実は景気回復なんかしていない?

マンションの供給が減っているそうです。
首都圏では上半期の供給が前年の2割減だとか。
土地は仕込んであるけれど、ゼネコンが見つからないのでしょう。
というか、高すぎて発注できないといいます。
まあ、異常事態ですね。

私も首都圏のマンション市場を眺めて来て、
こんなに新規物件が少ない事態は珍しいですね。
あの平成バブルが終わった1991年頃を思い出します。
あの時は、土地を高く仕込み過ぎて塩漬けにせざるを得なかった。
今は建築費が高すぎるので、先延ばし。

実際、山手線周縁と城南エリアではハッキリと価格が上がっています。
中古価格も引きずられて上がっています。
でも、それで市場が成立しているか否かは別問題。
このバブル現象には、非常に危ういものを感じます。

実はさっきまで、某誌の編集者さんにそんな話をしていました。
喋りすぎて喉が渇いたので、事務所でビール飲料を飲んでいます。
ついでで失礼ですが、ブログも更新しようかな、と。

困ったものですね。
都心のマンション市場は相続税対策と外国人に支えられています。
「自分で住もう」という方が買っているケースは少ないはず。
この話も、夕刊フジの連載に書きました。来週発売。

湾岸エリアでのマンション需要は、やや息切れの気配が窺えます。
オリンピックのブームも一巡した感じですね。
でも、価格は上がったままです。これからどうなるのでしょうか?

建築費が下がらない限り、都心のマンション価格も高止まりでしょう。
しかし型枠工、鳶、鉄筋工の3種の職工不足がここまで影響するとは・・・
木造住宅の建築費はあまり上がっていませんからね。
今後、外国人の導入や復興需要の一巡で緩和されるといいのですが。

さて、今日も某編集者さんに話したのですが、
この好景気感にはどうも演出の臭いが付きまといます。
まず、日銀。多くの反対を押し切って異次元の金融緩和を行ったのに、
景気が良くならなかったら、いかにも都合が悪いので
何かと「景気はよくなっている」というニュアンスを広報します。

次は経済系メディア。
なるべく消費税増税の影響が「出ていない」という空気を作ります。
これは、財務省への遠慮と配慮ではないかと思います。
つまり、「実際はよくないけれどいいフリをしよう」という
思惑が透けて見えるのです。

本当に景気が良くなっていれば、株価はもっと上がります。
また、ハッキリとしたカタチで個人所得も上がります。
トヨタの社員は給料が上がっても、ソニーでは下がっているはず。
パナソニックは回復したけれど、NECはまだまだのはず。
その他大勢の中小企業はどうでしょう?

ウクライナ上空でマレーシア航空機が撃墜されました。
イラクではイスラム過激派の攻勢が続き、原油価格が高騰。
中国は世界中で摩擦を起こして孤立感を深めています。
パレスチナのイスラエルは武力衝突を常態化させていますね。
なのに、オバマ君は解決に動こうとはしていません。
世界はエントロピーの法則に乗っ取って、カオスに向かっています。

日本経済は立ち直るでしょうか?
いいえ、それは無理です。
力強い成長軌道に戻るなんてことは、まずないでしょう。
これから我々は長い衰退の軌跡を歩むことになるはずです。
人が減り、住宅が余り、生産力が落ちていく。
GDPが毎年少しずつ下がっていく経済衰退を、
私たちはどういう風に受け容れるかという準備をすべきです。

かつて、イギリスには英国病が蔓延していました。
1970年代の終わりに登場したサッチャー女史は弱者を切り捨て、
競争を促すことで国としての活力を取り戻しました。
今の日本の衰退は、あの時の英国とは少し違います。
日本は、あの時のイギリスに比べあまりにも豊かです。
その豊かさの中にどっぷり浸かって、新たな一歩を踏み出していません。

「私は貧乏だ!」と叫びたい方もいるでしょう。
そうです。そういう方がこの国の多数派です。私もそうですが(汗)。
でも、富める者もたくさんいます。なぜが私のまわりに多い。
その富裕層が、都心の高いマンションを買っています。

元気なのは富裕層です。
多くの若者が非正規雇用の低賃金労働者に甘んじています。
日本社会は「総中流」から「貧乏と中流以上」に階層化しています。
年収で言えば500万円未満と1500万円以上。
その中間がいかにも希薄化しているのです。

今の東京で、普通の住宅を購入し、子供2人をマーチ程度の
私立大学に入れるくらいの教育を施すためには、
世帯年収が1500万円程度は必要になってきます。
でも、そんな富裕層は全体の3%もいるのでしょうか?

活気を失っているのは、年収500万円未満の人々。
彼らが明日に希望を持って生きる社会に変えないと、
この国が再び成長軌道に戻ることはありません。
でも、そんなことは無理。だから日本経済の先行きは暗し。
これからの時代、衰亡期を上手に生きることを考えるべきですね。
とりあえず、こういう不自然なバブルが起こっている時には
マンションの購入は慎重になるべきです。

さて、資産価値レポートの更新情報です。

この2つのレポートはエリアが重なっているので
重複しているマンションも多いです。
ご自身のニーズに合わせて、
どちらかをお選びいただくといいと思います。

目黒・五反田・大崎
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品川区総集編
価格 4,690

■ブランズシティ品川勝島,■ルネプレミアスカイ品川中延,■ザ・パークハウス南大井,■プレシス大井町,■クレヴィアタワー目黒不動前,■パークシティ大崎ザ タワー,■オープンレジデンシア目黒花房山,■パークホームズ大井町ベルヴェデーレ,■ドレッセ武蔵小山プレヴィ,■シティインデックス大井町,■クレストラフィーネ旗の台,■クレストフォルム南大井,■大崎ウエストシティタワーズ,■クレストタワー品川シーサイド,以上の14物件を収録

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2014/7/19 17:56 Comments (2)

2 Comments

まろたんさん、こんにちは。

本当に梅雨が開けませんね。
何ともヘンな天気が続く毎日。

拙著を2冊とも蔵書にされているとは・・・ありがとうございます。
3冊目は、話が湧いては消えていきます。
多分、電子書籍でしょうね。でも、手間暇かかるから今のところ予定なし。
人口問題はやっと世間の注目を浴びてきましたね。

私は日本もスイスに負けないくらい豊かな国だと思います。
ただ、日本はスイスやオランダや北欧諸国に比べて、
おバカな人間の比率が高いだけではないでしょうか。

私もよく「これ読んだよ」という本を買ってしまいます。
もう一度読んで面白いものもあります。
読んだ本は、数年に一度ブックオフに持っていきます。
古本屋の息子ですから、本を保有することにこだわりはありません。
でも、若い頃は書斎を持つのが夢でした。
今はまったくこだわっていません。
年々歳々、フィジカルな執着心が薄れていきます。
俗な心も衰退しますね。
そのうち、悟りを開けるかも(笑)。

榊淳司

2014/07/20 16:36 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

七月も下旬になろうかというのに梅雨明け宣言なし。
このまま八月に入ってしまい、
「実はいつのまにか梅雨明けしていました」なんて
気象庁の間抜けな発表を聞かされることになるかも。

国民の数をカウントし、その動態を調べることを、
わが日本政府は「国勢調査」と呼んでいます。
つまり国民の数=人口数こそが「国の勢い=国力」である、
と考えているようです。

日本創成会議の増田達也さんが人口減と年齢構造について、
誠に衝撃的なレポートを世に問うたことで、
中央も地方も行政は反発しつつも対応にジタバタしているようです。
新聞・雑誌のマスメディアも飛びついているようです。

しかしながら問題の核心は人口減よりも年齢構造にあります。
ズバリ老人が激増するも見合う働き手が激減する。
しかもこの先百年を超えて続き停止線が見えないありさま。
これは誠に国家の存亡にかかわる受難ですが、
一筋縄ではゆかない大難問であります。

この難局を、政府と経済界は「移民」でかわしたいと、
考えている気配がありますが、異論反論もまたあります。
所詮「移民」というのは国境を跨いだ「ハケン」の外国版ですから、
「ご都合主義」と言うことになるのでしょう。

人口数を国の勢いと考えることには確かに一理ありますが、
例えばスイス国のように、少ない人口でも豊かな国があります。
スイス国は天然資源も日本以下なのではないでしょうか。
しかるに何故、かの国は豊かに在るのか。

日本政府もドタマ数だけを問題にするのではなく、
国力の衰退の回避をかの国の在り方に学ぶべきでしょう。
「バカとハサミは使いよう」と言いますからね。(笑)

さて、もう一年以上も前のことですが、
榊さまのご著書を拝読しました。
今、拙宅の書架の不動産コーナーに並んでいます。

余談ですが、書架はカテゴリー毎にコーナー分けし、かつ、
「購入アンド蔵書リスト」をエクセルで作っています。
な、なんとリスト作成だと、ですが、このリストがないと、
ウッカリ同じ本を買ってしまうのであります。
これまで何度、バカを繰り返したことか。(笑)

それはともかく、ご著書は、
「年収200万円・・・」と「磯野家の・・・」の2冊です。
感想・レビューは、とりあえず控えておきますわ。

不動産関係の書籍は、全部で三〇冊くらい読破しました。
著者は6~7人くらいです。
特に不動産の売買のためにという実用からではなく、
一般的な興味・関心から読み物として、読み流しただけです。
が、いろいろベンキョウになりました。

変わりダネでは「競売ねらい」に特化した本もありました。
雑誌・文藝春秋の季刊号の記事で、たまたま眼にして、
面白そうだったので単行本を買って読んでみました。

著者は藤山勇司さん。おそらく、ご存知でしょう。
人となりは、お茶目で面白そうな人のようですが、
その著書の感想・レビューは、やはり控えておきますわ。

取りとめのない話を長くなりました。

ごきげんよう。

2014/07/20 01:41 | by まろたん

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