柳橋物語・むかしも今も

いったいに、人間とは身勝手なものです。
およそ、自分の利益になることしか考えません。
そんなことは承知しているのですが、
まあみなさん口ではうまいこと言いますから、
ついつい人の好意を信じると、あとで愕然とします。

人情も廃れたものだ、何てセリフは昭和ですね。
今は「人情」という言葉さえ死語になりつつあります。
日本人1億2千万余、食うには困っていません。
住宅まで余っています。なのに路上生活者がチラホラ。

いつか裁判を傍聴した話をここに書きましたっけ。
ひもじさに負けてコンビニで120円のお餅を
2個万引きした60代のおっちゃん被告でした。
前科9犯だったので許してもらえずに裁判。
私は公判を1回傍聴しただけですが、多分実刑ですね。

たった240円の万引きで、あのおっちゃんは
1年くらい刑務所で生活するのでしょうか?
それよりも、おっちゃんの拘留や裁判その他で
国民の税金が100万円以上は使われたはず。
さらに刑務所で面倒みれば、さらに100万以上。
何とも解せない話ですが、それが今の世の中。
たった240円の万引き事件で作られた資料は、
A4の紙で厚さ3センチはありましたもの。

私は今が55歳で、予定では人生はあと20年のつもり。
最近、何事にも無理をしなくなりました。
あと20年だと思うと、何事も「まあええやん」という気持ちに。
例えば、20代や30代、せいぜい40代頃までは
ヒマを見つけては本を読むか酒を飲んでいました。

本を読むのも、半ば「教養を身に付けるため」。
小説などは教養書の合間の息抜き。また、小説を読むことに
少々の罪悪感さえ抱いていました。今は全然。
「あと20年やし、何を読んでもええやん」という気持ち。
もちろん、好きな本なら学術書でも読みます。

ちなみに、今自宅のトイレにおいてあるのは
「京都守護職始末1」という史料本。
これが私にとっては抜群に面白いのです。
まあ、その話はあまりにもマニアックなのでしません。

ここ数日、ぐぐっと読んでしまったのは
山本周五郎の「柳橋物語・むかしも今も」。
いや、これには参りました。心にグサッと刺さりました。
じつに切ないお話が2つ。
最初の「柳橋」なんて、あまりに主人公が哀れで
途中で「もう読むのを止めようかな」と思いました。
でも、最後まで読むとほのかな救いがあって・・ググッ。

ちょっと前に読んだのは伊集院静の「受け月」。
これもほのかに物悲しいお話ばかり。テーマは野球。
しかし、山本周五郎には敵いませんねえ。
わたしは「青べか物語」も大好きです。
わざわざ浦安の記念館を見に言ったほど。
私がそういうことをすることは滅多にありませんよ(笑)。

昨日はテレビの地上波で放送された「シン・ゴジラ」を
しげしげと観させていただきました。
なかなか良くできていましたね。でもそれだけ。
今朝起きてから、今まで忘れていました。

最近、人間の「死」ということをよく考えます。
人間というのは死んでしまえばお終いです。
死んだあと、何年かは誰かが覚えてくれています。
法事なんていうのをしてもらえる幸運な人もいます。
でも、それもせいぜい5、6年のこと。

その人が残したモノもキレイさっぱい捨てられます。
まあ、一つか二つは誰かに使ってもらえたり、
どこかに飾られたりするかもしれません。
ただ、その程度のことです。

私は霊魂を信じません。
まあ、強い怨念が浮遊電子になって、
ある種の能力を持った人間の感覚に映像として
捉えられるようなことがあるかもしれません。
しかし、それもせいぜい死後数年間のことでしょう。
つまりは、その人の生きた証などいうものは、
死んでから数年たてばきれいさっぱりなくなるか、
あるいは人の心から忘れ去られるということ。

それは、金持ちでも貧乏人でも同じこと。
美人でも不美人でも、賢者でも愚者でも、同じ。
だから、阿波踊りの「同じ阿保なら踊らな損損」となります。
あれは人間というものの本質を一言で言い当てていますね。

私は自分勝手に人生をあと20年、と考えています。
そう考えれば、何事にもこだわりがなくなります。
まあ、元々が淡泊な人間です。「飄々としている」と
言われてきた私の人生が、さらに「淡々」となっています。

他人を見ていて、「あーあ、かわいそうに」と思うのは、
いつも何かしら不平不満を抱き、それを口にする人。
自分のいる組織やまわりの人々、あるいはネットや
テレビやその他のメディアに出ている人々の誰かに対して、
「憤懣やるかたない」という態度を隠さない人々。

私という人間は、最近ますます世間のあらゆる事象について
「どーでもいいやん」、「そんなん死んだら終わりやん」と
考えるようになりました。
しかし、いちおうは目の前の暮らしがあったり、家族のことや
関わりのある人々、約束したお仕事があります。
さらいいえば、借金は返さねばなりません(笑)。

また、私は他人に対して自分の意見を表明することが仕事。
だから、マンション関連のアレコレについて書いたり
話したりする日常を送っています。
まあでも、基本は「どーでもいい」といえば「どーでもいい」。
こう言うことを書くと怒られるかもしれませんが(笑)。

まあしかし「柳橋物語・むかしも今も」みたいなものを読むと
「もうちょっと真面目に生きなあかんのかいな」と思います。
といいながら、別に何も変わらないのですが。

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2017/11/13 15:26 Comments (4)

4 Comments

トスカ兄さん、こんにちは。

私もそうだと思いました。
そのおっちゃん、成人してからの人生の大半を
刑務所で過ごしてきたそうです。
といって、特に悪人には見えませんでした。
まあ、普通には生きていけないタイプなのでしょう。

借金ねえ・・・(笑)。
私の死んだ父は借金が大嫌いでした。
きれいに借金ゼロで死にましたね。
岳父もそうです。あの年代はそうですね。
私は一時1億超の借金があって自慢の種でした(笑)。
すると、高校の同級生に
「ワシは3億や」といわれて、シュン。
まあ、あんなものはないに越したことがありません。
低金利なので借りねば損、
みたいなことを言う輩がいますが、
借金は借金ですからね。

ではまた ごきげんよう 榊淳司

2017/11/15 13:24 | by Sakaki Atsushi

榊さん、こんにちは。

>ひもじさに負けてコンビニで120円のお餅を
>2個万引きした60代のおっちゃん被告でした。

私が想像するに、このおっちゃんは刑務所に戻りたかったのではないでしょうか。まともに生きてはいけないから、もうずっと刑務所で過ごすことにしよう。しかし、根っからの悪人ではないので、コンビニにはあまり迷惑をかけたくない。そこで、120円のお餅2個だけ失敬した。何だかちょっと悲しくなります。おっちゃんだって、まっとうな人生を送りたかったでしょうに。

>さらいいえば、借金は返さねばなりません(笑)。

現代では、借金することを「ローンを組む」と言う場合が多いようですが、これは借金という言葉に抵抗を覚える人がいるからでしょうね。カタカナ語を使って語感を和らげ、大いに借金してもらおうと、金融機関かどこかの知恵者が企んだのかもしれません。前出のおっちゃんにもそういう才覚があれば良かったのですが。

ごきげんよろしゅう。

2017/11/15 01:20 | by アル中のトスカ兄さん

まろたんさん、こんにちは。

私の理解では「明日は明日の風が吹く」は
「風と共に去りぬ」の最後のセリフではなかったかと。
まあ、どーでもいい話ですが。

文藝春秋オピニオンをツラツラと読んでいると、
みなさんかなりとんがったことを書いていますね。
「ローンを払って自宅を買うのは古い」とか。
もしかしたら、そういう風習は平成が終わるとともに
廃れるかもしれませんねえ。

しかし、まろたんさんの世代は
そういうことから一切逃げ切れるはず。
うらやましいですよ。

ではまた ごきげんよう 榊淳司

2017/11/14 13:37 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

拝読致しました。2018・100傑。
タワマン問題、ご指摘の通りです。が、
それ以外のマンションも含めて「時限爆弾」ですね。

総人口の減、少子高齢化、これも時限爆弾です。
国家財政問題も時限爆弾。
じわじわと迫って来ますから、気がついたときは・・・!。
あと20年くらいは、フタをして凌げそうな、でしょうか?

ま、その時限爆弾の処理は、ワカモンのミッションです。
時代の変化には勝てませんもんね。
漱石先生の言う「高等遊民」も、暫くは安泰かと。
ニッポン、今や「一億総高等遊民」ですから。(笑)

むかし、石原裕次郎が歌いました。
「あしたは明日の風が吹く」と。
今や、日の本ジン、その「風」すらも気にしていません。
「どこ吹く風じゃい」と。(笑)

日々是好日。
これで、ワタシ、右肩の痛みさえなければ、
「アリガタヤ節」なのですが。(笑)

ごきげんよう。

2017/11/14 12:23 | by まろたん

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