新築マンションを買えないワケ

この水曜日は、新宿区と中野区を回ってきました。
市場は動いているような、そうでもなさそうな。
デベロッパーの営業力によって売れ行きは大きく異なります。
例えば、オープンハウスデベロップメントが分譲するマンションで
半年以上販売が続くことは稀です。
だいたい3,4ケ月で完売していますね。

コスモスイニシアも完成在庫になるケースは僅少。
もちろん、なりふり構わぬ値引きをする野村不動産も
完成在庫になることは少なく、なってもまあ半年。
それに比べて「値引きを絶対しない系」の住友不動産は
ほぼ100%の割合で完成在庫になります。
完売までは、私のザックリ感で竣工後2-3年くらいでしょうか。
ゴールドクレストにいたっては、竣工後2年で完売していれば優秀。

一建設のプレシスは、売れないとすぐにアンビシャスに転売。
「お前ら、最後まで責任もって売れよ」と言いたくなります。
東京建物と東急不動産は「おっとり系」ですね。
販売も弱いので、完成在庫になる確率が高いです。
経営陣の判断が遅いのか、値引きの判断も周回遅れですね。

三井不動産レジデンシャルも、ちかごろチョンボ多過ぎ。
もともと本体は「冷たいエリート」臭が漂う会社でした。
ああいうところは、消費者を舐めすぎています。
三菱地所レジデンスは、藤和不動産を吸収して
「パークハウス」から「ザ・パークハウス」に変わってから、
チョー普通のマンションデベに変貌しましたね。
「ザ」は本当に余計だったと思います。

関西系では、阪急不動産と近鉄不動産は素人の域から脱出寸前。
京阪電鉄不動産も頑張っていますが、まだ長谷工臭が残っています。
名鉄不動産や三交不動産は、完全に「愉快な仲間たち」。
「長谷工がおらんかったらなにするつもりや」の世界です。

商社系では伊藤忠都市開発がプロ化しています。
新日鉄興和は妙な結合が裏目に出ているように思えます。
住商建物は、ちょっと歪な事業フレームが足を引っ張っているような。
物産や商事本体は、近ごろマンションをやりません。
丸紅は撤退したという噂ですね。
双日は7年前の大阪読広事件で一気に事業を縮小した気配。

ハウスメーカー系では大和ハウス工業と積水ハウス。
片や「地方の雄」。なぜか地方でしか成功していません。
積水は、やや迷走系。チョンボも目立ちます。
旭化成は子会社の不祥事で、ちょっと控えめですか。
でも、建て替え事業ではアタマ一つ抜けています。

かつてトップ独走の大京は、開発分譲からほぼほぼ撤退。
タカラレーベンの場合、事業自体はもちろん、広告面でも迷走。
モリモト、プロパスト、リストなどカタカナ「ゾンビ」系は
リーマン前と同じノウハウで同じことをやっています。
次の大波を乗り切れるかどうか不安。

マンション開発事業に難しいノウハウは要りません。
誰でも参入できて、いい時には誰でも儲かります。
でも、ダメになると誰もが損失を蒙ります。
生き残れるかどうかは、企業としての体力如何。
だから、独立専業系は不況期入りでほぼ倒産。

大成有楽みたいな親会社があるところは何とか。
セコムホームライフのように、親会社が超優良なら
「利益出さなくてもOK」で存続できます。
その点、サンケイビルはマンション事業を拡げていますが
非常に危ういものを感じますね

結局、甘いようで辛いのがマンション分譲事業。
私は20数年マンション広告の制作に携わって、
色々なデベロッパーを見てきました。
財閥系大手や一流商社は高偏差値のエリートさんが仕切っていますが
それ以外は「X●ばっかし」と言いたくなりますね。

まあ、実際には「X●」は9割で1割はそれなりかそれ以上。
でなければ、何十億もの事業を切り回せませんものね。
でも、現場で受ける印象はひどいものです。
だから、潰れる時はあっという間に潰れます。

まあ、連中がドジ踏んで潰れるのは一向に構いませんよ。
でも、ヒューザーの時みたいに買った人が大迷惑を蒙るのは
絶対に避けたいではありませんか。
だから「潰れそうな会社からは買わない」というのが一番。

そうなったら「三井か三菱か住友」になりますが、
この3社はここ数年の「不祥事・建替え」の御三家ですよ。
優等生・野村の物件は、過酷な業務を課せられた社員と
業者の怨嗟が怨霊となって宿っている気配を感じるので
私なんぞはなんとも気色悪い印象を受けます。

結局、「絶対」がないのは新築マンション。
「ババを引かない」中古の買い方は拙著

「新築マンションは買ってはいけない」

で詳しく解説しました。よろしければご参照に。

恒例の「バリ島不動産セミナー」を明日、4月23日に開催します。
会場は少し移動して、馬喰横山駅徒歩1分。
「セトル」さんという仲介業者さんが入るビルの4階会議室。
今回から、ご好意でお借りできることになりました。
以前の会場よりも狭いので、定員は10名です。
現在のところ、申込ベースで参加者は5名。
まだ、大丈夫です。

4月23日バリ島不動産セミナー開催

「榊淳司のお奨めマンション速報」

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2016/4/22 9:14 Comments (7)

7 Comments

まろたんさん、こんばんは。

落ち着かれたようで、何よりです。
本日、バリ島セミナー開催。
ご高齢の参加者あり、ユニークな独身女性あり。
いやはや、いつもながら圧倒されます。
日本は、豊かな国ですね。
こういう国で、年に500万円も稼げない輩は・・・・

なんか、また近々バリ島に生きそうな空気感。
昭和、よかったですね。私の故郷では有馬温泉。

ちと、お神酒が過ぎました。

ごきげんよう。 榊淳司

2016/04/24 00:15 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

「おのれが動くしかない」

阪神淡路大震災。
東北大震災。
そして、今。熊本大震災。
うだうだと、政府を責めるがのう。

な んやねん。
「明日はわが身」と思い、
なんで「おのれが動かなかった」のん。
おのれを、天皇陛下と勘違いしてたんかー。
小市民よ。タミ草よ。(笑)

わしは「タミ草」。
そもそも「棄民」。
あんたら「天皇陛下さま」かー。

言おうか。
東京のタミ草なんて、さ。
所詮、米国のマネ。ケツもち。

「年収・ウン千万」と。
わしもゲットしてたけんど、
「なんやねん。それ」
とね。

ま。
ホエズラかかぬようにね。
自分で動くしかない。
ということでは有馬温泉。(笑)

ウエスタンに陣を構え。
われ、ハラがすわったような。

ごきげんよう。

2016/04/23 20:40 | by まろたん

榊さま。

ウチから徒歩2分の所に「プチ築地」のような市場があります。
「昭和風情」ありありの市場です。
そこの刺身が安い・旨い。言うことナシですわ。
で、パックに入った刺身を新聞紙で包んでくれます。
お店の人びとの笑顔がね。うーん。いいねえー。

今日、千円床屋へ。
久しぶりのヘアーカット。
けっこう伸びていましたからサッパリしました。

さて。
当地に移り、はや半月。
めまぐるしく過ぎました。

> こんなふうに過ぎてゆくなら。
> きっとまた、どこかで何かに出会うだろう。

もうすぐGWですね。
「中原中也記念館」を訪ねてみます。
隣り駅。すぐそばにありますよ。
榊さまも、よい休暇を。

ごきげんよう。

2016/04/23 16:52 | by 匿名

まろたんさん、こんばんは。

うまく逃げ切ってください!
まあ、後に続く我らのことは「野となれ、山となれ」。
私も、自分以外のことは考えていません。
うまく資産を生かして、いつまでもノウノウとする
わるだくみをしておりますので、
なーんも心配しておりません。
こんなわるだくみの才能を与えてくれた
両親のDNAにはいつも感謝しております。

「終わり良ければ」となるかどうかは分りません。
しかし、所詮失うのは命です。
それ以上でもそれ以下でもなし。
その時が来れば、ジタバタせずに
「マルクスに会いに」行ってきます(笑)。
向うは「会いとうない」というやろけど。

それではまた ごきげんよう 榊淳司

2016/04/22 20:44 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

私の世代は、大方「逃げ切り」を企てています。
モチロン大規模なアンケートを取ったわけではなく、
個人的な「カン」です。
アンケートを取ったとしてもホンネを言うでしょうかね?

「此処に至って、この日本、もうどうにもならんだろう」
という無力感を抱いているからです。
ならば、先送りに努め延命を計り「逃げ切る」しかないと。
ま、小賢しい小市民のチエ、処世ですね。

「国の借金なんて、あってないようなもの・・・」と。

そうかも知れませんね。
誰かが「王様は裸だ!」と叫ばない限り。
ま、あと二〇年くらいは、このままで。
まったく根拠はありませんが。

「円高・デフレ」
これは年寄りの望むところです。
「マイナス金利・円安」
年寄りは戸惑い動揺しています。

あとの大事は「介護」。
これは、運不運の部分もありますから。
ま、
「お金と情報」を準備しておくこと。
それと、
「介護資源の余裕のある地域」に移り住むこと。
地域差はかなり大きい。
この先、更に格差が広がります。

それくらいでしょうかね。個人的にできることは。
あとは「運不運」。神の領域。
ま、日々、お神酒をおいしくいただくだけ。

それにしても「天変地異」は容赦ない。
避難所で、年寄りが呆然としている映像。
おのれの身を重ねると、ただただ唸るしかないですわ。

「終わり良ければ・・・」
と言いますが、あの現実は、酷過ぎますね。
不条理を恨んでも詮無いことですし。

徒然なるままに。

ごきげんよう。

2016/04/22 19:04 | by まろたん

まろたんさん、こんにちは。

「逃げ切れる」というのを
「年金をもらって困らない老後を過ごす」
ということであれば、僕らの世代はアウトです。
あてにしていませんが、国民年金は払っていますよ。

ジジババは増えて、子どもは減る。
国の借金なんて、あってないようなものなので気にしません。
まあ、長生きすることはなさそうなので、
「生きているうち 元気なうち お神酒が飲めるうち」に
せいぜい楽しみますよ。
あとは野となれ山となれ。

ごきげんよう 榊淳司

2016/04/22 12:48 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

今や、日本人なら知らん人はおらん。
世界でも注目されております。

即ち、
この先、日本人は、減る・減る・減る。
年寄りは、増える・増える・増える。
国家の借金も、増える・増える・増える。

クズ空き家も、増える・増える・増える。
駄目押しで、これだ。
バカも、増える・増える・増える。(笑)

という「不都合な事実」を。

でも日本の老若男女。余裕がありんこ。
こころの中で、それぞれが思う。

「いいじゃないの、今が良けりゃ」

そうですね。
「達観」したタミ草は「無敵」です。
果たして、
どの世代まで「逃げ切れる」のでしょうかね?(笑)

ごきげんよう。

2016/04/22 12:31 | by まろたん

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