消費者軽視のマンション業界、今後も進歩なし

今日の株式市場は、派手に上げて1万5千をアッサリ回復。
なんか「官制相場」の臭いがプンプンします。
昨日、景気後退を危ぶむニュースが多かったので、
それを払しょくすべく財務省系方面からハッパがかかった、
というのは、うがちすぎでしょうか(笑)。

安倍さんが10%引き上げを表明するであろう12月9日ころまで
まだ50日程あるのですが、この「官制相場」は続くのでしょうか?
私はどこかで手ひどいしっぺ返しを食らうような気がします。
下手をすれば1万4千円を割るところまで切り返される?
アメリカの中間選挙が終わったあたりが
一番危険なのではないかと読んでいます。
まあ、私のような素人の当てずっぽうですが(笑)。

まじめにマンションの話をしましょう。
先日、メールで寄せられた相談。
ある方が、戸建てを探していたのですが
「1階の専用駐車場付マンション」がある、というので
ふらりと訪れたモデルルーム。
価格表を見ながら「この住戸かしら」などと1階の部屋を検討。
その次にモデルルームに行ったら、なんと新しい価格表が出てきて
検討住戸は200万円の価格アップ。
「どうして?」と聞いても「前の価格表は間違いでした」の一点張り。
そして「今なら100万円の特典が付いています」と、強引な勧誘。

それって、明らかに客の足元を見て100数十万円を
高く売りつけようとするあさましい営業。
まだ、こんなことをやっているのです。マンション販売の現場では。
やっていることはヤクザと変わりませんね。

ある財閥系大手の分譲するタワーマンション。
「来月になれば値上げしますから、今契約しないとこの価格で買えません」
何ともあざとい営業トークですね。
そういうのに騙されて契約しちゃう人もいるのでしょう。
そのマンション、物件としてはさほど悪くないのですが。

マンションの価格というものは、一度決めて広告すると
あとから変える時にちょっと面倒臭い手続きが必要です。
といっても、それほど困難なことではありません。
「0タイプ00㎡・000号室の価格は2014年0月0日から0月0日まで0000万円で販売していましたが0月0日より0000万円に改定しました」
価格表示のそばに、こういう断り書きを入れればいいのです。
それによって、上げることも下げることも可能です。
冒頭のケースの場合、こういったルールを守っていませんね。

では2番目のケースはどうでしょう? 本当に値上げするのでしょうか?
私は99%ブラフだと思います。
ただ、それまで売り出していない住戸の坪単価を上げることは可能。
ですから、厳密に考えれば何とかルールの範囲内。
しかし、本当は値上げしないくせに「値上げします」と言っていたら、
これは「虚言を弄した」ことになりますから、宅建業法違反。
最悪、業務停止の処分を受けるかもしれません。

まあしかし、不動産屋というのはあの手この手で
エンドユーザーを惑わし、混乱させ、一時でも早く
契約書にハンコを付かせようとします。
素人の大半はそれに騙されてしまいます。

私のところに寄せられる購入相談でも
「0月0日までに返事をしないといけません」
「隣の住戸も、上下階もみんな埋まっているみたいで・・・」
「他に検討している人がいるので、0日までに決めてください」
「これからもっと上がるから、買えなくなりますよ」
そういったことを担当者に言われた、というケースが多いですね。

マンションというのは高い買い物です。
じっくり冷静に考えれば、中々決められません。
だから、営業の担当者はお客を時間的に追い込み、
焦らせ、都合よく誤解させ、契約に誘い込むのです。
まあ、それで悪くない買い物をするケースもあります。
でも、失敗する確率の方が高いと思います。

というのは、優良なマンションはそんな違反まがいの
トークを使わなくても、自然に売れてしまいます。
それも、何倍という抽選倍率をつけて。
しかし、そんな物件は年にいくつもあるモノではありません。
山手線近辺で、1年に5,6物件も出ればいい方。
だいたいが3から6カ月程度で完売するので、
私のレポートにすら1回登場するかどうか。
アっという間に市場からは消えるのです。

エンドユーザーのみなさんも、目を肥やしましょう。
竣工間近になっても派手に広告をしているマンション。
ホームページのトップに「100万円プレゼント」みたいな
「特典をいっぱいつけるから買ってね」みたいな表示ありの物件。
同じく、トップページに物件の内容とは程遠い
キャッチコピーや絵柄がドーンと出ているマンション。
広告にタレントを使っているタワーマンション(小泉今日子は除くw)。
そういう物件は、そういうことをしないと売れないのです。

この新築マンション業界というのは、きっと10年先でも20年先でも
エンド軽視のビジネススタイルは変わらないと思います。
もっとも、20年先の市場規模は今の1-2割程度でしょう。
首都圏で、多くても1万戸。少ないと5千戸程度の供給。
ほとんど「趣味で買う」富裕層向けの、特異な物件。
まあ、その頃には私もこの仕事から引退しているでしょうけど(笑)。

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夕刊フジの公式サイト zakzak
に榊淳司の連載コーナーが設置されています。


2014/10/22 15:46 Comments (4)

4 Comments

まろたんさん、こんにちは。

週刊文春がそんな特集やっていましたか。
多分、来週の週刊現代も似たようなことやりますよ。
私、確か月曜日に電話でそんな取材をされましたから。
まあ、私のコメントはボツっているかもしれませんが(笑)。

世の中「あか頭巾ちゃん」だらけですね。
不動産でも金融でも素人はカモられっぱなし。

確かに、これから住宅ローンの破綻は急激に増えそうですね。
1990年代に購入した方は、私と同年代がボリュームゾーン。
当てにしていた退職金を貰えないばかりか、リストラ・・・
もうすぐ鮮明化する不況では、そんなシーンが増えそうです。
それに1990年代の半ばあたりまでは、かなり高かったですから。

老後の資金、頭が痛い。
でも、何とかいつもの悪知恵を絞ってのりきれれば・・・

寒くなってきました。ご自愛ください。
ごきげんよう。   榊淳司

2014/10/23 17:15 | by Sakaki Atsushi

ともさん、こんにちは。

久が原レジデンス、見てみました。
外側配管は設計のミスでしょうね。
南青山高樹町ではコア抜きで対応したのですが、
こちらではその先例にびびって外出しにしたのではないかと推測。
タイルの色が違う、というのは理解できません。
CGパースはタイルの色を決めてから完成させ、公開します。
何かの事情で予定していたタイルが入手できなかったのか、
バカな重役が「こっちにしろ」といったのか、
そのあたりの事情はうかがい知れません。
でも、あまり聞いたことがないケース。

重説に当てはまらない、というのはいかにも苦しい言い訳。
裁判になると認められないかもしれませんね。
社会通念上、パンフレット通りの建物に仕上がることを
消費者は期待した上で青田契約しているわけですから。

どう処理されるのでしょう?
今後、興味を持って見守りたいと思います。
ちなみに、丸紅はマンション事業を撤退、と聞いています。
それで後ろ向きの対応にならなければよいのですが。

榊淳司

2014/10/23 16:53 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

「売らんかな」と必死のデベも、あの手この手ですね。
私は営業の経験はありませんが、相手のペースに乗せられたら、アウト!。
もう「ややこ」を手をひねるようなものですからね。

焦ると乗せられます。
勝負事は、焦ったほうが負け。
ま、心理戦、だましあいですから、作戦を練ってですね。

数日前のニュース。
名古屋の南山大学が金融デリバティブで200億円超の損出し。
南山大学は、その内の88億円の損害賠償を請求して、
売り手のUBS証券と野村証券を相手に提訴したそうです。

数年前、慶應大学とか早稲田大学などなど、
やはりデリバティブで200億円ほどの損を出して、確か訴訟。
その後どうなったのかは、知りませんが。

すべからく、大学側の言い分は、売り手の「リスクの説明不足」と。
ま、事実は分かりませんが、早慶クラスの知性集団が、
そんな「ややこ」みたいなことをゆうて。
確か、独法・東大も乗せられたような?

この金融デリバティブ絡みのトラブルは、抱きかかえるほどあります。
今や、大手証券・メガバンクは、なりふり構わず「えぐい」けんね。
銀行・証券は広告の大スポンサーですから、新聞も書きにくいのでしょうか。
余り記事にならないようですわ。

ま、昔の小説の題名ではありませんが、
「あか頭巾ちゃん、気をつけて」ですね。

さて、
本日発売の週刊文春を書店で立ち読み。
老後破産の記事で、今週号は「住宅ローン破産」について。

住宅金融支援機構によると、
2013年、8000億の不良債権残高と、加えて、
返済期間の延長などの返済条件の変更分の残高が、
なんと1兆円超もあるという。
借入残高が1件平均・3千万円として、何件分になるのでしょうか?

昔と違って資産デフレ、長い返済期間、まさかのリスク。
が、今、融資の条件が甘くなっているとか。
「売らんかな」でしょうか。
ほんま「借金」は、キツイでっせ。
あか頭巾ちゃん、気をつけて、ですね。

ぐっと冷え込んで来ました。
身体が資本と言います。
おたがい、くれぐれも気をつけましょう。

ごきげんよう。

2014/10/23 16:26 | by まろたん

おはようございます。
榊さん

いつも注目して拝見させて頂いております。
 さて、「消費者軽視」のタイトルとおりの
出来事なのですが。「ザ・久が原レジデンス」の
「外壁タイルがCGと異なる問題」「ステンレス管むき出し配管問題」ご存じですか?

かなりマンションコミュニティで火がついてます。
デべの丸紅及び東急は、この問題で重説事項に当てはまらない問題として対応するような気配です。
(未だわかりませんが・・・)

しかし消費者側からしますと、タイルの色が異なる、及び配管を、むりくりくっつけたような無残な様子に
満足して住みたいと思うのでしょうか?

こういう問題はたくさんあるのでしょうか?
ご教示下さい。
本当に今年はマンション業界の嫌な点が多いですね。
ご報告まで。

2014/10/23 08:26 | by とも

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