お盆も終わって、夏も終わってくれないかと思ったら、この暑さ。
「もう、いい加減にしてくれよ」と、言いたくなります。
でも、今しばらくは我慢ですね。
冷えたビールを友に、がんばってやり過ごしましょう。
さて、そろそろ月末に入ってきます。来月は9月。
マンションがよく売れるのは、毎年2月3月。
年度末ということが、法人には決算、個人には人生の節目になります。
2番目が、9月10月。まあ、半期の締めの時期です。
今年は、この暑さのせいではないのですが、
8月のマンション市場は音なしの構えでしたね。
都心ではほとんどのモデルルームが閉まっていました。
ただ、郊外を見るとお盆も開けているところが結構あります。
その理由は、ちょっとでも売りたいから。
気持ちは分からないでもありません。でも、お盆には人が来ません。
最近、またメディアの取材がたくさん入るようになりました。
同じようなことを、何度も喋っています。
「マンションの値段は下がりますよ」というと、みな喜びます。
「ミニミニバブルの頂点は今かもしれません」は、さらにウケル。
だって、他の人が言わないから(笑)。
私が知る限り、不動産を専門にしているエコノミストはいません。
なぜなら、需要がないから。
それに、不動産価格というのはだいたい景気に連動します。
不動産ばかりを見ていても仕方がないのですね。
でもリートに特化したエコノミストは何人かいます。
ただし、リートの主役はオフィスビルで住宅は脇役。
そして、エコノミストは往々にして予想を外します。
世の中にエコノミストという人はわんさかいて、
誰がよく当てて、誰が外す、なんて採点表もあるようです。
でも、そんなの気にしない。
なぜなら、未来のことは誰も分からない。
過去に当てた人も、未来には外すかもしれない。
そういうケースも、それこそ星の数ほどあります。
近未来のことは、比較的分かりやすいですね。
中長期の未来も、予測しやすいと思います。
例えば、この先にマンションの価格が上がる、というのは自明。
土地の値段と建築コストが上がっているのですから、
誰がどう見てもマンション価格に反映されることが見えます。
問題は、それで売れるかどうか、ということ。
また、上がったのを買ってもいいか、ということ。
中長期的に見れば、マンション価格が下がるのも自明。
毎年毎年、寿命50年とも100年とも言われる鉄筋コンクリートの
マンションをジャカジャカ作っているわけです。
一方、そこに住む人間は既に減り始めています。
これでは、マンションの価値が下がらないわけがない。
たまたま、東京という街は世界有数のボリュームがあって、
はたまた住宅の流通性にも問題があって、
そこのところが顕在化していないだけ。
東北以外の地方都市のマンション市場は酷いものです。
さて、目先はマンションの価格は上がるけれど、
中長期には下がることが確実、という予測が確かなら、
その上がったマンションを買うと損することになります。
これは、小学生でもわかる理屈ですね。
でも、大きな問題は、とりあえずどこに住むか、ということ。
10年先、20年先にマンション価格が下がるまで待っていられません。
その間、払い続ける家賃の総額と、
この先上がったマンションのローン支払い額を比較・・・
これは、みなさんがよくやる計算。間違っていません。
でも、それですべてが計算できるわけではないのです。
ひとつ言えることは、マンションの価格が下がる以上に
賃料は大きく下落していくでしょう。
なぜなら、住宅全体は確実に余っているにもかかわらず、
賃貸用の住宅は着実にその分母を増加させているからです。
この1年半の間に、都心でバカ売れしたマンションの
3割以上は自分が住むためではなく、外国人の投資や相続税対策。
そんな統計数字はどこにもないので、私の勘だけですが。
そのほとんどが賃貸市場に流れ込みます
独居老人が亡くなったあとの空家は、そのままほっておいても
たいして住宅市場に影響を与えません。遺族が処分に困るだけ。
でも、誰かが投資用に買ったマンションは、
賃料を払って住む人がいないと困ります。
予定した賃料が入ってこないと、金利負担が重くなるからです。
つまり、分譲や持家用の住宅よりも、賃貸住宅の方が
市場の競争原理に晒されやすいのです。
供給が膨らみ過ぎると、自然に価格が下落します。
現に、今や都心でも賃料は全体的に下落傾向にあります。
礼金なんて慣習は、過去の遺物になりかけています。
それどころか、住宅にさえフリーレントが導入され始めました。
これも下落現象の一種ですね。
ですから、これからどれくらい賃料が下落するかを
「購入VS賃貸」のコスト予測計算に反映するのは困難。
20年後の日本社会では
「家なんて買うのはバカだよ。その辺でいくらでも安く借りられるじゃん」
という価値観が蔓延しているかもしれません。
先日、旧知のライターさんがやってきて、いろいろ話しました。
彼は、何年か前に購入した中古マンションを最近売却。
職場の傍で賃貸マンションを借りたそうです。
その時、「ああ、自分は自由になったものだ」と感じたそうです。
賃貸住宅は、ここずっと借り手市場。多分、このさきもそうです。
だから、一定の予算を出せばかなり多くの選択肢があります。
「こんなに選べるのか」というのが実感でしょうね。
キャッシュでポンと、自分で住む家を買える人はごく少数。
ローンを利用することは、ローンに縛られることでもあります。
賃貸の場合、何よりも「居住の自由」が享受できます。
日本人はどこに住んだっていいのです。
子どもが都心の学校に通うことになれば、近くに借りればいい。
小さな子どもを伸び伸び育てるのなら、郊外の一戸建て。
今や、恐ろしく安く借りられる一戸建てがあります。
夫婦二人気ままに暮らすのなら、便利のいい近郊の駅前。
家族のライフスタイルは10年毎に大きく変化します。
ずっと同じ家に住んでいる必要性はありません。
かといって、マンションを10年毎に買い替えるなんて、
アクロバットのような売買はリスクが高すぎ。
「そこに住みたい」「持家でないと落ち着かない」という
全体的なエモーショナルがあれば、買ってもいいと思います。
そうでなければ賃貸でもいいじゃないですか?
これはよく、相談に来られた方に申し上げること。
さて、資産価値レポートの更新情報。
今回は、江戸川区の「船堀・一之江・瑞江・篠崎」エリア。
実のところ、本来は「船堀・一之江」だったのですが、
物件数が激減したので範囲を広げました。
この沿線、面白いですね。
中でも「船堀」に一番人気があって、東へ行くほど落ちていきます。
マンションの相場も5%ずつ下がっていく感じ。
「船堀」と「篠崎」では15%くらい違いますね。
ひと駅ふた駅なら気にしない、というのなら篠崎でしょう。
でも、物件数が少なくなります。
■エクセレントシティ瑞江パークフロント、■ワザック江戸川・船堀、■クリオ一之江親水公園、■プレシス瑞江、■ブランシエラ 一之江、■サンクレイドル船堀II、■ファーストシーン篠崎Clari、以上7物件の資産価値と商品バランスを詳細に分析・解説
開催日時:2014年9月16日(火) 午後6時30分より
開催場所:ビジネストランスファー会議室(JR「東京」駅から徒歩1分)
(東京都中央区八重洲1-8-17 新槇町ビル6階)
参加費用:お一人様 1,000円(税込) 定員10名 定員になり次第締切
ブログよりも過激な発言をお求めの場合は
私のツイッターをご覧ください。
twitter.com/SAKAKIATS
夕刊フジの公式サイト zakzak
に榊淳司の連載コーナーが設置されています。
えっ、瑞江や篠崎を薦めちゃいます?
住んだらモラルや教育レベルの低さに驚きますよ。
ゴマキも瑞江出身。あの弟の犯歴を見れば分かるでしょ?
今、瑞江や篠崎にマンションを購入する人は、それなりに所得のある人たちだろうから、あの街に馴染めるとは思えませんけどね。
ところで西葛西のマンションで事故があったそうです。
大和(長谷工)と三井(大成)、どちらの現場なのでしょうか?全く会社名が出てこないから、大成の現場かしら?
まろたんさん、こんにちは。
人間、気が付かない内に何かの奴隷になっています。
会社の奴隷になることを「社畜」なんて言っている人がいました。
その後、会社自体が危うい世の中になったので・・・・
自由というのは、それを知っている人にしか価値がありません。
サラリーマンには、私のような自由業の人間が理解できませんね。
職を失っても、独立するのではなく次の職を探すことしか考えません。
つまり、奴隷として生きるノウハウしか持ち合わせていない。
リーマン以降、そういう人を何人も見ました。
私は、年老いた時に経済的な自由が得られないかもしれませんが、
精神的にはいつまでも自由であり続けたいと思っています。
持ち前の「悪知恵」を縦横無尽に活かしながら(笑)。
季節柄、ご自愛ください。 ごきげんよう。
榊淳司
2014/08/21 13:51 | by Sakaki Atsushi榊さま。
「賃貸に住むことで居住の自由を得る」
その通りです。
およそ十年きざみで、向こう三〇年ほどの将来を展望しても、
この国の人口の総数と年齢構成は激変してゆき、
経済や雇用などの社会構造全般についても、
どのようなカタチに変わるかは断定できませんが、
地盤根底から変わってゆかざるを得ません。
しからば、当然ですが国民の意識も変わってゆきます。
住宅も含めて、すべて大きなコストを必要とするものは、
「所有から使用へ」と変わってゆくでしょう。
より自由に人生をエンジョイするために、です。
まさに「TO BE FREE」です。
ほんの一例ですが。
一人暮らしの世帯が3軒に一軒。
しかも多くが高齢世帯だと。
近未来の、この既定事実。
大げさではなく、これは「人類未踏」の世界ですわ。
こんな人間社会、人類の長い歴史になかった。
だから「実感」がもてないのも、ま、むべなるかな、
ではありますが。
とは言え、まもなくです。
百年後の日本の話ではありませんよ。
今、生きている日本人の多くが、そして、
これから生まれてくる日本人が、例外なく、
生きざるを得ない、この国のリアルな状況です。
もう一度確認したい。
そう遠くない将来、
どのように変わるかは断定できませんが、
日本の社会構造と人びとのライフスタイルは激変する、
ということは、確実、いや確定です。
そのとき、
バカと賢人が、はっきりくっきり、確定しますわ。(笑)
どちらを選択するかは、あなた次第です。
> TO BE FREE.
世界がどう変わろうと、自由でありたい。
そのためには、
冷酷に残酷に加速して変貌してゆく、この資本主義の世界。
まずは経済的に自立することを目指すことでしょう。
激変してゆく、21世紀。
「奴隷」として生きるのは、ことのほかツライ。
豊かなる人びとが、賢人が、快適に自由を満喫しているとき、
年老いてからも、泥まみれになって下僕の労働をして、
バカなおのれを恨みながら、嫉妬をさらけ出して、
生きてゆく。
人間社会、一定数の奴隷どもが必要である、
とは言え、
あああ、呪われた人生、おぞましい生き様。
本日の最後、口直しに、古い戯れ歌ひとつ。
> せくな騒ぐな、天下のことは、
> しばし美人の、ひざまくら。
癒やされまんなあ。
ごきげんよう。
2014/08/21 08:10 | by まろたんRSS feed for comments on this post.