日本人というのは、不動産を買うことについて
異様な興奮状態になる遺伝的な何かを持っていますね。
しょっちゅう売り買いをしていると、平静にできるようになります。
でも、普通の人は一生のうちで2回か3回ですね。
だから、その2回か3回の時に大騒ぎをするのです。
先日、小学館から「正直不動産」の第二巻が届きました。
さきほど、読了。いや、おもしろい。
近々夏原さんたちにお会いする機会があるのですが、
ますます楽しみになりました。
不動産屋というのは、世間的にかなり悪いイメージを持たれています。
一般人は何かあるとすぐに「騙されるのではないか」と思われます。
実際、そういう類の方がいないでもありません。
しかし、私の持っている不動産屋へのイメージは少し異なります。
私は広告屋時代の約20年。マンションデベや販売会社の
お方たちと接してきました。
新卒から新築マンションの販売に携わってきた人に対しては
「アタマ悪いのに抜け目ない」というイメージがあります。
新築マンションの販売というのは、数ある不動産屋の類型の中で
わりあい仕事がカンタンな部類に入ります。
特に人気のある物件の販売に携わったりすると、超カンタン。
だって、客の方から「売ってください」とやってきますから。
業界ではだいぶ少なくなりました、私以上の年代の人は
平成大バブル以前の「何でも売れた」時代を経験しています。
マンションを買うためには、必ず抽選で
当たらなければいけなかった時代です。
そういうところがこの業界への入口だった人は、
かなり始末の悪いビジネススキルを持っています。
つまり、物件とは基本的に「売ってやる」ものであり、
客は「ありがたがって買うべき」存在だと、
心のどこかで思い込んでいるわけです。
まあ、賢い人はとうにこの意識から脱殻していますが、
そこから抜け出せないまま生き残っている方もいます。
そして、さらに始末の悪いことに、そういう邪悪な意識は
アタマの悪い新人たちに連綿と受け継がれていきます。
「悪貨が良貨を駆逐する」という図式ですね。
先輩たちの悪質な認識を引き継いでいる後輩たちがわんさか。
彼らは、日本人が不動産に対して抱いている
冒頭に上げた不思議なパッションを上手に利用します。
盛り上げて、おだてあげて、のせまくって、
最後は契約書にハンコを押させるのです。
そして、ハンコを押させたらおだては幕引き。
新築なら引渡し、中古なら決済という仕上げがあるだけ。
新築の場合、契約後はオプションや内覧など、
何回かの手続きがありますが、難易度は低いですね。
購入者は夢見る日本人ですから、夢の新居を楽しみにしています。
内覧会というのは普通に真剣勝負の場なのですが、
多くの購入者は「新しい住まいが完成した」くらいにしか
理解していない場合がほとんどです。
そして、残金決済(ローンを実行)して引き渡してしまえば、
あとはアフターサービス部門の仕事です。
担当した社員はとっくに別の現場で別の新築マンションを
販売することに勤しんでいます。
「売ってやったのだから、俺たちはもう知らねえ」
このブログの読者さんは「ウソだろ」と思うかもしれません。
しかし、現実的にはそう考えている担当者がほとんど。
そういう彼らも40を超えると現場には出なくなります。
若い兵隊たちを後ろで操る立場になります。
少し誤解なきように行っておきますと、
40過ぎても新築マンションの販売部門にいるようなタイプは
管理職であっても兵隊であっても完全に「アタマが悪い」はず。
新築マンションを開発分譲するデベロッパーの社内で、
いちばん「アタマが悪い」と思われる人間が携わる仕事は
「販売」なのです。つまり、モデルルームでエンドの相手をする。
私は有料相談などでよくエンドさんから話を聞きますが、
「担当の方がちょっとねえ」と言われる率はかなり高いですよ。
私はかつて広告屋として何百というモデルルームへ
打合せに出向いて現場の方とたくさんお話しました。
彼らの印象をひとことで言えば「アタマが悪い」。
まあ仕方ありません。不動産は人気業種ではありません。
偏差値が高くてキレッキレに優秀な人間は、新卒の時に
マンションを売ったりする仕事には就いていませんから。
モデルルームでみなさんの相手をしているお方たちは、
あまりパッとしない偏差値の私立文系君たちです。
高校受験に必須の英単語さえ分からない類の人種。
で、デベの中で賢い人間はどんな仕事をするか?
すばしこい奴は仕入れ担当。土地を買う仕事です。
アタマが良くてデスクワーク系なら商品開発。
設計さんと組んでどんなマンションを作るかを考えます。
野村不動産の場合、商品開発の人間はそれなりに優秀。
あの会社はもの凄い競争社会なので、失敗は許されません。
つまり売れない商品を作ってしまったら、おしまい。
だから必死でよい商品を作ろうと様々に努力します。
その結果、プラウドはそれなりのブランドイメージを形成しました。
全盛期の大京は、商品開発の弱い企業でした。
ライオンズマンションはどれを見ても同じように見えました。
一見、高級そうに見せても中身は無個性ですね。
商品力よりも営業力で持っていた会社でしたから。
まあ、今もそういう体質は引き継いでいるようですが。
マンション販売という、私から見れば不動産屋としては
かなり限定的なお仕事を長年やった人が40を過ぎると、
もうほとんど潰しが効かなくなっています。
そのくせ、業界の悪い体質だけはしっかりと身に付けています。
それは、いわずとしれた「消費者軽視」。「売ってやる」体質。
それでいて、アタマは悪いまんまです。始末に悪いでしょ(笑)。
いわゆる不動産屋さんがみんな悪い人かというと、大きな間違い。
街で店を構えて不動産業を営むおっちゃんたちの大半は
かなりいい人ばかりだと私は思います。
お客を騙すようなことはほとんどないはず。
また「売ってやる」体質とも無縁です。
その理由は、地元に根付いている不動産屋は、
その地元で信用を失っては食べていけないからです。
ところが、新築マンションを販売している連中は違います。
売った後のことは自分の責任ではないのです。
さらに言えば、三井のリハウスや東急リバブルとか
野村アーバンネットなど、大手系列の仲介業者も似たようなもの。
彼らは数年ごとに移動するので、大事なのはその時の成績。
いきおい「売ってしまえばどうにか」となりますね。
私は、世間が持っている「不動産屋は信用できない」という
イメージの大半は、そういった無責任体質のマンション屋や、
大手系列の仲介業者社員が作っているのではないかと思います。
まあ、本当に嘘つきな不動産屋もたまにはいますが。
もう半年以上前でしょうか。
大阪のある地域の宅建業者が作る団体の勉強会に呼ばれ
講演をしたことがあります。そのあと、飲み会にも参加。
彼らはしみじみいい人でした。また、まじめ。
彼らは客を騙したりはしませんね。そう思いました。
さて、資産価値レポートの更新情報です。
「東京の大規模マンション」を最新情報化しました。
なんと、新規参入が1物件しかありません。
完成在庫化している物件は多数。
実需の弱さを痛烈に感じましたね。
■グランドメゾン江古田の杜
■グランドメゾン品川シーサイドの杜
■クレストシティ木場
■ザ・パークハウス オイコス 赤羽志茂
■ザ・パークハウス 花小金井ガーデン
■ザ・パークハウス 国分寺四季の森
■ザ・レジデンス ひばりが丘
■ジオ多摩センター
■シティテラスひばりが丘
■シティテラス荻窪
■シティテラス小金井公園
■シティテラス杉並方南町
■シティテラス東陽町
■シティテラス町田ステーションコート
■ディスカバテラス プロジェクト
■TOKYO ALOHA PROJECT
■TOKYO キラリスナ PROJECT
■パークホームズ吉祥寺北グランヴィラ
■ファインシティ王子神谷リバー&フォレスト
■プライムパークス品川シーサイド ザ・レジデンス
■プラウドシティ越中島
■プラウドシティ大田六郷
■プラウドシティ吉祥寺
■プラウドシティ武蔵野三鷹
■ブランズシティ久が原
■ブランズシティ世田谷中町
■Brillia City(ブリリアシティ) 石神井台
■Brillia(ブリリア) City 三鷹
■プレミスト有明ガーデンズ
■プレミストひばりが丘
■メイツ深川住吉
■レーベン多摩センターBeaut
■蘆花公園 ザ・デジデンス
を開催することにいたしました。
不動産の売却に関して、価格や時期でお悩みの方のご相談を
わたくしが無料で受けさせていただきます。
会場はいつものところです。
開催日時:5月26 日(土)13時~17時
開催場所:セトル 4階会議室
(東京都中央区日本橋横山町4−11 「馬喰横山」駅より徒歩1分)
5月26日土曜日の13時から17時まで、
私が相談会場におりますので、どうぞご自由にお越しください。
とくにご予約などは不要です。
ただし、順番におうかがいしますので、
ちょっと待っていただくかもしれません。
ちなみに、前回の参加者は3組様。
待ち時間が多少はございました。
次回も同じようになるかどうかは分りません。
さて、早稲田大学エクステンションセンター八丁堀校での
私の講座が、5月に再び開講されます。
なんと90分を1日に2回。それが2日間の集中講義。
5月12日と19日。いずれも土曜日。13時から16時30分まで。
ビジター受講料13,413円。みなさーん、ぜひご参加を。
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