マンションを買う、というリスク

モンゴル出身の相撲取りが喧嘩しようが休場しようが
私にとってはどーでもいい話です。
「もっとおもろいニュースはないんかえ？」と言いたい。
どうして世間はああいうことに騒ぐのでしょう？

最近、地味に興味を持ったのは東芝の増資。
村上ファンド出身者が増資を引き受けたので、
来年3月の債務超過は逃れられるとか。
しかし、株式は希薄化するのでたとえ東芝が
立ち直っても大儲けはできなさそうな。
まあ、立ち直ったところで外国の投資家に
持ち分を高値で売りつける可能性はありますね。
5年後は東芝もシャープみたいに北京語人士の会社？

さて、たまにはマンションのお話でもしましょうか。
私のように新築の市場をくまなく見ている人間にとって
「これで大丈夫なん？」とつぶやきたくなるほど、
売れていませんね。あのリーマンショック直後並み。

それで倒産が出ないのは、プレイヤーが大手ばかりだから。
あるいは、親会社が別業種だったりする会社だから。
はたまた、郊外で「ほんまにそれやるの？」といった
無茶な開発がほとんどなくなったから。

多分、「売れていない」度は10年前とさして変わりませんよ。
で、この先どうなるかというと、ひたすら先細り。
つまり、新築マンションの供給が減っていくわけです。
それでもって、在庫は値引きで何とか処理。

住友不動産がはっきりと舵を切ってきました。
傍で見ていると「築1年半以上経過した物件は値引き」
という感じではないでしょうか。
築2年の声を聞かずに完売します。やや不思議ですが(笑)。
私が見ていて、未だに値引きをしないのはゴールドクレスト。
それ以外は全デベロッパーが値引きをしています。

当たり前ですが、個人所得はちっとも上がっていません。
マンションの価格だけが値上がりしても、付いていけません。
それでも何とか格好がついていたのは、金利が低いから。
今なら年収の7倍や8倍でもローン審査が通ります。
いってみれば異常な状態ですよ。

マンションというのは、買いたい人はいつでも買いたいもの。
今が高い、と分かっていても買いたいもの。
あれはまさに「買いたい病」ですね。
「買いたい病」の人が一定数いるので、この業界は持っています。

しかし、私は何でマンションなんかを買いたがるのかサッパリ。
私も過去には区分のマンションを何戸か保有していました。
毎年、管理組合総会前の議案書を読むたびに
「これははよ売らなあかん」と思いましたよ。
もう今は、ほとんど全部売ってしまいましたが。

すべてのマンションには寿命があります。
いずれは土に還るわけですよ。
しかし、区分所有だと何人もの権利者がいます。
彼らがほぼ全員合意しないと、何もできないのがマンション。
「ああめんどくさ」ということがいっぱい。

あと10年もすれば、この国には築50年超のマンションが
山のように出てきます。その数は決して減りません。
老朽化マンションは増加する一方です。
確実に社会問題化しますね。

多分、港区あたりでも築50年のマンションが
坪100万円くらいで買える時代が来るはずです。
そうなれば、赤坂あたりのワンルームの賃料は
月4万円くらいになっている可能性があります。
いまでも7万円の家賃で借りられる物件がありますから。
まあ、インフレになれば話は別ですよ。

次に東日本大震災クラス以上の地震がやってきて、
東京でも５，６日電気が止まったりすれば、さあ大変
その1年後には豊洲あたりのタワーマンションなんて、
入居率が半分くらいになっていることもありえます。
わざわざリスクの高いタワーに住む必要はないわけで、
住まいは余っているので低層住宅を安く買ったり
借りることも可能な状態になっているでしょうから。

そうなれば、タワーマンションの20階とかそれ以上に
住んでいると「あんた、なに考えとんの？」という目で
みられるようになりますね。
そういう未来の光景を、誰も語りません。

この国から土地神話がなくなって数十年が経過しました。
しかし、土地神話の幽霊みたいなものは生きています。
あと、煙と同様に高いところに昇りたがる・・な人種も健在。
その幽霊と・・が、今の都心バブルの根っこを支えているのです。
いってみれば、幻想。ものすごく脆弱な幻想。

しかし、世界経済を支えているのも幻想。
これが崩れそうで崩れませんからね(笑)。
ただ、日に日に懐疑派は多くなっているように思えます。
そして、幻想はどこまでいっても幻想です。

高円寺駅徒歩4分、資産価値安定の眺望住宅


12月2日 (土)榊淳司の不動産売却相談会

を開催することにいたしました。
不動産の売却に関して、価格や時期でお悩みの方のご相談を
わたくしが無料で受けさせていただきます。
会場はいつものところです。

開催日時：12月2 日（土）13時～17時
開催場所：セトル　4階会議室
（東京都中央区日本橋横山町４−１１　「馬喰横山」駅より徒歩1分）

12月2日土曜日の13時から17時まで、
私が相談会場におりますので、どうぞご自由にお越しください。
とくにご予約などは不要です。
ただし、順番におうかがいしますので、
ちょっと待っていただくかもしれません。
ちなみに、前回の参加者は5組様。
待ち時間が多少発生しましたが、
次回も同じようになるかどうかは分りません。

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2017/11/21 0:05 Comments (6)

6 Comments

奏子様

楽しいコメントをありがとうございます。
少し柔らかいもので、肩など叩かれるといいでしょう。
多分、奏子さんは私よりも長生きされるので、
湾岸がどうなるのか見届けてください。
あの世でご報告を聞ければ幸いです。

飲み会は現在、参加表明13名。
女性も奏子さんの他に1名いらっしゃるようです。
メディアに地主にコンサル、ベンチャー、不動産屋など
いろいろなお方がヨタ話をしにやってきます。
どうかお楽しみに。

ごきげんよう　榊淳司

2017/11/24 13:22 | by Sakaki Atsushi

こんにちは。
最近、年収の10倍のフルローンが通りました奏子です。
買いませんが。

つい3年前に自宅マンションを選んだ時との相場感の違いに、
目玉がどこかに行きそうです（汗）

私が平均寿命まで生きたら人生あと50年も残っているので、
湾岸タワマンの悲惨な末路を見るかも知れませんね。
スラム化が先か巨大地震が先か。。
いずれにしろ、如何に損をせず立ち回るかにおいて頭を使うことは厭わないので、
少しでも楽に楽しくをモットーに頑張ることにします。
（それでも体は使わない面倒臭がり）

海好きで夜景好きではありますが、、
一瞬でも湾岸タワーを候補に入れた自分を殴りたいです。
（痛くないように柔らかいもので）
おしゃれなベイエリアは、遊びに行く場所にしておきます～。

追伸、飲み会でも楽しいお話を楽しみにしております。
心はおっさんです（笑）

2017/11/22 17:58 | by 奏子（Kanako）

トスカ兄さん,こんにちは。

マンションはメンテナンスを続ければ
100年くらいは持つと思います。
あるいはそれ以上。
でも湾岸のタワーマンションは無理です。
潮風がコーキング剤をダメにします。
今はその実験中(笑)。
だから、逆張りはお奨めしませんね。

ではまた　ごきげんよう　榊淳司

2017/11/22 13:12 | by Sakaki Atsushi

榊さん、こんにちは。

＞あと10年もすれば、この国には築50年超のマンションが
＞山のように出てきます。

私は大学生の頃、中野区のマンションNに住んでいました。そのNは1972年6月完成ですから、現在築45年5か月です。そんな古い物件がなななんと坪約133万円で売りに出されているのです。数年前はその半値以下でした。大規模にリフォームしたのだとしても、どないなっとんねんと言いたくなります。あと何年使えるか分からないのに、坪約133万円も出す人がいるのかどうか。

＞その1年後には豊洲あたりのタワーマンションなんて、
＞入居率が半分くらいになっていることもありえます。

そうなると価格は暴落するでしょうが、時が経ち、地震の忌まわしい記憶が薄れて行くに連れて、価格は上昇するかもしれないので、逆張り派にとっては絶好の買い場になる可能性もありそうです。

ごきげんよろしゅう。

2017/11/22 00:42 | by アル中のトスカ兄さん

まろたんさん、こんにちは。

今日の東京は少し暖かいですね。
しかし、当方はいろいろトラブル。
トラブルとトラベルは語源が一緒だとか、
どこかで読んだような記憶が(笑)。
別にトラベルしていなくてもトラブルは起こります。
ただ、原因は常に自分にありますね。
何もないのに火の粉が降りかかることは
ないとは言いませんが、まあ数年に1度くらい。

ウソというのはトラブルの元ですね。
私はその代償をよく知っているので、
なるべくウソは言いません。
まあ、言わないことはたくさんありますが(笑)。
女性は一般的にウソと親密性が高いですね。
ウソをついても早々咎められません。
とくに、酒場にいる女性は。

思い出に生きる・・・
私にはさほどいい思い出がありません。
何人かの女性に対して申し訳ないな、
というのがありますので、
最近はなるべく振り返らないように(笑)。

まあ、あと20年ほど生きて人生を終えられれば
それでいいかいなあ、と思っていますよ。

ではまた　ごきげんよう　榊淳司

2017/11/21 14:18 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

御意。区分所有は時限爆弾です。
齢７０目前のワタシ。女房コミの寿命から考えても、
住居必要期間は１５年ー２０年かと。
そうカウントしますと住宅は消耗品ですね。
リセールなんて考えていません。使い捨て。(笑)

ですから住宅に求めるのは使用価値だけ。
将来の時限爆弾は「良きに計らえ」ですわ。
人生、ゴールが見えてきますと、こんなもんかと。
今のニッポンが抱えている他の大きな時限爆弾も、
すべて「良きに計らえ」ですわ。(笑)
敢えてニヒリズムと言えばそうでしょう。

＞真っ赤な夕陽にカモメ飛ぶ。
＞しあわせでしたあのころは。
そんな歌のヒトフシ。
思い出だけでしょう。人生、詰まるところ。
思い出はトシヨリの特権である、という主旨のことを、
五木寛之さんは近著に書かれております。

人生とは？
チェイホフ「三人姉妹」でしたか。
終章、妹ナターシャが問う言葉に、姉が答える。
「それが分かったら。それが分かったらね」と。

･･･そして、だれもいなくなった。
と。
フクイチ・メルトダウンで逃げ出し、
だれもいなくなった近傍の町並み。
あれって、なんなんでせうね。

トシヨリのネゴト・タワゴトでした。
ごきげんよう。

2017/11/21 02:02 | by まろたん

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