「今は買い時ではありません、売り時です」
もう、1年以上もそう言い続けています。
それでも「買いたい」と言う人から次々に無料相談が寄せられ、
あるいは有料相談のため事務所にお見えになったりしています。
バブルです。それも地域限定のバブル。
こういう時には2,3年待ってみる気で市場を眺めるのが正解。
なのに、こんな時でも「買いたい」人の多いこと、多いこと。
まるで「マンション買いたい熱」という熱病にかかったみたいに
なっている方がいらっしゃいますね。
そういう人にとって今がバブルだろうがなんだろうが、
ただひたすらに「マンションが買いたい」のです。
しかし、バブルもそうですが、熱もいつか冷めます。
終わってみれば「なんだったのアレは」になるはず。
買ってしまっていれば、まさに動かざる資産(負債)がドカンと
目の前に大きく残されています。
その点、何度も不動産を売買するお金持ちはいつも冷静。
今はよほどのデモノでもない限りスルーにしていますね。
踊っているエンドは都心と近郊の富裕層と開業医や弁護士。
しかし、都心の新築タワーマンション購入の主役は紛れもなく中国人。
彼らが「爆買い」しているので、中々「暴落」が始まりません。
今日、私のところにとあるスポーツ新聞社が取材に来ました。
「スポーツ新聞が不動産を取り扱うのですか?」
私は、夕刊紙こそ自腹で何回か買ったことがありますが、
スポーツ紙は思い出す限りあがなった記憶がございません。
まあ、ゼロではないような気もしますが。
でも、他に読むモノが無ければ読みます。
今日も見本にいただいたので、あとでパラパラ。
あるのですね、「社会面」みたいなところが。
でも、スポーツ紙でマンションの話を取り上げるなんて、
いかにもミスマッチ感があります。
それだけ、世間の不動産に対する関心が高まっているのでしょうか?
それとも、これこそバブルの頂上現象なのでしょうか?
しかし、バブル期に「マンション買いたい熱」に
罹ってしまった方はお気の毒だと思います。
この熱病、私が「今は時期が悪いですよ」とアドバイスしたくらいでは
ほとんどのケースで冷めません。まあ焼け石に水。
一度罹ってしまうと買うまで熱くなり続ける、と言う人が多数。
中には、買った後も自分のマンションに対して
異常なばかりの偏愛を持ち続ける方もいます。
そういうのも、一種のビョーキですね。
あるいは、次の「買い替え」に向けて熱心に情報収集を
続けている方もけっこうたくさんいらっしゃいます。
こういう方は「マンション買いたい熱」が慢性化したようなもの。
マラリアのように、時々思い出したように再発したりするのでしょう。
私は首都圏と近畿圏のマンション市場を、
広く、そして浅く眺めることにしています。
その方が全体像はよく見えるからです。
そして、あとは都心を中心に1物件ずつ見ていきます。
やはり、マクロの現象も見逃せません。
1物件ずつの動向分析が、市場の流れを読むのに必要です。
今はどうなっているかと言うと「バブルのはみ出し期」ですね。
今まで山手線の周縁部と城南エリアだけだったバブル地域が、
その殻を何とか破って外に飛び出そうともがいている時期。
江東区の東陽町に坪単価300万円などと言うのが出てきたのが
そういった現象のひとつではないでしょうか。
江東区の場合、歴史の浅い埋め立て地である豊洲のマンション価格が、
ながらく江戸期に開けた深川の東陽町よりも上回っていました。
これは、単純に住友不動産が市場に逆らった高値販売を続けた結果です。
アベノミクスが始まり、オリンピック招致に成功しなければ
まず今でも販売していたであろう不振物件が何とか売れました。
今度は、その住友不動産が東陽町で勇気ある高値挑戦を仕掛けます。
さて、市場は付いてこられるでしょうか。
現在、各デベロッパーの仕入れ部門では、今のバブル価格よりも
さらに1割2割高くなる事業計画を立てています。
土地が値上がりしているので、そうせざるを得ないのです。
このままバブルが続くと、来年の後半には港区の基準は
坪単価600万円を軽く超えそうです。文京区で500万円。
中央区の湾岸エリアは楽々と300万円をクリア。350に向かいます。
ところが、途中でバブルが弾けてしまうと、
今年仕入れた土地でやる事業はすべて「最初から赤字」になります。
まあ、これまでのバブルでは頻発したパターン。
体力のない会社はそこでバンザーイとなってしまいます。
マンション開発というのは、エンドレスな自転車操業です。
来年売る物件は、今年仕込んでおかなければなりません。
大規模マンションなら、販売開始は2年先になります。
高くても買わざるを得ないのです。でないと来年の売上はゼロ。
つまり、どうしても在庫を抱えなければいけない構造。
市場価格が上昇している時期には、当初予定よりも高く
販売できて利益をガッポリと確保。
しかし、市場が下がり始めると、最初から赤字。
全部定価で売っても・・億の赤字、なんて事業がザラになります。
そういうマンションの広告を作らされるの、嫌ですよー。
担当者は最初から不機嫌。二言目には「赤字だから予算がない」。
「そんなこと、こっちには関係ない」なんて言えませんし。
だからシケた広告しか作れないので、ますます売れません。
暗い打合せを何か月も続けなければいけないのです。
まあ、そんな話はいいとして。
今は、このバブルの潮目がいつ変わるか、みな戦々恐々。
不動産屋さんたちは、週刊誌や夕刊紙に「不動産暴落」的な
見出しが出ていると、気になって思わず買ってしまうのでしょうか。
そこで私のコメントが掲載された記事を読むのは
実に不愉快なことだろうと想像します。悪しからず。
だんだん、だんだん、商売がやりにくくなっているはずです。
ゴミみたいな物件にあんぐりするような価格がついていても、
他に何もなければそれを買わなきゃいけませんね。
しかし、「売れないのでは」と心配しだすと、夜も眠れません。
それでも、バブルの内側にいれば踊らざるを得ません。
踊らなければ、目先の利益を取れないわけですから。
今週は、あと全国紙と香港紙の取材を受ける予定。
バブルはさらに加熱していますね。どんどん熱くなります。
来年あたり、物件によっては坪1千万円の声を聞くかもしれません。
ぜひ聞いてみたいのですが、ものすごく後が怖くなりますね。
山高ければ、谷深し。バブル膨らめど、中は空。
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バブル崩壊直前の2007年の夏、195年の歴史をもつ老舗銀行シティバンクのCEOのチャールズ・プリンスは言いました。
「As long as the music is playing, you’ve got to get up and dance 音楽が鳴りやむまで、踊り続けなくてはならない」
まろたんさん、こんばんは。
ここのところ、東奔西走しています。
10年後も多分私は生きていそうです。
まだ、現役をやっているでしょうね。
山のように資産を築けていれば別ですが、
実のところ山のように借金が残っていそうですから(笑)。
毎日のように新聞や雑誌の記者と会って
似たようなお話をしています。
ちょっと飽きています。
何か大きな事件が起こって欲しいような、そうでないような。
今月、ギリシャがいよいよデフォルトしそうなので、
それが楽しみなような、怖いような。
個人的にはユーロ安を切に願っています(笑)。
アベちゃん、患部を隠したままの日本丸をうまく操っていますね。
本当に、今年に入ってから事件のない日々。
週刊誌君たちが悲鳴を上げていますよ。
また、ご感想などお待ちしています。
ごきげんよう。 榊淳司
2015/06/09 22:55 | by Sakaki Atsushi榊さま。
お忙しそうでなにより。慶賀至極ですね。
「いくつになっても、甘えんぼう」
とはご存知、大阪芸人・カンペイちゃんのギャグ。
ホンマ「いくつになっても、●●」のニッポン人が激増ですね。
笑ったり、呆れたり、ウンザリしたりと、退屈はしませんが。
アベノミクス・バブルで、マンションは過熱気味と。
「いつか来た道。バカ街道」ですか。
ま、懲りるということがない人種ですね。(笑)
東洋経済で「物流」の特集をぶち上げていますね。
ネット経済へ、いっそうの加速が掛かっているようです。
ヤマダ電機も「御大」が直々の采配を振るっているようで。
実店舗も数十を閉めて、巻き直しシフトだそうですね。
「ぼー」としてたら「忘れられてしまう」ご時世ですからね。
戦後七〇年。
今、ニッポンは「逆流・逆転」を始めたようです。
「過去の成功・栄光」ってかい。
ボケ「おととい、来やがれい!」と。
十年後、ニッポンの風景は、逆流・逆転しながら激変していることでしょう。
そのとき、私は七〇半ば。
見てみたいような、も、どうでもイイような。
榊さまは、まだ六〇チョイ。
逆流の中、溺れることのなきよう。浮き輪でも。(笑)
ごきげんよう。
2015/06/09 22:27 | by まろたんRSS feed for comments on this post.