「マンション」というのは、今や明らかな日本語。
英語で「mansion」というのは、マイケル・ジャクソンが住んでいたような、
敷地内に遊園地があるほどの大邸宅のことを言います。
ちなみに、最近のマンションのネーミングに良くある
「レジデンス」というのは、田園調布や成城学園のお屋敷みたいな感じ。
まあ、恥ずかしげもなくよくこんな英語もどきの日本語を使っていますよね。
英語国民は、みんなお腹の中でせせら笑っていることでしょう。
日本語のマンションを英訳すると、condominium(コンドミニアム)もしくは
apartment(アパートメント)ということになります。
日本語でアパートというと木造の狭い集合住宅です。
英語的な感覚ではdormitory(ドミトリー)でしょうか。
ちょっとニュアンスは違いますが、あの狭さを表すには
ドミトリーくらいでちょうどいい感じ。
さて、日本人がマンションに本格的に住み始めたのは1960年代。
区分所有法という、分譲マンションに関する法律ができたのは1962年。
なんと、私の生まれた年ではありませんか!
まあ、それはいいとして・・・・
今、日本には6百数十万戸の区分所有マンションがあると言われています。
東京の千代田区なんて、全住戸の8割がマンションだそうです。
まあ、東京人や大阪人は、だいたいがマンション住まいですね。
でも、それはたかだかこの半世紀でそうなっただけ。
それ以前の東京人や大阪人は、みんな戸建てに住んでいました。
さて、マンションというのは言うまでもなく集合住宅です。
ひとつの建物に、幾世帯もの家族が住んでいます。
壁、床、天井を境に、向こうはまったく別の住居。
当然、様々なトラブルが起こります。
最も多いのは騒音と振動に関するもの。
「上の階がウルサイ」というのは、よくあること。
特に小さな子どもがいる場合、なかなか収まりません。
楽器や音響機器による騒音のトラブルも多いですね。
上の階から水が漏れてくる、なんてこともあります。
まあしかし、お互いの善意が通じ合えば解決できる範囲内。
しかし、中にはどうしようもないこともあります。
あるいは、些細なことが憎悪につながって、さらに誹謗中傷・・・
みたいなこともありがちです。人間社会ですから。
もちろん、お互いに善意だけでは解決できないこともあります。
また、明らかに悪意を持った方もいます。
外国人には、日本人特有の「分かるでしょ」が通じません。
中には、反社会勢力の方が入る場合もあります。
つまり、集合住宅であるが故のトラブルはたくさん起こります。
その解決に当たるのはもちろん当事者同士なのですが、
管理組合が係るケースも数多くあります。
というか、住民同士のトラブルは、まず管理組合に持ち込まれます。
理事長さんや理事さんたちは、さあ大変。
ちょっと余談。
先日、ある検事さんと親しくお話をしました。
都心の不動産を外国人がたくさん買っている、という話をすると
「なぜ、中国の人が東京の不動産を買うの?」という御下問。
「それは、検事さんたちがしっかり仕事をしているからです」
検事さん、「ヘっ」という顔をなさいました。
「ご存じの通り、日本は検事さんたちのおかげで立派な法治国家です。そして、私有財産の保護制度はほぼ完ぺきです。他の東アジア諸国ではそこがいい加減。日本で不動産を所有すれば、固定資産税を払っている限り、その私有権は百年でも二百年でも完全に保護されます」
まあ、日本に住んでいれば当たり前のことも、他の国では違います。
支那本土では、役人が「出ていけ」「この土地を寄越せ」といえばそれまで。
涙金で私有権が奪われます。
さて、日本ではことほど左様に個人の私有権は絶対です。
マンションの区分所有者が、少々お行儀の悪いことをしても、
「追い出す」なんてことはかなり難しいこと。
また、明らかに悪意を持った区分所有者や、
悪意がないけれど善意もない住民に対して、どう対処するか?
しかし、困ったモンスター居住者をほっておいては、
他の多くの方に耐えがたい苦痛や不快感、
あるいは生命財産の危険を招く場合もあります。
また、そのマンション自体の資産価値にも響きます。
どうしたらよいのでしょう?
やはり、そこは法治国家ですから、法律です。
日本ではきちんと手続きをすれば、それなりに法律が機能します。
最終的には裁判所の判決を取る場合もありますが、
それ以前にも様々に出来ることがあります。
マンションのトラブルはほっておくと大変なことになりますよ。
身近に相談できる弁護士さんはいらっしゃいますか?
弁護士と言っても、マンションに詳しくない方もいます。
区分所有法はもちろん、分譲マンションのイロハをご存じない
弁護士さんだと、対処に時間がかかったり
あるいは有効なアドバイスをいただけなかったり・・・
ということで、マンションのモンスター区分所有者に
お悩みの方々に、その様々な解決法をご紹介する
セミナーを開催することにしました。
ご登場いただくのは、マンション関係の様々なトラブルを
解決してきた弁護士の神戸靖一郎先生。
定員10名の小規模なセミナーですので、
「こんなことを聞いてみたい」「あれを相談したい」ということにも
対応させていただけるかもしれません。
参加費は1000円です。場所は東京駅徒歩1分。
ご興味のある方は、ぜひご参加を。
開催場所:ビジネストランスファー会議室(:JR「東京」駅から徒歩1分)
(東京都中央区八重洲1-8-17 新槇町ビル6階)
参加費用:お一人様 1,000円(税込) 定員10名 定員になり次第締切
セミナー内容
1 講演「本当は共同住宅に馴染めない日本人」 20分程度
講師 榊淳司(榊マンション市場研究所代表)
2 講演「モンスター居住者にどう対応すべきか」 40分程度
講師 神戸靖一郎弁護士(麹町パートナーズ法律事務所)
3 質疑応答、その他ご相談 1時間程度
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まろたんさん、こんにちは。
私は確かに文学部を卒業しているのですが、
現代詩はいたって苦手でございまして・・・
その方、存じ上げません(汗)。
でも、慶應在学中に三田文学に小説を載せたことがあります。
もう約30年も前の話で、だーれも覚えていないでしょうが(笑)。
さて、国民の経済格差はますます激しくなりますね。
何を隠そう、私も「ほどほど」階層。
まあ、この20数年でちょろちょろ買っていた小さな不動産を、
今こそ売り時とばかりに切り売りしています。
まあ、それで売り食いみたいなものですな。
汗かき、恥かき、日々を生きております。
季節柄、ご自愛ください。
新宿や渋谷に行って、蚊に噛まれてもつまらなさそうですし。
それでは、ごきげんよう。 榊淳司
2014/09/08 16:34 | by Sakaki Atsushi榊さま。
俗に、
「金持ちケンカせず」
と申します。
金持ちたるもの、バカを取り合わない、と言うことでしょう。
とは言え、絡まれたばあい、そうも言っておられません。
身にふる火の粉は払わねば、という状況になります。
マンションのモンスター居住者=バカを相手せざるを得ません。
言うまでもなく、
ここでの「金持ち」とは、いわゆる富裕層を指しているのではなく、
バカに対する「賢人=かしこいひと」ことを言っています。
さて、
経済的な貧富に焦点を絞り込んで見てみましょう。
私の見立てでは、
絶対的な経済「強者」はケンカせず、のようです。
また同様に、絶対的な経済「弱者」もケンカせず、のようです。
つまり、くだけた言い方をしますと、
天を突き抜けた「大金持ち」と、かたや、
大底が抜けきった「ど・ビンボー」はケンカせず、と。
ま、理由はともかく。
そうしますと、残るのは「ほどほど」階層です。
この階層こそが「モンスター」予備軍です。
マンション・トラブルに限りません。
ぜんぶ、すべからくに於いて、ですね。
なぜか、の理由は明解ですが、ここでは触れません。
が、経済的な階層とは怖いものですな。
困ったことに、この階層がもっとも多い。
だから、あちこちでモンスター事件、となりますわ。
以上のネタ、榊さまの今度のセミナーではまったく使えませんが。(笑)
さて、九月。
わたくしめが、お生まれになられた月です。
それはともかく、秋にふさわしい詩編をひとつ。
慶應の文学部出身の榊さまには、旧知の詩編かと思いますが。
西脇順三郎の「秋」。
よく知られた一編ですね。
因みに西脇順三郎は慶應のご出身、いわゆる三田文学。
榊さまには、釈迦に説法のネタで恐縮です。
> タイフーンの吹いている朝
> 近所の店へ行って
> あの黄色い外国製の鉛筆を買った
> 扇のように軽い鉛筆だ
> あのやわらかい木
> けずった木屑を燃やすと
> バラモンのにおいがする
> 門をとじて思うのだ
> 明日はもう秋だ
ごきげんよう。
2014/09/06 15:29 | by まろたんRSS feed for comments on this post.