なんとも読みにくい世の中になってきました。
ただいま、都心はミニバブルです。
ここのところ、毎週何回かはメディアの取材を受けます。
事務所に来られることもあれば、電話だけの場合もあります。
同じようなことを話しています。
記事になったりならなかったり。
まあ、そんなことはどうでもいいのですが、
要は今、都心はミニミニバブル状態なのです。
まあ、凄まじい勢いで新築マンションが売れています。
ただし中身を見ると、まず「売れるべき物件」が売れています。
その次に、オリンピック関連の物件が売れています。
でも、こちらの方はやや失速の気配が窺えます。
例えば、新豊洲の「ベイズ タワー&ガーデン」はスカイズの完売に
気をよくして、条件は良くないのに坪単価を約10万円上げました。
今やっとベイズの集客の10%を超えたあたり。
このままでは価格の調整が迫られるでしょう。
ベイズ販売の時点でもともと無理があったのにオリンピック特需が、
このエリアの相場観をゆがめてしまった観があります。
同じ湾岸では「勝どき ザ・タワー」もやや迷走気味。
今の勝どき・晴海エリアの新築マンションでは
もっともポテンシャルの高い物件でした。
しかし、同じエリアの「ザ・パークハウス晴海タワーズ」が
クロノレジデンス及びティアロレジデンスで需要を先食いした状態。
この両物件はタレントを入れて派手にプロモーションを行いました。
ティアロもそれなりに売れていますかが、まだ600戸強は残っている見通し。
そこに、坪単価で10万円ちょいしか違わない「勝どき ザ・タワー」の登場。
この値付けは、私から見るとやけに弱気。
東京タワーズの中古と変わらないじゃん! という世界。
はっきりと、需要が薄くなっているのが透けて見えます。
まあ所詮、ああいう高額マンションを購入できる層のボリュームは変わりません。
中長期で見れば、駅から10分以上も歩く「ザ・パークハウス晴海タワーズ」より、
すいすいと歩ける「勝どき ザ・タワー」の方が資産価値は上。
その差は10万円なんてものではなく、10%とか15%あってしかるべし。
眺望や共用施設に優れているとはいえ、
駅に近いことが最大の利点である東京タワーズの高評価が、その証左。
まあ、湾岸エリアというのはいろいろな思惑も入り組み、
巨大プロジェクトが大量の広告投下で腕力相場を形成しているので、
健全な市場価値とは離れた相場観が形成されています。
ところが、本物の都心である港区や千代田区、新宿では
本当に売れるべきマンションは売れてしまいました。
いわゆる「品薄」状態。
最近、千代田区と新宿区、杉並区の市場を見て回りました。
そろそろ、新しい物件が出始めていますね。
でも、価格は軒並み高くなっています。
もう坪単価300万円超が当たり前になりつつある時代。
港区では400万円を基準に考えなければなりません。
それって、普通の人は買えません。
このブログの読者さんには富裕層が多いようですが、
年収1000万円超というのは給与所得者の3.8%しかいません。
坪単価300万円超のマンションは、そういう方が主なターゲット。
坪単価が400万円になると20坪で8000万円。
これが普通に買えるのは年収1500万円超。全体の1%。
つまり、山手線の内側にはそういう特殊な人しか住めない・・・
という世の中は、私はおかしいと思っています。
せいぜい、年収800万円くらいの方々まで住めてもいいはず。
となればマンション価格は5000万円未満。
坪単価は250万円あたりが基本になります。
昨年まで山手線の内側では、探せばそういう物件もありました。
しかし、今は本当に数えるほどしかありません。
はっきりいって、今の状態は実力以上の相場観が形成されている
「ミニミニバブル状態」だと私は考えています。
なぜ普通のバブルではなく「ミニミニ」かというと、
この現象はほぼ都心とその周縁に限られているからです。
郊外に行くと、ほとんどその影響が見られなくなります。
また仙台を京都の一部を除いて、地方都市にも見られません。
ただ建築費が高騰しているので、ほんのわずかな値上がり傾向は認められます。
でも、それで調子よく売れているかというと????
バブルの歴史をおさらいしてみましょう。
いわゆる「平成バブル」と呼ばれる、あのバブル景気は
1986年頃から1990年まで。1991年にはほぼ終息していました。
5年から6年は続いていた、と考えていいでしょう。
あの時は、日本全国の不動産価格が上昇しました。
地方都市の猫の額ほどの土地が億を超えていましたから。
主な原因は、政府や日銀による「過剰流動性」。
つまり、市場にジャブジャブと資金を供給したことです
前回の「ミニバブル」は2005年頃から2008年のリーマンまで。
まあ、2年半かせいぜい3年。短かったですね。
この時には、札幌や福岡と言った地方の主要都市の都心部まで、
なんとか値上がりしていました。
主な原因は、資源バブルによるファンド資金の流入。
別名「ファンドバブル」とも呼ばれています。
今回、私が「ミニミニバブル」と命名している今の状態は、
主に2013年の後半から目に見えてきました。
いつ終わるか分かりませんが、最長でも来年10月の消費税10%まで。
私は少なくともそう考えています。
早ければ、今年の後半に失速すると思います。
したがって、寿命は2年から1年半。
原因は、建築資材の高騰、オリンピックの高揚感、そしてアベノミクス。
アベノミクスによるマネタリーベースの増大は、
平成バブルの過剰流動性と構造は一緒です。
ただし、今回はあの時ほど役者が舞台で踊っていません。
さて、お気づきでしょうか。
平成バブル終了からミニバブルのゴングが鳴るまでが14年間。
リーマンショックから昨年のミニミニバブルまでは5年。
平成バブルは5-6年、ミニバブルは2年半から3年。
今回の「ミニミニバブル」は1年半か2年。
だとすれば、バブルの間隙と期間は次第に縮まっています。
もちろん、規模も小さくなっています。
これって、株式チャートに置き換えると実に嫌な変化なのです。
この後にやってくるのは、平穏な終息ではなく大暴騰か大暴落。
今の情況から考えれば、間違いなく後者の方でしょう。
支那では政情不安と経済の失速。
東南アジアも南シナ海での支那との領土紛争。
欧州ではウクライナ情勢の混迷。
アメリカはオバマのレイムダック化と経済成長の鈍化。
世界経済にも不安材料は欠きません。
ところで、今年は去年と比べて間違いなく「人口減」に関する
メディアのニュースやコメント露出が増えていると思います。
3年前に「磯野家のマイホーム戦略」を出した時には、
こういう話題はいたってマイナーな扱いでした。
でも今、人口減は共通認識になりつつあります。
7月になると、総務省から「住宅・土地統計調査」の結果が発表され
5年前は13.1%だった「空家率」がどうなっているのかが分かります。
まず、減っていることは考えられません。
ちょっと怖い気がしますね。
自分の周りを見渡しても、空家だらけですから。
さて、そんな中でもレポートを更新しています。
今回は、今日もチラと語った新宿区。
目玉は再開発の「(仮称)西新宿HOMETOWN プロジェクト」。
全部で976戸です。都心にあっては凄いスケール。
しかし・・・今まで再開発が行われなかったのは
それなりに理由があったからなのでしょう。
これからの東京の再開発をいろいろと考えさせられます。
また、無理に湾岸エリアを開発しなくても、
こういう再開発ができる場所がいくらでもあるような気がしました。
他にも「シェフルール西早稲田ラヴィーナ」なんていう新規物件も登場。
山手線の内側なのに、坪単価は300万円未満で今や希少。
埋立地の「豊洲」駅から十何分も歩くよりも、
山手線の「高田馬場」駅から10分のこういうマンションを選ぶべきでしょう。
もちろん、海が見えたりはしません。
でも、大暴落に見舞われる危険は極めて僅少。
■西新宿HOMETOWN プロジェクト,■スカイフォレストレジデンス,■ザ・ヒルズ市谷薬王寺,■ピアース高田馬場,■シェフルール西早稲田ラヴィーナ,■ザ・サンメゾン目白近衛町エルド,■グランドメゾン新宿弁天町,■ウィルローズ市谷柳町,■マジェスティハウス新宿御苑パークナード,■オープンレジデンシア新宿余丁町,■セントラルレジデンス外苑西通り,■プレシス市谷台町坂,■ミッドタウンコンド四谷,■ジオ四谷坂町,■コンシェリア西新宿TOWER’SWEST,■セントラルプレイス新宿御苑前, ■セントラルレジデンス西早稲田,■ザ・レジデンス早稲田,■シティハウス新宿戸山,■アピス西新宿三丁目,■プレミアスイート外苑の杜,■グローリオ新宿夏目坂以上の22物件を収録
ブログよりも過激な発言をお求めの場合は
私のツイッターをご覧ください。
twitter.com/SAKAKIATS
夕刊フジの公式サイト zakzak
に榊淳司の連載コーナーが設置されています。
まろたんさん、こんにちは。
いい季節になってきました。
今くらいが一年で一番好きです。
いくつになっても、春は何かが始まりそう気分になります。
さっそく、アマゾンで注文しておきました。
私は10年くらい前に高血圧と指摘されてから
塩分控えめの食事に切り替えました。
その後、腹八分目で間食無しの習慣を身に着け、
ここ2年ほどで10キロ近く痩せました。
今はちょうどいいくらいですね。
これ以上痩せないように気を付けます(笑)。
不動産の世界では、なかなか近藤先生のような方が出ませんね。
私がそうなりたいのですが、まったくの力不足。
ただただ「おかしい」と言っているだけです。
いいですねワイファイ環境。
ウチは一度そうしましたが、有線に戻しています。
やはり、作業が速いから。
どうぞ、寝転びながらコメントください。
最近、掲載誌のフラッシュを送ってもらっていたので
近藤先生のコーナーを興味深く読んでいました。
結局、人間いつかは死ぬわけだし、
慌てず取り乱さず・・・武家の躾けに通じるところがあります。
ではまた。ごきげんよろしきことを。
榊淳司
2014/05/29 15:28 | by Sakaki Atsushi榊さま。
春は夢の嵐。五月が惜しまれつつ。
さて昨日の続編です。
近藤本40冊・一万ページの分量のエッセンス。
長文を避けるべく、しぼりに絞り出した結果、
「がん」に関する要点として、以下の2点を推薦します。
1.
「がん」の本態のうち、がんの増殖スピードについての理解のための知見。
「患者と語る・ガンの再発・転移」の(P15~29)。
— 1994年刊・三省堂。
20年前の初版の本ですから、多分、今は絶版かと。
アマゾンに出品されているかも。
また図書館には、おそらく、あるでしょう。
上記の該当ページを読み、
がんの増殖スピード、「ダブリング・タイム」について、
理論的に理解しておくことは、仮にがんに罹患したとき、
慌てることなく、冷静に対応策を考える上で、
とても有益であります。
事実、私も「ダブリング・タイム」つまり、
どのくらいの日数で増殖してゆくのかを理解し、それが、
一般人が思っているよりも「長い=ゆっくりである」
ことを知り、或る種の安心を得たものです。
多くのケースに於いて、或る日突然、がんと診断されます。
が、バタバタ慌てなくても良い。
2~3週間くらいの余裕で、じっくり対応策を練れば良い。
と言う、精神的な余裕を持つことができます。
じっくり現状を理解し、情報を集め、整理して、
と言う精神的な余裕を、理論的な理解の上で保てます。
その結果、
担当医の一言一句に、振り回されることはなくなります。
例えば「早く手術しなければ・・・」などとか、ですね。
医者に限りませんが、いろんなタイプのがいますからね。
自分が、どんなのに当たるか分かりません。
運次第ですから。
2.
むかし、がん論争の中核にもなりましたが、いわゆる、
「ガンもどき」と「本物のガン」についての知見の理解。
と同時に、「転移」についての知見の理解。
この点の理解は、対応策を考え、
過不足なく選択してゆく上で、欠かせない重要点です。
上述1の本の(P39~66)の熟読を、お勧めします。
我ら医療門外漢には、やや難易度が高い知見ですが、
2~3回熟読すれば、自分なりの理解が得られます。
ま、アタマの運動だと思って、ですね。
がんは「転移」が、さまざま、考える上での「キモ」です。
「転移」があると、ほぼ「治療不能」です。
「稀のなかの稀」に、例外があるようですが、
まさに、宝くじに当たるような「レア・ケース」だと。
以上の2アイテム。
近藤本40冊・一万ページの、搾り出し。
お仕事の合間、気が向きましたならば、どうぞ。
住宅・不動産のブログに医療ネタとは、場ちがいです。
が、知性・理性は、すべてに通じる普遍性があります。
かなりの、コジツケですが。笑。
栗本慎一郎さんの「脳梗塞」については、日を改めまして。
余談ですが、
私、この文章をタブレットで書き込んでいます。
数年前、自宅をWi-Fi環境にしてからというもの、
ベッドに寝転がって、ソフトウェア・キーボードで。
ですから、一度にたくさん入力するのは難儀です。
が、寝転がってと言うのは、ラクチンで捨てがたい。
ま、トシですからね。
カンペキにできる音声入力を待ってますが。
ごきげんよう。
まろたんさん、こんにちは。
日本はサムライの国ですね。
その東大の御二方の勇気に対し、賛意を惜しみません。
そうですか、40冊のエッセンスを・・・
非常に楽しみです。
ブログ本編でも取り上げさせていただきます。
すみません、これから出かけますので。
取り急ぎお礼まで。
榊淳司
2014/05/27 11:18 | by Sakaki Atsushi榊さま。
国内要因としては、年末までに決断の10%UPでしょう。
7-9月はボーナス時期でもあります。
年金基金の株式購入もあり刺激的です。
内閣改造もやるんだとか。
なんとしても正面突破だと、私は読んでます。
そのあと冷え込むか。どうなるかです。
集団的自衛権。
選挙を思えば公明と離縁はないでしょうから。
タマムシ決着ですか?
そして来春の統一地方選挙は、やっぱ自民公明で決まり?
国内要因は、こんな感じでしょうかね?
湾岸タワーバブルですと。
あの~う、築地市場の移転はどうなったのでしょうか。
東京ガス工場の跡地の重金属はキレイにしたのですか?
湾岸は、むかし臨海副都心とか言ってたような。
ス~さん、鈴木都知事の時代です。
あの辺りは工場跡地でしょう。何が埋められているか。
純金ならいいのですが、重金じゃあね。
話は飛びますが、榊さまは近藤誠さんの著書読了と。
ほっと、気がラクになったとか。
そういう読者は多いようです。私もでしたが。
ベストセラーになった「患者よガンと闘うな」。
上梓されたのが、1996年。
これによって、がん治療の臨床現場は相当混乱したようです。
日本のがん治療に於けるガラパゴスの実態を、一般向け図書で余すところなく暴露したのですから。
コペルニクス転回に、患者は、まさかの大混乱。
医療界にも一大物議を起こし「がん論争」が起こりました。
時の人・近藤誠医師は異端者として、孤立。
当時、がん医療界から幾つかの関連本が出ました。
真っ向反論・批判もありましたが、概ね妥当と言う意見も。
例えば、当時東大医学部第一外科の二人の医師は、
その著書「患者のためのがん治療事情・がん論争」で、
近藤誠さんの意見を「概ね妥当である」と論評しました。
二人の医師の名は、川端英孝・上野貴文の二氏。
このご両人は、当該著書の末文で、異端者・近藤誠さんの論を是とする著書の出版を認めてくれた東大医学部に、謝意を述べています。
科学者としては当然のことですが、東大医学部なる権威組織の立場を考慮すれば、このビヘイビアはアッパレでした。
あれから、二〇年。
近藤誠さんは、約40冊の本を上梓されています。
雑誌・新聞メディアにも、数多く発表されて来ました。
ほぼその全てを私は読了しました。
著書で、また講演で、些かもブレることなく、ひるむことなく、あいまいを拒絶し、歯に衣着せず執筆、今日まで世に問うて来られています。
まさに脱帽、慎んで敬礼 。
当世、私が尊敬する数少ない人の中の、堂々の第一人者であります。
近藤誠さんの著書との出会いは、私にとって、みのり多い邂逅、運命的とも言いたい「めぐり逢い」でありました。
ついつい、テンションがあがってしまい候。
失礼をば致し候。
続編としまして、近藤本40冊のうち、榊さまにぜひお勧めしたいエッセンス記事を、筆を改めまして書きたい所存です。
この記事を読めば、榊さまだけではなく、誰もが更なる心の平安が得られること間違いナシ、という絶品ですね。
私が読了して、一番にほっとした部分です。
近藤本40冊を全部読了するのは、難儀ですからね。
がんとは離れますが、もう一品。
59才のとき「脳梗塞」で倒れ、みごと復活した栗本慎一郎さんの、過酷な体験をベースにした学者魂からなる考察。
この際、これも中年の域に入られた榊さまには、時機よろしき一品であろうかと。
ま、大きなお世話ですけどね。
まったくの余談ですが、数年前、私はツイッターを試用してみました。
余り感心しなかったので、ひと月足らずでアカウントを削除しましたが、その折、孫正義さんをフォローしていました。
たまたま、孫正義さんが五〇歳の誕生日という日に、こんな主旨のツイートをされていました。
「今日、五〇歳を迎えた。今まで以上に、一日一日を後顧の憂いがないよう、たいせつに生きていきたい」
こんな文意でしたが、時間は平等。
五〇オトコの決意ですね。
ではでは、ご期待を。
ごきげんよう。
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