ザ・パークハウスグラン南青山高樹町事件、その後は?

「ザ・パークハウスグラン南青山高樹町」事件の余波が続いています。
どうやら
・手付金は全額返済
・その他に迷惑料として物件価格の2割を現金で
・2年程度の賃料の支払い
といった条件で、売主側が解約を求めているそうです。
しかし、全員がそれに応じているわけでもなさそう。

民法上、契約というものはどちらかが「履行に着手」した段階では
「手付金放棄」あるいは「倍返し」での解約は不可能なはず。
購入契約者はすでに自宅を売却するとか、賃貸契約を解除する、
あるいは引越し屋さんに頼んでいても「履行の着手」になる
のではないかと、私は愚考するわけです。

つまり、購入契約者は迷惑料を受け取って契約を解除するのではなく、
あくまでも「契約の履行」を求めることもできるワケです。
契約の履行とは、購入契約を結んでいるマンションの引渡しです。
しかし、三菱地所レジデンスにはそれが不可能です。
あるいは、全部ぶっこわしてもう一度同じものを
キチンとした設計で作って引き渡すしかありません。
または、今の建物を完全な状態に補修してから引き渡す・・・・

どちらにしても、最低でも2年くらいかかりそうです。
その間、購入契約者は三菱地所レジデンスに
同等の住まいを提供してもらうか、同等に賃貸住宅の
家賃を払ってもらうことになるのかもしれませんね。

さて、これは「購入契約者 VS. 三菱地所レジデンス」の話。
次に、施工発注者である三菱地所レジデンスと、
こういう欠陥工事をしてしまった施工受注者である鹿島の問題。
ここはかなり微妙です。
報道などによると、三菱側は鹿島に対して
「それなりの責任は取ってもらう」とコメントしていたりします。

ところが、どうやらこの欠陥工事の原因は設計段階にありそうなのです。
設計は天下の三菱地所設計だとか。
これは憶測ですが、鹿島は「設計通りにやりました」と
開き直れる余地が少しはあるのではないかと思えるワケです。

または、現設計図と施工図とのすり合わせを行う
打合せのミスという話も出ているようです。
そうすると、鹿島の過失が大きいことになるのですが
100%となるのかどうかも分かりません。
このあたり、どういう解決法をなさるのか興味津々。
まあ、すぐには結論の出る話でもなさそうです。

もうひとつ、私がすごく興味を持っている点は、
前から書いている通り
「もしネットへの書き込みが無ければどうなっていたのか?」
購入契約者にとっては、「寝耳に水」の話だったようです。

仄聞するところによれば、鹿島サイドでは昨年の夏ごろには
すでにこの問題を把握していたといいます。
当然、施主である三菱地所レンジデンスにも何らかの報告をしたはず。
いつ、どのレベルで、どんな報告をしたのかに凄く興味があります。
三菱地所レジデンスの責任ある立場の人間に、
いつこの問題の全容が伝えられたのか?
そして、彼はどのような対応を行ったのか?

もし、昨年の9月頃にこの問題を把握していたなら、
「これは引き渡しをできる状態にない」ということが分かってから、
3カ月以上も一方の当事者である
購入契約者に伝えなかったことになります。
もしそうだとしたら、あまりにも不誠実であり
「バレなければそのまま引き渡していたのか?」
という疑惑を抱かれても仕方ありませんね。
そのあたりは、購入契約者だけでなく広く世間に公表すべきです。
だって、三菱地所レジデンスのマンションを購入しよう、
と考える人は世の中にたくさんいるワケです。
すでに契約して、引渡しを待っている人だって千の単位でいるでしょう。
彼らに対して「私たちは不誠実なことはしていない」と
宣言すべきだと思います。もし、そうなら。

しかし、三菱地所レジデンス、鹿島、三菱地所設計という
日本のマンション業界では一級品のブランド企業たちが
こんな事件の当事者になってしまうことに驚きます。
まあ、かなりいい加減な業界であることは私もよく知っていますが、
この3つの組織はいかにもエリート然とした人々がいるところ。
非常に残念です。

こういうこと、他でも起こっていないのか、といった質問を受けます。
それは分かりませんが、十分にあり得る話です。
非常にまずい欠陥があるにもかかわらず、
ダマテンで引き渡されたマンションも数多くあるはず。
建物というのは、見えないところがどうなっているのか、
それこそ壊してみないと分からないところがありますから。
今回のように「内部告発」でもないと、外からでは分からないのです。

さて、今週土曜日(22日)は私のセミナーです。
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みんなが向いている方向は違うところを見るのが大好き。
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2.2014年のマンション市場はどうなるのか?
3.ミニミニバブル「新価格」は定着するか?
  (高止まり、あるいは上昇傾向が続くか?)
4.住宅価格の下落はいつから始まるか?
5.不動産・住宅の購入は基本的に中・長期投資の発想で
6.人口減少の時代を甘く見ない
7.買うならどこにすべきなのか?
8.買ってはいけないマンションとは?
9.不動産投資では何を買うべきか?
10.私がなぜバリ島不動産投資をお勧めするのか?

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50人は入れる会場でまだ20名に達していませんから(笑)。
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2014/2/19 16:27 Comments (0)

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