斬首作戦はいつでも起こりえる

引き続き、北の話題を。飽きた方はスルーしてください。
先ほど、ネットのニュースを見ていたらアメリカの
トランプ君と韓国の文在寅君が電話で会談したとか。
あのー、今日は日曜日なんですけど・・・・
アメリカも韓国も日曜日はお休みです。

まだ発表されていないけれど、安倍君もトランプ君と
電話会談しているのかもしれませんね。
「やあシンゾー、これから任意の時に斬首作戦を実行する。
日本のバックアップをよろしくね」だったりして。

しかし、大方の日本人は「戦争なんて始まりっこない」と
安心しきっていますね。韓国人なんてもっとお気楽。
私がソウルに住んでいたら、少なくとも家族は逃がすでしょう。
事態はそれほどまでに緊迫していると思います。

さて、健忘症の日本人のためにちょっと昔のお話しを。
15年ほど昔のお話しです。その当時のアメリカ大統領は
息子ブッシュ君。1期目でしたね。彼の大統領1年目には
今は記憶も遠くなった「9.11」が起こりました。16年前です。

息子ブッシュ君は共和党の保守派。隠れKKKとも言われています。
でもまあ、トランプ君ほど非常識な男ではありませんでした。
彼は9.11に衝撃を受けます。何といってもアメリカ本土が
テロとは言え大規模な軍事的攻撃を受けたことは百数十年ぶり。
「いったいどいつがやりやがった？」
必死の犯人探しが始まりましたが、すぐに判明。
CIAがアルカーイダという組織をマークしていたのです。
もっとも、犯行声明が出たのは3年後ですが。

アルカーイダがアフガニスタンを拠点にしているというので、
息子ブッシュ君はアメリカ軍を派遣。アフガニスタン戦争が始まりました。
その次に疑ったのが、イラク。サダム・フセイン君はアルカーイダと
何か関係があるのではないかと考えたわけです。

しかし、そこには息子ブッシュ君の恣意的な感情が混じっていました。
湾岸戦争の報復のため、サダム・フセイン君は親父ブッシュ君の
暗殺を企てた、とされています。これは未然に防がれました。
しかし息子ブッシュ君は大統領になってもそれを恨んでいました。
「サダムはダッドを殺そうとした」
そんな奴は殺してしまえ、という単純な感情です。

ここでにわかに「大量破壊兵器」というワードが登場します。
英語では　Weapons of mass destruction、略称WMD。
何かと言えば、核兵器や化学兵器、生物兵器など、
独裁者君たちが持ってしまったら非常にヤバイもの。

あるとき突然息子ブッシュ君は「イラクにはWMDがある」と
言い始めたのです。そして「だから戦争でやっつけないといけない」と
主張し出したわけです。何とも単純で乱暴な議論。
あるかないか分らないイラクのWMDが危険だから、
地球の真裏まで軍隊を送って戦争をしよう、というのです。
そのWMDがアメリカを狙っているという確証もないのに。

サダム・フセイン君はこれを否定します。
「イラクには核武装する能力はない。化学兵器も製造していない」
しかし、息子ブッシュ君はCIAがかき集めてきた「証拠」を
小泉君に示して「な、これで確かだろ」と支援を迫りました。
小泉君も「これはすごい」と、アメリカ支援を決定。

イラク戦争に参加したのは主にアメリカ軍とイギリス軍。
ポーランド軍は非戦闘部隊を送りました。それだけ。
フランスその他の国は「ほんまかいな？」という姿勢。
ロシアや中国は例によって冷淡な様子見。

結果はみなさんご存知の通り。
イラクを占領したアメリカ軍が国土の隅々までくまなく探しても、
大量破壊兵器は出てきませんでした。見つかったのは
拳銃1丁を持って身を隠していたサダム君一匹。
彼はオランダの監獄に送られたあと、どういう法的根拠か
私にはまったく理解できない「人道に対する罪」とかで
3年後に処刑されてしまいました。まあ、同情はしませんが。

さて、勘のいいみなさんはもうお気づきでしょ。
あの時、アメリカは「イラクがWMDを隠し持っている」という
疑いだけで戦争を始めてイラクを占領。サダム君を逮捕しました。
サダム君は「イラクにはそんなものがない」と主張していましたね。
今回、北の三男ブーは「俺たちは水爆を持っている」と豪語して、
その後で実験までしてそれを証明して見せました。

「アメリカ本土まで届くICBMを完成させた」と主張するばかりか、
アメリカに対して次のように嘯いています。
「国を破滅の泥沼に追い込みたくなければ、
朝鮮半島問題から手を引く賢明な選択をすべきだ」
さらに、アメリカ本土まで届くかもしれないICBMを2回も撃ちました。
サダム君とは大違いではありませんか。

北の三男ブーは、明確に大量破壊兵器を所持し、
それをアメリカに対して使うぞ、と脅しているわけですね。
2003年の息子ブッシュ君の行動規範が正しければ、
アメリカ軍は今頃平壌に攻め込んで三男ブーをひっとらえて
いなければいけないことになります。だってそうでしょ！
トランプ君は、なぜにそれをしない？

当たり前ですが、北はイラクよりもめんどくさいからです。
だいたい、本当に核兵器を持っていますね。使われるとめんどう。
また当時のイラク軍よりも今の北の軍隊の方が士気は高そうです。
戦車も飛行機もポンコツですが、やる気だけは十分。
いちおう、ソウルを火の海にできる程度の火力もあります。

さらに言えば、イラクには石油がありました。
これをアメリカの支配下に置けば、「元が取れる」戦争した。
石油業界で成功した息子ブッシュにはそれが見えていたはず。
しかし、北には何もありません。凍土と飢えた住民。
おまけに彼らは怪しい宗教に長年洗脳されているも同然。
そんな国を占領しても収支は赤字になるのが見え見え。
おまけに、お隣の中国との戦争になる危険さえあります。

つまり、アメリカは北と戦争するのが「割に合わない」のです。
トランプ君はビジネスマンですから、そのあたりをよくご存知。
だから、最近はニュースを見ても渋い顔ばかり。
ツイッターでは威勢がいいですけどね(笑)。

さて、トランプ君は嫌でしょうけれど、このままでは
済まされないのではないでしょうか。
北の核武装を認めて日韓をさらに強力な核の傘で守る、
という選択肢はないこともないのですが、
それでは北がますます図に乗って夜郎自大化します。

ここは最小限の武力行使で最大限の結果をもたらす
斬首作戦が実行されるのではないでしょうか。
そのために今、アメリカは必死になって三男ブーの
動きを追っているように思えます。
そして、確実に殺せるチャンスが到来すれば、
一撃必殺の作戦を実行するのではないでしょうか。
しかし、そこは間抜けなアメリカ人たちのやること。
失敗して全面戦争になってしまう可能性もゼロではありません。

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2017/9/18 0:05 Comments (4)

4 Comments

トスカ兄さん、こんにちは。

まあ、大国はご都合主義。
戦争には負けてはいけません。
日本は身をもってそれを知りました。
生きているうちにアメリカが敗戦国になるのを見たいのですが、
まあ今のままでは可能性は有馬温泉。

斬首作戦が成功したら、トランプ君は習君に
「あとは勝手にせいや。核とICBMはなしよ」と
ブン投げるでしょうね。
正男君の長男を送り込むかもしれないし。
北は中国の傀儡になります。
まあ、金王朝よりましでしょう。

また、ご高見をお待ちしています。
ごきげんよう。

榊淳司

2017/09/19 12:50 | by Sakaki Atsushi

まろたんさん、こんにちは。

東京は台風一過で30度近く。
今日の昼めしには冷や麦を茹でました。
いただいたお土産、事務所と自宅に分けて
この秋にじっくりと楽しませていただきます。
ありがとうございました。

さて、嫉妬にはげんなりしますね。
苦しみは分かち合えても、
幸せは分かち合えない、という人間社会の構造。
アホみたいですけど、その通り。
別に向こうも苦しいわけではありませんが、
妬みがベースにあれば同じようなもの。
まあ、気にしません。
生きていてもあと20年と思い定めていますので。

北の問題、ヨーロッパでもトップニュースだとか。
トランプ君が何もしなければオバマ君と同じ。
まあ、年内になんかやると思いますよ。
結果は予測しがたいものがありますが。

世の中、何事も測り難し。
上がったものはいつか下がる。
下がったものはいつか上がる。
そんな中で我々は日々好日と生きるしか有馬温泉。

ではまた　ごきげんよう　榊淳司

2017/09/19 12:45 | by Sakaki Atsushi

榊さん、こんにちは。

＞小泉君も「これはすごい」と、アメリカ支援を決定。

日本は自国の防衛をアメリカに依存していますから、小泉首相(当時)にはアメリカを支援しないという選択肢はなかったでしょうね。自国の存立に関わることを他国に依存している国の政治的最高責任者は、その他国の顔色を常にうかがわなければならないので、傍から見るよりはるかに辛いかもしれません。

＞彼はオランダの監獄に送られたあと、どういう法的根拠か
＞私にはまったく理解できない「人道に対する罪」とかで
＞3年後に処刑されてしまいました。

以前にも触れましたが、力のある者の言動が正義なのですね。気に入らないヤツなどは、法的根拠がどうであろうと適当な理由をつけて抹殺してしまいます。サダム・フセインも東条英機と同じ運命をたどりました。

＞ここは最小限の無力行使で最大限の結果をもたらす
＞斬首作戦が実行されるのではないでしょうか。

金正恩が消されてしまうと、北朝鮮指導部は混乱し、どこで誰が何を決定するのか定かでなくなってしまい、日米韓にとって益々危険な国になってしまうかもしれません。権力が円滑に継承されれば良いのですが、そうはならないような気がします。

ごきげんよろしゅう。

2017/09/19 02:20 | by アル中のトスカ兄さん

榊さま。

北を叩き潰す戦略ならば「今」しかない。
ほどほどの融和戦略＝手打ち式でもイイかと考えているなら、
トランプ爺さん、今回は「吠えて終わり」でしょう。

シナ・ロシア・韓国。
それぞれ思惑があり、連立３次元方程式を前に、
トランプ爺さんも酒量が増えたかなー？(笑)

不動産やの爺さんには、高等方程式は無理筋でしょう。
ドロ臭いカオで、腹巻きに札束を突っ込んで闊歩する、
およそ知性とは縁遠い、町の不動産風情ですよ。
仮に不遇な人生だったら、チンピラとして闊歩した。(笑)

ニンゲン、見た目＝カオが、すべて。
万国共通のセオリーです。
まあ、トランプ爺さんの酒量が増えて終わりでしょう。

台風一過。
タイフーンのことを、古くは野分けと。
タイフーンなんて言葉、明治の翻訳言葉では？

青い空に、こんもりの雲。
しかしまだまだ、秋の雲ではありません。

ごきげんよう。

2017/09/18 12:12 | by まろたん

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