春は麗らかだというのに、株価は冴えません。
何度も同じことを書きますが、株価は日本経済を象徴しています。
日経平均に勢いがある場面は、日本経済が元気な時。
2013年はよかったですね。希望がありました。
オリンピック招致にも成功しました。
でも2014年に入ってから、どうもいけません。
悲観論ばかり書きたくはないのですが、このままではデフレ再来です。
黒田日銀総裁は「2%のインフレ目標」を掲げました。
経済学でいうところのリフレ論に従ったのだと思います。
安倍君は、この春の賃上げを大手企業に要求し、一部が実現。
しかし、消費税はキッチリ8%にあがりました。
今のところ、それについての大きな影響は報じられていません。
そろそろ、実際の統計数値が出てくるでしょう。
日本経済を元気にさせるために、アベノミクスの第一弾は大成功。
そのことについて文句を言うつもりはありません。
従来、私がこのブログで主張してきた通りの政策ですから。
でも、そのあとが続きませんね。
マネタリーベースの拡大や、一時的な公共事業は単なるカンフル剤。
そのまま経済がテイクオフできるようにイノベーションを促したり、
大胆な規制緩和が必要なのです。
世間で言うところの「第3の矢」です。
そもそも「2%の物価上昇」で誰が得をするのでしょう?
物価が上がると、我々は高いものを買わされます。これはマイナス。
それ以上に所得が増えていればOK。本来の目標はそこでしょ?
実際、「個人所得」は増えているのでしょうか?
それについての統計数値はまだ出ていません。
個人所得が増えるためには、企業の業績が良くなることが必要。
ただ、インフレになっただけではダメでしょう。
株価が冴えないのは、企業の業績がイマイチだからではないですか。
パナソニックは黒字転換しましたがソニーはまっかっか。
多分、ソニーは5年以内に身売りか倒産でしょう。
御殿山のビルを全部売ったところで試合終了だと思います。
ところが、今の日本経済を眺めると、表面上は需給ひっ迫。
例えば、求人倍率が1倍を超えて5カ月超。
建設現場やサービス業では明らかな人手不足。
その割には、巷に失業者がウジャウジャしています。
需要と供給が完全にミスマッチしています。
都心のマンションは価格が高騰して下がる気配がなし。
これも、私から見れば実需による値上がりではありません。
支那人や相続税対策の需要がかなりの部分を占めます。
湾岸は、単純にオリンピックによるイメージ買い。
共にかなり歪な値上がりと見做すことができますね。
アベノミクスにより、マネタリーベースは拡大しました。
カンタンに言えば、銀行の融資基準がかなり甘くなったのです。
住宅ローンやその他事業融資も、いっときよりも甘め。
でも、イケイケドンドンではありません。
銀行も2回のバブル崩壊を体験して、多少は学びました。
日銀は「どんどん貸せ」と言っていますが、
ジャブジャブに融資を付けるところまでは行きません。
結局、今の不動産の値上がりや人手不足は、
かなり一時的で歪な現象の顕在化ではないか、と私は思います。
どこで終わるのか、という正確な予測はできません。
でも、こういう不自然な現象はいつか終わります。
私程度の人間にも、こういう歪さが見えています。
世間の賢い人はもっと分かっているはず。
現に、株価は冴えません。
いつもいうように「相場は何かを知っている」のです。
そして、モノが売れない状態が続けば物価は下がります。
円安であろうが、売れないものは価格を下げるしかありません。
結局、個人所得を上げられなければ「悪い物価上昇」。
またぞろデフレへの逆戻り、ではないでしょうか?
日本経済は全体的に縮小均衡へと向かっています。
そういう情勢の中で、従来型の景気刺激策は従来ほど効果がない、
のではないかと最近考え始めました。
1億2千万人の先進国が衰退した例は、世界史にありません。
我々は未知の領域に足を踏み入れているのです。
過去の事例はどれも参考にならない、と考えるべきでしょう。
ところで、小学館のネットメディア「NEWSポストセブン」に
第2弾の記事が出ました。どうぞ、よろしければ読んでください。
www.news-postseven.com/archives/20140506_254214.html
さて、13日開催のバリ島不動産投資セミナー。
今のところ、参加料をお振込みいただいた参加者は5名。
申込ベースでは6名なので、あと4席は余裕があります。
当日は、私と現地代表の八神氏でみなさまとの
コミュニケーションを重視しながら進行する予定。
終了後は、軽く飲み会も開催しますので、よろしければご参加ください。
ブログよりも過激な発言をお求めの場合は
私のツイッターをご覧ください。
twitter.com/SAKAKIATS
夕刊フジの公式サイト zakzak
に榊淳司の連載コーナーが設置されています。
まろたんさん、こんばんは。
日本人は楽観よりも悲観の方が得意ですね。全体的に小心者なのでしょう。
株式市場も、好材料よりも悪材料に敏感。
あとの50兆円は国民の預金と日銀の勘定ですから、
どこかでモラルハザードをやっちまえばいいのでは、
と私は楽観していますけどね。
過去、イタリアはユーロに入るときに財政赤字をごまかした形跡があります。
ギリシャは同じことをやったけれど、結局バレましたね。
日本は円で借金をしている限り大丈夫。
アメリカがドルで借金しているのと同じ理屈です。
国の借金まで、私が心配することもないかいなとも。
ではまた。ごきげんよろしからんことを。
榊淳司
2014/05/08 22:10 | by Sakaki Atsushi榊淳司さま。
>30年後、イタリアのようならマシ、連中たのしそうで。
との、榊さまのコメント。
ニッポンの場合、暗くなりそうで、とも。
50兆円の税収で、100兆円の生活をエンジョイして、
先行き、差額分50兆円の高下駄が外れたら。
レベルダウンの程度にもよりますが、今の日本人、
イタリアンのようにはいかないだろうと思います。
彼・彼女らのような楽天性はない、ように思います。
ニッポン人の場合、多くの人びとは、まるで、
世の不幸を一身に背負ったが如き顔つきになり、
心は今よりも一層、すさんでしまうのではと。
ニッポン人。
今や、すべからく耐性がない。
こらえ性がない。
打たれ弱い。
さらに、あま~い。
ああ、なんとなく、そんな気がしますわ。
ごきげんよう。
まろたんさん、こんにちは。
今日は多少マシみたいですね。
しかしまあ、こっちで減税したらあっちで増税。
バラマキ体質は相変わらず。
経済が成長しないから税収なんて増えませんよ。
あとは本物のインフレか、日銀の保有国債消却という
禁じ手でも使わないと日本国は破綻ですね。
丁寧なメールをありがとうございます。
高齢者までいなくなったら日本はどうなるのでしょうね?
近藤氏の書物、手配します。
榊淳司
2014/05/08 13:16 | by Sakaki Atsushiリク様 こんにちは。
30年後に今のイタリアなら上出来です。
連中はとっても楽しそうではないですか。
私は、衰退が目に見えてくると社会が暗くなると思います。
どこもかしこも老人だらけで、子どもをほとんど見かけない暗い国。
どこかで反転できるといいのですが・・・・
バリ島セミナー、勉強会スタンスの参加も大いに結構。
半分くらいはそういう方ではないかと思います。
また、コメントをお待ちしています。
榊淳司
2014/05/08 13:04 | by Sakaki Atsushi榊さん、こんにちは。
景気刺激策の効果が薄くなっているのは、私も同感です。
公共事業でいえば、今後、需要の増加が見込まれるような所に、
道路等を建設し、人為的に経済を活性化させるのが目的のはず。
ただ今の日本で、そのような場所はほとんどありません。
結果、一時的な建設会社の延命策にしかならず、
建設費用は国債等で賄い、大した需要、利用のないまま
メンテナンス費用だけが掛かり、負担は後の世代へ。
また将来、税収の伸びが期待できるかといえば、それも悲観的。
労働者は減る一方、介護等が必要な高齢者は加速度的に増加。
高齢者の方には大変申し訳ないのですが、経済成長という
観点だけでいえば、介護費用というのは後ろ向きな使い方。
ただ民主主義国家である以上、国家運営は多数決。
選挙で投票率の高い高齢者が、福祉の充実を望めば、
それを無視するわけにはいきません。
対して若者の方も、大半は成長を求めているようには思えません。
そこそこの給料がもらえるなら、働く時間はできるだけ短く、
休日はできるだけ多くが本音ではないでしょうか。
仮にフリーターでも飢え死にはしませんし、
スマホをいじっていれば、それなりに満足してしまっている
…そんな風に感じます。
最近は、景気に循環があるように、国家の興亡にも循環がある
と考えてます。
明治維新以降、太平洋戦争がありながらも、バブル時代まで上昇。
その後はゆるやかに下降しながら、東京オリンピックを迎える。
これが最後の花火となって、衰退していく…。
自分が死ぬ頃(2050年?)、日本の国際的地位は、
今のイタリアくらいじゃないかと、漠然と考えていますが、
果たしてどうなるか。
日本の先行きに見切りをつけて、高収入かつ頭のいい方は、
シンガポールあたりに脱出しているようですが、
私にはそこまでの収入も能力も決断力もありません(苦笑)。
ところで、バリ島不動産投資セミナー。
こちらは勉強会くらいのスタンスでは、参加しない方が良いのでしょうか?
特にバリ島に縁もゆかりもありませんが、
投資先の視野を広げるという意味で、少し興味があるのですが。
榊淳司 さま。
確かにさえないですね。
だからでしょうか、法人税の実効税率を下げる、との発言。
総理・官房長官・経産相のお歴々の言葉ですから、重い。
来年度からでもやりたいと言う。
20%台に下げたいとも。
仮に10%下げると5兆円の減税になるとの試算。
さっそくこの発言を受けて経団連会長は、
一度には難しいだろうから分けてと、気の早い発言。
もはや引っ込みがつかない既定路線のようです。
ま、抱き合わせで消費税10%も決まりでしょうか。
消費税2%UPで5兆円位だとの試算です。
こびり付いた借金暮らし根性を、何とかしないと、
「さえない」なんて言う程度ではすまないですよ。
もう一万回言ったから、これが一万一回目になりますが、
いつまでバカやってんだか、ね。
ごきげんよう。
m
2014/05/07 22:43 | by まろたんRSS feed for comments on this post.