「景気」というのは、結局「気」分や「気」持ちの問題・・
これは良く言われることです。
世の中にあるお金の総量は余り変わらない(本当は変わっている)から、
お金のめぐりが良くなるのも悪くなるのも、使う人間の心次第。
まあ、そういったことなのでしょうね。
現状、都心のマンション市場を見ていると、まさに「気」ですね。
思いっきり値上がりしているのに、
それを買いたい人がウジャウジャいます。
実際に、都心の「派手」なマンションは高くてもよく売れています。
不思議ですね。アベノミクスが始まる前のおおよそ2割高です。
現在も過熱し続けていて、このまま売れていくともうすぐ3割高。
もちろん、不動産屋さんたちは煽りに煽っています。
「このままオリンピックまでは上がり続けます」
「今買わないと、高くなって買えなくなります」
つまりは、完全なバブルになってしまっているのです。
しかし、この前のミニバブルが終わってから
「もうバブルなんてこないだろう」と私は考えていました。
団塊ジュニアという大きな需要の塊が過ぎ去ったあとで、
住宅に対する実需が膨らむということは「あり得ない」現象。
現に、日本国中で空家は増え続けています。
ところがところが、東京の都心に限っては、こういう
マクロの視点が適用できない現象が起こったわけです。
何度も同じことを書いていますが、
今、都心のマンションを買っているのは
富裕層の相続税対策と外国人の投資、そして最後は「慌て者」。
あとは転売目的の業者さんたちでしょうか。
そこに「住むため」という実需の影はいたって薄いですね。
これはかなり恐ろしい現象だと思います。
大量に買われた住戸は、完成引き渡しと同時に賃貸市場に出てきます。
利回りにして3%前後の家賃になろうかと思います。
フリーレントや広告料を出せば、初年度は2%程度でしょうね。
それでも、借り手がつけばラッキー。つかなければ・・・・
バブルというのは、必ず弾けます。
私が知る限り、史上最長のバブルは今の中国で続く不動産バブル。
これ、「終わるかな」と思わせて、なかなか終わりません。
何といっても中国共産党が必死で支えていますから。
だから、マグマがどんどん膨らんでいます。
彼の国が自由経済であれば、リーマンショックで弾けていたはず。
それを異次元の金融緩和で切り抜けて、さらに膨らませてしまいました。
多くの日本人は、これを「対岸の火事」程度にしか考えていません。
しかし、本当の本当に弾けたら大惨事になりそうです。
世界経済は10年以上にわたって後遺症に苦しむでしょう。
だから、中国政府は「絶対に」バブルを弾けさせないはず。
つまり、あの異常な不動産価格の高騰は維持されるのではないかと、
私は最近考えるようになりました。
であれば、その余波は日本に及び続けますね。
ただ、都心のマンションを購入している外国勢の主役は台湾人。
本土のチャイニーズも交じっていますが、あまり目立ちません。
しかし、今後は爆裂的に増えそうだと思います。
まあ、「どんどん買ってね」という世界ですが(笑)。
私はこれまでに、平成大バブルと不動産ミニバブルという
2回のバブルの形成と崩壊を眺めてきました。
今回の都心局地バブルは、プレイヤーに外国勢が加わっているだけに、
その崩壊のパターンが前2回とは異なりそうな予感。
何かのキッカケで一瞬にしてプシュっと弾ける可能性があります。
はたまた、中国本土の「バブル維持」政策の余波で
ダラダラと維持される可能性も100%は否定できません。
まあしかし、日本の金融政策は中国よりも透明です。
アベノミクスは今のところ完全なリフレ政策。
多くの経済学者が陰に回って異論を唱え続けています。
私も、初期の頃は大賛成派でした。今は懐疑派に変わっています。
きっかけは、昨年10月末の黒田バズーガ2です。
あれは、単にバブルを再発させただけの「悪手」。
前にも書きましたが、これは財務省側から
「消費税は予定通り2015年の10月に上げろよ」というサインでした。
それを、安倍君は「総選挙」という予想外の挙に打って出て
見事に覆してしまったのです。
近年、これほどまでに財務省にタテを突いた総理はいませんね。
だから、安倍君はどこかで必ず財務省側に「刺され」ます。
今は訪米も成功させて勢いに乗っていますが、
財務省は忘れていません。
いつか「この恨み、はらさでおかりょうか」となります。
まあ、安倍君の運命などはどうでもいいといえばどうでもいい話。
問題は、今の都心バブルの「終わり方」だと思います。
このままでは過熱するばかり。今年の後半には3割高。
年を越すと5割高。坪単価1千万円の物件がゴロゴロ・・・
なんて事態になりかねません。あな、恐ろしや。
そうなると、利回りは2%を切って上海や台北と同レベル。
しかも、空室率も急上昇しそうです。
そのあと、何かでバブルがはじけると、もう目も当てられません。
あの平成バブルの崩壊時みたいに不良債権のヤマ。
今度は外国人も交じっているだけに「急落」でしょうね。
バブルはこれ以上膨らまずに「終息」してくれるのが一番。
しかし、バブルは過熱するからこそバブルです。
もし、来年まで続くようなら、自宅でさえも「売り」です。
都心の自宅はいったん売って、郊外の賃貸に移りましょう。
弾けた後に、買い直せばいいのですから。
5月16日セミナーは、募集定員に達したため締め切らせていただきました。
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まろたんさん、こんばんは。
今日、カバンに本を入れるのを忘れて、
「読む本がないなー」と思いながら事務所へ。
着いたら送っていただいた本が届いていました。
ありがとうございます。さっそく読んでいます。
黒田バズーガ2の前に書かれたものですが、
それでも大変そうですね。
読み進めるのが楽しみです。
しかしこのバブル、世界規模ですからなかなか弾けませんね。
日本は2周遅れで参加していますが、非常に危ういですね。
少なくともバズーガ2は余計。
でも、金融政策のインチキ加減は各国共通。
こういう「世界同時バブル」は経済史にない事例では。
私は財政破たんはないと思います。
何といっても円は日本で刷れますから。
アメリカの破たんがないのも同じ理由。
でもヨーロッパではあり得ますし、
人民元が「交換拒否」になる可能性もあります。
ロシアのルーブルはあの通り(笑)。
私は楽観しています。
いつか本当のインフレが来るかもしれませんが。
日本は豊かです。
考えているほど未来は悪くないと思います。
不動産価格の未来は危ういですが(笑)。
それでは、ごきげんよう。 榊淳司
2015/05/07 22:00 | by Sakaki Atsushi榊さま。
連休も終わり、日本人は、また仕事モードに。
連休中は働き、これから遊びモードにという御仁も。
水野和夫さんの「資本主義の歴史・変遷」についての論考。
彼は「蒐集」と書いてますが「収奪=搾取」の歴史ですね。
西洋=中心が、彼の用語で「周辺」から資源=富を収奪した歴史。
先の大戦後は、日本も「中心」に入り「周辺」から収奪できた。
それにより日本も経済成長し、その結果、いわゆる「一億総中流」が成立したと。
原油で言えば、1バレル・3ドルであった時代のことで、
西洋先進国の15%が、周辺・85%を収奪することが出来たと。
しかし、もはや、それは不可能になった。
85%の「周辺」は目覚め、収奪を許さなくなった。
そのため、西洋先進国の資本主義=収奪は、行き詰まった。
日本国も、その一員であると。
そこで西洋先進国は、ITと金融を結合したバーチャルの市場を創設し、
国内に収益を求めた。
そのひとつが米国では「リーマン」であった。
また、世界に於いて、短期間に繰り返す「バブル」であると。
日本は、国内の収奪源として、いわゆる「非正規」ですね。
つまり「貧困ビジネス」と言ってもよい収奪です。
国内に「周辺」を作り出し「富の移転」システムの創設です。
収奪を続けることを本質とする資本主義の「成れの果て」ですね。
水野和夫さんの論考は、概ね、こんなことでしょうか。
「そういうことだったのか」と。
そして、近未来は「本格的な貧富の格差」となるのかと。
そして、日本国の財政破綻。
つまり「金利の上昇」は「ここ数年のうち」に起こる虞ありと。
その理由は、日本人の「貯蓄額の減少」。
「国債」を国内資金でさばけなくなり「外国人の資金」で買ってもらうことに。
なれば、低金利では買ってくれない。で、金利の上昇と。
榊さま。
どのように予測されますか?
ごきげんよう。
2015/05/06 21:29 | by まろたんまろたんさん、こんにちは。
労働者派遣法の改正は、まさに国内に収奪先を作り出そうというもの。
その先にあるのは、弱者があえぐ二極化社会。
抵抗すれども、大きな流れはそこへ向かっていますね。
ある意味、戦後の妙な「平等」社会を追いつづけてきた
「歪み」に対する反作用とも捉えられませんか?
竹中平蔵の「日本の正社員は保護され過ぎている」も、
フランスやドイツ、オランダと比べると???
アメリカやイギリスの「お前はクビだ!」が可能な社会も、
まあ違和感がないでもありませんが。
日本は一人当たりのGDPが貧しい国です。
でも、低所得者でもそれなりにやっていけます。
マイルドヤンキーの存在がそれを示しています。
私は格差が悪いとは思いません。
問題は、格差を乗り越える手段が豊富にあるか否か。
今の日本は、その手段を狭める方向に進んでいるように思えます。
それではまた、ごきげんよう。 榊淳司
2015/05/05 14:00 | by Sakaki Atsushi榊さま。
東京局地バブル、只今、継続中ですか。
ま、稼げるときには稼ぐに限るでしょう。
去年上梓された水野和夫さんの著書、
「資本主義の終焉と歴史の危機」は、近来の名著の1冊です。
三〇万部も売れたそうですから、このジャンルのものとしては、
メガヒットと言えるでしょう。
私は、この本を含め、ここ半年間の月刊新潮45に連載の記事を読み、
資本主義のことや世界経済のことなどを、歴史的、地理的に理解出来ました。
「ああ、そういうことだったのか」と腑に落ち、変な表現ですが、
わが混沌たるこころが、精神的に「落ち着き」ました。(笑)
それくらい、とても遠大な眼で、知的に書かれています。
さらに「分かりやすく」という有り難い心くばりもあります。
水野和夫さんは、当代名実ともに、いち押しの「インテリ」
だと思いますね。
資本主義の末路は「国内に於ける南北問題」。
つまり、富める階層が中流・下流層から富を吸い取り、結果、
中流・下流層は貧困層へと没落してゆく。
もはや「そこ」にしか富の収奪先がないという分析。
これが日本を含めた世界の「近未来図」だという論旨。
「お見事」と言いたい見識ですね。
日本国での「そこ」は、いわゆる「非正規層」になります。
今国会で「改正労働者派遣法」は成立するでしょう。
そして、その先は・・・言うまでもありませんね。
中流の正規労働者が非正規となり、低層・貧困層に落ちてゆく。
その賃金の落差分が、富裕層の収益になる。
近未来、この通りになったとしても「泣き言」は言えませんね。
自業自得。身から出た・・・。ですから。
「いまごろ言うな泣き言を」ということですね。
で「生き残る」ためには「自分」しかいません。
「生きることは、闘い」です。
「まさに息絶える、その瞬間までの、熾烈な闘い」です。
この冷徹な現実は、ニンゲンだけではなく、
生きとしいけるもの全てが負わされた、十字架です。
死にもの狂いで闘う。
まさに「死闘」です。
それをしても、生き残れるものは・・・。
ごきげんよう。
2015/05/04 23:25 | by まろたんRSS feed for comments on this post.