三千世界のアホオヤジを追放したい

もう25年くらいも前のことでしょうか。
私はマンション広告を制作するプロダクションを経営していました。
社員には給料を払い、家族には給料を持って帰らねばなりません。
仕事があれば何でも請け負っていました。贅沢は言えませんから。

当時、今ほどパソコンが使われていませんでした。
広告デザイン案は、たいていがモノクロの手作り。
建物のパースなどをコピー機で拡大したり縮小したりして、
デザイナーが切り取って手で張り付けていくのです。
それで折り込みチラシのデザイン案などを制作します。
今から思えば、何とも原始的ですね。
でも、それよりほかにやりようがなかったわけです。
まあ、それはいいとして。

とある大きなマンションデベへ打ち合わせに行った時のお話。
その会社は経営者の団体みたいなのが作ったとかで、
出資している企業が超一流どころばっかり。
「へえー、こんな不動産屋さんがあるのんかい」と思いました。
土地は、出資会社から回ってくるようなものが多かったですね。
だから「こんな土地、よく買えたねえ」という事業もチラホラ。

「これが次回のチラシ案です」と、デザイン案を見せます。
打ち合わせに出てきたのは40代以上のオッサンが3人ほど。
クリエイターである私の説明をろくに聞きもせず、
「パースが小さいな」というと、若い社員を呼びつけて
「120%に拡大してこい」と命じます。

私が目を丸くしているのを気にせず、
若い社員はコピーを取ってきました。
それを、そのオッサンははさみで切り取って私たちが出した
デザイン案の上に置いてみます。
「ちょっと大きすぎた。110%にしてくれ」
また若い社員がそれをもってコピー機へ。

デザイン案は、当然複数あります。
出てきたオッサンたち全員が、それぞれのデザイン案に対して
そういうことをやり始めたのです。
若い社員も含めて、その作業にかかわったのは5人くらい。
私や広告代理店の営業は、あぜんとしてその作業を見守ります。

私は背筋が寒くなりました。
「こ、こ、こいつら・・・ほんまもんのアホや!」
関西人というのは、日常的に「アホ」という言葉を連発します。
そこにはさして意味はありません。
しかし、ごくたまにほんまもんのアホが現れたりすると、
驚くというよりも、ビビります。正直、怖くなるのです。

まあ、不動産屋さんを相手にしていると、いろいろあります。
しかし、その出来事は本当にいつまでも忘れられませんね。
建物のパースが大きいとか、小さいとかはマジで枝葉末節。
それよりもデザインの中身や表現の方向性を検討するのが本筋。
それを40や50にもなる素人のオッサンがコピーとハサミで・・・
若い社員までコピー取りをやらされているのです。

あとで聞いた話ですが、そのオッサンたちは
出資企業からの出向者、あるいは転籍者だとか。
多分、いちばん使い物にならないオッサンを送り込んだのでしょう。
まま、よくある話です。不動産系子会社は吹き溜まりです。

そんなことをやっていて、会社が続くわけがないですよね。
さっき調べたら2003年に特別清算されていました。
つまりは、存続会社がない倒産・廃業。
あの正真正銘にアホなオッサンたちはどうしたのでしょう。
多分、生きていれば70歳くらいになっているはず。
2003年時点では、まだ現役だったでしょうね。

その会社の名前は「日本新都市開発」。
経済同友会系の名だたる大企業が出資していたと聞いています。
「ニューシティコーポレーション」という子会社は
2009年まで続きましたが、これもあえなく倒産。

しかし、あんなアホなオッサンたちでも高い給料を
もらっていたのだと思うと、日本という国はどこか変。
きっと、同じようなことは今でもどこかで起きているはず。
また、そんなオッサンたちから迷惑をこうむっている
若い社員や外注の業者さんも多いはず。

私は他人には比較的寛容な方だと思っています。
20何年も社員を雇っていましたが、怒鳴ったことがありません。
社員が何かをやらかしても、怒鳴ったからといって解決しません。
また、最終的にはその社員を採用した私の責任です。
自慢じゃありませんが、私の会社は同業他社に比べて
社員の定着率が異様によかったです。
まあ、それも遠い昔の話ですが。

私が許せないのは、前述の日本新都市開発みたいな会社で
白昼堂々とやっている、どう考えても不合理なこと。
本人が一人でやっている分には、まだ被害はひとり分。
それを他の社員を何人も巻き込んで、外注まで巻き込んで
恥ずかしげもなくやっていたことに腹が立ちます。
もちろん、オッサンたちは自分がいかにアホであるかに
まったく気が付いていなかったワケです。

広告チラシのデザイン案の打ち合わせなんて、
デベロッパー側だったら入社5年目くらいの
腕っこき担当者が15分で終わらせることができます。
それもひとりで十分です。
超一流の商社だったら、東大卒の1年生が一人でやっていました。
まあ、誰にでもできる業務ですよ。

どこの会社にも使えない社員はいます。
歳をとると生ゴミよりも厄介なアホオヤジになっています。
そういう社員をとっとと排除しないと、会社はつぶれます。
ところが、日本の法律ではそう簡単にクビにできません。
特に、大企業はやらないし、出来ない仕組みです。

トランプ君は「お前はクビだ」の名セリフで名を挙げたとか。
日本もアメリカみたいに社員をカンタンに
クビにできる制度を導入すべきだと思います。
すでに終身雇用は崩壊しているのですから、
今さら解雇の規制を緩めたところで大きな影響はないはず。
企業側も、カンタンにクビにできるのなら、
正社員の雇用を増やすと思いますよ。
日本の職場には、もっと緊張感が必要だと考えるのは
私だけではないと信じたいですね。

さて、資産価値レポートの更新情報です。
「神奈川の大規模マンション」を最新情報化しました。
今回、新規参入が6物件もありました。多い方です。
驚いたことに、6物件とも長谷工の施工。
そのうちの2物件は明解に長谷工プロジェクトですね。

今やスケールの大きなマンションは
長谷工コーポレーションの独壇場になってきましたね。
三井住友建設はチョンボ続きで大きく後退。
他のゼネコンは価格面で競争ができません。
しかし、果たしてこういう状態がいいのか悪いのか・・・

さらに、湘南の藤沢と辻堂近辺は供給過剰ですね。
今の勢いだと、今後2,3年はその状態が続きそう。
ちょっと怖い感じがしてきました。

神奈川の大規模マンション
価格 6,980

■ヴェレーナシティ パレ・ド・シエル、■エアヒルズ藤沢、■海老名ザ・レジデンス、■オハナ 町田オークコート、■オハナ 淵野辺ガーデニア、■オハナ相武台、■クラッシィハウス湘南藤沢、■グランドメゾン元住吉、■グレーシアシティ川崎大師河原、■ココテラス横濱戸塚ヒルトップ、■ザ・パークハウス オイコス 金沢文庫、■ザ・パークハウス 東戸塚レジデンス、■サンコリーヌタワー横須賀中央駅前、■シエリア湘南辻堂、■シティタワー武蔵小杉、■シティテラス横濱サウス ザ・ガーデン、 ■シティテラス横濱戸塚、■シティテラス横濱綱島、■シティテラス横濱仲町台弐番館、■シティテラス横濱長津田、■シティテラス横濱和田町、■シティテラス川崎鈴木町グランドシーズンズ、■シティテラス大和、■シティテラス藤沢鵠沼エアーズコート・ブリーズコート、 ■ドレッセ中央林間、■パークシティ武蔵小杉 ザ ガーデン タワーズイースト、パークシティ武蔵小杉 ザ ガーデン タワーズウエスト、■ファインシティ横浜江ヶ崎ルネ、■プラウドシティ宮崎台、■ブランズ横浜、■BLUE HARBOR TOWER みなとみらい、■プレミスト湘南辻堂、■(仮)横浜北仲タワープロジェクト、■レストプライムレジデンス


5月13日 (土)榊淳司の不動産売却&投資ご相談会

を開催することにいたしました。
不動産の売却に関して、価格や時期でお悩みの方のご相談を
わたくしが無料で受けさせていただきます。
会場はいつものところです。

開催日時:5月13日(土)13時~17時
開催場所:セトル 4階会議室
(東京都中央区日本橋横山町4−11 「馬喰横山」駅より徒歩1分)

5月13日土曜日の13時から17時まで、
私が相談会場におりますので、どうぞご自由にお越しください。
とくにご予約などは不要です。
ただし、順番におうかがいしますので、
ちょっと待っていただくかもしれません。
ちなみに、前回のご参加も5名様で、
一部の方に待ち時間が多少ございました。
ここ3回ほどは5名様のご参加で安定しています。

「榊淳司のお奨めマンション速報」

購読料 1ヵ月 1,590
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2017/4/23 18:08 Comments (4)

4 Comments

まろたんさん、こんにちは。

私は若者ではありませんが「銭湯の書割り」は分かりません。
12歳までは銭湯に通っていましたけどねえ。

「顔」については大賛成。
いつも書いている通りです。
顔はウソをつきません。
しょーもない奴はしょーもない顔をしています。

昨日、楽しかったですよ。
インテリさんが二人。
その内の一人は知的な超美人です。
昨日は真向かいでしげしげと2時間ほど
眼福を楽しんでおりました。
どうぞ嫉妬してください(笑)。

最近、横須賀か厚木か横田を狙ったミサイルがそれて
この辺に飛んで来たらどうすんべ、
というようなことをチラと考えます。
そっちはそっちで岩国なんてのがありましたね。
まあ、お互いにその時はその時でしょうが(笑)。

麗らかな春の日ですね。そちらはいかがでしょう。

ごきげんよう。

榊淳司

2017/04/25 15:25 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

クドイこと、ですが。
人は、やっぱ「顔」でんな。
場数を、踏めばふむほど、これ、確信ですわ。

チープ・薄っぺらいツラの、オトコ・オナゴ。
「銭湯の書割り」のような、シレッとしたツラ。
まあ「銭湯の書割り」とゆうたって、
きょうびのワカモンには、通じないでしょうが。(笑)

さて。榊さま。
昨夜は「インテリさん」と酒宴だったと。
うらやましい。
嫉妬させないでチョンマゲ。(笑)

まあね。日々を楽しんだものが勝ち。
小生も、その意気で。
深呼吸。季節をふかく吸い込みながら。

さまざまな事があって、今がある。
そして。
今日は昨日よりも、やさしくなれますように。

ごきげんよう。

2017/04/25 14:27 | by まろたん

まろたんさん、こんにちは。

トキオは麗らかな日和です。
今から5月くらいまでが1年でいちばんいい季節。
歳をとると季節に敏感になりますね。
若い頃はなーんも関係ありませんでしたが。

私も人混みは大嫌いです。
田舎ののんびりした風情は好きです。
でも、他人の暮らしに介入してくる風習は嫌い。
知り合いとは水魚の交わりでありたいと思います。
しかし、有象無象は馴れ合いがお好きですね。

拙著などは後回しにして、春の読書をお楽しみください。
アホウばかりの世間ですが、まあ生きるしかありません。
不動産屋が主な仕事相手ではなくなったので、
私も幾分生きやすくなりました。
今日も出版社のインテリさんたちと一献傾けてきます。

それではまた ごきげんよう 榊淳司

2017/04/24 13:01 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

アホウは日本の文化です。
オトコどアホウ、甲子園!(笑)

終身雇用は社畜を生み、
かつ、中高年の給料ドロボーを生みます。
会社・社員ともに、アホウドリ。
今日も、アホウ・アホウと飛んでゆく。(笑)

さて。
トキオで50年暮らし、地方で1年。
いろいろと見えて来て勉強になります。
まず、これだけは断言できます。

人が少ないので「過密ストレス」がない。
この環境に慣れると、あの超過密のトキオでは、
もう暮らせませんわ。実感です。

そのほか、見えて来たもの、感じ考えたこと、
いろいろありますが、それらをベースに今後の暮らし方、
果ては人生の閉じ方を、具体的に決めてゆこうと思念中。

さて。
ここ1週間で、20冊ほどの本を購入してしまい、
なかなか読み切れない状況です。
で、
新著「マンションは・・・」も、まだ読了出来ない状況です。

良い季節になりました。
来週はGWに突入。
またアホウドリが、飽きもせず、
ビンボー臭い行楽に出て行くのですね。(笑)

失礼しました。
ごきげんよう。

2017/04/24 09:25 | by まろたん

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