ニュータウンの限界未来が迫っている

6週連続で私のコメントを掲載くださったFLASHさんは、
今週「アパマン自殺事件」を取り上げたのでお休みだそうです。
掲載誌を送ってもらえないでしょうから、ちょっと残念。
(追記:本日火曜、届いていました。ありがとうございます)
その代わりといっては何ですが、夕刊フジの連載コラムが
公式サイトzakzakで絶好調みたいです。

売却したくても買い手いない 役割終えた「ニュータウン」
という記事が、昨日の夜はなんと総合2位にランキング。
今も経済・マネー部門でトップです。
私としてはかなり地味な内容のつもりだったのですが、
みなさんの関心はこういうところにあったりするのですね。
改めて固定観念に縛られてはいけないと思いました。

このブログを始めた頃、よくニュータウン話を書いていました。
千葉ニュータウンや港北ニュータウンは終わっている・・・
新浦安はこれ以上発展しない。有明の未来も暗い・・・
ただ、これをあからさまにやると反発も結構あります。
そこに暮らしている方にとって気分のいいものではないでしょうから。

当初、私は大きな勘違いをしていました。
このブログは、これからマンションを購入しようとする方に対して、
私なりの考えを発信しているつもりだったのです。
ところが、読者層の何割かはすでにマンションを購入した方。
今では、マンション購入希望者の方が少数派のような気がします。
中心層は「読み物」としてこのブログを捉えている気配が窺えます。
すでに購入した方が、読み物として楽しんでいるケースも多いようです。

ただ、マンションをすでに購入した方は、不安になるのですね
●自分の判断は正しかったのだろうか
●自分のマンションの資産価値は下がっていないか(上がっていないか)
●自分のマンションは将来値上がりするのか、値下がりするのか

まあ、そういう風に考える方が多い、というのも分かるのですが・・・・
私はそういうことをほとんど想定していませんでした。
自分自身を基準に考えちゃいけませんな。
私自身はとうの昔に自宅を買いましたが、それが今いくらなのかほぼ無関心。
だって、換金するつもりもないし将来にその予定も無し。
純粋に「使用価値」としてわが家を捉えているからです。

でもまあ、市場価値なんてちょっと調べればすぐに分かることです。
だから、自分のは一度も調べたことがありません。
読者から「私のマンションはいくらで売れると思いますか?」
と相談されたら、キチンと調べてお答えしますけど(笑)。

それで、例えば千葉NTに買った方が不安になって、
いろいろネットで調べている内に私のブログに行き当たると・・・
こりゃもう大変。怒髪天を衝く、という状態になるかもしれません。
まあ、私もこのブログではあまり過激なことを
書かない方がいいかな、とは反省しました。

だから、そういう「不都合な真実」も含めた過激な内容は
有料の「マンション資産価値レポート」で読んでいただくことにしたのです。
これはお金を出して買った方だけしか読めませんから、
購入者はほぼほぼまだ買っていない人。
中には、私をネット上でくそ味噌にけなす材料集めのためだけに
あるエリアのレポートだけをワザワザご購入くださるケースもあります。
まあそんなのはただのごビョーキですから、例外中の例外。

さて、ニュータウンに話を戻します。
毎週金曜日に夕刊フジに掲載された記事は、
だいたい翌々日の日曜日のお昼頃にzakzakに上がります。
たいてい「経済・マネー」のトップに出していただけるので、
ほぼ自動的に1位になってしまいます。
でも、それはあくまで「経済・マネー」カテゴリーの中だけ。
ごくたまに総合ランキングの10位以内に顔を出しますが、稀。
だから今回の「総合2位」というのは、けっこうスゴイことなのです。

こういっては何ですが、真面目に経済の情報が欲しい方は
夕刊フジやzakzakよりも日経新聞やダイヤモンドなど、
そちら方面のサイトに向かうはずでしょ。
Zakzakで私の記事を読んでくださる方は、
「なんか面白い記事はないかいな」と眺めていて
「お、これを読んでみよう」となっているはず。

ということはつまり、みなさん「ニュータウン」に対する関心が高い。
あるいはご自身がニュータウンに住んでいる・・・
そういうお方にとっては、またぞろ気の毒な事をしたかもしれません。
だって、ニュータウンの役割は終わった・・・
と、明解にいい切っているのですから。

これって、多摩ニュータウン在住者にとっては、かなりヤな話しです。
つい最近、多摩ニュータウンでは建替えによって
1000戸以上の大きなマンションが誕生し、人気化して完売。
実のところ、多摩ニュータウンの開発はまだ完成していません。
これからも開発は続くはず、なのです。ほぼ必要はないと思いますが。

何十年か前に多摩ニュータウンにマイホームを買った方は、
今頃「こんなはずじゃあなかった」と思われているかもしれません。
ただ、ほぼ計画通りには街並みが形成されたのですよ。
20年ほど前は輝いていました。私も勉強しに行きました。
だって、日本の集合住宅の実験場みたいになっていましたから。

しかし、時代は変わります。
多くの人が不愉快に思うからといって、偽りを書くわけにもいきません。
残念ながら、ニュータウンの役割は終わりました。
新たなニュータウンは日本のどこにも必要ありません。
今ある市街地を再開発すれば、十分に需要を賄えます。
低廉な住宅なら、郊外の中古がいくらでも余っています。
これから医療や介護の仕事を求めて流入してくる地方の若年低所得層は、
そういった郊外の余剰中古住宅に収容されるでしょう。
新築マンションは、都心部の富裕層が趣味的に購入する、
極めて経済合理性の薄い「贅沢品」になるはずです。

今までに開発されたニュータウンは、徐々に枯れていきます。
多摩ニュータウンは、まだ都心に近い分有利です。
新しくとも遠い千葉NTや港北NTは、ちょっと困りますね。
あと10年くらい、眺めはそれほど変わらないかもしれません。
でも、それ以後のどこかで激変する時が来るでしょう。
これは多くの人にとって不都合かもしれませんが、
確実にやってくる未来の真実だと、私は考えています。

ブログよりも過激な発言をお求めの場合は
私のツイッターをご覧ください。
twitter.com/SAKAKIATS

夕刊フジの公式サイト zakzak
に榊淳司の連載コーナーが設置されています。


2014/5/19 19:52 Comments (4)

4 Comments

まろたんさん、こんにちは。

最近、まろたんさんみたいな団塊の人々がちょっと羨ましくなりました。
あの激烈な競争はごめんですが、
バブルの恩恵を受けたのも最後のまともな年金受給層も
ともに段階ではないかと思い始めたからです。

私は、財政問題はまだごまかしがきくと思います。
国債はほとんど国内で保有されていますから、
最後は「なかったことに」すればいいはず。
もちろん、国際的な信用はがた落ちで、超円安になりそうですが。

人口問題はどうにも解決のしようがありません。
キーワードは雇用、教育、住宅です。
このうち雇用は間もなくよくなるでしょう。
住宅も、ここ10年から20年で劇的に変わります。
最強の敵は教育です。
子育てや教育に手間暇と金がかかりすぎる現実。
これを何とかしないと出生率は上がりません。
思い切って「第3子が生まれたらお祝い金100万円、
6年ごとに100万円プレゼント」くらいの施策を打つべきです。
あるいは、この前書いたように偏差値60以上の
大学は実質的に授業料無料みたいな・・・

これくらいやっても、実はたいしたお金はかからないはず。
特殊法人の10も潰せば捻出できると思うのですが。

おお、仕事に戻らなきゃ。
それでは、ごきげんうるわしからんことを。

榊淳司

2014/05/21 17:28 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

「構造的な問題は、必ずや、現実なものとなる」

と言われます。
今、我らが日本には、その構造的な問題のうち、
大きなものとして2つ挙げられます。

1.人口減少・移動に伴う住宅問題。
2.国家財政の危機。

住宅問題は、ほぼ人口予測の通り変化しますから、
構造的な問題は、やがて現実化します。

国家財政は、このまま国債を積み上げてゆけば、
これも構造的な問題であり、やがて現実化します。

以上の2つを、根本的に否定する論者はいません。

一部の楽観視する論者はいますが、この楽観なんて、
単なる論者の「性格」から生じているもので、
やがて情況不利と見れば、雲隠れするような御仁ですわ。

ですから、今、現実的に有効な思慮・思考は、
「やがて」が「いつなのか」ということに尽きます。

そして、その「いつ」を判断する「指標」は何か。
どんな事象が、どのように変化したときをもって、
「現実化した」乃至は「現実化が始まった」と見るか。
その判断の指標=インデックスを持っておきたいものですね。

気がついたら、ドツボに嵌まっていた、というのでは、
流れるままのシアワセ者、になってしまいますからね。

見極めの上で、この先の我が身の振り方を選択できれば、
ジタバタ田子作にならなくて済むのではと思いますが。

ま、いずれにしても「いつか」の時限は、
10年、プラスアルファかな、と現況での予測です。
20年後なんて「敗戦後」です。

日本人の多くを占める上流・富裕層以外の人びとは、
大きな転換をモロにかぶる「覚悟」が必要でしょう。
大方が、無傷でやり過ごせないのはモチロンで、
深いキズを負うことになるでしょう。

何故か、辛口の予測は、的中率120%。
今度こそは、オオカミが出まっせ。
ごきげんよう。

2014/05/21 15:34 | by まろたん

まろたんさん、こんばんは。

まあ、現実ですからね。
本当のことを指摘されて怒る人は結構います。
そういう方は敬して遠ざけるしかありません。
ネットでは粘着されますけどね(笑)。

さて、近藤先生と中村先生の対談本を読みました。
随分とラクになりますね、気持ちが。
私もすでに繁殖が終わっていますから、
もう20年も生きられればOK。
痛いのは嫌ですが、ガンになったらほっておきましょう。
きっと肝臓癌ですな(笑)。
ラクに死ねます。

諸行無常ですね、本当に。歳歳年年人同じからず。

おやすみなさい。 榊淳司

2014/05/20 21:54 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

> これをあからさまにやると反発もあります。
> そこに住んでいる方は・・・。

もはやニュータウンの時代は終わった。
これからは、ドンドンさびれてゆくんだなあ。

と、そこに住んでいる人達も、榊さまと同じ思いです。
分かるからこその、反発ですね。
ま、売れなくなった芸人さんの気持ちでしょうね。

初めから売れなかった芸人さんなら、ともかくね。
「落ち目」の三度笠は、つらいものがあります。

「人に好かれて、いい子になって、
落ちてゆくときゃ、ひとりじゃないか」

ま、諸行無常、ですか。
ごきげんよう。

2014/05/20 20:20 | by まろたん

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