家賃やローンが半額になる!

この国は戦争に負けてこの方68年もの間、
ずっと「持家政策」を継続してきました。
つまり、国民は持ち家に住んだ方が幸せだよ、
という価値観をみなさんに押し付けてきたのです。

分かりやすく言うと「家を借りる」ことに関しては、
ほとんど経済的な支援をやっていないのですが、
「家を買う」ことには様々な政策サポートがあります。
例えば、住宅ローン控除。
これなんか、来年1年は消費税増税を吹っ飛ばすほどの支援策。
固定資産税の軽減なんかもそうですね。
その昔、住宅金融公庫なんてのを作って35年の低利融資を実現しました。
今もその残骸みたいな「フラット35」が残っています。

その結果、すでに持家率は60%を超えています。
そして、日本中で家が余っています。
先ごろ、自民党が空家対策法案というのを作ったそうです。
法律で空家対策をしなければいけないのが現状。
なのに、日本中で新築住宅が毎年100万戸前後作られています。
これは、ひとえに住宅産業の都合でしかありません。

首都圏では、毎年5万戸前後の新築分譲マンションが販売されます。
それは、買っている人がいるから作られているのです。
各デベロッパーは1年から2年先に販売するマンション用地を買います。
買った限りは、作って売らなければいけません。
そのために人も雇っています。
言ってしまえば、現状の企業規模を維持するために、
永遠とこのサイクルを続けなければいけないのです。
よく「自転車操業」だといわれます。その通り。

さて、でも家が余っているのも「今そこにある真実」。
住宅産業にとっては、かなり「不都合な真実」でもあります。
みなさんもまわりをみてください。
自分の住んでいるマンションに空室はありませんか?
あるいは、ご近所に空家はありませんか?

「売り家と唐様で書く三代目」なんて川柳か何か知りませんが、
呑気な事を言っていたのは昔の話。
家を最後の資産として売ろうとしても売れない時代がきています。
なのに、大金をはたいて買おうとしている人がわんさかいます。
逆に、高い住まいを売りつけようとしている住宅産業も健在。

こんな時代なのに、都心のマンション価格は今後しばらく上昇します。
建築費が上がって、土地の値段が下がらないから仕方ありません。
しかしねえ・・・これは健全な価格上昇ではなくコストプッシュ。
何度も同じことを書いていますが、いずれ下がります。

しかし、日本人は不動産が好きですね。
こんな狭い島に1億2千万もの人間が住んでいるわけですから、
1人当たりの面積が少ないのは仕方ないな・・・
と、多くの人が思っていることでしょう。
でもね、日本の国土というのはそれほど狭くないのですよ。
実は1人当たりの面積は約3000㎡もあります。
それって、その辺の児童公園くらいの大きさですね。

さらに、日本の住宅面積の総計を人口で割ると
1人当たり約79㎡になります。
これは標準的な3LDKの広さですよね。
なのに、東京などの大都市では79㎡で3人か4人の家族が住んでいます。
その分、どこかで必ず「余っている」か、
あるいは「使われていない」面積があるのです。

この国の住宅産業の行く末が何となく見えてきませんか?
住宅というのはマクロの視点で見るとかなりの余剰。
ですから、新たな住宅づくりに労力とお金をかけるよりも、
その適正な配分を考えなければいけないのが今。
ところが、政府は未だに住宅不足時代の政策を継続しています。
つまり、住宅建設を奨励しているのです。

そろそろアタマを切り替えましょうよ。
それにはまず、東京など大都市の住宅を、
なるべく金融資産化しない方向へ導くべきなのです。
すなわち、投機や投資の対象とならないのが一番。
まず、今のように政府も企業もマスコミも、
こぞって不動産産価格の上昇を歓迎しているような
この風潮を改めるべきだと思います。

国民が今よりも住宅にお金を使わなくなって、
その分を他の分野に消費できるようになることは、
生活そのものが豊かになることです。
例えば、家賃や住宅ローンに費やしている額の半分を
他に使えるようになると、かなり豊かになるでしょ。
そんな社会を実現できる基盤が整っているのに、
誰もそれが良いことだと思っていないのが現状です。

不動産の価格が下落することは、マクロでみれば人々の
生活を豊かに導くことにつながるのです。
困るのは、住宅産業と自民党とお役所。
そのことに、もっと多くの人が気付いてほしい・・・
私は常々そう考えています。

そのことは「磯野家のマイホーム戦略」という本に
詳しく書きました。よろしければ読んでみてください。
20年後、家賃やローンが半額になるお話です。

バリ島不動産投資&長期滞在セミナー開催

12/4(水)19:00~ 大手町のサンケイプラザ2階会議室にて 参加費1人3000円

参加申込みはこちらから
またはお電話にて承ります 03-3208-8100(株式会社IIN 平日10:00~18:00)

ブログよりも過激な発言をお求めの場合は
私のツイッターをご覧ください。
twitter.com/SAKAKIATS

夕刊フジの公式サイト zakzak
に榊淳司の連載コーナーが設置されています。
どうぞ、みなさん寄って行ってください。


2013/11/13 16:29 Comments (0)

コメントはまだありません

No comments yet.

RSS feed for comments on this post.


Leave a comment

※こちらへ書き込みいただいたコメントは、承認後全て表示されます。
マンション購入に関する個別相談等こちらへ表示させたくない場合は、
専用フォームからお願いいたします。