「いつか来る暴落」を待つ日々

本日は73年前に帝国海軍が真珠湾でアメリカ海軍を奇襲し、
帝国陸軍がマレー半島に上陸した日。
「臨時ニュースを申し上げます。大本営陸海軍部、12月8 日午前6時発表。帝国陸海軍は、本8日未明、西太平洋においてアメリカ・イギリス軍と戦闘状態に入れり」
そして、3年8か月後には、昭和天皇が国民にラジオで呼びかけました。
「朕深ク世界ノ大勢ト帝國ノ現状トニ鑑ミ非常ノ措置ヲ以テ時局ヲ收拾セムト欲シ茲ニ忠良ナル爾臣民ニ告ク。朕ハ帝國政府ヲシテ米英支蘇四國ニ對シ其ノ共同宣言ヲ受諾スル旨通告セシメタリ。」

私が子どもの頃は、この日の前後に映画「トラ! トラ! トラ!」を
テレビでやっていました。8月14日頃は映画「日本のいちばん長い日」。
切腹する三船敏郎の阿南陸相がカッコ良かったですね。
あの阿南君の六男が2002年当時の北京駐在の日本大使として
「駆け込んで来るものは追い返せ」と指示していたそうな。
あの時は、なんかとても残念な思いをしました。

さて、日本の歴史に重要な事跡を刻んだこの日に
内閣府が7-9月GDPの速報値を下方修正しました。
民間エコノミストは大方が上方修正を予想していたのに、結果は逆。
私の当てずっぽうは見事に的中したのですが・・・・
どうして株式市場はまともに反応しないのでしょう?
小幅な上昇下降を繰り返して最後は15円のプラス。
普通に考えれば200円から300円の下げでしょう?

なんか最近の株式市場には非常に胡散臭いものを感じますね。
日銀がETFを買っているのはハッキリしているようですが、
それ以外に何かをやっているとしか思えません。
そろそろPERも限界まで来ていませんか?
なんか「いつかやってくる暴落」を待たされている気分です。

黒田君は「歴史に残る総裁」になりたがっているそうな。
かつてのFRBのグリーンスパ議長を思い浮かべているのでしょうか?
彼の顔を見ていると、前任者の白川君に比べて
胡散臭さがプンプン漂っていますね。
私は白川君のサラリーマン面が大嫌いでしたが、
黒田君のちょっと野卑な感じがどうにも好きになれません。
前の前の福井君は上品な善人面でしたけれども。

一方、ドルは120円台を固めましたね。
アベノミクスが始まる前は80円ですから、1.5倍。すごい!
カンタンに言えば、輸入品の値段が1.5倍になったことになります。
逆に海外旅行のお小遣いは3分の2に減ったワケです。

さらに外国人からすると、日本の不動産価格は3分の2に下がりました。
シンガポールや香港と比べると最早激安レベル。
東京ではマンションもビルも、どんどん買われています。
こんなになってしまって、本当にいいのでしょうか?

自由主義経済の下では、モノの値段は需要と供給の関係で決まります。
マンションの場合、需要とは「住む」ということ。
買って住む場合と借りて住む場合がありますが、
とにかく「住む」というのが最終需要。
中には「仕事用」とか「セカンドハウス」といった、
特殊な需要もありますが、全体から見れば10%以下でしょうね。

今の日本では、この「住む」主体となる人間の数が減っています。
ただ東京という大都会では人口流入が見込まれるので、
「住む」という需要は僅かながらも増えています。
しかし、それ以上に新築住宅が毎年作られてきました。
当然、全体からみると東京の住宅は余っていて、
その数も割合も年々拡大していると思われます。
今の統計数字だと、東京で10.9%が空家です。

アジア系の外国人は「東京の不動産は安い」と感じて、
マンションやビルをじゃんじゃかと買っています。
大半は投資目的です。この場合、多くが賃貸運用に回されます。
賃貸市場がそのうち崩れるのではないか、という話は先日書いた通り。

「買って住む」という需要も年々細っているはずです。
まず、絶対的な人間の数が減っています。
東京は僅かに増えていますが、これもあと6年。
次に、何千万円もする住宅をキャッシュで買える人はごく少数。
住宅ローンを組むのが普通ですが、これには安定収入が必要。
非正規雇用者だとローン審査が通りにくくなります。
しかし、非正規雇用者の割合は増えるばかり。
つまり、購入予備軍の絶対数は以前に比べてかなり減っています。

新築マンションの供給量というのは、首都圏で去年は5.6万戸。
今年は当初4.5万戸と予想されていましたが、どうやら4万戸程度の模様。
以前は8万戸から10万戸ありました。だいたい半分に減っています。
来年は2万戸台まで減るのではないかと予測します。
あまりに急激に減っているので、市場には品薄感があります。
そして、都心では中古マンションが急激に値上がりしています。
ちょっと異常な感じ。バブルの時みたいです。
というか、ミニミニバブルですね(笑)。

言ってしまえば、中長期的には余って値が下がることが確実なのに、
今は一時的な供給減少によって需給関係がタイトになっているのです。
不動産というのはこういう一時的な需給ギャップが生まれると、
部分的にはけっこう激しく価格が動きます。
市場全体を見ていたのでは、この動きは中々分かりません。
でも、現場で土地を仕入れている人間はヒシヒシ感じているはず。
こういう時こそあらゆる取引局面で魑魅魍魎のブローカー連中が大活躍。
出てくる物件を次々に転売して中間省略。あぶく銭を手に入れています。
最後にババを掴んだ業者なりエンドさんが泣きをみて一幕終了。
いつもながら同じパターンですね。
バブルの始まり方は毎回違うけれど、終わり方はいつも同じ。

こういう時に、素人であるエンドユーザーは動かない方がいいですね。
特に「買って住む」という需要は片隅に追いやられ、
「転がして儲ける」業者が市場をブンブン飛び回っています。
市場の熱に浮かされて、一般のオーナーも強気の高値を出してきます。
ただ、こういう状態はそう長くは続かないと私は思います。

株価が下落に転じるとか金利が上昇しだせば、まるで殺虫剤を
まかれたようにブローカーたちが地べたに落ちていきます。
あるいは、中国国内の政情不安や軍事的な衝突、
北朝鮮の崩壊なども不動産の「換金ニーズ」を高めるでしょう。
そうなれば「売りが売りを呼ぶ」展開も考えられます。
今回は「アジア系外国人」が不動産市場のプレーヤーとして
個人単位で多数参加しています。
彼らがどう動くのか、いまひとつ読みにくいですね。

今、山手線の内側の中古マンションは坪300万円台後半から
500万円くらいが相場観になっています。
つまり、普通のサラリーマンでは買えないレベル。
こういう時は賃貸住宅に住んで静かに眺めているのが一番です。

さて、レポートの更新情報です。
墨田区と江東区関係を一気に最新情報化しました。
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2014/12/8 16:06 Comments (4)

4 Comments

まろたんさん、こんばんは。

投票率が50%以下なら自民は315以上ではないでしょうか。
どうしても自民が嫌いな人は他の党に入れるでしょうが、
そうでない人はほぼ自民ですね。

私は個人的に田母神さんに上がってほしい。
でも、学会も必死。タモやんはかなり善戦するでしょうがダメでしょ。

この選挙で、よほどのことがない限り安倍政権は長期化。
憲法論議を本格化させるべきです。
中国が尖閣でちょっかい出してくれると、
ものすごいフォローになりますけどね。

鍋ですか。いいですねえ。
私は普通の食事で一杯やります。

それでは、ごきげんよう。 榊淳司

2014/12/10 21:53 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

寒いですね。師走の雰囲気が出てきました。

「時代」という言葉が、重く感じられる昨今です。

つい数年前、民主党がぶざまの極地を晒してくれたお陰で、
この国のグーミンも、少しは目が覚めたのかも知れません。
百年の恋も冷めた、と言いますが、さすがにグーミンもですね。

昨今「政治の季節」の到来を肌感覚で感じます。
やはり、これが「時代」というものでしょうか。

安倍自民が単独300との予測は、現実味が出て来ました。
自民単独で過半数317、なんて数字も出て来ていますが、
「民主党のぶざまのおかげ」が、かなり効いてますが、
この民主党のぶざまも歴史転換の必要バカだったのでしょう。(笑)

この先、安倍晋三の長期政権を言う論者もいます。
さもありなんですが、それとともに思います。
自民党政権が堅く、不動であろうと。

余程の失政が起きない限り、自民党政権は不動でしょう。
あほんじんも民主党にコリていますし、更に、
当面、野党の連中はバラバラで指をくわえているしかない。

自民党政権が、この先どのようなことをやってくるか?
少なくとも2020までを見据えた、腕力勝負も可能です。
公明党は、ややカゲが薄まりそうな感じがしますね。

タモガミさんは「公明党をぶっつぶす」と堂々の宣言。
まさに不倶戴天。堂々の「宣戦布告」であります。
都知事選での六〇万票や、いかに。
東京12区の結果が待たれます。

今回の総選挙は、大義がないとか、争点が見えないとか、
言われておりますが、かなりのエポックになりそうですね。
グーミン・あほんじんどもは、どう思っているのか?
ま、根っこは「平和ボケ」の連中ですから「無敵」ですよ。(笑)

作家の橋本治が、今月、集英社から新刊本を出しています。
タイトルは、ズバリ。
「バカになったか、日本人」
ずっとバカだったように思いますけど。(笑)

誰がタイトルを考えたのか、もはや「容赦なし」ですね。
私はまだ読んでいませんが、年内に買い求めて読んでみます。
タイトルにつられて買う、バカのひとりになって。(笑)

今晩は、これからナベでイッパイです。
寒さに負けんように、ね。

ごきげんよう。

2014/12/10 19:22 | by まろたん

まろたんさん、こんにちは。

不動産は2020年まで上がる、という人が多いですね。
でも、そんなことはないと思います。
今がちょっとしたバブルですから、
これは必ず数年以内に弾けます。
ひょっとしたら来年かもしれません。
少なくとも消費税が10%になれば弾けるでしょう。
私はその前だと思っていますが。

年金ねえ。私はあまり期待していません。
というかさほど掛けていません。
老後は「なんとかなるさ」の精神です。
私は何の金融資産もありませんが、
「悪知恵」という無形のアセットを活かしながら生きています。
も少し上品に言うと「企画力」でしょうか。
働けるところまで働いて、後は売り食いでもいたします。

政府の不良債務は、やはり日銀持ち分の消却でしょう。
いまでも国債の半分弱は日銀が持っているらしいので
特別法を作って、その分を「無かったこと」にすればOK。
かなり乱暴ですが、やってできないことはないはず。
大きな声では言えませんが、過去に欧州の某国が
ユーロに統一する時こそっとなさったそうです。
ま、管理通貨制度なんてその程度のモノ。
所詮は人間のやらかしていることですから(笑)。

死ぬ時の理想はピンピンコロリですね。
まろたんさんも、百歳以上生きてピンコロ。
ある朝目覚めずに、そのまま・・・なんて。
養生第一、長生きしてください。

それでは、ごきげんよう。 榊淳司

2014/12/09 18:15 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

今日、期日前投票をすませました。
行きつけの歯医者でメンテを受けたついでに。
平日のひる間のせいか、来訪者はバサマばっかりでした。
でも、ひっきりなしに来ているようすでした。
やっぱ、年寄りは堅いわ。

新聞は軒並み「自民単独300超」との活字が踊る。
ほんまでっか?
ま、大きく外すことはないような感じですが。
安倍晋三のかおが、暴れん坊将軍の松平健に見えてきたわ。(笑)

不動産は新築物件が減り、中古へ流れているのですか。
それで、中古の価格がかなり上がっていると。
おおかたロケーションで、選別されているんでしょうね。
来年も、トレンドは上げなのでしょうか?
ロケーション選別で。

価格トレンドを見たばあい、2020五輪の手前あたりが、
ピークになるのでしょうか?
やはり、ロケーション選別で。
三多摩方面にも波及して来るような感じでしょうか?

ま、余程の突発的な悪材料が起きない限り、
五輪まで高値圏で固定されるような感じがしますね。
個人的に私は「ある腹案」を持っていまして、
向こう3年くらい、焦ることなく見定めようと考えています。

さて「2025年問題」という言葉があり、
その意味するところは、周知の通りです。
もうひとつ、ややマイナーですが「2035年問題」を、
言う人がいます。

2035年・20年後になると、今、四〇代半ばの、
「引きこもり第一世代」が六五才・年金受給年齢となる。
しかし、彼・彼女らの相当数が年金を満足に掛けていない。
だから、その大多数が生活保護に殺到する、という問題提起です。

ナントカと言う精神科医のグループの説ですが、どうでしょうか?
ま、この先、ずっと続きそうな、いわば「不良債務」でしょう。
そのとき、政府はどのように対応してゆくのか?
ま、その時、すでに私は「お隠れ」していますので、
まったくのヒトゴトですが。

ま、ついでに、ミモフタモナイ話をすれば、
きっちり年金を掛けていても、どの程度の年金でっかと。

レイティストの予測では、現在の半値。つまり、
40数年掛けて、夫婦2人で月額・13万円がメいっぱい。
と、アテにできない、頼りない状況ですからね。
この13万は、現在価値での評価額ですが。

現在受給中の人も、マクロ経済スライドの施行で、
平均「年・1%強」のダウン、10年後は10%強の減額。
以降、年々、スライド減・減・減額の予測。
私も、最終的には八〇歳で2割超ダウンを覚悟しています。

これは、どの政党が政権を担っても、誰が総大将になっても、
イカンともしがたい未来像でしょう。
しからば、受け入れて生き抜いて行くしかないですね。

なにはともあれ、養生第一。
医食同源、よきものを食し、うまいオミキをいただき、
快眠を心掛け、前向きに悩み、日々を愉しく、わが道をゆく。
そのために、身もこころも養生しましょう。
けっきょく「養生訓」になってしまいましたが。(笑)

ごきげんよう。

2014/12/09 01:05 | by まろたん

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