今回のバブル崩壊パターンは?

世間は完全に夏休みモードですね。羨ましい。
私は貧乏ヒマなし。毎日なんか仕事をしています。
それでも、ここのところは昼寝が日課になりました。
暑くて仕事にならんのと、昼食ビールの飲みすぎ(笑)。
まあ、ひとりの事務所ですからお気軽なシエスタ。

相変わらずマンション市場を眺めているのですが、
新規売り出し物件が激減しているわりには、
既存の販売物件が次々に完成在庫化しています。
それでもって、当然値引きに突入していますね。
だから2017年は「新築マンション値引きの年」といっても
いいくらの状況に陥っています。
まあ、バブルが崩壊する直前の風物詩みたいなもの。

しかし今回の局地バブル、このあとがしぶとそうです。
前回の不動産ミニバブルの時にはリーマンショックという
分かりやすいキッカケがありました。
それに、カタカナ系独立かつ専業デベロッパーが、
バブル崩壊前の2年くらいで目茶苦茶な仕入れをしていました。
その在庫に圧迫されて次々に倒産。
バブルは分かりやすく崩壊しましたね。

今回は、まず今のところキッカケが見えません。
まあ、ある日突然予想もしないことが起こるかもしれませんが。
分かっていることなら東芝の倒産か、北朝鮮の戦争。
このどちらが起こってもキッカケにはなるでしょう。

もしどちらも起きない場合は、ダラダラとした崩壊になります。
現に今、新築でも中古でもマンション市場では
ダラダラとした下落が始まっています。
新築マンション市場では、なんと住友不動産までが値引きや
価格調整を行っている気配があります。
おそらく、全国規模でカウントすると住友さんの完成在庫は
1万戸を突破しているのではないでしょうか。
供給戸数も1位ですが、完成在庫は抜きんでた1位のはず。

中古市場でも値下がりの動きが出ています。
都心の人気エリアは別として、湾岸のタワーマンションなどは
値上がり狙いで購入された住戸が何十戸も売り出されていますが、
成約価格はジリジリと下がっています。
それよりも成約自体が恐ろしく少ないのも気がかり。
実需が細っているのです。

湾岸は特に「オリンピックまでは」という我慢比べみたいな状態。
来年、韓国の平昌で冬季オリンピックが開催されますね。
かなり盛り上がらない五輪になりそうな気配が漂っています。
仮に、年内に朝鮮半島で発火すると開催自体が危機ですね。

東京五輪も、豊洲問題が紛糾したことですっかり熱が冷めました。
次々回の開催地決定でも、2候補しか残らなかったとか。
今後、五輪自体がかつてのような盛り上がりを欠いた大会に
なるような気がしてきました。
私自身、リオの大会なんて、ほとんどテレビを見ませんでした。
まあ、私は何に対してでも斜めからの視線で眺める方ですが。

さて、マンション市場に話を戻しましょう。
新築でも中古でも、価格が明解に下落する要因となるのは金利上昇。
現在、長期金利はゼロかマイナスになっています。
まあ、これ以上は下がらないでしょう。
あとはいつ、どのタイミングで上がるか、ということ。

かねがね、私が注目しているのは来春の日銀総裁の交代。
それをキッカケに金融緩和から引締めに切り替わる可能性大。
何と言っても、現状の景気は悪くありません。
本来なら欧米のように金融引締めに転ずるべきタイミング。
なのにそれをしないのは、ひたすら黒田君の面子ですね。

「物価上昇2%」という目標は、もう何年先送りにしているの?
もはや現況では無理、とみんなが思っています。
だけど、華々しくそれを打ち出した黒田君にとっては
その目標を取り下げることは面子に関わりますからね。
まあお役人的発想の限界です。
「誰か、黒田に鈴つけろよ」の世界になっています。

それでも来年3月には黒田総裁の任期が終了します。
そのあとは誰が総裁になるのでしょう?
それは分かりませんが、誰がなったとしても
金融引締めに転じざるを得ないと思います。

何と言っても、地方の弱小金融機関の経営が大変です。
それこそ、倒産の危機を迎えることもありそうです。
それは財務省にとって何よりも避けたいところ。
彼らの天下り先が弱ることになりますから。

日銀総裁の交代まであと半年。
来年の今頃は、住宅ローン金利が今よりも
上がっている可能性があります。
まあ、上がったとしても0.25%程度かもしれません。

しかし、年に0.5%ずつ上がったとすると、
五輪が開催される2020年の夏までに1.25%の上昇。
いま0.65%で借りるつもりで2020年完成の
タワーマンションなんかを契約してしまうと、
引渡し時には1.9%になっているかもしれません。
仮に8千万円を35年で借りると、月々負担が5万円弱増額。
みなさん、完成の遠い新築マンションの購入契約には
金利上昇リスクを十分に織り込んでください。

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2017/8/12 13:14 Comments (2)

2 Comments

まろたんさん、こんにちは。

地方は貧しいですか・・・・
そんな中で悠々自適なまろたんさんが
まわりに羨ましがられ、妬まれる・・・

いまどき、地方でも都会でも消費生活の
レベルは変わらないように思えます。
しかし、文化面ではハンディキャップがありそうですね。
といいながら、私は劇場や博物館、美術館などには
めったに足を向けません。
ただ、人間のレベルは都会の方がやや高そうな。
興味深い人間と出会える確率も都会でしょうね。

地方は沈没したりしませんよ。
ただ、ただ、静かに消えるのでしょうね。
その運命は今のところ変わらないはず。

ではまた ごきげんよう 榊淳司

2017/08/13 15:44 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

「金利」ですね。資本主義経済は。
例えば、1万円が年利2%で1万2百円になる。
この金利2百円こそ資本主義でしょう。

「不労所得経済」です。資本主義は。
そこに生まれた「新貴族」。それを、
漱石は「高等遊民」と名付けましたね。

さーてと。金利を上げる。
本気ならば「ちゃぶ台返し」を狙ってますね。
「オバ棄て」ならぬ「貧民棄て」ですよ。
自己責任の名のもとに。ね。

総じて地方は貧しいようですわ。しかし、
貧しいからこそ地域コミュニティがカツカツ生きている、
ような気もします。
ホント薄皮一枚、カツカツですよ。

このまま和気あいあいと沈没するのでしょう。
いつ、何が、その潮目になるか。
分かれば濡れ手に粟ですが。(笑)

ごきげんよう。

2017/08/13 12:01 | by まろたん

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