パクスアメリカーナは終わらない

私は物事を大きな視点で考えるのが好きです。
今のところ、私の専門畑はいちおう
「マンション」ということになっています。
そこで、マンションという文化がいかに日本人の
暮らしと社会に影響を及ぼしたかということを

マンションは日本人を幸せにするか 集英社新書

という拙著にまとめました。
今日のテーマは、さらに大きく広げたいと思います。
お題は「パクスアメリカーナは終わったか?」
大きいでしょう(笑)。

20世紀の後半は間違いなく「アメリカの時代」でした。
「パクスアメリカーナ」というのは多分、ラテン語。
意味は「アメリカによる平和」となるはずです。

1945年に第2次世界大戦が終結して以来、
世界はあらゆる意味で「アメリカの時代」でした。
ただ1991年にソ連が崩壊して冷戦が終わるまで、
世界は二分されているように見えました。
その実、経済では圧倒的に西側が優位でした。
ソ連の影響力は極めて限定的。
世界中のアホな左翼を扇動していただけのように見えました。

そして今、アメリカの時代が終わるのではないかと、
多くの人が考え始めています。
2013年の9月、アメリカのオバマ大統領(当時)は、
「アメリカは世界の警察官を辞める」と演説しました。

前年、中国共産党の総書記に就任した習近平君は、
アメリカに対して「これからはG2でいこうよ」と
再三に渡って呼びかけ、首脳会談でも提案しました。
C2というのは、アメリカと中国のこと。
つまり、世界の大切な問題は米中両国で決めようよ、
という中国らしく厚かましい提案なのです。
オバマ君はこれに対して漫然と無視しました。

しかし、オバマ君が他国の情勢に「介入しない」という
姿勢を暗に示したことで、世界の秩序は崩れました。
ロシアはクリミア半島を簒奪し、東ジョージアに侵攻。
シリアではアサド政権が揺らいでISが台頭する内戦へ。
中国は南シナ海を武力で奪って既成事実を積み上げつつあります。
北の正恩君が調子こいで何をやっているかはご存じの通り。

カンタンに言えば、世界の「無法者国家」が
こぞってアメリカをなめているのです。
「お前ら、手を出さないんだろ」ということです。
アメリカが国際秩序を乱す侵略国家に対して、
「警察官を辞める」ことになれば、さあ大変。
そこには弱肉強食の帝国主義時代への回帰が待っています。
おバカなオバマ君にはそういう大局が見えていませんでした。
いかにも左翼らしい理想主義者でしたね、あの黒人大統領は。

さて今、中国は全方位に渡って喧嘩を売っています。
インドとは国境紛争、ベトナムとは南シナ海で領土紛争、
北の正恩君とは過去最低の中朝関係、日本の安倍君は大嫌い。
ロシアとは表面上な仲良しですが中身は呉越同舟。
アメリカのトランプ君からは「中国は信用できない」。

しかし、中国には国としての勢いがあります。
2010年にGDPは日本を抜かして世界第2位になりました。
その規模は今や日本の2倍以上。そのうちアメリカを抜くそうです。
経済はよう分かりませんが、外貨はいっぱい持っています。
札束外交で世界の経済小国を露骨になびかせようとしています。

それで日本でも世界でもおっちょこちょいの評論家たちは
「これからは中国の時代だ」「パクスアメリカーナは終わった」
なんてことを言いだしているのですよ。
しかし、本当にそうなのでしょうか?
私はいたって懐疑的です。

私はアメリカという国が好きなわけではありません。
ガサツで、エラそうで、独りよがりな国です。
しかし、彼らの合理的な発想やビジネスの進め方には普遍性があります。
それに対して、現代中国の政治や経済、組織運営や外交には
なんら敬意を表するところがありません。
ただ、強欲でがむしゃらでこざかしい悪知恵だけはよく働く連中。

そして何より、多くの中国人は自分たちの政府や同胞に対して、
これっぽっちも愛着や信頼感を持っていません。
お互いに隙あらば騙してやろう、という魂胆を潜ませています。
そんな彼らが、アメリカに代わって
世界のリーダーになれるでしょうか?

加えて、中国にも中国人にも何ら創造性というものがありません。
彼らがやっていること、作っているモノはほとんどが
西欧諸国で生み出されたシステムや技術の模倣でしかありません。
まあ、唯一あるとすれば「一党独裁型の資本主義経済」でしょうか。

現在、北朝鮮がアメリカに対して脅しをかけています。
巷ただ、よく言われるように第2次朝鮮戦争になれば、
北には勝ち目がほとんどありません。
仮にアメリカが本気になって北朝鮮に対して武力制圧を
行う作戦行動に出た場合、全土を占領するのに2週間でしょう。
先制攻撃をかければ「ソウルが火の海」になることはありません。
ただ、それができないのは大義名分がないからです。
こちらから仕掛ければ、アメリカが侵略国家になってしまいます。

実は、相手が中国でも軍事的にはアメリカの圧勝になります。
核ミサイルを撃ちあっても、通常兵器だけでもそうなります。
今、この世界でアメリカの軍事力は突出しています。
アメリカに対抗できる軍事力を備えた国はないのです。
また、この「圧倒的な1位」の座は、当面揺らぎません。
数年後に中国のGDPがアメリカを上回っても、それは同じ。

中国は世界中に「札束外交」を仕掛けています。
しかし、それによって相手国では何の敬意も育っていません。
だから、今のままではいくら経済大国になっても
中国が世界のリーダー的な国家になる可能性はありません。
何よりも一党独裁を続け、自国民の自由な言論を抑圧している
ような国が、世界各国から敬意を持たれるはずがありません。

この秋、中国では5年に一度の共産党大会が開かれます。
習近平君は権力基盤の構築に余念がないようです。
しかし、彼自身の権力基盤どころか中国共産党の
一党独裁支配自体が今、崩壊への道をたどっているように思えます。
あの国の一党独裁も、そう長くは続かないと思います。
私が生きているうちには、終わっているような気がします。
つまりは、もってもあと20年くらいということ。
もしかしたら北朝鮮の崩壊がキッカケになるかもしれません

つまり、「パクスアメリカーナ」は終わったようで、続いています。
ただ、アメリカ自身が迷っていることは確かです。
オバマ君もトランプ君も、本音では他国に関わりたくありません。
地球の裏側の紛争にアメリカ人の税金を使い、アメリカの若者の
血を流すことには気が進まないのです。
当たり前です。アメリカにとってそれだけの利益がないからです。
だからパクスアメリカーナはいずれ終わります。
しかし、それは今から何十年も先の話だと思います。

仮に、アメリカが世界の警察官の役割を果たさないと、
世界は「切り取り自由」の戦国時代に突入します。
もしも日米安全保障条約が失効すれば、中国は間違いなく
沖縄の領有権を主張するでしょう。韓国は対馬を自国領だと言うはず。
日本はそれこそ自力で領土を守らなければならなくなります。


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2017/8/31 0:10 Comments (7)

7 Comments

トスカ兄さん、こんにちは。

平時に核武装とか言ったら、全然だめです。
安保法案でもあの騒ぎでしたから。
北に核ミサイルを1発撃ちこんでもらったら
すべてが一瞬で解決します。
憲法改正も核武装も半年で可能になるでしょう。
反日諸氏のカボチャ頭は核爆弾を持ってしか
覚醒することはできないのですよ。

それではまた ごきげんよう 榊淳司

2017/09/01 18:37 | by Sakaki Atsushi

まろたんさん、こんにちは。

なるほど・・・と申し上げたいところながら、
私はさほど地方を知りません。
まあ、ご高説の通りなのでしょう。

東京は本日曇り、薄い日差し、曇り、小雨。
なんや、よう分かりません。
ただ、暑さはほどほど。

今日も現調に行きましたが、
美人は3人しか見かけませんでした。
なんでやろ、と思いながら
マンションの悪口を考えていました。

空即是色 ごきげんよう

2017/09/01 18:34 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

うーん。そうだったのか。と認識。
地方では、今どき、男=息子は東京に出すが、
女=娘は「手元」に置いておく。と。

そういうことで、地元には「美人系」が多い。
一方、男は「コレって」のが脱藩、東京へ。
で、残った男は如何?・・・お察し下さい。(笑)

地方での、
夫婦をはじめ「男女カップル」のアンバランスなこと。
このへんの事情、ナゼかなあー、と不思議でしたが、
今、了解、そうだったのかー。ですね。(笑)

つまり、貧しいのです。地方は。
貧民にも「美人系」はおりますよ。
バカですけど。(笑)
それが地元に残る。

ま、貧民だけではなく、ソコソコの家庭の子女も、
「手放さない」地元志向のようで、地元に残る。
でも、やっぱ、バカですけど。(笑)

このあたり、実際、住んで暮らしてみないと、
実感として分からないでしょう。
榊さまの「現調」と同じではないかと。
捜査1課の刑事も「現場百ペン」と言いますから。

はい。
女の美人割合は、東京よりも地方が高めか、と。
男の田子作割合は、やっぱ地方がダントツかと。(笑)

色即是空。合掌。
ごきげんよう。

2017/09/01 17:58 | by まろたん

榊さん、こんにちは。

>日本はそれこそ自力で領土を守らなければならなくなります。

自力で領土を守らなければならなくなったら、中国や北朝鮮の核兵器に対抗するために、自民党政権は核武装を検討するはずです。しかし、理性でなく感情で物事に対処する(らしい)マスコミや一部国会議員などは、絶対反対やでぇぇぇぇと大騒ぎするでしょう。特に、某A新聞、社民党のF女史、民進党の大ウソつきR女史、同党の前科一犯T女史などは、間違いなく金切り声を上げて政府を攻撃します。そういう状況下で、政府は果たして国民の支持を得ることができるかどうか。核兵器を持たないとかなりヤバイ立場に追いやられること必定ですが。

反対の声が強すぎて核武装できないとなると、中国や北朝鮮が震え上がるくらい大量の通常弾頭付ミサイルを保有する必要が生じますが、核武装と比べて費用はどうなのでしょう。核武装する方が安上がりだなんてことはないのでしょうか。まぁ、某A新聞や上記三女史などは、費用対効果がどうであろうと核武装絶対反対ですね。それどころか、敵地攻撃能力を持つことさえ絶対反対かもしれません。反日新聞や反日議員は困ったものです。

ごきげんよろしゅう。

2017/09/01 01:32 | by アル中のトスカ兄さん

榊さま。

結局、アベはお坊ちゃまだった。
所詮、お調子者、クズ・カス、と言うこと。(笑)
ま、そもそも、予想通りでしたがね。

さあ、アベ如きは、ともかく。
大切なのは、わが生活。わが暮らし。
この先、どう、なるのか、です。

消費税UPは、無理でしょう。
政治家であれば、ね。
赤字国債を出し続けるしかない。
私が国会議員であっても、そうするでしょう。

ポスト・アベ。
イシバ。暗い。お前は暗すぎる。(笑)
外務大臣だった、何とかいう、オッサン。
このあたりかな。
やっぱ「顔」でしょう。(笑)

ま、ともかく。
アベは終わった。
あの「オバサン」みたいなツラは、見飽きた。(笑)
おそらく、アホンジンの「総意」ですよ。
如何?

ごきげんよう。

2017/08/31 20:23 | by まろたん

まろたんさん、こんにちは。

東京は朝から降っていた雨が上がったようです。
現調に行きそこねました。

今の日本、バラまくお金が無くなることはなさそうですよ。
基本、日銀がお金を増やせますから。
黒田総裁になってから330兆円も増やしたのに、
インフレはとうとうやってきません。
都心の不動産だけはバブりましたけれど。

高齢化は貧困化。その通りですね。
みじめな老人が増えれば世の中暗くなります。
まあ、私はせいぜいそうならぬように心がけます。
といっても、最後は死ねばすべて解決。

今日は長袖で出勤しました。
おかしな夏です。
さて、どうなることやら。

それではまた ごきげんよう 榊淳司

2017/08/31 13:58 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

日米安保は、そう簡単には終わらないかと。
アメリカにとっても利益がありますから。
ただ「応分の負担」はますます求められるでしょう。
で、日米の「条件闘争」のような厳しい状況が。

北朝鮮をはじめとして、中国・ロシア・韓国と、
内情・内政不安国家です。
日本も、これまでのようにはいかないでしょう。
厳しい選択・決断が迫られる場面も。
そう遠くない、いつか。
今回の憲法改正は、ほぼ流れました。

日本も、この先、貧富の差が広がり、かつ貧民が増えれば、
社会不安は高まるでしょう。人心が荒れます。
高齢化は、即ち貧困化ですね。

今、貧民が大人しくしているのも、
「金をバラまいている」からです。
社会保障というバラマキを。
で、バラまけなくなったとき、何が起こるでしょうか?

先のことは全て「神の領域」ですが、
楽観論は語れません。とてもとても。
ただ、私は先が短い。そういうポジションで、楽観。(笑)

色即是空。
合掌。
ごきげんよう。

2017/08/31 07:50 | by まろたん

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