暑いですね。
9月なのに、これほど暑いのは久しぶり、というか
過去にこういうのがあったのか、思い出せません。
でも、ここ10年くらいではいちばんではないでしょうか。
ちょっとだけマンション市場についての真面目なお話。
2015年の首都圏におけるマンション販売戸数は40449戸。
今年(2016年)の予測は37000戸。減っています。
来年はもっと減るのではないかと予測します。
私が広告屋をしていた10年前くらいは、だいたい8万戸。
十数年前は10万戸を超えたこともありました。
新築マンションの供給が減ると、そこにぶら下がっている
様々な業者にお金が落ちなくなります。
まずは建設業界・・・なのですが、彼らは今結構忙しいようです。
五輪やインバウンドの増加でホテルが建設ラッシュ。
ただでさえ人手不足ですから。
実のところ、マンションの建設請負というのは美味しくありません。
工事がめんどくさい上に、クレームへの対処が大変。
「できればやりたくない」というのが本音のようです。
マンション建設の最大手である長谷工はべつとして、
この分野に強いのは大末建設、東急建設、安藤建設、淺沼組など
顔ぶれは二流ばかりですね。
そして、私が所属していた広告関連。
新築マンションの場合、だいたい1戸当たり100万円の広告費が使われます。
4万戸なら400億円。この狭い市場をめぐって、
数社の広告代理店がせめぎあいを演じています。
かつて、10万戸時代の市場規模は1000億円でした。
その頃、まだネットはキワモノ扱いでした。
今や広告費の半分をネット関連が持っていきます。
つまり、アナログ広告の市場規模は200億円まで縮小したのです。
最盛期の五分の一ですね。私はその業界に所属していました。
今から8年前、私は早々とこの業界からの撤退を決意しました。
5人くらいいた社員は全員クビ。事務所も100㎡から25㎡に。
約20年も社長をやっていましたから、最初は戸惑いました。
だって、銀行振込を自分でやるのも20年ぶりでしたから(笑)。
まあそんなことはいいのですが、マンション市場は今も縮んでいます。
私はコピーライターから評論家へと立ち位置を変えましたが、
多くの仲間たちがこの世界から消えていきました。
市場規模が5分の1になったのでは、大方は生きていけません。
来年は、3万戸台の前半まで低迷するのではないでしょうか。
10年後は5千戸もあるのかどうか。富裕層の趣味のお買い物状態。
今でも、この国には新築住宅など必要ないのですから、
今後は減少以外の未来を予想できませんね。
私も、いつまで新築マンションの資産価値レポートを出せるのか・・・
まあ、出来るところまではやるつもりです。
さて、小池都知事が新豊洲への市場移転に待ったを掛けましたね。
これについては賛否が分かれています。
まあ、私にとっては他人ごと以外何物でもないのですが、いちおう。
かねがね、新豊洲の新市場は築地ほど賑わうことはなかろう、
と書いてきました。所詮は役人のやることですから。
それに交通の便が悪すぎます。
しかし、すでに大金を投じてしまったことも事実。
闇の帝王みたいな都議の会社が大いに設けたことも取りざたされています。
でもまあ、移転するならとっとと移転すればいいでしょう。
取って付けたように土壌の調査結果なんて待つのは無意味。
ただし、移転をやめるならやめるで、これも早期に決着すべしです。
どっちにしろ移転する業者さんたちには大いに迷惑な話。
お金もいっぱいかかります。それを都で補てんするなら、それは税金。
小池君、乾坤一擲の勝負に出たのはいいのですが、いけないのは中途半端。
「はっきりせんかい!」ということですね。
最近のニュースで記になるのは、アメリカの利上げと黒田君の深掘り。
そのどちらもが日本からの資金流出を加速させます。つまり、円安。
しかし、中長期で考えるとアメリカの利上げは正常化の第一歩。
逆に、黒田君のマイナス金利深掘りは悪手の深追いに過ぎません。
円安は企業業績を上げるので表面的にはいいのですが、所詮カンフル剤。
黒田君のマイナス金利深掘りは、バブルを助長させるだけです。
中国の杭州でG20が開催されています。
巷間、伝えられるのは中国の焦りと傲慢。
オバマ大統領にタラップと赤絨毯を用意しないなんて、ただの子ども。
中国という国は170年ぶりに「大国」に戻った驕りが見えますね。
実のところ、張子の虎のようなものなのですが、
彼らはそのことを認めませんし、理解もしていません。
日本は、超大国ではないにしろ、普通の大国の歴史が約100年。
途中で戦争に負けて「オキュパイドジャパン」が8年ほどありますが、
それ以外の期間をほとんど大国として経験してきました。
今の中国は、その日本を経済規模で約2倍という経済大国。
しかも、軍事費を年々増大させてきました。
彼らは、いくつかの重大な勘違いをしています。
それは、大国ならばルールは自分で決められる、という勘違い。
南シナ海でも、東シナ海でも、そのように振る舞っています。
もっと言えば、チベットやウイグルでは平気で大量殺戮を行っています。
大国であっても、国際ルールを守らなければ孤立します。
今がそうなっています。
もうひとつの大きな勘違いは、国民は力で抑え込める、というもの。
驚いたことに、中国の大学では未だに毛沢東主義やマルクス思想を
必修科目として長時間にわたって履修しなければなりません。
したがって、彼らのアカデミズムの水準はいつまでも途上国並み。
ああいう空疎な考え方を学べば学ぶほど、中国共産党の存在が
相対的に現実と離反している、ということに気づくはずです。
そういう矛盾に気づいていないところに、破滅への未来が見えてしまいます。
もうひとつだけ挙げておきましょう。
彼らは資本主義経済でさえ、制御下におけると勘違いしています。
上海の株式市場はこの一年、完全な官製相場になっています。
人民元にしたところで、当局の制御下にあります。
彼らの外貨準備が尽きた時に、人民元は暴落します。
ちなみに、そうなると彼らが日本で所有している不動産は、
一斉に売り出されるはずです。
日本だけでなく、世界の不動産市場が大混乱するはずです。
中国が潤ったのは、世界の工場になったからです。
私たちのまわりには、中国製品があふれていますね。
このブログを書いているPCでさえ、中国製です。
彼らが大金持ちになるのもうなづけます。
しかし、これらの中国製品はほとんどが西側先進国の開発した
基幹技術とノウハウ、そして先端の部品がなければ製造できません。
つまり、世界中に出回っている中国製のプロダクツは、
中国でしか作れないものはほとんどないのです。
工場の代わりなら、ベトナムでもミャンマーでもOKです。
現に、日本の多くの企業は「脱中国」を進めています。
中国は孤立していますね。彼らは傲慢です。
一度傲慢になってしまうと、それこそ戦争にでも負けない限り、
傲慢であり続けるのではないでしょうか。
G20が終わると、尖閣諸島を取りに来るかもしれません。
ちょうど、アメリカも大統領選挙で動きにくい時期。
ここのところの中国の動きは、予断を許しませんね。
さて、資産価値レポートの更新情報です。
大田区、渋谷区、杉並区を最新情報化しました。
冒頭申し上げた通り、新規に売り出される物件が減っています。
既存物件の動きも鈍いですね。
この「夏枯れ」はいつまで続くのでしょうか。
ただ、そんな中にもいくつか注目できる物件もありました。
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■クリオ杉並高井戸、■ザ・パークハウス 杉並高井戸プレイス、■プラウドシティ阿佐ヶ谷、■ジーエスグランド永福町、■コディア八幡山、■デュフレ高井戸、■ザ・パークハウス 浜田山季の杜、■リムテラス方南町、■パークホームズ杉並善福寺川緑地、■ヴィークコート荻窪、■ザ・パークハウス 杉並上井草、■アスコットテラス荻窪、■クレアホームズ永福町 蒼の邸、■クレアホームズ永福町 耀の邸、■シティテラス荻窪、■シティテラス杉並方南町、■プレシス芦花公園、■ディアナコート浜田山
■ザ・グランツ代々木参宮橋、■ウエリス渋谷本町、■サンウッド代々木西参道、■アトラス恵比寿、■ブランズ渋谷常盤松、■シティハウス恵比寿伊達坂、■シティハウス神宮北参道、■アトラス代々木上原、■グランドメゾン表参道、■シティハウス広尾南、■イニシアクラウド渋谷笹塚、■ザ・エクセレントシティ 松濤、■パークリュクス渋谷西原、■デュオヴェール初台、以上の14物件を収録
■ステーションツインタワーズ糀谷、■シティテラス大森西、■ブランズシティ久が原、■プラウドシティ大田六郷、■クレヴィア千鳥町、■インプレスト西馬込ヒルズ、■プレシス久が原パークサイドテラス、■リビオ池上レジデンス、■ザ・パークハウス 西馬込、■プレシス長原、■グローリオ長原夫婦坂、■エクセレントシティ大森町駅前、■ノブレス西馬込、■サクラティアラ多摩川鵜の木、■グランイーグル南六郷サウスビュー、■シーズクロノス蒲田ベレーザ、■リストレジデンス長原
を開催することにいたしました。
不動産の売却に関して、価格や時期でお悩みの方のご相談を
わたくしが無料で受けさせていただきます。
会場はいつものところです。
開催日時:10月1日(土)13時~17時
開催場所:セトル 4階会議室
(東京都中央区日本橋横山町4−11 「馬喰横山」駅より徒歩1分)
10月1日土曜日の13時から17時まで、
私が相談会場におりますので、どうぞご自由にお越しください。
とくにご予約などは不要です。
ただし、順番におうかがいしますので、
ちょっと待っていただくかもしれません。
「榊淳司のお奨めマンション速報」
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はくぶんさん こんにちは。
コメントをありがとうございます。
また、レポートのご購入に感謝いたします。
私は誰にも束縛されないことが
何より大切だと感じています。
人間、知らず知らずのうちに何ものかに捉われてしまうもの。
これからも 倜儻不羈でありたいと思います。
ごきげんよう 榊淳司
2016/09/08 11:04 | by Sakaki Atsushi榊さん
折々、ブログ拝見してます。マンション情報も購入させていただいたこともあります。
世界は需要より供給が勝ってしまった状態にあり、原油もブランド品も過多なり、不動産もその対象になってきたのかもしれません。
世界経済の停滞、低金利によって、成長が弱まっている中にあっては、色んな人の発言が政治色を帯びてきます。IMFはじめ、色々な予測を出す機関の思惑をしっかり理解することが重要だと思います。
方向性を間違えるのはこれからの世の中は致命傷。
相対価値も重要ですが、大局観を養いたいと思います。
Do right things, do things right.これが両立
していないと何の意味もありません。
榊さんのコメントには、トーン含めてバイアスを一切感じない
ところが好きです。政治的な重力にひっぱられず、「正しいことを正しくやる(伝える)」感じが伝わります、応援してます。
まろたんさん、こんばんは。
確かに、日本の不動産は中国やニューヨークに比べて安いですよ。
「安いから買う」というのは素人です。
投資にはリターンが必要です。
リターンは2種類。値上がりか、収益。
リスクも2種類。値下りと、赤字。
東京都心は新築で3%台の利回り。下手すれば赤字。
値上がり期待は虚しいですね。
つまり、投資の妙味はない、というのが私の考え。
中国人がまだ買うというのなら、どんどん買ってもらいましょう。
しかし、空家だらけで収益が生まれぬ赤字物件だと分れば
彼らはどのように動くのか?
トキオの人間も4年後には減り始めますからね。
人生を思うのは得意です(笑)。
まろたんさんよりも12年ほど若造ですが、
気分はもう「晩年」です。
気が早いですかね(笑)。
ではまた ごきげんよう 榊淳司
2016/09/06 21:22 | by Sakaki Atsushi榊さま。
私は、不動産ドシロウトですが、以下私見を。
1.コメの井上さんの見立てには一理あろうかと。
投資先とみた場合、トキオ、大きく日本国は、
まだ「相対的な安定感」があります。
相対的、つまり他国・他都市と比べて、です。
通貨・円を見て下さい。
円=日本は「リスクオフ」と、プロは見ているようです。
これも「相対的」評価で、日本はイケルと見ているのでしょう。
つまり「日本」は、まだまだイケイケ「美人」であり、
「使用済みオバサン」ではない、のですよ。(笑)
2.以上は「投資」の切り口です。
が、
では「実需」面では如何?
これは、難しい。
が私、個人的には「実需」にしか興味おまへん。
ズバリ、立地=地域によって、
現状維持とダラダラ下降の、二極化でしょうか?
政府の住宅政策が「根本的に」変わらない限り、
と、人口動態が変わらない限り、
これがトレンドでは有馬温泉?
以上。そういうセンで、我がトキオ物件の処理も、
と思考して、おりますがあー。(笑)
ま、ま。秋でんな。
人生を思う季節でんな。
夜には夜の思想あり。
晩年には晩年の思想あり。
何のこっちゃ!(笑)
ごきげんよう。
2016/09/06 19:51 | by まろたん井上さん、こんばんは。
そうですか、東京のマンションは売りませんか。
井上さんは私よりも中国人の動きはよく理解されているはずなので、
そうなるのでしょうね。
人民元が暴落すると、中国にいる親戚を助けようなんて動きになりませんか?
まあ、そういう規模ではないのかも。
また、いろいろ教えてください。
ごきげんよう 榊淳司
2016/09/05 19:33 | by Sakaki Atsushi榊さん、どうも。
まず最初に言いたいのは・・
中国の金持ちの金の動きは、もうダイナミック。
ちんまり日本人には理解が及ばないところあり。
東京を買った中国人はほとんどが中国を信用してない人、
つまり、人民元が紙になってしまう危惧を抱いた連中だと、
私は思ってますね。
東京を売って彼らはその金をどうするか、人民元に戻すか・・
そんなことするわけない。
じゃあ、バンクーバー、シドニーを買った中国人は、中国が破たんした時に、
引き上げるか否か・・引き上げたとして、
彼らの金は、どこに行くのか・・
まあ、カンボジアとかベトナムに向かう可能性はあるのかとは、
思いますが、東京は未だ魅力があるし、安全性がある。
それに、なんせ安いんですから。
東京でじっと我慢が一番だと思うはず。
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