各国の株式市場の迷走が続いています。
私のところにもこの1,2週間の間にいくつかの雑誌メディアから
それに関連するコメントを求める電話がありました。
「世界同時株安は日本の不動産市場にどんな影響を与えるか?」
キャー! そんな難しいこと、僕にお尋ねになるのですか?
僕は二流の私立文系卒で金融機関に勤めた経験なんかありませんよ!
ましてや経済学の単位を取った覚えもないのですけど・・・
そ、そんな僕からこの大げさなテーマでコメント引き出して、
ま、まさかおたくの雑誌に掲載するのですか?
とか言いながら、すでに一部は出ています(笑)。
詳しくはメディア実績などをご覧ください。
しかし、なんかすごーくエラいエコノミストになった気分ですね。
でも「はい、日本のマンション市場は来週から大暴落が始まります」
なーんていえたら、どれだけスッキリするでしょう。
そんなこと言えるわけがないじゃないですか。
ふざけないで、まじめなお話をしましょう。
この先「世界経済」という仰々しいものがどうなるのか、についてです。
いつもの「そもそも論」で始めましょうね。
そもそもなぜ私のような経済学徒でもエコノミストでもない、
場末のしがない住宅ジャーナリストが、「世界経済」なんていう
一見お門違いな大問題について考えなければいけないのでしょう?
その答えは、1985年のプラザ合意以来日本の不動産市場は、
「世界経済」という魑魅魍魎が跋扈する複雑怪奇な金融システムから
24時間365日影響を受け続けるためのぶっといチューブの先を、
しっかりとぶち込まれた状態になってしまったからです。
あら、ちょっとお下品な表現になって失礼。
つまり、日本の不動産価格が上がったり下がったりする原因は、
国内だけではなく海の向こうで発生していることも多いのです。
というか、アベノミクスの円安以来は国外要因が半分近くを
占めているのではないかと私は推測しています。
まあ、こんなもの誰も証明できないことですが。
さて、このブログの慣例に従い、今後日本の不動産市場が
どうなるのかについて、私の考えているところを
超カンタンに説明しますね。
まず、今後ひと月ほどの間にもっとも注意すべきは、
上海の株式市場ではなくアメリカのFRBの動きです。
巷間言われているように、9月中に金利を上げるか否か?
アメリカの金利が上がると、世界中の株価が下がります。
なんて・・・断定できませんが、経済学の常識ではそうなります。
もっとも、私の経済学の素養は日経新聞を30数年の間、
飛ばし読みしていただけのものですが。まあ、それは置いておいて。
世界各国の株式市場に投資されているお金はドルに換えられて
アメリカの債券を買いに向かう、はずなのです。
その結果、ドルが上がって円やユーロは下がるでしょう。
まあ、それは為替市場の表面的な現象です。
アメリカの金利が上がって、最も影響を受けるのはアメリカ経済。
アメリカの株価が下がり、消費が委縮し、企業業績は低下。
いいことは何もありませんね。唯一、いいことがあるとすれば「正常化」。
いったい何の「正常化」なのでしょう?
それは、他ならぬアメリカの金融政策の正常化なのです。
現在、アメリカでは歴史的な低金利政策がとられています。
これはリーマンショック後の大不況から脱出するために行われた、
まさに「異次元」的な金融緩和政策の一部。それが低金利。
おかげで世界中にドルがジャブジャブとばらまかれました。
「それは結構な話ではないですか」
普通の日本人はそう思います。というか、今の日本がそうです。
日銀総裁の黒田君が「異次元金融緩和」のバズーガを2発も撃ちました。
今の日本はアメリカよりも低金利なのです。円が過剰供給され、バブル。
それで、誰も文句は言いませんね。
なぜなら、表面的に何の不都合もないから。
ところが、FRBのイエレン議長はくそまじめな中央銀行ウーマン。
「こういう異常事態をなるべく早く脱して正常化すべき」
というふうにお考えのお方だそうです。だから、金利引き上げへ。
まあ、真面目だけが取り柄だった白川前日銀総裁とちょっと似てます。
今、世界の株価が同時に下がっているのは「アメリカの利上げ」を
織り込もうとしている動きが大きいと思います。
その利上げをするかどうかの会合であるFOMCが16、17日に開催予定。
そこで利上げが打ち出されるのか、先延ばしにされるのか・・・
世界中のエコノミストは「利上げはしないでね」と発言しています。
でも、果たしてどうなるかは分かりません。
仮に、利上げがあったとしたら日経平均の年内2万円回復は絶望。
それどころか年内1万5千円を守れるかどうか、という水準でしょう。
理論的には円安になるはずですが、そのあたり一筋縄ではいかなさそう。
中国経済の混乱は円高要因だと私は思っていますから。
で、いよいよ不動産市場です。
この2年半の間、都心の不動産市場はバブル状態でした。
特に昨年10月末の黒田バズーガ2以降はバブルが過熱しました。
ところが、この世界同時株安です。投資家の心は冷えます。
今、はペットボトルで水をジャジャっとかけられた状態。
もう少しするとバケツですね。その次は消防ホース。
まあ、そこまでいったら恐慌状態ですけど(笑)。
日本の不動産は、基本「余っている」状態です。
それはオフィスも住宅も変わりません。
それでも、景気が良くてお金に余裕があれば企業も個人も
「よりよい物件」を求めようとします。それが今です。
ところが、景気がしぼんで将来が不安になり、
お金にも余裕がなくなると「ちょっと様子を見るか」になります。
株価の下落は、まさにそういう心理へ誘導するのに
もっとも心理的な効果があるでしょう。
私の経験上、下落局面においては株価が不動産より半年先行します。
今の日経平均の動きが始まってまだ2か月。
今年いっぱいは不動産市場も「おっかなビックリ」。
アメリカの利上げや中国の不安定な動きが続いて「先行き不安」の
状態があと3,4か月続いたら・・・・
それこそ週刊誌が私のコメントを今以上に求めてこられる局面が
やってくる可能性がありますね。
おりしも、この前のGDP発表がジワジワと効いてくるはずです。
「日本は経済成長していない」
この衝撃の事実は、株価にも不動産価格にも本来は超マイナス要因。
それを緩和しているのは、目立った倒産と失業がないから。
あと、原油をはじめとした資産価格の下落。
日本経済は非常に危うい均衡の元で、表面的に安定しています。
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まろたんさん、こんにちは。
静かな日曜日です。
メールも拝読しました。
私は4年ちょっとサラリーマンをやり
その後20年ほど小さな会社で社長をやりました。
今は「ひとり親方」。今が一番お気楽。
考えてみれば、他人との距離感を計るのが苦手ですから
今が一番お気楽なのが自覚できます。
どーも、他人には関心なさすぎ(笑)。
媚びるのも、媚びられるのも嫌い。
私は普通に生きているつもりですが、
他人から羨ましがられることはかなり多いことに、
最近気づきました。そういうことにも鈍感な人生です(笑)。
マイナンバーについては、関心がありません。
なぜなら、今は税金の心配をするほど儲けていないから。
あれは税金のとりっぱぐれを防ぐ制度と理解しています。
確定申告は、未だに紙に書いて郵送しています。
もう30年くらいやっていますね。
昔はごたいそうな税金を払っていましたが、今は庶民以下。
当面、関係なさそうですね。電子申告もしません。
消費税10%はもはや無理かと思います。
安倍君は来年の参議院選挙で消費税増税延期を公約にするでしょう。
あとは財務省がどの程度「安倍おろし」を本気でやるのか。
アンポ法案が通ったら、いよいよ政局の前哨戦。
来年が面白そうです。
それでは、「山陰の細道」をじくっとお楽しみください。
ごきげんよう。 榊淳司
PS 養老さんと二コルの本が味わい深いですね。ありがとうございました。
2015/09/06 13:42 | by Sakaki Atsushi榊さま。
静かな日曜日です。
ベッドに寝転がり本をパラパラと読んだり、あれこれ考えたり。
「マイナンバー」について。
ご承知の通り、来月から世帯ごとに「通知カード」が郵送されるそうです。
家族全員の12ケタのマイナンバーが印刷されていていると。
そして「任意」なのですが「個人番号カード」を請求した場合は、
後日、顔写真付きの「ICカード」が発行されると
このカードは「公的な身分証明書」として使えると。自動車免許のように。
このカードの請求は「任意」ですが、これを持っていないと、
使い勝手が悪いように、私は理解しました。
で、私は請求するつもりです。費用はゼロ。無料です。
この「ICカード」には「JPKI」による「電子証明書」が付いています。
よって「e-tax」などの公的申請ができます。
また、2017年からは「マイナポータル」も利用出来ます。
現在ある「住基カード」と同じような機能のカードですね。
因みに住基カードは所有率・僅か5%ほどだそうですわ。
私は5年前に申請所有し、同時に電子証明書を付け「e-tax」に利用。
総じて使い勝手がよくないですわ。もう慣れましたが。
JPKIによる「電子証明書」の有効期限が3年。
これもマイナンバーでは延びるかどうか?
3年では面倒くさいですからね。
榊さまは「e-tax」をご利用ですか?
証票を添付しなくても良いという点は、グッドですが。
繰り返しになりますが、
e-taxなどの電子申告を、やるやらないはともかくとして、
「個人番号カード」は持っていたほうがベターというのが、
目下の私見です。
> 最近、働くことはいやでなく、物欲も軽くなったと。
榊さまは「ひとり親方」ですから「マイペース」が王道でしょう。
そして、出来るだけ「シンプル」に。
バカは「凝り過ぎて」挙げ句、自爆するようです。(笑)
私は今月、なんと「ぞろ目」の66に。
目が揃ったところで、ぼちぼち、山陰方面めぐりに。
ビンボー旅行ですが「気楽」がなによりですわ。
お休みの処、失礼しました。
ごきげんよう。
まろたんさん、おはようございます。
不動産は空売りできませんね。
だから、下落局面で儲けられるのは仲介業者だけ。
FXや信用も、レバを効かせないのならリスクは
現物分だけになります。
張り付いていなければいけないので、私はやっていません。
逆に、引退したらやるかもしれません。
寿命を縮めるかもしれませんが(笑)。
マイナンバーは、まだ中途半端ですね。
私の子供の頃は「グリーンカード」なんてのがありましたね。
個人所得の把握は税務署の悲願。
じゃんじゃか稼いでいた時は猛反対したでしょうが、
今は「どうぞご自由に」の世界(笑)。
持たざる者は強い。
最近、働くことはさほど嫌ではないし、
贅沢への欲求も減じました。
あと百年くらい健康で生きられたら、
お釈迦様になれるかもしれません(笑)。
そんなことを考え乍ら、日々雑事に追われています。
それではまた、ごきげんよう。 榊淳司
2015/09/05 10:07 | by Sakaki Atsushi榊さま。
不動産と株式の相場は、一蓮托生でしょうか。
バブルと相前後して上昇してゆきます。
が、その売り買いに於いて異なるところの一つに「カラ売り」があります。
株式は、カラウリ=売り先でも、リグイ出来ます。
大きな下げ局面では、信用買建ての投げ売りも出て来ます。
ウリがウリを誘い、不動産よりも暴落しやすい。
「信用取引」はハイリスクで、年寄りには向きませんね。
他にも、いわゆる「差金決済」取引=CFDは、年寄りには向きません。
FXや先物取引などは、ともにレバレッジを利かせた差金決済取引で、
ハイリスクですから、年寄りの冷や水とナリガチです。
年寄りは「やり直し」が利きません。
企業会計原則でいうところの「保守主義」でゆくべきでしょう。
もうこの世に未練がない、という人は別ですが。(笑)
さて。
「マイナンバー」法が決まったようですね。
安保法案のドサクサに紛れての感はありましたが。
財務官僚のメンメンは、こっそり旨いお神酒をいただいたのでは?(笑)
いろいろ論評されていますが、この制度の目的の中核は「課税・徴税」でしょう。
むかし言われた「ノウバン=納税者番号」こそが原点でありかつ中核です。
社会保障への活用などと「こぎれいなベベ」着せられてはいますが、
なんのなんの、ど真ん中は「タックス・パーパス」と思いますね。
この先、制度を拡張させてゆく上でさまざまな抵抗が出て来るでしょうが、
5年後・10年後に、どう「大化け」しているか、否?
財務省の力量が試されるところでしょうか?
当面、マイナンバーの周知徹底にはゴタツキそうですね。
ニッポン国も、ぐるり世界情勢も、予断を許さない時代のようですね。
「潮目・変わり目」と言いますが、変わるときは「急峻」では、有馬温泉?
私は「儲け」よりも「損しない」ことを第一義に、保守主義を心掛けて。
ごきげんよう。
2015/09/05 00:32 | by まろたんRSS feed for comments on this post.