恬淡と終わりたいと思うわが人生

いやはや、アメリカの大統領選挙の開票が白熱していますね。
意外なことにトランプ君がリード。
「もしかして」のパニックで日経平均が暴落。
アハハ、と笑うしかありません。
まあ、世の中どんでん返しがあってこそ醍醐味があります。
カリフォルニアの帰趨が決め手になりそうですね。
しかし、あそこはアメリカの最先端ですからね。
ヒラリーが嫌われているかもしれません。
まあ、そんなことはほっておいて、私は私で生きるしかありません。

「恬淡」という言葉が好きです。「てんたん」と読みます。
欲がなく、心にわだかまりのない状態を言います。
今の私からはちょっと遠い状態ですね(笑)。
でも、めざすところは「恬淡」です。そうありたい・・・

物事に執着する、というのは傍で見ていて美しくありません。
「オタク」という人々が何のオタクであれ、
見た目にも、話してみても清々しさを感じないのは、
そのことに執着が過ぎているから。

月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也。

芭蕉は「奥の細道」に出かけるにあたって、そう書きました。
彼は旅先で死ぬことを覚悟していたといいます。
人間、どーせ死ぬのです。それはもう、絶対に死にます。
今まで死ななかった人間なんて一人もいません。
これからもいないでしょう。

秦の始皇帝は「不老長寿の妙薬」を求めて
徐福と言う家来を旅立たせました。
今から2300年ほど前のことだそうです。
徐福が向かった先のひとつは蓬莱山。
日本のことかもしれない、ということになっています。

その頃の日本は、どんなだったかよう分りません。
卑弥呼が出てくる何百年も前のことですから。
古事記や日本書紀を信ずるなら、第7代孝霊天皇の御世。
まあ、多分違うでしょうけれど(笑)。

結局、徐福は始皇帝の生きているうちに戻ってきませんでした。
というか、史書には戻ってきたという記述がありません。
まあ、中国の正史などと言うものはかなりいい加減。
その時の王朝の都合のよいように書いているわけですから。

徐福の話を書いたのは、誰あろう司馬遷です。
「国民作家」と呼ばれた司馬遼太郎の筆名が
「司馬遷には遼かに及ばない男(太郎)」を自称したものであることは
私くらいの年齢の読書人ならよく知るところ。
まあ、そんなことはどうでもいい話ですが。

その司馬遼太郎の歴史小説の中によく出てくる言葉が「恬淡」。
彼は日本の「漢(おとこ)」を書きたかった、
と何かのインタビューに答えていたのを記憶しています。
私は司馬さんの作品をほぼ読みました。
中に出てくる男たちの中には恬淡とした者がいましたね。

真田丸を見ていると、哀川翔が後藤又兵衛役をやっています。
後藤又兵衛は、大坂城に死に場所を求めてきた侍。
黒田家を退散するときの颯爽さが何とも恬淡。
今週日曜の放送をまだ見ていないので分りませんが、
私は薄田隼人正なんて、結構好きですね。別名岩見重太郎。
彼は出てくるのでしょうかね。多分、出ないでしょうね。

そういうことを言いだすと、歴史上でもっとも恬淡としているのは
何を隠そう大石内蔵助ではないでしょうか。

あら楽(たのし)や 思ひは晴るる身は捨つる 浮世の月にかかる雲なし

やれば切腹間違いなし、という仇討ちを成し遂げて、堂々切腹。
浮世に何かの執着があればできないことですね。
けっして上手とは言えない歌です。無念の切腹をした浅野内匠頭の辞世は

風誘う花よりもなお我はまた 春の名残をいかにとやせん

これはきれいですね。貴人らしい教養と雅が見事に出ています。
松の廊下の刃傷から切腹までは12時間もなかったはず。
気が動転している中で、これだけの辞世を作るのは、さすがに大名。

私がしみじみと想いを深める辞世は、ある特攻隊のもの。
日本には、ほんの70年ほど前まで辞世を詠む習慣が残っていました。
これは前にも一度紹介しました。

母上よ 消しゴム買ふよ二銭給(たま)へと貧をしのぎしあの日懐かし

人間魚雷回転で特攻した海軍・石川誠三中尉のもの。
二銭とは、今の50円から100円くらいですね。
この方、学徒動員だと思われます。
幼い日に貧しく、二銭の消しゴム代にも窮していたのでしょう。
でも、大学なり専門学校に進学して、学徒動員。そして、特攻。
二銭のお金に苦労して息子を育て、上級の学校に入れた母親の気持ちを思うと、
私は涙を禁じ得ません。私も人の子、人の親ですから。

多くの特攻隊員が恬淡と自分の命を投げ出してくれました。
今の日本は、彼らの尊い犠牲の上に成り立っています。
彼らは20歳そこそこで人生を終えました。
彼らの辞世や遺書を読むと、驚くほど恬淡としています。

「死」を前にしてジタバタしない、というのは基本的に武士の習。
今はもう、すっかり見られ無くなってしまいました。
特に、ジジババの往生際の悪さは悲しさが漂います。
もうあと3年は生きないだろう、というような高齢者が
つまらないことにこだわって騒ぎ立てている姿を観ると、
高齢化社会と言うものは何とも居心地が悪そうです。
もっとも、私もあと10年もすればその端っこに仲間入りします。
まあ、せいぜい恬淡でありたいと願っています。
ついでに、辞世を詠む準備もしないと(笑)。

さて、資産価値レポートの更新情報です。
埼玉県の大規模マンションに関するレポートを最新情報化。
まあ、売れていませんね。
昨日も江戸川区と台東区を回りましたが、
目立つのは実需の弱さ。
トランプがなろうと、ヒラリーが逃げようと、
パクおばさんがやめようと、
2017年の日本のマンション市場は下り坂ですね。

埼玉の大規模マンション
価格 3,490

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11月19日 (土)榊淳司の不動産売却ご相談会

を開催することにいたしました。
不動産の売却に関して、価格や時期でお悩みの方のご相談を
わたくしが無料で受けさせていただきます。
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開催日時:11月19日(土)13時~17時
開催場所:セトル 4階会議室
(東京都中央区日本橋横山町4−11 「馬喰横山」駅より徒歩1分)

11月19日土曜日の13時から17時まで、
私が相談会場におりますので、どうぞご自由にお越しください。
とくにご予約などは不要です。
ただし、順番におうかがいしますので、
ちょっと待っていただくかもしれません。

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