする人間に寛容です。
付和雷同する輩も多いのですが、冷めている方が多数派ですね。
「気にしない」「ただ見ている」という人が大半。
前回の参議院選挙で山本某というアホタレが東京選挙区で当選しましたが、
せいぜい有権者の10%が票を入れた程度。
つまり、9割は冷静な判断をするか、何もしないかなのです。

今後、今回のようなバブルの芽が出てきても
日本人の大半は同じように冷静に構えるのではないでしょうか?
日本の株価が、他国の株価より「踊りにくい」のも
多分にネット後に培われたリテラシーと冷静さに
よるのではないかと、最近愚考した次第です。

ブログよりも過激な発言をお求めの場合は
私のツイッターをご覧ください。
twitter.com/SAKAKIATS

さて、マンションレポートの更新情報です。
今回は葛西と船堀・一之江の2タイトルを最新情報化。
この江戸川区南部エリアにはまだアベノミクスは来ていません。
というか、無縁に近いかもしれませんね。
しかし、西葛西エリアはちょっとすごいことになっています。

レジデントプレイス西葛西(459戸)とザ・ガーデンズ西葛西(358戸)という、2つの大規模マンションが、ほぼ同時期に販売開始。
敷地はほぼ隣接。駅徒歩も7分と8分。
レジデントプレイス西葛西は大和ハウス工業がチャンピョンで、なんとなく長谷工プロジェクトの臭い。明治安田生命の研修施設跡地、だったら何で地所じゃないの、という疑問。
一方、ザ・ガーデンズは地所と三井の連合。なぜか直床で、いつもはそれに苦しんでいるレジデントプレイス西葛西の販売会社・長谷工アーベストに叩かれているとか。そして、こちらはNTTデー社屋の跡地。だったらなんでNTT都市開発じゃないの、という疑問。

まあ、余計なことはいいとして、合わせて817戸ですよ!
西葛西エリアでの年間供給なんて、300戸程度ではないでしょうか。
その3年分が一気に出てきているわけです。
当然、他にもオーベル西葛西などの競合物件があります。
しかも、このレジデントプレイス西葛西とザ・ガーデンズ西葛西は
共に高値挑戦を仕掛けようとしています。
多分、建築費高騰の影響もあるのでしょうね。
しかし、私から見るとかなりの無理筋。
何だか悲惨な結果が待っていそうな気がします。

隣接の一之江・船堀エリアは順調に健全市場を形成中。
遠くて安くない物件は売れず、駅近の優良物件は順調。
葛西エリアのような波乱要因は今のところ見られません。

両エリアのどちらかで「マンションを買いたいのだけれど」と
お考えの方は、ぜひ私のレポートをご活用ください。

レジデントプレイス西葛西VSザ・ガーデンズ西葛西
葛西・西葛西エリア
価格 4,690

このレポートに収録されているマンションは、■アーデル西葛西,■オーベル西葛西,■クレストラフィーネ西葛西,■ルネサンス葛西ザ・レジデンス,■スカイクレストビュー西葛西,■アルファグランデ西葛西,■プラウド葛西,■ファーストシーン葛西elise,■アーバンパレス葛西,■プレシス葛西臨海公園アスール,■レジデントプレイス西葛西,■ザ・ガーデンズ西葛西,■グリーンホームズ南葛西リーフコート、以上13物件

竣工迫るザ・パークハウス一之江、サンクレイドル船堀II 登場
船堀・一之江エリア

価格 2,980

このレポートに収録されているマンションは、■デュオ船堀,■サンクレイドル船堀,■日神パレステージ江戸川船堀,■ウィルローズ一之江,■ワザック江戸川・船堀,■クリオ一之江親水公園,■プレイズ船堀,■アルファグランデ一之江六番街,■ザ・パークハウス 一之江,■ブランシエラ 一之江,■サンクレイドル船堀II、以上11物件

夕刊フジの公式サイト zakzak
に榊淳司の連載コーナーが設置されています。
どうぞ、みなさん寄って行ってください。


2013/10/16 14:57 Comments (0)

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