2014年のアベノミクスはどこへ行く?

この2013年は「アベノミクスに始まり、アベノミクスに終わった」
と、言い切ってしまっても過言ではないでしょう。
多分「アベノミクス」という言葉は歴史に残ります。
日本は1990年のバブル崩壊以来、「失われた・・年」という、
長い不況に苦しんできました。
途中、「ITバブル」と「不動産ミニバブル」がありました。
でも、非常に短期間で、さざ波のような感じで終わりました。
今回のアベノミクスはどうでしょうか?
私が従来唱えるように「ミニミニバブル」で終わるでしょうか?

前二回の小さなバブルと違うところは、マネタリーベース。
つまり、世の中に出回るお金の量が全然違います。
毎月7兆円ものお金が増えて行っているのです。
本来、バブルになってもいいレベルのボリュームだと言われています。
ところが、東北以外はあまりバブっている様子は見られません。
せいぜい、建築費の高騰くらいでしょうか。

2014年4月、消費税の増税という高いハードルがあります。
もしかして、これを乗り越えたらバブル化する可能性はあります。
不動産と株式の資産インフレが始まるのです。
現にそれを予測している人もいます。
私はそれに組みしません。
まあ、百歩譲って資産インフレが始まっても、それはバブルです。
つまり、実体経済の力ではないのです。いつかは崩壊します。

今回、もしバブル化するとなると、その崩壊で最も痛手を蒙るのは
他でもなく日本の財政ではないかと思います。
例えば、今は95兆円の予算を組むのに50兆の税収があります。
でも予算は100兆を超えるのに30兆円の税収しかなくなったら・・・・
国債を70兆円発行しなければなりません。
そんな国債、誰が引き受けるのでしょう?

リーマンショック以来、世界は通貨安戦争を行ってきました。
日本は周回遅れでそれに参加しています。
アメリカが金融緩和を縮小しようとしているのに、
日本は背丈以上の規模でそれに参加しようとしています。
確かに、アベノミクスは日本を明るく導きました。
その点、私も高く評価したいと思います。
でも、2014年度の予算まで大盤振る舞いされているのを見た時、
やや疑念を感じざるを得ませんでした。

政府の借金1000兆円は、いずれ何とかしなければなりません。
キチンと返すなんて、絶対に無理です。
1 インフレで薄める
2 日銀が引き受けてなかったことにする

解決法は、この2つしかありません。
今、1を始めようかな、という段階。
2も密かに進行している気配があります。
異次元の金融緩和がそれです。
日銀が市中銀行から国債をガバっと買い上げていますから。
いずれ法律を変えて「消去」ということも可能。
そうなっても、国民生活には影響ゼロ。
ただ、政府の信用が落ちるだけ。
外国人が日本国債を買ってくれなくなりますが、
実はそれもたいした影響を受けるとは思えません。
日本国債は9割近くを日本人が買っていますから。

アベノミクスは今、危険なゲームに踏み込もうとしています。
2014年の消費税増税という高いハードルを、
まるでないことのように考えて金融バブルと政府支出の増大を続け、
経済の失速リスクを試そうとしているのです。

2013年、株価が上がり企業業績も回復したかに見えます。
しかしそれは、一部の輸出系の企業のみ。
原料を輸入する大半の企業は、業績を悪化させたはず。
つまり円安とは結局のところ「行って来い」なのです。
むしろ、中長期的には望ましくないことです。
なのに景気がよく見えるのは手元にお金があるから。

2014年は日本経済にとって大きな賭けを行う年になりそうです。
何よりも消費税の増税がどういう結果を招くのか?
軽く乗り越えることができれば、ほぼバブルへの突入。
反動不況を招けば、失速。
マンション業界に限れば、年後半は失速が間違いないように思えます。
建築費の高騰をエンドユーザーが受け容れるとは思えないからです。
さて、どうなのでしょうか?

みなさま、当ブログをお読みいただきありがとうございます。
今年はこれで終了です。
来年、またいろいろな戯言を書いてまいります。
どうかよろしくお付き合いのほどを。
みなさまも、どうかよいお年をお迎えください。

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2013/12/31 15:41 Comments (0)

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