中国が「反日」であるおバカな理由

私が5年近く連載を続けている夕刊フジの金曜発売号に、
2年くらい前から大阪の辛坊さんというジャーナリストの
連載が入ってきました。毎回興味深く読んでいます。
先週発売号で、辛坊さんが中国からジャーナリストとしての
査証発行を拒否されたことが書かれていました。
まあ、さもありなんお話ですね。言論の自由がない国ですから。
私はあの国へジャーナリストとしても観光客としても
入国するつもりはありませんので、好きに書きます。
※国賓とか公賓だったらOKですよ。ハニートラップも歓迎(嘘)。

24日にかの国で5年に1度行われる共産党大会が終わりました。
巷間伝えられるように習近平君が毛沢東や鄧小平みたいな
「永世主席」的な存在を狙ったようですが、やや不発気味。
今回、習君は思い通りに人事権を行使できませんでした。
つまり、彼の絶対的な権力基盤はまだ盤石とは言い難いのです。
しかし、5年後に引き継ぐべき有力候補も
7人の常務委員には入れていません。
だから、習君の3期目があるかどうかはしばらく分かりません。

仮に習君が続投できなければ、かなり面白いことになります。
つまりは、習君時代に悲哀を舐めたり家族が投獄された人々の
凄まじい復讐劇が始まる可能性があるのです。
習君一派は次々に捉えられて獄につながれ、処刑されるはず。
習君自身だってどうなるか分かりませんよ。

そのあたり、普通の日本人には理解できないでしょうね。
中国という国を支配しているのは、言うまでもなく共産党。
共産党の内部ではいつも激しい権力闘争が行われています。
勝てば主流派となって人事権を我が物にできます。
共産党内において、人事こそは利権の根源です。

中国共産党の内部は、大きく3つの派閥に分かれます。
習近平君がボスの太子党。胡錦濤、李克強の共青同派。
江沢民の上海派閥。この3つですね。
習君はまず、上海閥を潰しにかかりました。
江沢民の子分たちの腐敗を暴いて罪を問うたのです。
そして、最近では共青同に狙いを変えている感じですね。

習君のやっている反腐敗運動というのは、
役人の腐敗を撲滅するのが目的ではありません。
太子党以外に属する権力者に罪を着せて排除するのが
その本当の狙いなのです。だから、これからも続きます。
もちろん、反腐敗運動で中国の腐敗がなくなったりしません。
太子党が権力を握ったら、連中が甘い汁を吸うだけ。

それで、中国共産党の権力闘争は日本にどう影響するのか?
ハッキリ言って、ほとんど関係ありません。対岸の火事です。
習君は特別に日本嫌いですから、彼以外の人間が出てくると
日本にとっては多少マシかな、という程度です。
中国が国を挙げて続けている反日政策は、
だれが頂点に立っても続けられるはずです。

その理由はカンタン。中国人には常に政治目標が必要だから。
これも日本人にはちょっと分かりにくいですね。
大半の日本人には政治目標なんてありはしません。
だから緑のタヌキのように政治的には中身が空っぽなオバサンに、
コロリとだまされる人が東京だけで291万人もいるのです。

中国共産党は、いちおう革命政党なのですよ。
革命政党は、常に革命をしていなければなりません。
革命とは、政治闘争の一種です。
つまり、中国共産党が中国を一党独裁で支配する理由は、
彼らが人民を解放する革命を続けていることにあります。

革命には敵が必要です。
彼らは1947年に国民党を台湾へ追い出したので、
軍事的な敵対勢力は国内からいなくなりました。
だから、その後は「大躍進運動」というのを始めました。
農業や工業で大増産をやろうとしたのです。大失敗でした。

毛沢東はこれによって一時的に権力を失いかけます。
そこでおっぱじめたのが文化大革命。
これは共産党の敵を国内や党内に見つけ出して、
彼らを徹底的にやっつけよう、という運動。
まあ、濡れ衣や冤罪のオンパレードですよ。
これは1966年から76年まで続きました。また大失敗。

中国はこの2つの「革命」に失敗したことで、
徹底的に疲弊しました。今では考えられないくらいの貧困国に。
1976年に毛沢東が死んで文化大革命が終了。
その後、鄧小平が権力を握りました。
彼は共産党一党独裁のまま資本主義のシステムを導入。
これは「改革・開放政策」と呼ばれました。
結果的にこれが大成功して中国に経済的繁栄をもたらします。

ところが、経済的に豊かになって世界を知った中国のインテリが
1989年に政治の民主化を求めて北京の天安門広場に集結。
「すわ、共産党政権の崩壊か」という騒ぎになりました。
ところが、共産党政権はこれを戦車で踏みつぶして粉砕します。
何万人という学生や労働者が死んだと言われています。
人民解放軍は人民虐殺軍に変貌したわけです。

これはいかにもまずいですね。共産中国の凄まじい汚点。
この事件で中国共産党は中国を一党独裁で支配するための
「正統性」をまったく失ってしまったのです。
彼らはもう、「人民に支持されている」とは言えない存在です。

天安門事件の処理で頭角を現した江沢民が権力を握ったのは
1990年から1992年にかけてです。
彼は共産党の一党独裁に強い危機感を持ちました。
まずは中国人民に対して自分たちが支配者であることの
正統性をアピールしなければいけなくなりました。

そこで目を付けたのが「日本」という存在。
彼らは1936年以来の日中戦争で日本軍と戦い、
見事に勝利して中国の人民と国土を解放した、
というにわか仕立てのストーリーを構築したのです。

実はこのストーリーには大きな欠陥があります。
大筋において、全部ウソなのです。
約8年間続いた日本と中国の戦争で戦ったのは国民党軍。
共産党軍は最初の2年ほどゲリラ的に戦闘はしたけれど、
あとは延安という奥地に逃げ込んで逼塞状態。
また、ほんの少しだけ戦った初期の戦闘でも、ほぼ全負け。

しかし、中国共産党には政権存続の正統性が必要でした。
彼らはその嘘の歴史ストーリーを固めるために、
大量の「抗日戦争映画」を生産し続けています。
中国国内のテレビでは、毎日何かの抗日モノの
ウソ映画が放映されているそうです。アホくさいお話。

このように、「反日」は今の中国共産党にとって
なくてはならない「正統性」の基本素材なのです。
だから、決してかの国から「反日」色は消えません。
まあ、共産党の一党独裁がなくなれば話は別ですが。

だから、習近平君が5年後に権力の座を追われても、
共産党の一党独裁が続く限りあの国は「反日」。
まったく、げんなりする構造でしょ。
でもね、救いは少しあります。

それは、今も昔も中国人というものは、
自分たちの政府がいうことをほとんど信用していないということ。
これも日本人には理解できないことだと思います。
東日本大震災の時、日本はあの間抜けな民主党政権下でした。
枝野君が原発事故について連日会見を続けていました。

結果的に彼は重大な事実をいくつか隠ぺいしていましたが、
「嘘八百」をほざいていたわけではありません。
そして、多くの日本人は概ね政府の発表を信じました。
「東京が危ない」と勘違いして逃げ出した日本人は少数。

ところが、あの頃に東京の街からは中国人が消えました。
彼らは日本政府の発表よりも自国民の間に流れる噂を信じました。
民主主義である日本では、政府は仕組み的に嘘を付けません。
まあ、時々ウソを言う人はいますけどね(笑)。

中国人は自国政府や共産党のいうことをほぼ信じません。
日本人が日本政府を信じる1割程度も信じないでしょう。
つまりは信頼度がゼロみたいなもの。
でないと、日本に来て「日本製」の工業製品を爆買いしません。
中国で毎日放映されている反日映画では、
日本人は中国人の肉を喰らわんばかりの極悪人集団ですから。
そういう極悪人で嘘つきばかりの国に来たがりませんよね。
ということで、中国共産党の反日映画もただ虚しいだけの存在。
そして、そもそも「反日政策」には中国という国にとっては
何の益もないものですね。共産党支配を続ける材料であるだけ。

高円寺駅徒歩4分、資産価値安定の眺望住宅


10月28日 (土)榊淳司の不動産売却相談会

を開催することにいたしました。
不動産の売却に関して、価格や時期でお悩みの方のご相談を
わたくしが無料で受けさせていただきます。
会場はいつものところです。

開催日時:10月28 日(土)13時~17時
開催場所:セトル 4階会議室
(東京都中央区日本橋横山町4−11 「馬喰横山」駅より徒歩1分)

10月28日土曜日の13時から17時まで、
私が相談会場におりますので、どうぞご自由にお越しください。
とくにご予約などは不要です。
ただし、順番におうかがいしますので、
ちょっと待っていただくかもしれません。
ちなみに、前回の参加者は2組様。
待ち時間は全くございませんでしたが、
次回も同じようになるかどうかは分りません。

「榊淳司のお奨めマンション速報」

よく「榊さんのお奨めのマンションを教えてください」というお申出をいただきます。お勧めのマンションなど、日々変わります。お知りになりたい方は、ぜひ有料メルマガをご購読ください。約3か月(費用4790円)ですべての資産価値レポートのタイトルを一巡します。それでレポートの価格にして数万円分となります。
購読料 1ヵ月 1,590
※購読料金のお支払いはクレジットカードのみとなります。お申込みは コチラから  次のページの右下「カートに入れる」をクリックしてください。

メルマガ


2017/10/25 0:17 Comments (5)

5 Comments

トスカ兄さん、こんにちは。

東アジアの国って、ほんまに仲悪いですね。
日本と仲いいのは台湾にモンゴル。
他はみーんな敵みたいなもの。
まあ、私の生きているうちに変わることはないでしょう。
核戦争でもやってしまえば別ですけれど。

また、コメントをお待ちしています。
ごきげんよう 榊淳司

2017/10/26 17:23 | by Sakaki Atsushi

まろたんさん、こんにちは。

それはちょっとお遍路が無理そうですね。
ここは大事を取られた方がよさそうです。

ここのとこ、20度いかずの日が多かったのですが、
今日の昼間はポカポカ陽気。
しかし、週末はまた台風でしょうか。

人生、ゴタゴタありますねえ。
面倒くさい人間の多いこと。
その半分くらいが嫉妬がらみですけんねえ。
こっちが嫉妬するのやったらやめればいいだけですけど、
相手からのはどうしようもなく・・・

今年もあと2か月。
まあボチボチやるしかおまへんなあ。

ではまた ごきげんよう 榊淳司

2017/10/26 17:20 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

10月もまもなく終わり。
最高気温が20℃を下回ると、やや寒い感じ。
今日は秋晴れで、最高気温は20℃でした。

今日、近所の布団屋で「まくら」を買いました。
ワタシの体型に合わせて作ってもらいました。
金参万円。毎日使うものですからコスパは高い。
「五〇肩」の改善に何らかの効果を期待してですわ。

左足の親指の部分に「タコのような」ものが出来て、
当たると痛みます。
明日にでも皮膚科を受診しようかと思案中。
ミギの五〇肩による右腕の痛みに加え、ヒダリ足の痛み。
歩き四国遍路を、どうしたものかと思案中。
クルマで遍路しても、つまらんですからね。

今年も残すところ2ヶ月・60日。
11-12月のカレンダーを眺めながら、
ツラツラ思考しております。

歳月、ひとを待たず。
ごきげんよう。

2017/10/26 04:41 | by まろたん

榊さん、こんにちは。

>このように、「反日」は今の中国共産党にとって
>なくてはならない「正統性」の基本素材なのです。
>だから、決してかの国から「反日」色は消えません。

中国は、国内政治事情から反日政策を採っているのですか。共産党幹部が自分たちの地位を維持するために芝居を演じているようなものですね。まぁ、どこの国でも政治家は一種の役者のような存在でしょうから、中国だけ特殊というわけでもなさそうです。そういえば、レーガン元大統領は政治家になる前は実際に役者でした。日本でも、小池氏や蓮舫氏などはすぐにでも本物の役者になれそうです。

>そして、そもそも「反日政策」には中国という国にとっては
>何の益もないものですね。

東アジア諸国は、欧州連合のような形態を目指してまずは自由貿易圏を作れば、圏内の経済活動が活発になり、みな豊かになれるのでしょうが、色々と対立があって関連諸国の関係は良好とは言えませんから、そんな構想は見果てぬ夢ですね。我々が鬼籍に入る前にほんの少しでも進展があれば良いのですが。

ごきげんよろしゅう。

2017/10/26 02:03 | by アル中のトスカ兄さん

榊さま。

「子どもより親が大事と考えたい」
と書いたのは、晩年の太宰治。小説・桜桃だったか。
彼は、別のところでこう書いています。
「家庭の幸福は諸悪の根源」と。

まあ、この辺りが「ニンゲンさまの限界」であり、
太宰治は気付いてしまっていた。そうさオナゴを。
文学部の榊さま。如何?

さて本日。
近所のマクラ屋で注文マクラを購入。
なんせ「五〇肩の痛み」を何とかしたいとの思いあり。
では、マクラを変えてみよう。と。

明日はまた整形外科を受診。
が、結局、我が身でしょう。
スタンドアローン。我が身ひとり、と。
が、我が身ひとりと「孤独」をかこつ人に、
人が集まって来る。如何?

人生。
うーん、良き人に出会えた。
うーん、良き時間を持てた。
そう、それらのノスタルジア。
銘々のノスタルジア。
それぞれが、それを胸に抱いて、それぞれが。

「僻むな。妬むな。嫉妬」するな。

ごきげんよう。

2017/10/25 17:46 | by まろたん

RSS feed for comments on this post.


Leave a comment

※こちらへ書き込みいただいたコメントは、承認後全て表示されます。
マンション購入に関する個別相談等こちらへ表示させたくない場合は、
専用フォームからお願いいたします。