未来はいつも「未知の世界」

確か昭和から平成に変わった日だったでしょうか。
私はまだ26歳のサラリーマンでした。
勤めていた三流の広告代理店には将棋部がありました。
将棋を指しているよりも酒を飲んでいる時間が長いような部活でして
その日も先輩たちと銀座ではしご酒。

当時、スーパーファミコンというのがあって「・・将棋」というのに
連続3回百手以内で勝つと将棋連盟から三段が授与された時代。
もちろん私も権利を得ましたが、三段をもらうには十数万円の
寄付か何かが必要なのでやめました。
私の将棋の腕前はかなりインチキで、四段に勝つこともあれば
3級に3連敗することもあります。
まあ、自分では「インチキ初段」を名乗っています。
そういうことはひとまず置いておいて・・・

その飲み会で私は並み居る先輩たちに向かって
「あと20年もたてばコンピュータが名人より強くなりますよ」
と申し上げたのですが、だーれも信じていませんでした。
先輩たちは全員がコピーライターで、全員が私立文系。
それも、中学時代から数学は半ば放棄したような方々。

将棋と言うゲームはキチンとルールがあって麻雀のような
偶然性が皆無です。すなわち、先を読み切った方が勝ちです。
すべて理論上では「計算」できるのです。
そういうゲームならいつかコンピュータの方が強くなるはず。
私の拙い数学アタマはそう考えていました。

私の予測は10年ほどずれました。あれから28年ですから。
でも、今やコンピュータソフトが名人を脅かしています。
あと数年で、人間よりもコンピュータが強くなると思います。
およそ、計算できるようなことはコンピュータが勝つでしょう。

自動車の運転も、計算できることのひとつです。
そのうち、自動運転技術が普及するでしょう。
しかし、自然界のすべてを計算できるほどコンピュータが進化し、
ソフトが充実するにはあと人間の数世代分の時間が掛かるような気がします。
私の生きているうちには困難でしょう。

例えば、自動運転中に竜巻に巻き込まれるとか落雷に会う場合、
あるいは「当たり屋」に出てこられた場合まで想定できますか?
コンピュータと言うのは「計算できる範囲内」でなら無敵です。
しかし、計算できない世界では、ただの単純な計算器です。

私は常々コンピュータと人間はよく似ていると思っています。
まあ、人間が創ったものだから似ざるを得なかったのでしょう。
例えば「演算能力」というのは、人間で言えばIQですね。
コンピュータではCPUの性能を数値で表せます。人間にとってはIQの数値。

日本人は偏差値で人間を測りますが、なぜIQをもっと活用しないのでしょう。
自衛隊では入隊と同時にIQ測定を行うそうです。
それで、その隊員の適性を判断する材料にするのだとか。
軍隊と言うのは隅々合理的にできています。

メモリーと言うのは、人間では記憶力ですね。
人間の記憶力と言うのは、長期間の記憶と出発的な記憶力に分かれます。
警察官がぱっと見た人間の容貌や服装、特徴を記憶する訓練をするのだとか。
「男性、40から50歳前後、身長168cm、やせ形、短髪、黒いビニールのジャンバー、灰色のスラックスと黒の革靴・・・」
といったフレーズをテレビドラマや小説で見かけます。
これがアメリカなら人種や髪、目の色が加わりますね。

私立文系の高偏差値連中は、長期的な記憶力には優れています。
しかし、その能力も18歳と19歳の時が頂点だったりします。
彼らが覚えるのは英語と社会(主に歴史)と古文。
かなり羅列的な暗記の作業が求められるのが私立文系の受験勉強。
反面、物事を体系的に理解して記憶するという能力には欠けるかも。
まあしかし、コンピュータ的な「記憶容量」はまあまあです。

私が54年の人生でツラツラ眺めるには、このめんどくさい社会を
もっとも生きやすいタイプは旧帝大クラスの文系ではないかと思います。
連中は演算能力が高いうえに記憶力もかなりの容量。
しかも、文系的な「あいまい世界」の泳ぎも可能な能力を持っています。

旧帝大文系の最高峰と言えば東大法学部。
日本を支配している高級官僚の大半は東大法学部であることを考えると、
この仮説もある程度納得できるのではないでしょうか。
しかし、連中にも大きな弱点があります。

彼らは、いってみれば出来のいいコンピュータみたいなものです。
ある程度閉ざされた、計算できる範囲内であれば最強です。
例えば、9×9桝の将棋盤の上ではコンピュータが人間に勝てるように、
既知の世界の中では東大法学部的な能力が最強の強みを出します。

しかし、よく考えてください。
東大法学部出身で一部上場企業をゼロから立ち上げるような人は僅少。
海図も羅針盤もない世界では、優秀な東大法卒も最新のコンピュータも
ほとんど役に立たない、というのが現実です。

AIの進化には凄まじいものがありますね。
しかし、AIの元はすべて既知のデータです。
最近は「ビッグデータ」なんて言い方もするそうです。
でも、それはすべて既知の世界。
未知の世界に立ち向かうためにAIはどれほど有用でしょうか。
そして、未来とはいつも未知の世界です。

これからの時代、「コンピュータでもできる仕事」なら、
どんどんコンピュータにとってかわられるでしょう。
将棋や囲碁など、「限られた世界」で戦う技術なら、
もう我々の人間アタマはコンピュータに叶わなくなっています。
そのうち、「自動車の運転」という比較的単純な仕事も
コンピュータに奪われる可能性があります。

しかし、そう悲観することもありません。
なぜなら、未知の世界はいくらでもあります。
人間は、人間のことさえロクに分っていません。
医学が完全ではない上に、経済学なんてインチキそのもの。
既知の世界をコンピュータに支配されても、
その向こうにはその数百倍、あるいは数万倍の
「未知の世界」が広がっているのですから。

さて、資産価値レポートの更新情報です。
新宿区のレポートを最新情報化しました。
ここのところ都心の新築マンション市場に元気がありません。
新宿区も津の森坂あたりが面白いことになっていますが、
その他は余り代わり映えしません。
バブル崩壊の鮮明な潮目が、早く現れて欲しいものです。

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さて、私とはかねてより友好関係にある
「ウチコミ」さんがセミナーを開いてくれることになりました。
テーマは

『これからの不動産投資の選択肢』
~海外不動産を視野に・日本と東南アジアでの投資を考える~

日時 8月6日(土)
場所 東京国際フォーラムガラス棟G510

今回はバリ島ではありませんよー(笑)。
私の講演の後、カンボジアの不動産を紹介するプログラムがあるそうです。
でも私、カンボジアのことは何も知りませんので、
お話しするのは『これからの不動産投資の選択肢』まで。

参加は「無料」。どうぞご参加ください。
ただし、定員は50名とやや少なめ。
早めにお申し込みくださいね。

7月23日 (土)榊淳司の不動産売却ご相談会

を開催することにいたしました。
不動産の売却に関して、価格や時期でお悩みの方のご相談を
わたくしが無料で受けさせていただきます。
会場はバリ島不動産セミナーと同じところ。

開催日時:7月23日(土)13時~17時
開催場所:セトル 4階会議室
(東京都中央区日本橋横山町4−11 「馬喰横山」駅より徒歩1分)

7月23日土曜日の13時から17時まで、
私が相談会場におりますので、どうぞご自由にお越しください。
とくにご予約などは不要です。
ただし、順番におうかがいしますので、
ちょっと待っていただくかもしれません。

「榊淳司のお奨めマンション速報」

購読料 1ヵ月 1,590
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5 Comments

まろたんさん、おはようございます。

最近、まろたんさんに影響されて
清張のふるーい文庫を買いました。
昭和らしい小さな字と分厚さ。
私が書くペラペラな本とはちゃいますねえ(笑)。

まろたんさんは、ものごとをキチンと考える顔をなさっています。
悪いことを考えたり、さもしい心は窺えません。
だから、とっつきは悪いかもしれませんが
人の輪を作れるお人柄かと存じます。
ウエスタンでの楽しき人生の時が生まれますよ。

さて、今日もアクセクする日が始まります。

ごきげんよう  榊淳司

2016/07/20 09:10 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

都知事が、だれであっても変わらんよー。
人間社会とは、そーいうもんでしょう。
これ、小市民も分かっていますが、
もち、インテリさんも、重々分かっています。

ただ小市民とインテリさんの違いは、
インテリさんたるもの「それらしきこと」を公に言えば、
「日銭」が稼げる。
その「日銭稼ぎ」の違いです。
大方のひとは「日銭」で生きてますけんねー。(笑)

当地に来て。
われ「お三人かた」を見付け「確保」しました。
この先、我が人生のサポーターとして期待したい。

畏れ多くも天皇陛下ならざる小市民が、
生きるためには「これ」は大事でしょう。
きょーび、天皇陛下みたい な底辺層が増えたような・・・。
また、世の上層部なんぞ、抜け目なく既にご準備かと。(笑)

さーて。21世紀の「ズンドコ節」。
以下、みなみなさま、御唱和下さい。

「今さえ、カネさえ、自分さえ」(笑)

有り難うございました。

小市民としましては、
「我が逃げ道」だけは確保しておきたいものですね。
所詮、天皇陛下ならざる、小市民ですけんね。
もはや粋がってもタカが知れてますけんねー。(笑)

私の顔、ご存知の通り「あんな顔」でしょう。
トキオでも、当地でも、けっこー、
意外にも「警戒される」んですわ。
もっと「悪役ズラ」だったら、よかったのにねー。(笑)

来月早々、松本清張記念館にて「懇親会」。
ま「清張ズラ」して行って来ますわ。(笑)

御自愛下さい。
ごきげんよう。

2016/07/19 21:25 | by まろたん

まろたんさん、こんばんは。

ブロゴスってたまに見る様な気がします。
でも私、必ず見るサイトと言うのは、
日経関係、自分が原稿を書くポストセブンやザクザクくらい。
他人のブログも読みません。
面白いものに出会えていないので。
まあ、遊んでいるヒマもないのですが(笑)。

人間、欲も感情もあっていいのですが、
劣情だけはオモテに出して欲しくないですね。
垣間見るのも御免蒙りたいですわ。
まあ、無理な話ですが。

さて、今日もよーはたらいたのでお神酒にします。

ごきげんよう 榊淳司

2016/07/19 20:45 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

突然ですが。
「ブロゴス」
というサイト。
ご存知でしょうかね。

そこー。
けっこう「遊べ」ますよ。
いまどき、
バカなオナゴや、あらあら・インテリさんと、
「遊ぶ」よりは、オモロイかなあーて。(笑)

おひまを見てお遊び下さい。

ごきげんよう。

2016/07/18 20:56 | by まろたん

榊さま。

67の突っ込みを、ひとくさり。
結論からいえば、なま身の人間さまが、
機械 =コンピューターに負けるのは、なーんでか?
ズバリ。

> 感情があるからです。
> 欲があるかるです。
> つまり、人間さまだからです。

感情やら欲やらは「判断を過る」もとになります。
だから、コンピューターには勝てんよー。
ですわ。
でもね、そこが人間さまのイーところでもありますけんど。

曾野綾子が書いておます。
人間さまから「感情やら欲」を除いてしまうと、
人間さまが、分からなくなる。
と。

ま、そーいうことでしょうねー。(笑)

さあ。三連休も終わり。
明日から、また、いくぞうー。
がに股、さる股。(笑)

ごきげんよう。

2016/07/18 19:44 | by まろたん

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