不幸を招く郊外の新築マンション供給

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統計元:国税庁 平成24年 民間給与実態統計調査結果

あのリーマンショックから、はや5年以上が過ぎました。
その記憶は徐々に薄れつつありますね。
でも、今のマンション市場は確実にリーマンショックとつながっています。
その大きな出来事の延長線上にあるのです。

2つあるうちの下のグラフをご覧ください。
リーマンショックは平成20年の9月です。
その翌年にガタっと平均年収が減って、4年たってもあまり変わりませんね。
一方、日本男性の年収のボリュームゾーンは300万円台と400万円台。
600、700,800と減っていき、900万円以上は極端に少なくなります。

実はこれ、マンション市場にも大きな影響を与えています。
その昔、マンションの一次需要層(初めて家を買う人たち)の、
想定年収は500万円から600万円でした。
20年くらい前は、そのあたりにしっかりしたボリュームがありました。
むしろ、500万円や600万円の層は「中の下」くらいの意識。

それがいつしか400万円から500万円くらいに移りました。
しかし、金利が下がったので年収400万円台でも住宅ローンを組めば
3000万円未満のマンションが買える時代が続きました。
ある意味、今でもそういう条件になっています。

ただ3000万円未満の住まいは東京もしくは新宿駅から、
快速や急行で40分以上走ったところにしかありませんでした。
あるいは20分くらいでも駅からやたらと遠いとか。
つまり、資産価値としてはかなり劣悪なエリアです。
もっとわかりやすく言うと、土地がタダ同然で買える場所。

リーマンショック以前、新築マンション供給のボリュームはそこ。
実はそういった一次需要層がターゲットだったのです。
ところが、リーマンショック後の大不況で、
彼ら一次需要層の経済基盤(雇用と給与)がズタズタになりました。
郊外型のマンションが一気に売れなくなってしまったのです。
そういう不況時でも、何とか売れるのは都心の好立地物件。

マンション業界、いつもいうように余りクレバーではありません。
でも売れているところとそうでないところの判別くらいはできます。
「よし、これからは都心だ!」
この業界、皆が一斉に同じ方向に走り出す傾向があります。
2009年から用地仕入れが都心に集中しだしました。
2011年頃になると、郊外の大型物件が少なくなりました。
売り出される大規模マンションは、ほとんどが2008年以前の仕入れ。

この傾向、今もますます顕著になってきています。
ところが昨年、アベノミクスでマンションがよく売れました。
マンション業界の方々の頭脳には「個別分析」という
機能が極端に薄いのかもしれません。
あるいは、去年は都心で売れ始めたマンションが、
郊外にまで一部波及したので「これはいける」と勘違いしたか。
去年の終わりあたりから、
また続々と郊外立地の話が出るようになりました。

本当にそういう土地を買っているデベがいるのかどうかは知りません。
先日ブログで取り上げた1990年の平成バブルが崩壊してから、
それ以前に仕込んだ土地が粗方片付くまでに15年はかかりました。
今回、2008年以前に仕込んだマンション事業用地で塩漬けされたものは、
まだ半分も片付いていないんじゃないですか。
それでまた郊外での供給を始めるとリーマン後よりも酷いことになります。
それこそ、最後は値引きが2割3割当たり前、の世界。

いつか来た道を、またやるのですか?
まあ、長谷工さんなんかはそれをやらないと
自社のビジネスモデルが成り立ちません。
しかし、他社さんはそれにわざわざ付き合うことはないと思います。

私は声を大にして言いたい。
マンションデベさんよ、自社の事業を縮小しなさい。
あるいは拡大を計画することを止めなさい。
この国の住宅はたくさん余っているし、
新築住宅を買った人が幸せになる時代はとっくに終わっています。
あなた方が郊外の僻地に2900万円とか3200万円とかいう
マンションを作ると、ウカウカとそれを買う人がいる。
買った当座はいいけれど、10年20年のうちには多くの方が
それを悔やみ、ローンに苦しむことになる。
そんな不幸の種をまき散らしてどうするのですか。
もっと、みんなが幸せになる事業に力を注いでください。

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2014/1/7 15:38 Comments (2)

2 Comments

まろたんさん。
確かにその通り。銀行はいつもノーリスク。
法律で住宅ローンはノンリコースしか認めない、
くらいの事を決めていいと思います。
この国の「新築住宅を買わせよう」政策は異常。
それに騙されてホイホイ買っている方も買っている方。
このままいくと大変なことになるかもしれません。

2014/01/07 17:46 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

新築住宅販売で一番儲けているのは、
デベではなくて銀行でしょう。

ほとんどがローンでの購入ですから、
一番抵当に加え、高い保証料を取り、
安全に、かつラクしてあま~い蜜を吸っている。
住宅ローンは「吸い取り紙」ですわ。

テマヒマかけ、リスクもとって、
次から次へと建設し販売するデベのやっていることは、
ほとんど失対事業、公共事業です。
だから止められない?

ローン破たんすればケイバイへ、GO。
バブル破れつ後、競売関連の法律が改正されて、
ケイラクしやすい環境が整えられたらとか。
みごとな流れ作業になっているようです。

フラット35に、頭金ゼロが出来るんだそうで。
そんな借用書にハンコを押すほうにも、
大いに責任ありますね。

クレジットの返済方法で、
「リボルビング」と言うのがあります。
あれを契約する人を結婚相手に選んではダメ、
と、はっきり言い放っている人がいます。
山崎元さんという、エコノミストです。

一理あります。
オカネで苦労をさせられることでしょう。

失礼しました。

2014/01/07 17:12 | by まろたん

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