最近のマンション市場を眺めていて思うことは、
つくづく「実需が弱い」ということですね。
港区では、山手線の内側ではめぼしい新築マンションがなくなりました。
ポツポツと小ぶりな物件が出てきていますが、みな実需タイプ。
千代田区なんて、現在私の資産価値レポートに出ているのは4物件。
かつては20物件ほどあったと記憶しています。
一方、新築マンションの実需エリアである世田谷区は今も30物件。
この4カ月であまり顔ぶれが変わっていません。
つまるところ、さほど「売れていない」という状態。
今、新宿区のレポートも更新中ですが、似たような状況ですね。
実需系物件の売れ行きが鈍っています。
かたや新築マンションではなく投資用不動産の「利回り物件」と
呼ばれる1億円から5億円くらいの1棟モノのビルやマンションは
活発に取引されているようです。
これは黒田君のバズーガ2がそこそこ効いているからですね。
銀行の融資がまずまず降りているようですから。
一面、バブルになっています。
目を郊外に転ずれば、これはもうズタズタ。
前回の更新でも語りましたので、詳しく言いませんが声も無し。
不動産市場はものすごく歪な状態にあると見ていいでしょう。
まず、日本の人口動態が歪になっているのがベースです。
いまや、人口が増えている街が少数派です。
例えば、東京の近郊では人口微増都市と微減都市に分かれます。
人気の高い湘南の藤沢市では、毎年人口が増えています。
ところが、横須賀市は徐々に人口が減っています。
これは、それぞれの駅前に立つと違いが鮮明です。
藤沢や辻堂の駅前は、都市の生命力にあふれていますね。
横須賀中央は駅前からしてシャッター化しています。
私はかねてより街の力は「その先に何があるか」による、
という見方をしています。
藤沢市が強いのは、湘南文化にプラスしてそこが東海道だから。
横須賀市の先には鮪が上がる三崎港しかありません。
この理論で行くと、同じ東急線でも東横はかなり強いのですが
田園都市線はただ人気化しているだけ、というのが私の見立て。
人口が減り始めて衰退するのは武蔵小杉よりも二子玉川が早いはず。
大宮市は新幹線が2線入っていますが、千葉市には何もなし。
強いて言うならば成田空港ですが、近年は羽田に勢いがあります。
しかし、東京に住んでいると「人口減」というのを体感しにくいもの。
地方に行くとその惨憺たる状況が目の前に迫ってきます。
この国はどうなってしまうのだろうと真剣に考えますよ。
地方の消滅、というのは「今そこにある危機」なのです。
人間というのは「見たいものしか見ない」という習性があります。
現実をありのままに見てしまうと、心の平静が保てないのでしょうね。
自分の住んでいる街が衰退していて将来がヤバい状態・・・
だなんて、みんな認めたがりません。
山手線の内側に住んでいる以外の方は、今すぐ自分の住んでいる街の
市区町村のホームページで人口が増えているかどうか確認してください。
すでに減少が始まっているのなら、今後それは加速するはずです。
人口減少が激しくなると、不動産価格は急落しますよ。
黒田君がバズーガを何発撃っても、人口減少は止められません。
安倍君が「地方創生」とか「女性活用」と言っても、無駄な話。
この国の人口減少を止めるには、結婚制度の変更とか、
子育てボーナスの支給とか待機児童ゼロの実現といった、
目を見張るような改革や制度変革が必要なのです。
現在、日本は教育費の個人負担が先進国中で抜きんでています。
他の国では、教育費はほとんどが公費、というのが普通です。
例えば、中学受験をしてそのまま大学まで私立、という
子どもの育て方をすると2千万円くらいの教育費が必要です。
年収1千万円の方でも、それなら一人しか育てられません。
かといって公立高校から地元の国立大学へ、というパターンは至難。
誰もがそのコースを辿れるわけではないのです。
私はいつも言っていることですが、今のように全体の半分が
大学に入学する必要はまったくありません。
いい若い者が「大学生」の身分で4年ほど遊ぶのは
日本社会にとってものすごいムダだと思います。
とっとと働くべし。手に職を付けるべし。
名前も聞いたことのないような私立大学に政府の補助金を出すのなら
ある程度勉強ができるのに進学をあきらめざるを得ない若者に
返済不要の奨学金を出すような制度を作るべきです。
東京ならGマーチ以上の大学に入れるくらいの若者が、
「お金がないから進学できない」という状態を無くすべきでしょうね。
前にも書きましたが、今や住宅にはさほどお金がかかりません。
都心へ通えるエリアでさえ、数百万円で家が買えます。
地方都市の郊外なら、ほぼタダです。恐ろしい時代ですね。
だから、考え方次第で住居費はかなり圧縮できます。
見栄を張らなければいいだけ。これ、けっこう難しいですが(笑)。
次は何といっても教育費なのです。これは以前に詳しく言いました。
さらに次は労働者の権利保護でしょう。
若者が使い捨てられるブラック企業を厳しく取り締まるべきです。
最低賃金を引き上げ、雇用制度を見直すべきです。
いびつな派遣労働を無くす方向に向かうべきです。
グローバル化というのは「アングロサクソン流競争社会化」です。
ほんの一部の勝ち組と、その奴隷たちがいい目をみます。
それ以外はすべて負け組、といういびつな社会構造を生み出します。
竹中平蔵君などはその推進派ですね。私から見れば、冷たいエリート。
日本の正社員は守られ過ぎている、とお考えの様です。
それはその通りなのですが、正社員になるハードルが高すぎ。
雇用する方も束縛がきつすぎて、中々雇えません。
だから派遣社員のようにキメラみたいな制度がはびこるのです。
私の同年代でも子供のいない方はけっこうたくさんいらっしゃいます。
口に出しては言えませんが、同情いたします。
家庭を作り、子どもを育てるのは人生そのものです。
いくら仕事ができて、お金を儲けても、子孫を残さない人生は、
一個の生命体としては虚しい存在ではないでしょうか。
今の日本は、その「家庭を作り、子どもを育てる」ことに
若者が躊躇しているところから衰退を始めているのです。
躊躇の原因をひとつひとつ取り除いていくことですね。
住居費、教育費の負担を減らし、雇用環境を高めることが大切。
地味な努力を続ければ、そのうちよくなるはずです。
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まろたんさん、こんにちは。
人口が減る、というのは一面のメリットがありますね。
その分、資源を消費しなくていいワケですから。
まあ、経済活動が縮小するので世の中は暗くなりそうですが。
しかし「貧乏子沢山」の家庭を見かけなくなりました。
もう、それだけでテレビが取材にやってくる時代。
少子化は先進国病ですね。
日本も人口ピラミッドが歪でなければ
8000万人くらいがちょうどよいような気がします。
次の世は次の世で、若い世代が何とかしますよ。
というか、なるようにしかなりません。
我らはたおやかに退場しようでは、有馬温泉。
ではまた。 ごきげんよう 榊淳司
2015/01/15 15:38 | by Sakaki Atsushi榊さま。
「産めよ、ふやせよ、地に満てよ」
という言葉がありますが、ま、そうはいかないでしょう。
「未婚と少子」の問題は、社会のありようよりも、
個人のありよう、生き方に原因・理由があるように思います。
いろいろと言われますが、物質的に豊かですよ。この国は。
ですから、誰が、どんな「モチベーション」を準備しても、
結婚と出産の「伸びしろ」はしれているでしょう。
今も、また将来も「未婚と少子」は、大きく変わらない。
理由は分かりませんが、そんな気がしますね。
私が中学生だった、五〇年前。
世界の総人口は四〇億人。今は七〇億人だと。
この半世紀で、7-8割・三〇億人も、増えました。
次の半世紀、この勢いで増えると、総人口は120億人。
な、なんと50億人もふえ~る!
2065年ころには120億人にな~る!
これは「多産」というよりも「長命」によるのではないかと。
単なる算数計算ですから、現実は自然界と社会経済上の、
何らかの「調整」が働いて「アタマ打ち」になるでしょうが。
「長命」が主因だと仮定しますと、その人口構成は、
「多老・少若」の、ごっつう「いびつ」なものとなるでしょう。
人類史上、初めての経験・試練ですよ。
ま、私は消えてますから「気楽」な話題ですが、例えば、
今日、生まれたややこは「大当たり」ですよね。
こんなことも「未婚と少子」に影響しているかも?
潜在意識に於いて、なんとなく・・・。
今世紀は、あと85年。
「そら恐ろしい」歳月になりそうです。
世に言いますよね。
これからの世代に、将来の子どもたちに対して「責任」がある。
この「責任」って、
何なんでしょうか? どんなんでしょうか?
すでに「撃墜」されているのでは、有馬温泉!(笑)
とりとめもなく、失礼しました。
ごきげんよう。
2015/01/14 21:57 | by まろたんRSS feed for comments on this post.