いろいろな事件が起きていますね。
国際面で見ると、やはりウクライナ情勢が興味深いです。
プーチン君は欧米の非難をものともせずに軍事介入しています。
でも、いまのところ欲しいのはクリミア半島だけみたいに見えます。
ただし、プーチンというのはとんでもない悪党です。
今後、ウクライナ全体をロシア圏にしてしまうかもしれません。
オバマ君にとって、ロシアがウクライナで好き勝手をするのは
アメリカの掲げる正義の面ではかなり不都合なのでしょうが、
本音を言ってしまえば「どーでもいいこと」だと思います。
元々ロシアの勢力圏だったところが、また戻るだけ。
そこにアメリカの利益はほとんどありません。
だから、口先以上の介入はしないでしょう。
やや懸念されるのは、ウクライナの国家経済が近々デフォルトしそうなこと。
これでヨーロッパの多くの国が損失を蒙ります。
それが連鎖反応になって世界に広がらなければいい、ということ。
リーマンショックの時よりも影響は小さいと思いますが、
時節柄支那のシャドーバンクの問題も絡んできます。
世界中で「信用」に対する疑心暗鬼が起これば、
それこそリーマンショックの再来です。
まあ、私が心配しても仕方がないことですが。
さて、年度末が迫っています。
そろそろ駆け込み需要が本格化すると見ていいですね。
車や家電、家具などはジャカジャカと売れるのでしょう。
マンションについては実質終わっていますから、たいしたことないはず。
それでも5月半ばに発表される各デベの決算は
それこそ「空前」の数字を上げるのではないでしょうか。
きっと「過去最高」の利益計上が続出するはず。
その足元で、消費税増税による冷え込みが始まっていたりして。
不動産業界に限らず、好決算をはじき出した企業は
それを原資に社員のボーナスや給与を引き上げるはずです。
それが日本全体の個人所得の底上げに反映されれば、
それこそ景気回復は本格化したことになります。
その可能性も僅かにあると私は思っています。
それもこれも4月の消費税引上げを平穏に乗り越えられれば、の話。
足元で急激に業績が悪化しているのに「前期は儲かったから」
社員の給料を上げようとする企業は少ないはず。
しかし、消費税引上げさえなければ
景気回復はほぼ確実だったと私には思えます。
まあ、それも4月以降の経済をみないと分かりませんが。
今年の終わりになって、景気が回復したから来年の10月には10%に、
というスケジュールがそのまま生かされる可能もあります。
しかし、お金とは不思議なものです。
我々が使っている「円」も、巨視的に考えれば
大騒動になっている「ビットコイン」と同じ。
その流通価値を保証しているのが日本政府か
インチキ臭いIT企業か、という差しかありません。
かつて日本が戦争に負けた時、「円」の価値なんて
何十分の1にまで減価してしまいました。
今、世の中の景気が多少良くなったのは円安のせいだと言われています。
これも不思議。円安ということは「日本が貧しくなる」と同義。
現に、国際収支は経常赤字で日々国富が失われています。
それと引き換えに、一部の輸出企業が潤っている・・・・
だから、円安は株高につながっているそうです。
日本全体としては貧しくなっているはずなのに。
私はこの関係が今ひとつよく理解できません。
韓国は「ウォン高」だから景気が悪いそうです。
かの国の経済は、ほぼ財閥の手中にあります。
財閥はほとんどが輸出企業なので、外貨で稼いでウォンに替えると
その嵩が前よりも減るから経済が不景気になるのです。
これはわりあいに理解できる理屈です。
でも韓国人全体にするウォン高は利益なはずです。
ただ、目に見えるカタチになって表れないだけ。
最近、世の中では「縮小均衡」の発想をベースにした
経済理論が目につくようになりました。
例をあげれば「里山資本主義」とか「マイルドヤンキー」。
私はどちらの理論を解説した本も、直接読んでいません。
しかし、ともに今の社会を反映していると思います。
私たちの日本はこの四半世紀の間、ほぼ経済成長していません。
経済成長というのはGDPの伸びです。
数年前に支那に抜かれたと思ったら、連中のGDPはすでに日本の1.5倍。
そのうちアメリカを抜いて世界一になるそうです。
でも、支那人はそれで幸せになれるでしょうか?
日本社会は確かにずっと停滞しているように見えます。
じっさい、あの大きなバブルが崩壊して以来、
ちょっと元気だったのはITバブルとミニバブルの時くらい。
あとはどよーんとした空気に包まれていました。
でも、街に失業者があふれて社会不安になるようなことはありません。
なんだかんだといっても、生活保護さえもらえれば餓えることも無し。
この国には立派なセーフティネットがあるのです。
この先、かつてのように経済成長できるでしょうか?
私は短期的に1%や2%ならできると思います。
でも5%以上は絶対に無理です。
なぜなら人口が減り、生産年齢人口も減っているから。
なのに経済規模を拡大しようとすると、
1人当たりの生産を増やすしかない。
あるいは、女性や高齢者に働いてもらうしかない。
多分、それでも追い付かないでしょう。
だから「縮小均衡」の発想はどうしても必要になります。
特にマンション業界は、ストックの飽和が見えてきました。
新たな供給は、需要に合わせた規模に抑えるべきでしょう。
でなければ、供給過剰による将来的な暴落などの混乱を招きます。
しかし、業界内で縮小均衡を図ろうという兆候は今のところ皆無。
「土地が高くて買えない」と言いながら、高値で買っています。
それが事業化されて市場に出てくる1年後、
この業界はどうなっているのでしょう?
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まろたんさん、こんにちは。
イギリスは没落するかと思ったら、踏ん張っていますね。
オランダや北欧諸国は低成長でも衰退しているとはいえません。
しかし、こんな巨大な国家が人口の自然減となった例を、私は知りません。
まあ、今のロシアがそうなのでしょうが・・・
経済成長が善で、縮小が悪という考え方は過去のものになるかもしれませんね。
榊淳司
2014/03/06 21:39 | by Sakaki Atsushi榊さま。
数年前ですが、
作家・五木寛之さんの「下山の思想」を読みました。
山は登るときよりも、下るときのほうが、むつかしい。
と言うことに重ねるようにして、ニッポンの現状と、
この先の生き方について、語られています。
今こそ、下山の思想が肝要であろう、と。
「下山」と、五木寛之さん。
「均衡縮小」と、榊さん。
ほんに没落してゆくのは、たいそう難儀どすえ。
が、沈む夕陽は、だれも止められまへんし。
まっこと、時代どす。
この今の時代は、
たとえば、百年後のニッポンに生きる人びとから、
どのように語られるのでしょうか?
百年経ったら、帰っておいで。
百年経ったら、分かるから。
ほな、ごきげんよう。
2014/03/06 21:13 | by まろたんRSS feed for comments on this post.