初々しく、やがてさもしいサラリーマン

4月に社会人となった諸君は、そろそろ4か月。
まだ初々しさを失っていないのか、それとも磨れ始めたか。
しかし、2年もすればいっぱしのサラリーマンらしくなります。
それに安住するかどうかは各人の考え方次第。

私がまだ広告屋だったころ、お付き合いのあった代理店のお話し。
300人規模のちゃっちゃな会社のくせに、営業の常務は
電通の「鬼十則」を社員に推奨というか押し付けていたとか。
そういうことがまかり通っているだけでも、へんでしょ。

でも、その常務は若かりし頃に記録的な売上を残したそうな。
それでどんどん出世して、伝説的なオヤジになってしまったのです。
彼がある営業部署のトップにいるとき、若い社員を
順番に自分の部屋に呼びつけて何時間も説経したとか。
その間、その営業君にお客との約束があっても気にしない。
つまり、その常務にとっては客との約束よりも自分の説教が重要。
ほとんどキチガイですよね。よくそんなことが罷り通ったと思います。

時代は過ぎて、もう10年以上前にその常務はいなくなりました。
しかし、サラリーマンである限りそういう理不尽な現実に
遭遇することはあり得るわけです。私はそこまではなかったけど。
で、その会社のその部門はどうなったかというと、
規模は4分の1くらいに縮小されたけど、まだ生き残っています。

で、「鬼十則」の痕跡が残っているかというと、なーんも。
「鬼十則」どころか「裏十則」の気概もない連中がほとんど。
妙に立ち回りばかり上手な連中が生き残っている印象。
だから、私があの人々に抱くイメージは「こずるい連中」。
度量の狭い奴、裏でカネ回す奴、口先人間、おべっか使い・・
まあ、サラリーマン社会はどこでも似たり寄ったりでしょうが。

私はああいう彼らの外注業者として、20代後半から40代の
20年弱を過ごしました。今から思えば遠い日々。
でも、彼らのさもしい姿を眺めていたからこそ今、
「二度とアチラ側には戻りたくない」と思ってしまいます。

もう20年近く前のことでしょうか、そことは別の代理店の
若い営業マンと仲良くなりました。彼が私に言いました。
「コピーライターになるのって、難しいですか?」
「全然。もしかして、君なりたいの?」
いえ、僕じゃなくてそういう親戚がいて・・・と、
紹介されたのが、その後「アルカイダ君」と呼ばれた若者。

3月に大学を卒業してアルバイト中。うちに来たのが7月ころ。
まあ、海のモノとも山のモノとも分らないので
「最初は時給900円のアルバイトね」ということで雇いました。
当時、後から就職氷河期と呼ばれた時代でした。

そのアル君、コピーを書かせたところ「なんじゃこれは!」の世界。
中学生の作文並みでした。「まあ、使い走りでもやってるうちに・・」
性格はおとなしくて、素直な若者。見かけはアルカイダですが従順。
約1年経過。時給は千円に上げてあげたけれど、ペイしてたかどうか。
紹介してくれた営業君への手前もあるので、短期間でクビもできず。

その頃、私は悩んでいました。「こいつ、どないしょう」
家に帰ると、家人にそんなことを愚痴っていたそうです。
どう考えても、彼はコピーライターになれそうにありません。
そもそも、気の利いた文章を書く、という基本性能に欠けます。

私はほぼほぼ忘れていたのですが、ある時に私は彼に言ったそうです。
「君はもしかしたら向いていないかもしれないよ。向いていないのなら、早めに他の道を考えた方が、君の人生には良いと思うよ」
そう言われれば、そんなことを言った覚えもあります。

「あの社長の一言がなければ、今の私はありません」
アル君にそう言われたのは、それから十数年ののちです。
彼はある時から急に仕事ができるようになり、グングン伸びました。
私のその言葉がきっかけだったそうです。

私は彼のお陰で2,3年ほど、社長として楽をさせてもらいました。
そして彼はうちよりもやや規模の大きな同業他社に転職。
その後も、様々に行き来があり、今に至ります。
彼は今、その転職先の社長。業界では若手の雄でしょう。
もちもん、アチラ側の世界でがんばっています。

不動産広告の世界は、先行きがかなり暗いと思います。
このブログの読者さんならご存知のように、
新築マンションの供給がこの先増えることはおろか、
現状を維持することさえかなり困難です。これ、確実。
つまり、パイは年々小さくなっていくのです。
それを奪い合いながら生き残らなければなりません。
何とも背筋が寒くなる業界でしょ。

アル君はあのさもしい連中とその同業者を客筋にしながら、
今後20年くらい生きていくことになりそうです。
まあ、20年先にも「マンション分譲広告」というものが、
息をしているかどうかは分りません。

コピーを書いたり、広告のコンセプトを作ることなら、
ある程度は人に教えることができます。
しかし、臨機応変に生きる環境を変える方法を
誰かに教えることはできません。
アル君の活躍と経営の順調な先行きを祈るばかりです。

さて、資産価値レポートの更新情報です。
足立区のタイトルを最新情報化。
この区、供給が細っています。
まあ、避ける理由分らないでもありません。
子育てをするにはちょっと勇気が要りますからね。

足立区総集編
価格 1,980万円

1 ファインシティ王子神谷リバー&フォレスト
2 アーデルグラード梅島     
3 ライオンズ竹ノ塚ブロッサムシティ
4 ライオンズ東綾瀬公園グランフォート
5 ルネ北綾瀬

8月25日 (土)榊淳司の不動産売却相談会

を開催することにいたしました。
不動産の売却に関して、価格や時期でお悩みの方のご相談を
わたくしが無料で受けさせていただきます。
会場はいつものところです。

開催日時:8月25日(土)13時~17時
開催場所:セトル 4階会議室
(東京都中央区日本橋横山町4−11 「馬喰横山」駅より徒歩1分)

8月25日土曜日の13時から17時まで、
私が相談会場におりますので、どうぞご自由にお越しください。
とくにご予約などは不要です。
ただし、順番におうかがいしますので、
ちょっと待っていただくかもしれません。
ちなみに、前回の参加者は1組様。
待ち時間はございませんでした。
次回も同じようになるかどうかは分りません。

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2018/7/24 0:05 Comments (0)

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