人口減を止めるには公教育の活性化!

マンションの建築費が高騰しているのに、
どうして木造戸建てのそれは上がっていないのか、
と不思議に思っていたら謎が解けました。
建築費高騰の主因は職人不足だそうですが、
中でも「トビ」と「型枠」、そして「鉄筋」の
職人さんが不足しているそうです。
これって、全部マンションの建築に必要。
しかし、木造戸建てには不要な職人さんたちですね。

ただ、私から見るとこの3種は「一人前」になるのに
何年もかかるような領域ではないように思えます。
つまり、今から養成していけば2年後くらいには
この過度な不足状況が改善できるのではないかと愚考するわけです。
また、そういうことなら外国人を積極的に
受け入れるべきではないかとも思います。
ちょっと実現は難しいでしょうが。

今、分かっているだけで東京では
6万戸以上のマンション供給が計画されています。
そのほとんどが23区内です。
埼玉や千葉では1万戸も計画されていません。
もう、完全な都心回帰ですね。
しかも、港、中央、新宿、文京、渋谷といった
都心5区に大きな計画が集中しています。
西新宿など、湾岸以上に凄まじいことになりそうです。

この建築費高騰は、マンションデベロッパーの眼を
いやがおうにも都心へ向かわせます。
千葉や埼玉は、当面見捨てられた状態になりそうです。
来年の供給は激減するでしょうね。
新築マンションを待っている方にとっては
何とも「選びにくい」時代になると思います。

では、千葉や埼玉のマンションの価格は上がるのか?
多分、上がるなんてことはあり得ないでしょうね。
ズルズルと下降していくのではないでしょうか。
その下降スピードが多少緩む程度かと思います。

また、バカみたいに供給が集中する東京都心でも、
マンションの価格は一時的に高騰するだけで
そのあとはまた下がり出すと私は予測しています。
オリンピックが開催されるからといって、人口は増えませんから。
結局、住宅の価格が相対的に上がる、ということは考えにくいのです。
しかし、住宅価格が下がることは大きなメリットでもあります。

私は、この国の若者が結婚もしないし子どもも作らない最大の原因は、
「お金がかかる」からだと思っています。
日本がまだ貧しい頃、若者は結婚して子どもを作っていました。
「何とかなるさ」という気持ちが国を覆っていたのです。
つまり、先に「希望」があったのです。
それに、狭い家や貧乏は当たり前でした。

今、若い人は「希望」を持っていないように思えます。
お金がないと、子どもにきちんとした教育を受けさせられません。
先日、ある若い女性から人生相談みたいなことをさせられました。
彼女は20代の後半で失業中。
同棲している相手は建築系の職人で、手取りは月16万円。
それで結婚したいのですが、彼女の親が猛反対。
まあ、常識で考えれば当たり前でしょうね。
そういう収入では食べていくのがやっと。
彼女の親が反対する理由を分かりやすく説明してあげました。
「それじゃあ、子どもにまともな教育は受けさせられないよ」
「君は親から大学まで出してもらったのだろう」
「君は自分の子どもに、同じことはしてやれないだろう」

結局、私は彼女にこういいました。
「彼氏に一念発起させて、公務員試験を受けさせなさい」
ある程度の成績を取れれば、コネで何とかおしこめます。
この場合の救済方法は、そういうことしかないと思いました。

この国は「自由競争社会」ということになっています。
しかし、スタートラインも各自の能力もまったく平等ではありません。
豊かになって、格差が広がりました。
地方の貧乏人の子どもががんばれば東大に入れる、
なんてことは皆無ではないけど、かなり難しいでしょう。
まして、頭のいい悪いは生まれた時にある程度決まっています。

頭のいい人間は、総じて多くを稼ぐことができます。
そして、頭のいい子どもは頭のいい親から生まれます。
残酷ですが、人の2倍勉強しても偏差値が50を超えない人もいます。
そういう人は、受験勉強なんてしない方が幸せでしょう。
中学校を卒業すれば手に職を付ける修業を始めればよいのです。
不動産屋さんになるための勉強を始めてもいいでしょう。
不動産の取引を行うのに、高校で習うことはほとんど必要ありません。
私の知り合いで、中卒なのに立派に成功した不動産屋さんが何人もいます。

困ったことに、世の中の大半の方は私と同じ意見ではありません。
子どもには部屋と教育を与えなければいけないと考えています。
どちらにもお金がかかります。
そのお金がないから「結婚しない」「子どもを作らない」。

これから、日本の住宅はどんどん安くなります。
借りるのも、買うのも、両方です。
我々の支出から「住居費」の占める割合が低下します。
ところが、教育費は下がる見通しがありません。
むしろ、上がるかもしれませんね。

うちには3人のこどもがいて、それぞれ
私立、国立、公立の学校に通っています。
このうち、公立がサイテーです。
ただ「義務を果たしているだけ」のように思えます。
教師たちは100%事なかれ主義。
なぜ、そうなったのでしょうね?

私は、日本の人口減少を食い止めるのは、福祉や住宅政策ではなく、
ひとえに「教育」ではないかと考えています。
それも、公教育。公立小学校と公立中学。
この2つが機能しているようで、まったく機能していません。
ある一定時間、子どもを預かっているだけです。
大切な勉強は、すべて塾でやっているといっても過言ではないほど。

どうすれば、この痛ましい現状が改善できるのか?
文部科学省がある取り組みをしました。
小学校の運営に地域社会に関わらせる、というもの。
「コミュニティスクール」なんて言うそうです。
それで「目覚ましい」成果を上げた小学校があります。

それは、京都の町中で5つの小学校を統廃合して生まれた「御所南小学校」。
何を持って目覚ましい、とするかは価値観によります。
この小学校から御池中学、堀川高校、そして東大。
今、京都のエリートコースはそうなっているそうです。
人口流出で統廃合したのに、今では人が集まりすぎて分校化。

この成功を全国に広めようと、今では日本の通津浦々で何百という
「コミュニティスクール」が指定されています。
まあ、そんなにうまくはいかないでしょう。
でも、ひとつの注目できる取り組みです。

教育とは、一方的に与えられるものではありません。
どちらかというと、本人が掴み取るものです。
しかし、機会を与えるのは大人たち。
「お金が無くても、キチンと教育を受けられる」
そういう希望が持てれば、若者たちは子供を作り始めると思います。
そうなれば、日本経済は再び成長軌道を描けます。
少なくとも衰退を食い止められるでしょう。
住宅価格が下げ止まり、反転するという副作用は生まれますがw。
それには国民の関心を高め、政治家を動かす必要があります。

住宅・不動産の分野は、票にはなりにくいけれども、利権が絡みます。
政治家はこの分野が結構好きです。特に自民党w。
教育、というと政治家はあまり関心を持ちません。
明解に票になるとは限らないし、利権が薄いから。
しかし「米百俵」の精神こそ、日本人の誇らしき美質。
あのダラダラ無責任な公教育を早く何とかしましょうよ。

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参考レポートです。

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2013/10/28 17:44 Comments (0)

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